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1 年頭に思うこと

自分が幼かった頃の正月の過ごし方を思い出してみる。
我が家には毎年大晦日になると父母の兄弟姉妹が集まり大宴会をして歳を越すのだった。父母の兄弟姉妹が集まるのだから当然私の従兄弟たちも集まる事になる。大人たちは酒食を囲んで盛り上がり、従兄弟たちはレコード大賞やら紅白やらを見ながら自分達も歌合戦を始めて大盛り上がりだった。今でもあの頃の楽しさを思い出す事が出来る。しかし、子供たちが成長して親と共に行動しなくなるにつれ、そのような年越しは無くなって行った。今思うと、子供はなぜ酒も飲まないのにあれほど楽しめたのだろうと不思議になる。
 
以前、「チコちゃんに叱られる!」で「大人になるとあっという間に1年が過ぎるのはトキメキがなくなったから」との説が紹介されていた。要するに子供はやたらめったらトキメキを感じているのだそうだ。幼い頃の年越しの、あの楽しさは子供ゆえのトキメキから起こっていたらしい。
 
歳を取れば取るほど、あらゆる事を意識的におこなう事が求められる。意識してアゴを引いて丹田に力を入れなければ、丸まった見るも無惨な姿勢になる。意識してトレーニングをしなければ、筋肉はどんどん痩せ細って通常の歩行もままならなくなる。ヒザは曲がり腹は出て胴体を一周する浮き輪のような贅肉が付く。優秀なビジネスマンを例える「鍛え上げられた笑顔」という言葉に出会った事がある。笑顔すら意識して鍛えるのでなければ、商店街の店のガラスに映った仏頂面に驚くことになる。同じ様に前述のトキメキも、意識して表現する事で日常が変化する。いつもの手料理に「わぁ、美味しそう!」と声に出して言ってみる。実際に食べて「うまい!」と声に出して言う。何を見ても「面白いね」と言ってみる。「やってみようか」と言ってみる。
 
2023年は昨年以上にパワーを発揮出来る年にしようと思いながらこれを書いている。後回しにして来た事に向き合って、いつこの世を去る事になっても笑っていられる自分を作り上げたい。愚痴を言わず何に出会っても「よしやるぞ」と声に出して言う。自分を取り巻く縁に感謝し、「ありがとう」と声に出して過ごす年にする。

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