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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問102-123【衛生】論点:食中毒 チョウセンアサガオ / スコポラミン・ヒヨスチアミン

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第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123

Q. 50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。

選択肢|

1. アコニチン
2. アミグダリン
3. スコポラミン
4. チャコニン
5. ℓ-ヒヨスチアミン
(論点:食中毒)

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滝沢 幸穂

PhD (Pharmacokinetics)
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前置き|

今年の7月に matsunoya PROJECT というウェブサイトを新設しました。

新型コロナウイルス感染症の発生状況などを、最新のビジュアルインフォグラフィクスのプラットフォームを駆使して見える化し、インターネット環境があれば閲覧できる状態にしたら、どれほど公共の益に寄与するだろうかという思いから始めた #MatsunoyaProject という企画において、自ら設計したインフォグラフィクスとその組み合わせによるストーリーによって何が見えてくるのかを「展示している」matsunoya 公式サイトです。

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ABOUT|
matsunoya PROJECT とは

matsunoya PROJECT は、note プラットフォームやECサイトでは公開できないHTML型のコンテンツをプロジェクト方式で情報発信する 松廼屋 matsunoya の公式サイトです。 #MatsunoyaProject

https://sites.google.com/view/matsunoya-project

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今回は、ビジュアルインフォグラフィクスのテンプレートとして、下記のFlourish.studio のチャートを使用しています。実際にバーをハイライトすると細かい数字や情報が見えて楽しいです。インフォグラフに触ってタップしたりハイライトしたりできます。

■TEMPLATE CREDITS
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■TEMPLATE CREDITS
Hierarchy by Flourish team

☑ 製品として販売するクオリティのオリジナルのデータビジュアライゼーションを公開していますので、業務上の無断使用はご遠慮くださいませ。

ご活用いただくご希望がございましたら、オーダーメイドで販売します。
ぜひ、松廼屋にご用命ください。

制作したビジュアルインフォグラフィクスの展示に関しての詳細はこちらにリンクがあります。

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note|


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10月になって、新型コロナウイルス感染症の発生状況についての見える化はほとんど見本のテンプレートとしては完成し、都道府県及び厚生労働省が開示する感染症の発生状況や検査の実施状況に関して随時更新することがメインになってきましたので、今度は、薬剤師国家試験対策ノートに関連するグラフをまとめたサブページを開設しました。以下のサイトです。
薬学生だけではなく、薬剤師の皆さん、医療従事者の皆さん、一般の企業にお勤めの方など、ご興味を持っていただける内容となっておりますので、是非一度訪れてみてください。powered by Flourish.studio/story

下記のリンクからサイトに移動します。

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matsunoya PROJECT > matsunoya STORY > P2

薬剤師国家試験対策ノート with visual infographics

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薬剤師国家試験の合格者数・合格率の大学別ランキングをはじめとした薬剤師国家試験の最新の結果、薬剤師国家試験対策ノートで解説している eラーニングコンテンツで用いた厚生労働統計の最新バージョンの解析など、visual infographics を駆使して詳細かつサクッと論点解説しています。

内容|

☑第99回-第105回薬剤師国家試験の結果|
 合格者数、合格率 大学別、大学種別ランキング
☑業務上疾病|厚生労働統計
☑食中毒統計
☑人口統計|平均寿命
☑人口動態統計|悪性新生物
☑感染症の統計|HIV・AIDS、性感染症(定点報告・全数把握)

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薬剤師国家試験の論点と最新の科学的根拠をリレーション

100以上の論点にフォーカス、各設問に対して、論点をまとめた視認性の高いオリジナル画像や動画解説、そして科学的根拠として300以上の信頼しうる参考資料へのリンクをご用意しました。各問に対して素早い理解深い学びが滑らかにつながる!

