ひつじサミット尾州に行ってきた!
先月末のポットラックフェスで知った「ひつじサミット尾州」
尾州は、愛知県と岐阜県の県境にある世界3大ウール織物産地の1つ。ルイヴィトンやエルメスなどでも使われる最高級なウール生地がここで作られています。
「ひつじサミット」は、工場を開く"オープンファクトリー"のやり方で、地域を開いて、広める、今注目のイベントです。
今回は、東京からの貸切新幹線(ひかり)に乗って、このイベントに参加する「ポットラックキャラバン」に参加してきました!
今回の私の目的は2つ。
「ひつじサミット」を知った時、私が不思議に思ったのは、100年を超える工房や会社がどうやって1つのイベントをやってるのかってこと。
だって、いろんな考え方の会社があるはず、じゃないですか?
どうしてそれが1つになれるのか、その秘密を知りたいと思いました。
そしてもう一つの目的は貸切新幹線。修学旅行のようなおとなしい貸切じゃなくて、イベント的な貸切。それってどうおもしろいの?ってことを体感してみたいと思ったのです。
ナビゲーターは、「ひつじサミット」の共同実行委員長である三星毛糸の岩田真吾さんと、最新刊「まちづくり幻想」の著者で地方の仕事をして四半世紀、ボイシーでの吠えっぷりが毎日最高な木下斉さんです。
では行ってみましょう!
貸切新幹線
改札を通らずに団体専用の入り口から東京駅に入り、他のお客さんと混じらないようにという理由で、貸切車両は16号車。
気になる貸切車両のお値段は、全席買い占め分よりも少し安いくらい!?だそう。借りる側としては、これにエンタメもつけて売れるのですから、かなり魅力的な価格設定だと思います。
今回の体験で、おもしろかったのは、飲んで騒いでもOK!スピーカーで大音量もOK!盛り上がりすぎて、席に座らずたちっぱなしでもOK!ってこと。
たまに通りかかる車掌さんだけが平常運転で、みんなが立ってたりするから、通りづらくてちょっと苦笑いしてたようにも見えましたが!
静かに乗るか、食べるか、寝るかくらいしかない、普段の新幹線とは違って、ずっとしゃべりっぱなし。席移動もガンガン。
「アリーナー!」みたいなノリで「16号車〜!」「いえ〜い!」みたいな笑。
昼から大人がワイワイしました。
貸切車両にはオプションがいろいろあって、スピーカーも持ち込める。あと、ヘッドレストカバーがついたり、広告が特別仕様になったり。マイクを使った大音量でイベントが盛り上がりました。いやあ、こんなに音出してよかったの?新幹線?てのが驚きでした。
新横浜までがイベントなしのお食事タイム。そのあとは、途中の駅から乗ってきた人が自己紹介をしたり、トークショーしたり。小田原からみかんサイダー(超おいしい!)が差し入れされたり、静岡のすり立てのワサビ(超贅沢!!)が配られたり。次の駅までのお題が出されて、みんなで考えたり。
よく考えた企画が盛りだくさんで、ずっと楽しめました。
それにしても新幹線は早い!だからどの企画もせわしない。
もういそいそと、プログラムを片付けないと、あっという間についちゃうぞ!ってわけで、移動が一瞬。目的地に着くことは保証されながら、楽しめるをプラス。
非日常の体験でした!
でもね、ただ乗せただけでは、もちろんこんなに盛り上がるはずはなく。
盛り上がった背景は、乗車前に、企画説明や、自己紹介をしていましたので!
しかも、岩田さんが、最高に楽しく!おもしろく!打ち解けられるファシリをしてくださって。それがとっても雰囲気が良く。私のようなひとりものでも打ち解けられて、ありがたかった!!どんな立場の人とも、ニックネームで呼び合って、あっという間に参加者同士が仲良くなりました。
そういう点でも、プライスレスで、とても良いツアーでした!
ひつじサミット尾州🐏
尾州のひみつ
「なんで、100年以上の歴史ある会社や工房が1つのイベントをできるんですか?」貸切新幹線の中で、岩田さんに直接質問してみました。
岩田さんの答えは、「ゆるくふわっと」つながってるから。
もう、ひつじさんの毛のように🐏
「最低限この日に工場を開けて見せてくださいね」というところだけ、お願いして、土日に開けるのか?土曜だけなのか?
