【許可】中古トレーディングカードショップ・リサイクルショップを開業するための注意事項
こんにちは。行政書士の松下夏子です😊
先日、このようなご質問を頂きました。「トレーディングカードショップを開きたいのだけれど、開く前に先にトレーディングカードを仕入れる予定であるが、法律的に大丈夫か?」
最近、事務所の近くに、リサイクルショップが開店しました。
店頭やネット等でトレーディングカードを販売しているお店も増えてきました。
そこで本日は、リサイクルショップや中古トレーディングカードショップを開業する際に必要な許可と、注意事項をお伝えします🖊️✨
開業する前必ず必要な許可
リサイクルショップや中古トレーディングカードショップを開業する時には、警察署へ「古物商許可」という許可を取得しなければいけません。
古物商許可とは?
古物商許可とは、「古物営業法」という法律に定められている許可で、古物を販売したり取引を行う業者がその営業を開始する前に取得をしないといけない許可であります。
「古物」とは
①一度使用された物
②未使用を使用の為に取引された物
③未使用品を加工した物。この③つになります。
古物営業を許可制にする本来の目的は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等の為であります。
法律学的な話になりますが、この法律やこの許可が「なぜ出来たか?」「何の目的で制定されたか」を知る事は、法律や許可を理解する事にとても役立ちます。判断に迷う時の一つの指針にもなってくれます。
古物営業とは?
「古物営業」とは主に次の3つに分類されます。
1号営業(古物商)
古物を「売買」「交換」「委託を受けて売買若しくは交換」する営業を行う時。
リサイクルショップやトレーディングカードショップはこの営業にあたります。2号営業(古物市場)
古物商間の古物の売買や交換のための市場を経営する営業。3号営業(古物競りあっせん業者)
古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法により行う営業。
今回は、「1号営業(古物商)」について詳しく見ていきましょう。
これは古物営業にあたらない?
自分が所有していたトレーディングカードを友達へ売った
→古物営業にあたりません。
古物営業とは、まず古物を売買目的で誰かから購入(仕入れ)し、売る行為になりますので、自分が持っている古物を友達に売ったという程度では商売とはみなされませんので古物営業にあたりません。無償で友達から貰ったものを売る
→古物営業にあたりません。
無償で貰ったというのがポイントですね。古物を買い、別の物と交換する
→古物営業にあたります。仕入れて別の物と「交換」してますね。古物を買い取り使える部品等を売る
→古物営業にあたります。古物を買い取り修理して売る
→古物営業にあたります。自分が売った相手から売った物を買い戻す
→古物営業にあたりません。
許可条件
営業所を設けること
流行りのネットショッピングを行う場合でも、許可申請の際には営業所をどこかに設けなければいけません。自宅でもかまいません。営業所ごとに常勤の管理者をおくこと
申請者や役員、管理者が欠格条件にあてはまらない事
(破産、犯罪 等)
※欠格条件については、こちらのブログに掲載しております。
松山の相続/女性・料金・相談「行政書士まつした事務所」 | 【古物商許可】許可が取得できない欠格条件とは? (matsushita-main.com)
申請書類
古物商許可申請に必要な書類は以下の通りです。
古物商許可申請書
略歴書(過去5年間程の申請者の略歴)
誓約書(欠格条件にあてはまらないか?の確認書です)
住民票(申請者本籍記載のものが必要です)
身分証明書(申請者の本籍地の役所で取得できます)
【適宜必要な書類】
営業所の賃貸借契約書、登記事項証明書、使用承諾書等、使用権限を証する書類。
URL使用権限を証明する資料(インターネット販売をする場合に必要です)
定款の写し(申請者が法人の場合必要です)
法人の登記事項証明書(申請者が法人の場合必要です)
URL使用権限を証明する資料とは?
インターネット上で販売を行う場合、販売するインターネットHP等が申請者のものであるかどうか等の証明を行う資料となります。例えば、以下のような書類です
自分のホームページの画面コピー。
こちらの場合は、一緒に説明書となる「理由書」も添付した方が良いです。自分のホームページではなく、メルカリやアマゾン等で販売をする場合は、そのURLが自分のものであるかという証明が難しいので、こちらの書類添付になろうかと思います。「WHOIS検索」というサイトでドメインの登録者として申請者の氏名が出てきた場合は、その画面をコピーする
以上は、資料の一例です。提出先の警察署によってどのような資料で証明をするべきか変わってくる可能性がありますので、事前に提出先の警察署へ相談に行くようにしましょう。
古物の区分
古物商許可申請では、どのような古物を扱うのかを、申請書にて選択するようになります。選択肢に記載されている古物の区分は以下のとおりです。
美術品類(書画、彫刻、工芸品等)
衣類
時計、宝飾品類
自動車(その部品も含む)
自動二輪車及び原動機付自転車(その部品も含む)
自転車類(その部品も含む)
写真機類(写真機、光学器等)
事務機器類(レジスター、計算機、FAX等)
機械工具類(電機類、工作機械、土木機械等)
道具類(家具、楽器 等)
皮革、ゴム製品類(カバン、靴等)
書籍
金券類(商品券、切手 等)
申請先・申請手数料・処理期間(愛媛県松山市の例)
申請先は、申請をしようとする営業所を管轄する警察署です。
担当は、生活安全課である事が多いです。申請手数料 → 19000円
処理期間(提出してから許可が下りるまでの標準の期間)
申請日からおおよそ40営業日後
許可取得後の注意点
許可取得後の主な注意点です。
許可を取得したにもかかわらず、6ヵ月以内に営業を開始しない、または引き続き6ヵ月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合は、許可を取り消される事があります
次の項目について変更が発生したら「変更届出」が必要です。
(申請者の氏名、住所、営業所の名称、所在地、扱う古物の区分、営業所の管理者の氏名、住所、法人の場合はその役員の氏名、住所)
冒頭の質問の回答
さて、冒頭に記載しました、「トレーディングカードショップを開きたいのだけれど、開く前に先にトレーディングカードを仕入れる予定であるが、法律的に大丈夫か?」の件ですの回答ですが、結論としては、「先に仕入れるだけであっても許可は必要。無許可で仕入れは法律違反になります」
との回答になりますね。
中古トレーディングカードを「買う」だけであっても、それを「売る」という目的で買うのであれば、古物の「売買」にあたりますので、古物営業法的には「古物営業」にあたります。ですので事前に古物商許可取得が必要です。
余談ですが、無許可で古物営業を行った場合、「3年以上の懲役又は100万円以下の罰金」となります。意外と重い刑ですね(;´∀`)
本日の記事は以上になります。
最後まで読んで頂きありがとうございました😊