新しい国会では、れいわ新選組の議席数によって、日銀人事が動く

選挙の手伝いと本業で多忙すぎて、ノートを書く暇などないのですが、投票日も迫っているので一言だけ。
公選法の規定にうといので、ネットでどんなことまで書いていいのかわかりません。ですので事実命題としてだけ指摘しておきます。

日銀審議委員の安達誠司さんの任期が来年の三月に切れます。もうすぐです。
その一年後には同じく委員の野口旭さんの任期が切れます。
今明確に利上げ反対、金融緩和維持の姿勢を持っているのはこの二人だけなので、両者の後任に利上げ志向の人が就くと、日銀の性格ははっきりとそっち側に変わることになります。

目下の総選挙の予想では、自公は過半数割れかと言われていますが、それに代わる明確な多数勢力も生まれない見込みです。
そればかりか、日銀審議委員人事の承認投票では、自民党さんでも立民さんでも、造反がでる可能性は十分にあります。
したがって、れいわ新選組(利上げ反対派)がある程度の議席をとれば、キャスティングボートを握る事態になる可能性がかなりあります。日銀審議委員は、一つの院でも否決されれば任命されることはありません。

東京商工リサーチさんが三月に出したこちらの記事では、金利が0.1%上がるだけで、利益で利払いができず「ゾンビ企業」とされる比率が、15.38%から17.18%へ1.8ポイント悪化するとされています。56.5万社から63.1万社への6.6万社の増加という計算になります。

この記事の終わりのほうでは、次のように言って、事態の深刻さを直視して支援策を検討するよう主張しています。

「ゾンビ企業って言うな!」は、真摯に事業に向き合ってきた経営者の怒りの声であり、経営者と現場で向き合うTSR(東京商工リサーチ)社員の呵責であり、再生ビジネスバブルを我先に謳歌しようとする一部の再生界隈へのメッセージでもある。

昨年来、企業の倒産が急増しています。帝国データバンクの倒産情報では、この九月で、29ヶ月連続で、前年同月と比べて倒産が増加しました。七割以上が小規模事業者の倒産です。この背後にははるかに多い数の、不本意な廃業・解散があります。
特に、コロナ融資(いわゆるゼロゼロ融資)が返済の時期を迎えましたが、昨年、ゼロゼロ融資を受けた企業の倒産が前年の1.7倍に激増しました。金利が上がると、ゼロゼロ融資の借換はさらに難しくなります。
これ以上金利が上がると恐るべき倒産ラッシュがやってくることが懸念されます。それはその企業にとどまらず、職を失う従業員や取引先の収入減を通じて、経済全体に波及します。

本記事を拡散していただけたらありがたいです。