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学生さんからの質問と、”大学”とは。

note書かないとなぁと時々は思うのだけど全く着手せずで、書こうと思うことはあるのだけれどもダメダメですね(;´・ω・)

さて、先日某薬学部の4年次学部生さんを対象に招聘講師をさせていただきました。

講義は2コマ(90分×2回)で、どう構成してもいいよとのことでしたが
90分は講義に使い
あとの90分は私が出した課題についてのSGD(スモールグループディスカッション)にしようかなと。
思っていたのですが、
後半で前半の質疑応答を15分程度でしましょうかとなった際
とても沢山ご質問を頂戴し、90分全て使い切りました 笑
非常に恐縮、感謝でした。

もう色んな、本当に多岐に渡る質問を頂戴したのですが
1つだけ、これはnoteでも書いてみようかなと思うご質問があったので認めてみます。
質問は

「実務実習で気を付けること、準備しておくこと」


で、ございます。
これはどういう経緯からの質問かというと、
講義中に出てきたとある薬剤を
「この薬なんすかね?」と聞いた時、分からなかった子が複数いたところからです。
「もう半年もしないうちに実務実習行くんだよね?あり得ないぜ?そんな状態で来てもらっては困るよ?」
とか
我々実務実習指導薬剤師は、学生であるアナタ方をゼロから1にする仕事はしません。そんなもんは大学でやってきてください。学生が携えた”1”を100や10,000にしていくのが我々の仕事なんです。ゼロの状態で”さぁ教えて下さい♪”は厚かましいですよ。何しに来たんや?です。そんな状態では来ないように。
なんつー話をしたわけでして。

少し雑談します。

私がここ10年ほど、学生実習に対して特に感じているのは、
医療系、理系に来た本質がまるでわかってないまま5年次に上がる子が増えたなぁってところです。
勿論とてもちゃんとしていたり、センスあるなぁって感心したりする学生さんもいらっしゃいますよ?
誰にも何にも忖度せず言うと、
薬学部が増えたことで学生の質が落ちたと言われているけれど
違うんだよ。
そりゃ一理あるだろうけど、ほんの少しです。
薬学部を落としたのは学力が足りてないのに入ってくる子供達ではありません。
そんなことよりも
教員の質とカリキュラムの在り方に問題がありまくるなと感じているわけです。
勿論、素晴らしい先生は沢山おられます。
文字にしたことですべてを否定しているように思う人もいらっしゃるかもしれませんが、そういうわけではございません。
問題は、教員の質が下がってるのに本人達や学校がそれに気づいてない、気付いてても見ないふりをしていることです。
学生の為に頑張ってるんだと主張されることもあるけれど
そもそも問いたい。

「大学ってナニするところよ」

ですよね。そこを教員が分かってない場面に出くわすときがある。
大学職員なのにまともに研究をしていないなんてザラにあるようだし。
なので大学教員は
「学生の為にナニを頑張ってんだ?」
ってことなんです。

違うんですよね。
そもそも「学生の為に」頑張る必要は無いんです。だって大学だから。
勿論学生の向こうに居る毒親に対しても。

現在は、単位落とすだけで大学にクレーム入れるような親が増えたんだそうですよ。

単位落とすってどういうことか分かってんのかね?
分かってないからクレームなんだろうけど、
「足りてねぇから落ちる」んだってことなんだよ。
あんたの息子や娘、足りてねぇんだよ。
このまま社会に出すわけにいかないんだよだってここは”大学”なんだぜ?
ってことなんですけど、
そういう理屈が理解できない親が増えたそうですね。恐ろしいです。
日本まじやばい。
そういうのに毒される教員もやばい。
まぁ、大変なんだろう。
わかるよ。
言語が違う民族を相手にするって大変だよ。
患者さんでも言語が通じない人に出くわすもん。
だけど、
一般人相手じゃないんだからさ。
そこはちゃんとやってくれよと思うよ正直。
教員が大学というアカデミーの存在意義を分かってないのかもしれない。
そんなわけで
学生さんには特に今一度、
分かってなかった人には今からでもきちんと、
考えてみてほしい。

学生が「導いてもらう」なんてのは遅くても高校までですよ。
ご存じのように義務教育は中学までです。
大学以降は「食らいついていく」「ついていく」が無いといけなくなるんだと。受動的ではダメなんですよ。能動的に考え動けないと。
少なくとも私が高校時代には、高校の先生に「大学とは」と教えられましたし、
中学生の時に通ってた寺子屋みたいな塾で、塾長に教えられました。
中学校や高校は50分授業だけど大学は90分やぞ、とか
大学行ったら、なんなら高校によっては黒板に板書なんか無いぞ。
自分で一生懸命ノート取らんとあかんようになっていくんやぞ。って。
今や高校までは義務教育みたいなもんやけども、なぜ大学が義務教育じゃないのか?って話とか。
今はどうなってますかね?
いま、この現代に於いて驚くのは、
大学教員が「導いちゃって」んですよ学生を。
そしてその向こうに居る親から目線が外せない状態。
本当に、どうなってんだニッポン。です。

こういうのはまだ、幸いなことにかもしれないけど、私立に特に多いですよね。国公立ではまだ、まだそこまで食い散らかされてない感覚はあります。
生き残りは大事なんだけどね。

『篩』が目詰まりしちゃってる状態。

学生も、導かれないと前に進めないなんてもはや「大学=専門機関」じゃないんですよ。
なぜその根本的な理屈が無視されてんだ?って哀しくなる。

というわけで毎度のことですが雑談が結局長引きまして 笑

戻しますね。
実務実習で気を付けること、準備すること
です。
基本的に4年次で国家試験に必要な勉強は全て修了します。
つまり、実務実習を受けるころには
国家試験を受験できるだけの知識を得た状態、の、はずなんです。
そんな中で薬が分からないなんてのは、あってはならないことだと知ってほしいです。
我々の学部生時代は『今日の治療薬』や『治療薬マニュアル』を丸ごと頭に叩き込めと言われました。当然、サマリー等も含め。
薬剤がカテゴライズされているから、特徴が見えやすいからだと思います。

医薬品を頭に叩き込むことは、そうですね、
パンケーキを作るときに材料を揃えますよね。
その「材料」です。
ここからパンケーキを美味しく作る方法や、早く作る方法や
どうしてこの行程が必要だったか?などを考え学ぶのが実習です。
パンケーキ作るのに小麦粉も砂糖も必要って知らなかったから用意してません、では、先に進めません。

ほんの少しでもご理解いただけると嬉しいですが、
結果的に、実習に対する準備は
「大学で学んだことを全て携えて臨む」ことです。
抜け落ちている所を復習しつつ知識として定着させていくこと、
座学では知っていても実際に実践していくこと、それらが”実務実習”です。

再度言いますね。
「さぁ教えて下さい♪」
という姿勢では絶対に来ないでほしい。
「導いてもらう」ことに1ミリの期待もしちゃいけない。
「食らいついて」いくんです。
だって
あなた方、資格を手に社会に出たら誰も責任は取ってくれませんよ。
医療従事者は孤独なんです。知っておいた方がいい。

これから実習に入る学部生の皆さん、
今からでも遅くないので
能動的に、自ら学びに行く姿勢で頑張ってください。