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◆葬送のシステムと地獄絵


現世で人が住み、そこで亡くなると山野辺に遺体が送られる。これが「野辺送り」です。
京都の場合、盆地で山に囲まれているので洛中を中心として放射線状に野があり、そこに行く葬列の通るルートが設定されていく。
現世から三途の川を渡り、その野に至るまでの葬送のルートに「辻」があります。
「辻」とは「寺」がある場所であって、最初、洛中には寺院は無かったということです。この辻が死者と最後のお別れの場となります。
この「辻」は あの世とこの世のわかれ道であり、精神と肉体が分離される場所でもあります。

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