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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-172【薬剤】論点:ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450
第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問172
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-172
Q. 細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450が存在する画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. a
2. b
3. c
4. d
5. aからdのすべて
こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬剤】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問172、論点:ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-172【薬剤】論点:ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
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設問へのアプローチ|
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肝ミクロソームを調製したことはありますか?
ワタシは大学で卒論実習を指導していただいた教室がCYP450など薬物代謝酵素を研究テーマにしている教室だったので、ホモジナイザーと超遠心分離機にはお世話になりました。
全然問題の論点と関係ないわけでもないですが、、関係ないですが、
大学生の頃、実習の発表の際にメソッド説明で緊張のあまり、「超遠心」のイントネーションが「チョー遠心」になってしまい、その後、教室の先輩方からしばらくの間、すれ違うたびに「チョー遠心…」とニックネームのようにつぶやかれ続けられた思い出があります。
丁寧に指摘してくれた先輩に感謝。
それから、肝ホモジナイズを調製するホモジナイザーという実験器具は色々サイズがあるのですが、在籍した教室で使用されていたのは特注品の巨大ホモジナイザーだったので、ガラスチューブにも厚みがあって重厚感あふれるモノで、当然、高価なガラス器具だったのですが、実習に慣れていない4年生ではよくあることで、ある日、そのガラスチューブを実験室の床に落として割ってしまったことがあります。
大変なことをしでかしたわけですが、その教室ではガラス器具を割るたびに、名前が一覧表になっている大きなはり紙の名前の横の四角に値段に応じた数の自分のハンコを押していく仕組みになっていました。
その日、ワタシがしでかしたガラス器具の破損による損失額は1万円以上だったので、自分の名前の横にほぼはり紙のマス目の横幅いっぱいにハンコを押すことになり、もともと地味で目立たない性格なのですが、教室で「成績がダントツで一番になった」ということで、先輩方から「ぶっちぎってるな。」とお声をかけていただいたのも懐かしい思い出です。
人生100年時代といいます。
まあ、事実上365日×50年以上の人生の記憶が蓄積されていくわけですが、10代後半から20代前半に出会った人々やそこで起きたエピソードは、なんと大きな存在として心に残るのか、年を重ねるとよくわかります。
その分、若さゆえに傷つくことや気持ちが嵐の夜のように激しく揺さぶられることもあって、そのさ中にいて思い出話をされても違和感があるのは致し方ないと思います。
ただ、20代の若い皆さんには、良い経験と良い出会いを、システマティックにリスクコントロールしながら、戦略的に、一生の財産となるよう正々堂々とつかみ取っていってほしいものです。
未来はあなたたちのものですから。
横道にそれましたが、結論から言ってしまうと、薬物代謝酵素CYP450は、超遠心分離機(105000×g)にかけられた画分の沈殿側のミクロソーム画分に豊富に含まれます。
超遠心分離機(105000×g)にかけられた画分の上清側がサイトゾル画分です。
後述の Lecture に、ミクロソームとCYP450についての概説を入れましたので最後までお読みいただければ幸いです。
さて、第107回薬剤師国家試験の問172(問107-172)では、ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450に関する知識を問われました。
出題範囲からすると、ココです👇
代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織並びに細胞内小器官、反応様式について説明できる。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
薬物の体内動態|代謝 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織並びに細胞内小器官、反応様式について説明できる。👈ココ
薬物代謝の第Ⅰ相反応(酸化・還元・加水分解)、第Ⅱ相反応(抱合)について、例を挙げて説明できる。
代表的な薬物代謝酵素(分子種)により代謝される薬物を列挙できる。
プロドラッグと活性代謝物について、例を挙げて説明できる。
薬物代謝酵素の阻害及び誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げて説明できる。
