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ジャケットについて語る #06 52Hzの鯨

海とか、空とか、宇宙とか。限りなくどこまでも続いているものというのは、今目で見ていて、肌で感じているにも関わらずどこか別の世界のもののような気がしてしまいます。たまにリフレッシュがしたい時に、海だとか森だとかに行きたくなるんですよね。そういった圧倒的な自然を目の前にすると、何故だかぼーっとしてしまうんです。
アキレスと亀、全能のパラドックス、追いついたと思った瞬間にも無限に広がっているように感じる距離や空間。どこか非現実的な世界のような気がして、でもそんな非現実的な世界を目の前にしている自分自身も間違いなくここに存在はしていて、だからこそこの瞬間も自分自身にとっては現実の世界で・・・。倫理でも哲学でも神理でも、どのような観点から切り取っても説明できてしまうからこそ、そんな圧倒的情報量の前に自分自身の脳が停止している、ように感じてしまって、ぼーっとしてしまうんですかね。

まぁそんな小難しい話はさておき、、、有限でありながらも無限の不思議が詰まっているイメージのある海。様々な観点から想像できるからこそ、興味を持てたり共感をしたり、共有をしたくなったりするのかなと思います。
そして2022年6月24日にMATSURIがリリースしました楽曲はそんな海の中で孤独に歌う「52Hzの鯨」が題材となった作品なのです。

5th digital single『52Hzの鯨』

その歌声でコミュニケーションをとっている鯨。海の中では聴覚を頼りに生きている鯨ですが、そのコミュニケーションツールでもある「歌声」が周りの鯨と違うために、呼びかけに応える声が観測されたことがない。それゆえ世界で最も孤独な鯨と呼ばれているのが、今回の楽曲のテーマにもなっている「52Hzの鯨」です。

今回の作品のジャケットは、塩水アーティストとしても活躍されている「ヒラシマ マイ」さんとご一緒させていただいた作品となっています。
塩水アートというのは、塩水や塩の結晶を用いて描き作っていき、水分が乾くことによりその姿を浮き上がらせるという独自の技法で生み出される作品です。そしてこの塩水アートは徐々に塩の部分が変化したり消えてしまうという、美しくて幻想的なアート作品なのです。

『52Hzの鯨』配信ジャケット

海宇宙を想像させるような幻想的な世界の中で、自由に泳ぐ生き物たちが表現されているジャケット。楽曲を聴いていただき、世界観をお話しさせていただきながら制作を進めていただきました。
ヒラシママイさんも元々52Hzの鯨の存在はご存知だったようで、やりとりをさせていただきながらイメージを作り上げていく中でも、「こうしていくのはどうか」「このような事を伝えたい」というのがどんどん突き詰まっていくのが純粋に楽しかったです。
例えば、この52Hzの鯨に回遊パターンがもっとも似てるとされているのがナガスクジラやシロナガスクジラなんですよね。なのでシロナガスクジラのような縦に長いシルエットに寄せていただいたり、実際に52Hzの鯨の姿を見た人がいないという観点から正体不明を表現するために鯨の部分だけぼやけているように表現していただいたりと・・・、楽曲の題材にさせてもらう鯨にもリスペクトの意を込めながら完成した作品となっています。

そして、MATSURIのYouTubeでは『52Hzの鯨』のミュージックビデオも公開中です!

こちらも同様に鯨はシルエットで表現していただきつつ、配信ジャケットで作っていただいた塩水アートのパーツも散りばめられた作品となっています。裏コンセプトとして、絵本・童話のような世界観をイメージしていたのですが、まさに配信ジャケットはその物語の表紙で、ミュージックビデオではその生き物たちに命が宿って泳いでいるような世界も表現できたんじゃないかな、と完成した作品を見て思います。是非改めて配信ジャケットを見ていただいた後にミュージックビデオも見てみてくださいませ。

『52Hzの鯨』の制作を進めていく中で、改めて海にはまだまだ知らない世界がたくさんあるなと感じさせられました。もちろん音楽にも、知らない世界も発見もたくさんあって、きっとここから更に突き詰めていったところでまた新しい発見やひらめきがあるんだろうなと思うとワクワクしますよね。
そんなワクワクを、この『52Hzの鯨』を聴いて下さったみなさんにも届いたら嬉しいです。

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