コロナの総括
新型コロナが始まって、本当に大変な時期があった。
しかし1番辛かったのは奇跡的な需要を掘り当てかつ自分たちが考えていたリスクヘッジのモデルが作動した後に訪れた。
ちょうど、この後の話である。大体の困難を片付け、20億円の資金調達を実施した際にこの記事を書いたが、後半戦の部分に関しては、どうしても書こうと思えなかったので、2年も放置してしまった。
そもそも採用のために自分たちのストーリーを話そうと言う趣旨のもと書いていたが、20億調達して、これから飛び立とうと言うときにはまだ心の整理がついていなかったんだと思う。
今日は一区切りでその整理がついたので、残りの部分を書き記しておこうと思う。
2020年の冬、
僕らは粉々になったビジネスモデルをなんとか立て直し、攻勢に出ようとしていた。
コロナ禍でやれることを全てやり、なんとか粗利を出した成果を元に資金調達を回っていた。
1年間の地獄を経て、何とか作り出した成長のエンジンに点火するべくVCや事業会社を周り、我々のゴキブリのような生存能力に感心したいくつかの会社が投資を決めてくれた。
実はこの裏で大変なことが起きていた。根回しが全て終わった後で、投資が実行されるだけと言う状況だったが、形式的な偉い人の承認でひっくり返り、リードインベスターが吹き飛んだのである。
人生初めての「鶴の一声」である。
そこから1-2週間は本当に死を覚悟した。幸いながら「捨てる神」がいれば「拾う神」もいてフォローの投資家をリードインベスターに頼み込んでなってもらい、超短期でエンジェルにも出資をお願いした。
リードインベスターがいなくなった案件なんていうのは本当であればみんな手を引いてしまうようなものであるわけだが、株主の勇気に、我々は救われた。(命の恩人である)
この瞬間が1番辛かった。
まさに芥川の蜘蛛の糸、カンダタの気分、希望が見えた上でそれが消える瞬間こそが、人間は1番絶望することがわかった。
そして今日
その「鶴の一声」の主と会食であった。何を話せばいいのか、思い悩んで向かった。
顔を見たら、怒りで震え出すかとビクビクしながら伺ったのだが、幸い1ミリも怒りの感情は出てこなかった。
彼がくれた逆境こそが我々を研いでくれた。それに対しての感謝、それも圧倒的な感謝しか脳裏に浮かばなかったのである。
本当の意味で、コロナが終わったと納得できたのであろう。
また新しいタームでは、新しい因縁が生まれるだろうが、因縁を縁に変えられるようにやっていきたい