まず、基本的な知識について復習しておきましょう。
■■Grok 2 (beta)
文献紹介
ワタシが大学生当時、CYP450の論文を書く際には必ず「Omura と Sato の方法により」と引用された文献です。
Omura, T., & Sato, R. (1964). The Carbon Monoxide-Binding Pigment of Liver Microsomes. I. Evidence for Its Hemoprotein Nature. The Journal of Biological Chemistry, 239, 2370-2378
概要:
この論文は、肝臓のミクロソーム画分に存在する特定の色素が一酸化炭素(CO)と結合することから、その色素がヘム蛋白質であることを証明した基礎研究です。
この色素は後にシトクロムP450として広く知られることになります。
詳細:
背景:
当時、肝臓の薬物代謝に関与する酵素系は大部分が未解明だった。
ミクロソームは薬物代謝酵素を豊富に含むことが知られていたが、その具体的な成分や作用機序は明らかではなかった。
目的:
研究の主目的は、肝臓のミクロソームに見られる特異な吸光スペクトル(一酸化炭素存在下で450 nmにピークがある)を示す色素の性質を明らかにすること。
この色素がヘム蛋白質(ヘモグロビンやミオグロビンのような鉄を含む蛋白質)であることを証明する。
方法:
スペクトル分析: 一酸化炭素と結合したミクロソーム画分の吸光度を測定し、450 nmに吸収ピークがあることを確認。これは、COと結合したヘム蛋白質の特徴的なスペクトル特性。
生化学的手法: ミクロソーム画分から蛋白質を精製し、その化学的性質やCO結合能力を分析。
結果:
ヘム蛋白質の証明: COと結合することで吸収スペクトルが変化することを利用して、この色素がヘム蛋白質であることを確証した。
命名: 色素の特異な吸収ピークに基づいて「P450」という名前が提案され、これがシトクロムP450の命名の由来となった。
意義:
この発見は、薬物代謝研究の分野で画期的であった。
この発見は、シトクロムP450が薬物や他の異物の代謝に関与する主要な酵素系であることを示し、その後の薬理毒性学や薬物動態学の研究の基盤を築いた。
生物学的役割の理解:
シトクロムP450がヘム蛋白質であることの確立は、電子伝達系におけるその役割や、酸素や一酸化炭素との相互作用を理解する上で重要だった。
エビデンス:
スペクトル分析による証拠: ヘム蛋白質は一酸化炭素と結合すると特有の吸収スペクトルを示す。これを用いて、未知のミクロソーム色素の性質を同定した。
生化学的手法: 蛋白質の精製とその後の分析は、科学的根拠を提供するための標準的なアプローチであり、発見の信頼性を高める。
この論文は、シトクロムP450がヘム蛋白質であり、その特性が一酸化炭素と結合することで明らかにされることを科学的に証明した点で、生物化学と薬理学の両方において基礎的な文献とされています。
論点を整理します。
■■Grok 2 (beta)
総合的な論点
この問題の論点は、薬物代謝に関わる酵素シトクロムP450(CYP450)の細胞内局在を特定することです。
シトクロムP450は主に肝細胞の滑面小胞体(ミクロソーム)に存在します。
細胞をホモジネートし、段階的に遠心分離したとき、細胞の各成分が分画されます。
この問題は、それぞれの画分に含まれる細胞内小器官を特定することを目的としています。
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主な論点:
シトクロムP450の局在: 滑面小胞体(ミクロソーム)に最も多く含まれる。
遠心分離による分画: 各ステップで得られる画分が何を代表しているか。
画分の特徴: 各画分の性質(例えば、細胞膜、ミトコンドリア、微小管、細胞質など)と、それに関連する酵素や機能。
2. 各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢の記述
a - 最初の遠心分離(600×g,10分)の沈殿
b - 最初の上清をさらに遠心分離(9,000×g,20分)した沈殿
c - bの上清を超遠心分離(105,000×g,60分)した沈殿
d - cの上清(最後の上清)
aからdのすべて
論点
a: 細胞核や未破壊の細胞、細胞膜片など大きな破片や重い成分が含まれる。
b: ミトコンドリア、リソソーム、ペルオキシソームなどの中程度の重さの細胞内小器官。
c: 滑面小胞体(ミクロソーム: microsome)、ゴルジ体などの非常に小さいまたは軽い細胞内小器官。
d: 細胞質の可溶性成分、リボソームの分解産物など。
aからdのすべて: 全ての画分に少しずつ存在する可能性。
解法へのアプローチ方法
シトクロムP450の特性を理解する:
CYP450は主に滑面小胞体に結合している膜蛋白質。遠心分離の特性を分析する:
超遠心分離(105,000×g)は滑面小胞体を沈殿させるのに適している。これはミクロソーム分画と呼ばれ、CYP450が豊富に存在する。各選択肢を評価:
aは細胞核や未破壊の細胞、細胞膜片などが含まれ、CYP450が主に存在する部位ではない。
bはミトコンドリアが主で、CYP450の含有量は少ない。
cは滑面小胞体(ミクロソーム)が集まるため、CYP450が豊富。
dは細胞質(サイトゾル)で、膜結合型のCYP450はほとんど含まれない。
aからdのすべては包括的。局在を示していない。
考察
CYP450は滑面小胞体に局在しているため、超遠心分離後の沈殿である c が最も適切。
3. 引用文献のリスト
Lehninger, A. L., Nelson, D. L., & Cox, M. M. (2008). Lehninger Principles of Biochemistry. W.H. Freeman.
