わたしが突然松倉担になった夜。
その日は突然やってきた。
淡々と過ごす日々の中で、特別大きな刺激を求めていたわけではないけれど、どこか満たされない日常。
26歳は人生のターニングポイントになることが多いと知り、自分にもそんなことが起こるのだろうかと半信半疑でその歳を迎えようとしていた頃。
何気なく観ていたザ少年倶楽部
Travis Japanが披露していたオリジナル曲
"GET ALIVE"
群を抜いたダンススキルを持つグループだということは私でも知っていた。
そんな中、ひとりの男性に目を奪われた。
松倉 海斗くん。
今思えば一目惚れの感覚に近かったんだと思う。
松倉くんのことは以前からカワイイ子だなという印象が強かった。
・・・が!!!
そのときの松倉くんは『男』そのもの。
言葉じゃとても表現できない。天と地がひっくり返るような。雷に撃たれるような。そんな感覚。
パフォーマンスが終わったあとも、何度も残像を蘇らせては気持ちを落ち着かせるを繰り返していた。
「これは、やばいかもしれない」
このときすでに気持ちが大きく動いていたのは確か。
だけどそれまでの体験からかなり慎重になっていた私。
一度心を落ち着かせて、それでもこの想いが消えなかったら、向き合ってみようと決めた。
嵐のような猛スピードでその時は近づいていた。
なんとその日ISLAND TVにて青倉海斗くん爆誕を発表。
個性が輝くものがスキなわたしにとっては運命とも感じとれるタイミング。
「こんな感覚初めてなんでしょ?なっちゃいなよ!」
「あなたにその覚悟はあるの?冷静になりなさい」
頭の中でホンノウとリセイが大会議。まさにインサイドヘッド。
担当というのは人生を共に歩いていく存在。
春はようやく咲いた花に想いを馳せ、夏はとびきりの暑さを肌で感じ、秋は紅葉を眺めながら心に余裕を持ち、冬は凍てつく寒さにからだを抱きしめる。
四季に合わせてその時の感覚や感情を共有し、成長していく。
何年経っても、こんなことがあったけどあの時も全力で生きていたなと思い返す。
それまでのおたく人生いろんなことがあったけど、今となっては笑って話せる。どれも大切な想い出に変わっていた。
向き合おう。
その夜、再び少年倶楽部をつけた。
「松倉のこと気になってる?」
姉からのド直球の質問。
いつもそう、なんでもお見通しなのだ。
彼女もまた真っ直ぐ人間であるが故
心揺れているときにもハッキリ物申してくる。
どう応えるべきか、緊張の一瞬。
「いいやん!松倉担になりなよ!」
…………ポカン
ホワッツ?ワタシノナヤミ(わたしの悩みとは?)
そうか、いいんだ
なにかがはじけたように
それまでの葛藤がすべて打ち砕かれた
松倉くんが好き。
松倉くんと一緒に歩いていきたい。
大きく深呼吸したのち、希望と決意を胸に
「わたし 松倉担になる!」