必須問題、薬学理論問題、薬学実践問題の論点解説と関連する科学的根拠の原本のご紹介もさらに追加。松廼屋 Mats.theBASE BLOGに掲載されたコンテンツは、eラーニング教材の一部です。当店のeラーニング教材をご購入する可能性のあるお客様に提供する「商品の品質や内容を知っていただくことを目的とした情報開示およびサービス」として、BLOGへのリンクから、サクッとわかる!テキストコンテンツと、視認性を追求した美しいまとめの図、さらに論点解説動画を無料で体験していただくことができます。
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はじめましょう。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問102-123【衛生】論点:食中毒 チョウセンアサガオ / スコポラミン・ヒヨスチアミン

こんにちは!薬学生の皆さん。BLNtです。

解説します。薬剤師国家試験の衛生から、食中毒/植物性自然毒を論点とした問題です。

スライド102-123_1_衛生

第102回薬剤師国家試験の問123(問102-123)は、論点「食中毒」から、チョウセンアサガオ由来の有害成分を問う問題でした。正答を、選択肢から選ぶ形式での出題です。

設問の冒頭に症例が詳細に記載されていますが、ここで焦ってはいけません。

症例付きの設問の場合、「結語から読む」アプローチが原則です。
落ち着いて結語を読みましょう。

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123
Q. 50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。

選択肢|
1. アコニチン
2. アミグダリン
3. スコポラミン
4. チャコニン
5. ℓ-ヒヨスチアミン
(論点:食中毒)

結語:
チョウセンアサガオ由来の有害成分(として考えられるの)はどれか。

上記の設問に限っては、選択肢から正答を選ぶ上で、枝葉末節を除いた結語の構文のみ(【対象】の【目的物】はどれか)が、必要な情報です。

設問の冒頭の症例(実際にあった食中毒事例)については後述します。

チョウセンアサガオの有害成分について、最新の科学的根拠が記載された参考資料としては、厚生労働省のホームページ(HP)「厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 植物性自然毒 / チョウセンアサガオ類1(チョウセンアサガオ)【詳細版】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000060246.html 」および「厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 植物性自然毒 / チョウセンアサガオ類2(キダチチョウセンアサガオ)【詳細版】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061069.html 」に、情報がわかり易く整理してありました。

詳細は、上記、厚生労働省HPをご参照ください。

上記HPによれば、チョウセンアサガオには2つの分類があり、ひとつはナス科チョウセンアサガオ属のDatura metel L.(チョウセンアサガオ / 別名 : キチガイナスビ、マンダラゲ)であり、もうひとつは、ナス科ブルグマンシア属のBrugmansia spp.(キダチチョウセンアサガオ / 園芸植物名:エンジェルストランペット)です。

設問へのアプローチの戦略として、チョウセンアサガオがナス科であることに着目しましょう。

主な中毒症状は、口渇、瞳孔散大、意識混濁、心拍促進、興奮、麻痺、頻脈などで、摂取後30分から口渇、体のふらつき、嘔気、倦怠感、眠気などの症状が発現します。

チョウセンアサガオは、オクラと誤認される、根がゴホウと誤認される、などの誤食で食中毒になる事例があります。間違いやすい野菜などの近くでの栽培を避ける必要があります。

農研機構|写真で見る家畜の有毒植物と中毒 目次>アトロピン http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/plants/contents.html に、チョウセンアサガオに分類される植物の葉、果実、花の写真と解説が、わかりやすく掲載されていました。より深く学習したい人は、併せて写真を確認しておくとよいです。

上記、厚生労働省のリスクプロファイルおよび農研機構の解説によれば、チョウセンアサガオの毒性成分は、主に葉に含まれる ℓ-ヒヨスチアミン(ℓ-hyoscyamine)、および主に種子に含まれるスコポラミン(scopolamine)です。
ヨウシュチョウセンアサガオの葉はマンダラ葉と呼ばれ、医療用医薬品(抗コリン剤)の有効成分である硫酸アトロピンの製造原料です。アトロピン(atropine / dl- hyoscyamine)はℓ-ヒヨスチアミンの保管および抽出過程で生成するラセミ体です。
アトロピンおよびスコポラミン、ℓ-ヒヨスチアミンはトロパン骨格を有することが特徴で、トロパンアルカロイドと呼ばれ、副交感神経抑制ならびに中枢神経興奮作用を示します。
食中毒症状は、主にトロパンアルカロイドの薬理作用機序に起因します。

スライド102-123_2_衛生

アトロピンおよびスコポラミンの主な薬理作用は、ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用 / 抗コリン作用です(追記および図3参照)。

トロパンアルカロイドは、チョウセンアサガオ以外にも、ヒヨス(Hyoscyamus niger)、ベラドンナ(Atropa belladonna)、ハシリドコロ(Scopolia japonica)などのナス科の植物に含まれます。