Stryer, L. (1995). Biochemistry. W.H. Freeman and Company.
Omura, T., & Sato, R. (1964). The Carbon Monoxide-Binding Pigment of Liver Microsomes. I. Evidence for Its Hemoprotein Nature. The Journal of Biological Chemistry, 239, 2370-2378.
このリストはCYP450の研究および細胞小器官の分画方法の基本的理解に寄与する文献を含んでいます。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
後述の Lecture で上記のそれぞれのプロドラッグの概要をより詳細に解説していますので、最後まで読んでいただければと思います。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【薬剤】からミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-172【薬剤】論点:ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450|matsunoya (note.com)
Here we go.
第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問172
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-172
Q. 細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450が存在する画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. a
2. b
3. c
4. d
5. aからdのすべて
■■Grok 2 (beta)
薬剤|問 107-172
■論点|ミクロソーム / 肝ホモジネート / CYP450
この問題の論点は、シトクロムP450が最も豊富に存在する細胞内画分を特定することです。
■解説1|
シトクロムP450は膜結合型の酵素で、主に肝細胞の滑面小胞体(ミクロソーム)に局在します。
遠心分離の手順に従って、細胞成分を分離した場合、滑面小胞体は超遠心分離(105,000×g, 60分)の後に沈殿として得られる画分に最も集中します。このため、選択肢 c が正解です。
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■解説2|
遠心分離の役割:
各ステップの遠心分離は、細胞内成分をその比重に基づいて分ける役割があります。
600×gで細胞核や未破壊の細胞、9,000×gでミトコンドリアやリソソーム、そして105,000×gは滑面小胞体などの小さな小器官を分離します。シトクロムP450の性質:
シトクロムP450はヘム蛋白質であり、その電子伝達系における役割から、滑面小胞体膜に埋め込まれている必要があります。
これは、薬物代謝の効率的な進行に必須です。実験的証拠:
OmuraとSatoの研究が示すように、CO結合スペクトルを用いた分析は、シトクロムP450がヘム蛋白質であり、滑面小胞体画分に特異的に存在することを明確にしています。
■結論|
最適な選択肢は c です。シトクロムP450は滑面小胞体に最も豊富に存在し、超遠心分離後の沈殿に集まります。
■補足|
選択肢 a: ここには細胞核や大きな細胞片が含まれるため、シトクロムP450の濃度は低い。
選択肢 b: ミトコンドリアやリソソームが主で、シトクロムP450は滑面小胞体に特異的であるため、適切ではない。
選択肢 d: ここには細胞質(サイトゾル)の成分が主で、膜結合型のシトクロムP450はほとんど含まれない。
選択肢 5: aからdのすべてを選択肢に含むのは不適切です。シトクロムP450は特定の画分に局在しているためです。
■■Grok 2 (beta)
■Lecture
論点解説 ミクロソームとCYP450 概説
目次
ミクロソームの定義と発見
CYP450の定義とその役割
歴史年表
ミクロソームの発見と研究の進展
CYP450の発見と研究の歴史
科学的根拠の文献リスト
第1章 ミクロソームの定義と発見
定義:
ミクロソームは、細胞のホモジネートを超遠心分離することで得られる小さなベシクル状の構造体を指します。これらは主に滑面小胞体(SER)の断片で、タンパク質と脂質から成りますが、一部は粗面小胞体(RER)由来のものも含まれます。
発見:
1940年代-1950年代:
超遠心分離技術の進歩により、細胞成分をその比重に基づいて分けることが可能になりました。
この技術を用いて、細胞のホモジネートから特定の画分が分離され、それが「ミクロソーム」と呼ばれるようになりました。
この概念は、特にAlbert Claudeによって推進されました。彼は細胞成分を分画し、その生化学的特性を研究しました。
ミクロソームの研究:
初期の研究では、ミクロソーム画分が薬物代謝に関与することが明らかになり、特に電子伝達系や酵素(後のCYP450)を含むことが分かりました。
1950年代後半:
研究が進むにつれ、ミクロソームが滑面小胞体由来であり、その中に薬物代謝酵素が豊富に含まれていることが判明しました。
機能的意義:
ミクロソームは薬物代謝だけでなく、脂質の合成やカルシウムイオンの貯蔵にも関与しています。
この段階で、ミクロソームはただの人工産物ではなく、実際の細胞機能の一部を反映する重要な研究対象と認識されるようになりました。
第2章 CYP450の定義とその役割
定義:
CYP450(シトクロムP450)は、一群のヘム含有酵素で、その名前は一酸化炭素と結合した際に吸光度が450 nmにピークを持つことに由来します。CYP450酵素は生物の薬物代謝、ステロイドホルモン合成、毒物代謝など、多くの生体反応に関与しています。
役割:
薬物代謝:
