やめよう、イイね・コメント強要。いったい何が問題なのか
以前書いた記事「SNSにもTPOが大事だよねって話」でもSNSについて触れたのですが、とりわけ今回は組織におけるSNS活用初期に起こりがちな「イイね・コメント強要」に潜む問題について書いてみます。
なお以前の記事でも少し触れましたが、私は高校時代に初めて買ったパソコンで繋いだ初めてのインターネットにて、セットアップを手伝ってくれたバイト先の悪い先輩に真っ先に2ちゃんねるのアドレスを教えられ、耳元で「Welcome to the underground」と囁かれたクチなので(多少盛ってます)、基本的にリベラル派インターネット老人会の一意見として受け取っていただけると幸いです。
現場で何が起こっているか
そもそも「イイね・コメント強要」問題とは何か?という話ですが、具体的にはこんな感じです。
責任者1「(エントリーの最後に)この投稿にぜひイイねやコメントをお願いします!」
責任者2「社長が君たちのプロジェクトについてSNSに投稿してくれているぞ! ぜひイイねやコメントをするように!」
現場でこんな「業務指示」が飛び交っています。
これを「業務指示」と捉えるかは微妙なラインですが、ある程度地位のある役職者が何らかの期待をもって発言することは組織においては「包括的な業務指示」に捉えられても致し方ない、と私は考えています。
「イイね・コメント強要」の問題点① 組織風土変革の妨げとなる
こういった振る舞い、一番の問題点は「SNS活用の目的と反するから」だというのが私の考えです。
組織におけるSNS導入の目的は様々だと思いますが、最も大きなところは「組織や階層を超えたフラットなコミュニケーションを通じた組織風土変革」であるはずです。
そこに旧来の組織の文脈に沿った「包括的な業務指示」を放り込んでしまうのは下策です。実際、「こういうこと(イイねコメント強要)されると冷めるわー」という声は若手を中心に少なからず聞こえてきます。
「イイね・コメント強要」の問題点② 投稿の善し悪しが判断できない
また、統計数値にノイズが混じるのも問題です。
SNSを本当に活用している人は、イイねやコメント数を自身の投稿のパフォーマンス指標としています。リアクションが良ければ「ターゲットに刺さった」と捉えるし、薄ければ「何がいけなかったんだろう?」と自省する機会になる。そこに「包括的な業務指示」というノイズが混じることで、その投稿の善し悪しの判断がブレることにかねません。
「イイね・コメント強要」の問題点③ 自由意志を阻害する
「包括的な業務指示」により、メンバー個人の自由意志が阻害されていることも良くないです。SNSとは本来自由であるべきです。(繰り返しますがリベラル派インターネット老人会の私見です)
Youtuberが動画の最後に「面白かったらチャンネル登録よろしくね!」というのとはワケが違いますし、Youtuberだって「面白かったら」とあくまで自由意志を視聴者に委ねています。
ある程度は必要悪かも知れない
とはいえこういった動きも、SNS活用の初期においてはある程度必要なのかもしれません。SNS導入初期は「こんな取り組み、何の意味があるの」とそもそも見に行かない人も多い中、SNS導入したもののビュー数やイイねコメント数が伸びない、と言う状態が続けば「そもそもコレ意味あるんか」となりますし。
大事なのはこういった取り組みを何のためにやっていて、メンバーにどういった振る舞いを期待するのか、ということを、業務指示よりもっと高位のレイヤーでリーダーが継続的に発信し続けることなのでは、と思う今日この頃です。
本日は以上です。