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【企画展】 Frobergue Special Exhibition "When We Were Little Girls …"
頬につめたい風が吹くと、子どもの頃を思い出すのはどうしてだろう。
風の感触や葉の揺れる音、木洩れ日や地面の温度。
ふとしたきっかけでこぼれ落ちてくる幼い記憶の断片は
心に小さな灯りをともす。
やがて映し出される子どもの自分を、見つめてみたいと思う。
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企画展 "When We Were Little Girls …" に参加します。
木々の緑が鮮やかにきらめくこの季節、風が運んでくるのはどの花の香りでしょうか。
東京・蔵前の古書店Frobergue(フローベルグ)にて、明日から開催される企画展"When We Were Little Girls …"に新作5点を出品します。
「甘く苦い少女だった時のこと」を題材に3人の作家が描く企画展です。
ひとつのテーマに対して、作家同士で重なり合うイメージもあれば、それぞれ独自の思いもあるかもしれません。
「子どもの私とつながる瞬間」
頬をかすめるつめたい風の感触や、よく晴れた日の地面の温度。
そんなふとした感覚を通して、思いがけず幼い記憶の断片が、シーンとして呼び起こされる瞬間があります。それは、それまですっかり忘れていたような、そしてまたすぐに忘れてしまいそうな淡いものがあれば、何度も思い出すほど鮮烈なものもあります。秘密、ひとりの世界、美しいと思ったもの、誰かの前での自分…。
初めて経験する感情の揺らぎが、心の在り方が、曖昧な形のままで保管されているかのような、情景のひとつひとつ。
うっかり顔を出した過去を少しだけ引き止めて見つめていると、子どもの頃の私とどこかつながることができるような気持ちになります。
展示を企画されたFrobergueスタッフの方から提案していただいた「少女」という題材を通して、私が自分へ問いかけたのは「子どもの心」の世界でした。
「新しい技法への試み」
今回の展示ではサイアノタイプ(Cyanotype)という技法を新しく取り入れました。
サイアノタイプとは、写真の黎明期である1842年にイギリスで発明された古典写真印画技法です。日光(紫外線)と、鉄塩の化学反応を利用して、美しい青色が特徴のモノクロームの像を作ることができ、植物図鑑の作成や建築機械設計図面の複写などに使われてきました。
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この写真技法を応用することにより、一つの画面の中で複数の距離感や、繊細なにじみのテクスチャーを表現することが可能になり、曖昧なものをそのままに写し取ったり、時間を超えた交流を表したい作品の意図にも相応しい技法だと感じています。ぜひ、ご注目ください。
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【開催概要】
企画展「When We Were Little Girls …」
会期 2024年5月16日(木)~6月4日(火)
12:00-18:00(最終日16:00) 水曜定休
会期中の定休日 5/22(水)、5/29(水)
主催・会場 古書フローベルグ
参加作家 まつむらまいこ(松村真依子)、baggy、松尾穂波
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