#「テキスト」の話

テキストと聞いて何を思い浮かべるかは立場によって違う。学生にとっての「テキスト」とは、1. 教科書や教材、2. 課題やレポート、3. その他の情報源を指す。研究者にとっての「テキスト」とは主に資料を指す。そして私を含むICT技術者にとっての「テキスト」とは文字コードで構成された文字情報のことであり、そこには改行やタブなどの制御文字も含まれる。立場の違いによる言葉の解釈の違いがミーティングや会議などでの障害になってしまう事がままある。そのため、そういった場では最初に言葉の定義を明確にしておく必要がある。
 
さて、私のNPO活動の話だ。事務局を務める私はシステムエンジニアであり、NPOの理事長は学術博士であり民俗学の研究者でもある。立場の違う2人の間で、これまで曖昧だった分野を「テキスト化」する事が必要だという話題になった。しかし話を進めると何だか噛み合わない。「テキストよね?」「そうです、テキスト化です」と話しながら2人は別の「テキスト」について話していたのだった。長くエンジニアとして過ごして来た私には、どちらが一般的な「テキスト」の解釈なのかもわからなくなっていた。このミーティングの元となった書籍を再度読み込み、ネットを検索して一般的な「テキスト」とは何なのかを探究した。そうして、ここはきっと資料としてのテキストと捉えるのが正しいのだとの結論に至った。なんだかどっと疲れたのだった。

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