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合気道で考える「氣」とは何か?:みんな「氣」のせいで生きている
合気道では「氣の妙用」ってな感じで「気をうまいこと使え」という教えがあったりする。
だけどおれは常々思っていた。
「いや、まずは氣がなんなのか教えてくれよ」と。
そんな風に考えてしばらくして、特に明確な答えがあるわけではなさそうなだと気づいたので、自分で考えてみた。
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気がつけばそこにある
そもそも古来の「氣」というのは「見えないけどそこら中にあって、なんらかの作用を起こしているもの」くらいの解像度だったように思える。
元気とか病気とか天気とか、電気とか磁気とか合気とか、気という言葉が色んな単語にくっついているのも、そういうことなんじゃないだろうか。
気づかないだけで、なんにでも、どこにでも氣はあるというのが前提。
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見えないのに見える気がする
最近のことだけど、電車の座席に寝っ転がって煙草を吸ってる刺青の男が学生に注意されて腹を立てて暴行した、みたいな事件があった。
SNSなんかでは暴行された学生に対して「そんな見えてる地雷みたいな人に注意しちゃダメでしょ」というような意見があった。
危ないという人は何が見えていたのだろう?
刺青、座席占有、タバコ……情報だけで危ない気がするのは何故か?
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気にしているから気になる
刺青アームカバーというアイテムがある。
これを身につけてると他人からナメた行動をされなくなるらしい。
多くの人はこの刺青の模様を見ると、毒虫の警告色を見た時のように、ヤバそうな気配を感じ取ってこの人には「気をつけよう」と思うわけだ。
刺青がファッションだという認識の人がいたら、そんな風には思わないかも知れない。
そもそも知識や文化がないとわからないものはこの世にたくさんある。現代アートや茶道の茶碗は価値があるといわれても実際に中に入ってみるまではハッキリと価値を認識できないのではないだろうか?
刺青もそういうものと同じようにわかる人にだけわかる「氣」が出ている。
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気のせいかも知れない
「氣」というのは世界中のあらゆるものの中にあるのだから、見えても別に不思議じゃない。
そして、特定のものに気を留めている時だけ、その中にある「氣」が見えた気がしてくる。
だから見るだけなら別に難しくはない。
気のせいなら幽霊だって気のせいで見える。この世には見やすい「氣」もあれば、見にくい「氣」もある。
多くの人が見えると言っていると見えた気になる。誰もがお金を欲しがるのは、あの紙切れや電子マネーに価値がある気がしているからだ。それは世界規模の盛大な気のせいだ。
(未来を占うサイコロに58万の価値を見出すのもきっと氣のなせる技なのだろう……)
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気を確かにする
相手がしている刺青はインナーかも知れないしシールかも知れない。
もしかしたら刺青を入れるのが痛くて途中でやめてしまった中途半端な人間かも知れないし、威嚇が目的の怖がりな人間なのかも知れない。
あるいは本当に悪い人間だったとしても、自分の方が地位や権力や実力が上だったら、なんでもない相手かも知れない。
氣はとにかく人を振り回す。
中には見えない方がいい氣だってあるのだ。見えるから偉いわけじゃない。むしろ見える気になって勘違いしていることもある。
つまり「気の妙用」っていうのは、こういうわけのわからない気をハッキリと解明して管理しようよってことなんじゃないだろうか?
(この結論も気のせいかも知れんけどね)
おわり
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