憶えておきましょう。

YouTube|

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食中毒/第102回-問123(1)|薬剤師国家試験対策ノート
https://youtu.be/W9v1MvIYmSo

チョウセンアサガオによる食中毒の概要

※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第102回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問123)より

出典:厚生労働省|自然毒のリスクプロファイル 植物性自然毒
チョウセンアサガオ類1【詳細版】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000060246.html
チョウセンアサガオ類2【詳細版】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061069.html

近年の食中毒事例のうち、チョウセンアサガオが病因食品とされたものは、6年間(2014-2019)の合計で7件、21人となり、患者数では植物性自然毒の原因食品の中で第7位でした(※きのこを種類別に分類)。

※食中毒統計をヴィジュアルインフォグラフィクスでご覧いただくことができます。

matsunoya STORY | 305 | Food poisoning statistics
食中毒統計|植物性自然毒| #MatsunoyaProject
原因食品別・月次推移 1 松廼屋 論点解説!|患者数|発生件数等
https://public.flourish.studio/story/604939/

Visualised with @f_l_o_u_r_i_s_h on Twitter

植物性自然毒による食中毒のうち、6年間の患者数の合計の第10位までは、患者が多いほうから順番に、ジャガイモ、ツキヨタケ、スイセン、キノコ、クサウラベニタケ、バイケイソウ、チョウセンアサガオ、テングタケ、イヌサフランで、それぞれの患者数の6年間の合計は、243、191、159、93、55、37、21、20、19、17(人)でした。

※食中毒統計をヴィジュアルインフォグラフィクスでご覧いただくことができます。リンクからフルブラウザ💻📱でご覧ください。

matsunoya PROJECT | 309 | Food poisoning statistics
食中毒統計|植物性自然毒| #MatsunoyaProject
原因食品別・年次推移一覧 松廼屋 論点解説!|患者数|
薬剤師国家試験対策ノート|松廼屋 Mats.theBASE

https://public.flourish.studio/visualisation/4092098/

Visualised with @f_l_o_u_r_i_s_h on Twitter
Data source:厚生労働省|食中毒>4.食中毒統計資料(3)過去の食中毒事件一覧(2014-2019) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

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ピボットテーブルを適切な構成に編集すると、ビジュアルインフォグラフィクス制作の際のデータセットにも応用できます。

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設問の冒頭にある症例について|

解説します。

上記の症例は、実際にあった食中毒事例報告を参考に作問されたと推察されます。

厚生労働省HP / チョウセンアサガオ類1の「その他の参考になる情報」に記載された科学文献「J-Stage|大城ら, チョウセンアサガオに接木したナスによる食中毒事例, 食品衛生学雑誌, 49(5), 376-379 (2008) DOI; https://doi.org/10.3358/shokueishi.49.376 」の抄録によれば、家庭菜園で栽培したナスの入ったスパゲティーミートソースを摂食した夫婦が、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、相次いで救急診療を受診、ナスはチョウセンアサガオに接木したもので、食品残品と患者血清からスコポラミンとアトロピンが検出されました。

本事例は沖縄県初のチョウセンアサガオ関連食中毒事例であり、接木による食中毒事例は本邦初の報告と思われる、とのことです。

上記、科学文献の「はじめに」によれば、2006年5月に発生し、非常にまれな食中毒事例であったため報告したとの記載があります。

考察には、診察当初は、夫婦ともに脳梗塞等が疑われ経過観察となった旨の記載があり、所見で見られた症状からは、脳梗塞が第一選択の診断であったことがうかがえます。

その後、夫婦が時間差を置いて同様の症状を訴えていたことが判明し、そこで初めて、食中毒が疑われ、自宅での聴取や記載の分析等から診断へとつながったことが読み取れます。

ファーストオーサーの大城 直雅氏は、沖縄県衛生環境研究所の所員であり、上記文献は、都道府県の衛生試験所の仕事を知る上で、希少性、話題性があって興味深い報告です。

科学的な新規性のみならず、社会科の職場見学、薬剤師の仕事の紹介のような読み物としても、薬学生にとっては有用です。お時間があれば、オリジナルの文献(フリーアクセス DOI: https://doi.org/10.3358/shokueishi.49.376 )を一読することをお勧めします。