そういうことも全〜部、それぞれの工場にお任せ。
だから、みんな参加できるって言ってました。
私など、1つの目標には、みんなでやるっていう、学級委員な考え方でしたので。
発想からしてすごく「ゆるく!ふわっと!斬新!」
これだけハードル下げて、参加費も支払いやすいようにして、たくさんの協賛も得て、実行してるのだそうです。
オープンファクトリーで作る①産業観光
尾州のオープンファクトリーはただの工場見学ではありません。
「工場見学やワークショップ、ショッピングや美味しい飲食などを通して【持続可能性】を体感できるのが「ひつじサミット尾州」です。」
これまで、織物を作るってどういうことなのか、知りませんでした。だから、価値もわからなかったです。
でも、世界的ブランドにも使われるような、最高級のウール生地の生産現場を実際に見ると、その工房の職人技って、本当に繊細。糸を4本より集めて、織機にセットするとか、一定の張力を保って糸を用意するとか、気が遠くなりそうな工程の数々。
一見無地に見えて、実は無地じゃないっていう、生地のパターンは、拡大鏡で見ないとわからないんだけど、糸の配色がとてもきれい。
そして、もう製造されていない、昭和のものと思われるクラシカルな織機だからこそできるという生地の風合い。
まず、尾州のウール生地がどういうものか?その価値を、とてもよく理解できました。
そして、ひつじサミットは工場・工房の公開だけにとどまらず、工房の商品も買えるし、域内の飲食店や文化も、まちを丸ごと楽しめる!イベントになってます。
1箇所でやらない。集めない。
コロナ時代を経てできた仕組みは、リアルなんだけど、分散で。
だからいろんなところに行って、地域を知ってもらって、生産物の価値も高める!そんな産業観光という形でした。
ちなみに、三星毛糸を訪れた夜は、羊の丸焼きとそれに合うビール、軽食にアルコールが準備されてる外でのバーベキューディナー。
もう羊で楽しんで、食べてしゃべって。みんなで椅子運んで、会場作って。
みんなとフラットに交流できる、最高の夜でした。
オープンファクトリーで作る②地域内の連携ととってもいい効果
一つの地域って、外から見れば仲良さそうなんだろなって、勝手なイメージだけど、工場って、本来見せるなんて御法度。そもそもライバルだし、お客さんを取った取られたとか、日常茶飯事。仲がいいはずがないそうです。
門外不出。うちのやり方に文句つけるなみたいな、雰囲気、かもしれません。
でも、オープンファクトリーで、お互いの工場を見せ合って起こったのは、「あそこはこうしたらいいんだよ」っていう。プロの職人同士の意見交換。
それが「いいこと言うじゃん」みたいな。かなり的を得ているそうなのです。
そして、お互いを見せ合うからこそ、お互いがわかって、DXのシステムも共有できるようになるらしい!見せ合うことの相乗効果ですよね!
さらに、お客さんと職人さんが直接話すと、いつもは無口な職人さんがイキイキと語り出す!それが仕事にもいい効果になっているそうです!
ああ!!サミットってこういうことか!
ウールの工場が一堂に会しているからサミット!なのかと思いきや、それに加えて、ここに集う人たちがとてもおもしろい!
そういう人たちが集って、オピニオンリーダーがトークセッションして、刺激的。だからサミット!!
繊維やローカルに関心がある人が一堂に会する、交流会にもなってるのですね!
めちゃめちゃ熱い。考え方が似てるから、話が通じて、おもしろい!
そして、よくよく見ると、みんななんでこんなに、超一流な経歴ばかりなの〜!?って気後れする。だけど、私は後方から、超一流のノリでついて行きますよ。
あとがき
ひょんなことから「見たい!!!」だけを動機に参加したひつじサミット。
たった1日なのに、得られた体験は他のどのイベントよりも大きかったです。
出会う方々が、本当に、もう何か事業や仕事をされてる方ばかり。素敵で。
いつもの居場所を抜け出して、こういう人たちとたくさん交流できたことは自分にとって、大きなインパクトでした。
木下さんが言うところの、ソーシャルキャピタルはこれから積み上げるのですが、この中に、私も混じりたい!今は単なる個人だけど、1年後は一人前に、交流していたいって思いました。
懇親会の場で、来年10月の予定に私がやりたいなあ!と願っているワインイベントを入れてくれた方がいます。「もう、予定になっちゃいましたから!!」って!!
モチベーション保ち、コツコツと。積み上げて行きましょう!
大丈夫!
メェルシ〜!🐏(©︎岩田さん)