37 物語は続く
ちょっとのお話はボチボチ終わりにしようと思っている。飼い主(私)には物心ついた頃からそばに飼い犬がいて、ちょっとは3頭目の飼い犬になる。飼い主の奥さんにとっても、ちょっとは3頭目の飼い犬なのだった。それぞれの犬に思い出はあるけれども、ちょっとほど飼い主の生活に深く関わった犬はいない。それは奥さんにとっても同じらしい。ちょっととの思い出を形にして残したい、との思いは日々募っていた。行く行くはたくさん撮り溜めた写真と共に、ひとつの文章にしようと決めていた。その前段階としてプロットの元となる断片をまとめたのが、これまで36週に渡って書き連ねた話だ。
思い出せばエピソードはまだまだあるし、ちょっとは元気に過ごしている。これからだってエピソードは増え続ける。いつまででも書き続ける事は可能だ。でもやっぱりこの連載は本番の前段階の準備作業なのだ。いつまでも準備ばかりでは本番がやって来ない。そろそろ本番に取り掛かろうと思う。
可愛いペットを多くの人に見せたいと思う飼い主が多い中で、その機会を得る事が出来た飼い主はしあわせだ。だから飼い主はやめられない。そう思う。最後にもう一度、ちょっとは元気で過ごしている。