真面目に意見を言えば、

再発の可能性が低い稀な症例から正答を問うことは、薬剤師のコンピテンシーを国家が判別して認定する目的で、1問に対し2.5分間で解くことを要求している薬剤師国家試験の薬学理論問題に取り上げる観点からは、「指針」への適合性や医学的な正しさ、また、資格試験における今後の各論的な妥当性のある方向性の判断から、この問題だけではありませんが、検出力の低下を招き、何のコンピテンシーを判別しようとしているのか不明になる残念な結果を招く懸念があります。

作問の段階で、責任の所在を明確にして、組織的に必要十分な注意喚起をする等、再考を促すことによって、今後の医療や公衆衛生の担い手を輩出するための良い潮流が生まれることを願います。

国民みんなの健康と公衆衛生のためですから、あるべき姿と現状との間のギャップが、どこにどれだけ存在するのかについて、気づきを促すことは大事です。言いましょう。

ポイント|

【A】は【B】に分類され、主な中毒症状は【C】である。摂取後【D】から【E】などの症状が発現する。【A】は【F】などの誤食で食中毒が発生する。毒性成分は【G】の【H】で、主な作用機序は【I】である。【G】は【A】以外にも【J】などの【K】の植物に含まれる。

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A. チョウセンアサガオ
B. ナス科 / チョウセンアサガオ属・ブルグマンシア属
C. 口渇、瞳孔散大、意識混濁、心拍促進、興奮、麻痺、頻脈
D. 30分
E. 口渇、体のふらつき、嘔気、倦怠感、眠気
F. オクラと誤認される、根がゴホウと誤認される
G. トロパンアルカロイド
H. アトロピンおよびスコポラミン、ヒヨスチアミン
I. ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用による抗コリン作用に起因する副交感神経抑制ならびに中枢神経興奮作用
J. ヒヨス、ベラドンナ、ハシリドコロ
K. ナス科

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では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。

実力テスト|

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問123

Q. 50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。

選択肢|

1. アコニチン
2. アミグダリン
3. スコポラミン
4. チャコニン
5. ℓ-ヒヨスチアミン
(論点:食中毒)

追記|

アトロピン・スコポラミンは、以下に示すように「薬理」の論点として薬剤師国家試験のテーマに取り上げられます。合わせて覚えておくとよいです。

■ 薬理 / アトロピンの論点

自律神経系に作用する薬|

ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断 / 抗コリン / 平滑筋弛緩・分泌抑制・頻脈
瞳孔括約筋弛緩 / 散瞳
毛様体筋弛緩 / 緑内障禁忌

循環器系に作用する薬|

洞房結節 ムスカリン性アセチルコリンM2受容体遮断 / Giタンパク質共役型 / ATP感受性K+チャネル 開口 / 抑制
徐脈改善

消化器系に作用する薬|

抗コリン / Oddi括約筋れん縮抑制
急性膵炎疼痛治療(モルヒネ併用)※モルヒネはOddi括約筋れん縮

解毒|

ネオスチグミン過量投与 / コリン作動性クリーゼ の治療 / ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断

■ 薬理 / スコポラミンの論点

自律神経系に作用する薬|

ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断 / 抗コリン

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チョウセンアサガオによる食中毒の概要 / アトロピンの薬理作用

※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第102回薬剤師国家試験 薬学理論問題 衛生 問123)より
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参考資料|

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-126【衛生】
論点:人口動態 悪性新生物
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問103-124【衛生】
論点:食中毒 / ボツリヌス菌、寄生虫、クドア・アニサキス、ソラニン・チャコニン、コルヒチン、シガテラ
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※3366レコード 統計値の根拠:厚生労働省|食中毒>4.食中毒統計資料 (3)過去の食中毒事件一覧 (2015 - 2017)

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第103回薬剤師国家試験(必須問題 衛生)問18

冬季に患者発生数がピークになる食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。

1. カンピロバクター・ジェジュニ
2. ツキヨタケ
3. 腸炎ビブリオ
4. ノロウイルス
5. サルモネラ属菌
(論点:食中毒統計)

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Today's curriculum 薬剤師国家試験対策ノート 衛生 必須問題
問16-問17
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