見出し画像

買い物を失敗したお話1

スーパーへ買い出し。
さあ、何を買おうか。
トマト、レタス、鶏肉、牛肉、サーモン、ヨーグルト…色とりどりの食べ物。

だがしかし好きなものを毎日食べられるわけではない。何故なら私には「予算」というものがあるのだ。
食費に使うのは月に2万円と決めている。
1日約700円。
この毎日の700円との戦いの中でどう美味しいものを食べるか…ここに私の人生の充実度がかかっていると言っても過言ではない!!!

悩みに悩んだ末、私はトマトとレタス、牛と豚の合い挽きの挽き肉を買った。あとは、食パンとヨーグルトと牛乳。

挽き肉は少し高いけど、その分次の買い物の出費を抑えればいい。
今日はずっと食べてみたかったタコライスを作ることに決めたのだ。

家に着くなり炊飯器をセットし、30分でご飯が炊けてしまうという素晴らしく便利な高速炊飯モードに設定する。
熱々のご飯の上にレタスとトマト、味付けした挽き肉を乗せ、最後にピザソースを散らす。
そんな色とりどりのタコライスを想像して、私は戦場へと足を踏み出した。

まずはレタスとトマトを洗い、レタスは細かくちぎり、トマトは1センチ角に切って行く。
冷凍しておいたピザソースを1食分解凍してから、最後に肉の調理に取りかかった。

今回作るタコライスは超時短。
味付けは焼肉のタレだけである。
だが誰が焼肉のタレを否定するだろうか??
どんな食材でも一瞬でジャンキーかつ旨味たっぷりな味にしてしまう主婦の味方だ。
誰も焼肉のタレに抗うことはできぬ。

甘辛いタレの味を想像しながら、私はついにフライパンに火をつけ、肉を炒め始めた

のだが……

臭い。
肉が臭いのである。
何の匂いだろう。生臭いような獣臭のような独特の香り。

慌てて焼肉のタレを回しかける。
もしかしたら体調が優れず嗅覚がおかしくなったのかもしれない。
だが焼肉のタレにかかればらどんな食材も良い香りになる……

ならなかった。

私は慌ててお肉が入っていたパックの表示を見返した。
もしかして消費期限が切れていたものを買ってしまうのだろうか?

違った。

豪州産のお肉であった。

私の母は国産の肉しか買わない女性だった。
「外国産のお肉は美味しくないから」
と、少し高くてもいつも国産を買っていたのだ。

そんな風に育ったものだから、ひとり暮らしを始めてもなんとなくいつも国産のものを選んでいたのだが。
どうやら今日の私はタコライスに浮かれていたらしい。

にしても、なんだこの臭い。

ひと口食べてみたけれど、臭いそのままの味がして、2口目がすすまなかった。

みなさま、ごめんなさい。
私、国産のお肉が好きみたい。
なんでも美味しいと笑顔で食べられるように育ってきたつもりだったけれど、こればっかりは食べられそうもありません。

もう、絶対に間違えない。

そう心に誓った2022年4月17日。

一歩、大人に近づいた気がしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?