CYP450は、体内に入った薬物や外来の化学物質(xenobiotics)を酸化し、水溶性を増加させることで体外への排泄を容易にします。
これは主に肝臓で行われます。生合成と代謝:
ステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンD3の生合成や、脂肪酸の代謝にも関与しています。解毒と毒性:
環境中の毒素や発癌物質の活性化または不活性化にも関与します。
そのため、CYP450の作用は、毒性や発癌のリスクに影響を与えることがあります。遺伝的多様性:
CYP450ファミリーには多くのisoforms(アイソフォーム)が存在し、個々の遺伝的背景により酵素活性が異なるため、薬物に対する反応性も個人間で異なることがあります。相互作用:
多くの薬物がCYP450を介して代謝されるため、相互に薬物相互作用を引き起こす可能性があります。
これは臨床的に重要な問題となります。
CYP450は、生物のさまざまな代謝経路において中心的な役割を果たすため、その研究は薬理学、毒物学、そして分子生物学の分野で非常に重要です。
第3章 歴史年表
ミクロソームの発見と研究の進展
1940年代:
細胞の生化学的研究が進展し、超遠心分離技術によって細胞成分を分離する方法が開発される。1943年: Albert Claudeが細胞成分を超遠心分離で分画し、「ミクロソーム」画分について記述。
1950年代:
ミクロソームが滑面小胞体由来の断片であることが明らかになり、その中に含まれる酵素の研究が始まる。1958年:
George E. Paladeが電子顕微鏡を用いて滑面小胞体の構造を詳細に調査し、ミクロソームの起源を確認。
CYP450の発見と研究の歴史
1950年代末 - 1960年代初頭:
薬物代謝研究の過程で、肝ミクロソームに存在する色素が一酸化炭素と結合すると450 nmの吸収ピークを持つことが発見される。
この色素は「P450」と命名される。1964年:
Tsuneo OmuraとRyo Satoが「The Carbon Monoxide-Binding Pigment of Liver Microsomes」において、P450がヘム蛋白質である証拠を示す。1970年代以降:
CYP450の遺伝子がクローニングされ、その多様性と遺伝子ファミリーが明らかになる。これにより、個々の薬物代謝能の違いや薬物相互作用の理解が深まる。1980年代 - 1990年代:
分子生物学の進歩により、CYP450のisoformsの特定、構造、機能の詳細な分析が可能となり、薬物代謝における役割がより明確になる。2000年代以降:
ゲノムプロジェクトの成果により、ヒトのCYP450の遺伝子多型が大量に同定され、個別化医療や薬物動態学に応用される。
Ref.
Claude, A. (1943). The Constitution of Protoplasm. Science, 97(2525), 451-456.
Palade, G. E. (1958). A small particulate component of the cytoplasm. The Journal of Biophysical and Biochemical Cytology, 4(1), 59-68.
Omura, T., & Sato, R. (1964). The Carbon Monoxide-Binding Pigment of Liver Microsomes. I. Evidence for Its Hemoprotein Nature. The Journal of Biological Chemistry, 239, 2370-2378.
Nebert, D. W., & Russell, D. W. (2002). Clinical importance of the cytochromes P450. The Lancet, 360(9340), 1155-1162.
Nelson, D. R., et al. (2004). Comparison of cytochrome P450 (CYP) genes from the mouse and human genomes, including nomenclature recommendations for genes, pseudogenes and alternative-splice variants. Pharmacogenetics, 14(1), 1-18.
これらの文献は、ミクロソームとCYP450の発見、研究の進展、そしてそれらが持つ生物学的・臨床的な重要性を理解するための基礎を提供しています。
必須問題の解説はこちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)
薬学理論問題【薬剤】(1) の解説はこちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 薬剤(1) 第106回-第109回 31問 powered by GPT4o, Chat GPT|matsunoya (note.com)
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すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問172
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-172
Q. 細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450が存在する画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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■選択肢
1. a
2. b
3. c
4. d
5. aからdのすべて
楽しく!驚くほど効率的に。
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