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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-220-221【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:スピロノラクトン / 利尿薬 / アルドステロン拮抗 / 分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症・肝硬変
第108回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問220-221
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 108-220-221
Q. 66歳男性。C型肝炎の既往歴あり。今回、肝硬変によると思われる腹水が出現し、肝性脳症の症状もみられたので、消化器内科に入院し治療している。現在の処方は以下のとおりである。
(処方1)
トルバプタン口腔内崩壊錠7.5mg|1回1錠(1日1錠)|
ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(処方2)
スピロノラクトン錠25mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回|朝昼食後|14日分|
(処方3)
リーバクト配合経口ゼリー(注1)|1回1個(1日3個)|
ラクツロースシロップ65%|1回10mL(1日30mL)|
1日3回|朝昼夕食後|14日分|
(処方4)
アミノレバンEN配合散(注2)50g/包|1回1包(1日1包)|
ナルフラフィン塩酸塩口腔内崩壊錠2.5ng|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|就寝前|14日分
(注1:分岐鎖アミノ酸製剤、注2:肝不全用経口栄養剤)
実務
問 108-220|実務
Q. 現在の薬物治療について、この患者への説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. トルバプタンは、腹部などに溜まった余分な水を尿として排泄する働きがあります。
2. ランソプラゾールは、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する働きがあります。
3. スピロノラクトンは、肝性脳症を改善する働きがあります。
4. ラクツロースシロップは、腸管内でのアンモニアの発生及び吸収を抑制する働きがあります。
5. ナルフラフィンは、かゆみを改善する働きがあります。
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物理・化学・生物
問 108-221|生物
Q. この患者に補充している分岐鎖アミノ酸に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 筋肉ではエネルギー源として利用される。
2. 主に肝臓において異化を受ける。
3. 該当するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、プロリンである。
4. すべて糖原性アミノ酸である。
5. 肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問220-221、論点:スピロノラクトン / 利尿薬 / アルドステロン拮抗 / 分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症・肝硬変を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-220-221【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:スピロノラクトン / 利尿薬 / アルドステロン拮抗 / 分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症・肝硬変|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第108回薬剤師国家試験 問220-221(問108-220-221)では、肝硬変に関する知識を生物および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問108-220-221を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。
![](https://assets.st-note.com/img/1739342723-Ghqmy86EcOCjWsztAXkH9der.png?width=1200)
問108-220および問108-221は、肝硬変の病態と薬物治療に関する記述の正誤を問う問題です。
問108-220は、各医薬品の薬効・薬理がわかっていれば薬理の問題として解けます。
問108-221は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA)の知識を問う問題です。
冒頭文で必要な情報は、
C型肝炎の既往歴
肝硬変によると思われる腹水
肝性脳症の症状
です。
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■GPT4o
医薬品の薬効・薬理作用 一覧
本患者(66歳男性)は、C型肝炎の既往があり、肝硬変を発症し、腹水および肝性脳症を呈している。
現在、以下の医薬品が処方されている。
1. 処方された医薬品
処方されている医薬品は以下のとおり。
処方番号| 医薬品名| 主な薬効・薬理作用
1 |トルバプタン
バソプレシンV₂受容体拮抗薬(利尿薬):
水利尿作用により腹水を改善
1 |ランソプラゾール
プロトンポンプ阻害薬(PPI):
胃酸分泌抑制により消化管出血を予防
2 |スピロノラクトン
抗アルドステロン薬(カリウム保持性利尿薬):
ナトリウム再吸収を抑制し、腹水を改善
3 |リーバクト配合経口ゼリー
分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤:
肝性脳症の予防・筋肉維持
3 |ラクツロースシロップ
合成二糖類:
腸内環境を改善し、アンモニア産生を抑制
4 |アミノレバンEN配合散
肝不全用経口栄養剤:
栄養補給と肝性脳症の予防
4 |ナルフラフィン塩酸塩
κオピオイド受容体作動薬:
難治性の皮膚掻痒症を改善
![](https://assets.st-note.com/img/1739341250-24op87sutOeGinwjRF1aZMxH.png?width=1200)
2. 各医薬品の薬効と薬理作用機序
(1)トルバプタン(Tolvaptan)
薬効分類:バソプレシンV₂受容体拮抗薬(選択的V₂受容体拮抗薬)
適応症:肝硬変に伴う腹水、心不全におけるうっ血改善
作用機序:
腎集合管のV₂受容体を阻害し、水チャネル(アクアポリン2)の発現を抑制。
水の再吸収を抑制し、選択的に水利尿を促進(ナトリウム喪失を最小限に抑える)。
低ナトリウム血症を改善しつつ、腹水の貯留を軽減。
(2)ランソプラゾール(Lansoprazole)
薬効分類:プロトンポンプ阻害薬(PPI)
適応症:胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、消化管出血予防
作用機序:
胃壁細胞のH⁺/K⁺ ATPase(プロトンポンプ)を不可逆的に阻害。
胃酸分泌を強力に抑制し、胃粘膜を保護し消化管出血リスクを低減。
肝硬変患者では門脈圧亢進症により食道・胃静脈瘤のリスクが高まるため、PPIが潰瘍予防に用いられる。
(3)スピロノラクトン(Spironolactone)
薬効分類:抗アルドステロン薬(カリウム保持性利尿薬)
適応症:肝硬変に伴う腹水、心不全、高血圧
作用機序:
遠位尿細管・集合管におけるアルドステロン受容体を競合的に阻害。
ナトリウム再吸収を抑制し、カリウム排泄を抑える(カリウム保持性利尿作用)。
腹水や浮腫の軽減に寄与し、肝硬変の標準的治療薬とされる。
(4)リーバクト配合経口ゼリー
薬効分類:分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤
適応症:肝性脳症の予防・改善、栄養管理
作用機序:
BCAA(ロイシン・イソロイシン・バリン)を補充し、筋肉での異化を防ぐ。
肝性脳症の原因である芳香族アミノ酸(AAA)の代謝を補助し、Fischer比を改善。
肝不全に伴う筋肉減少(サルコペニア)の予防にも寄与。
(5)ラクツロースシロップ(Lactulose)
薬効分類:合成二糖類(腸管内pH低下・アンモニア産生抑制)
適応症:肝性脳症、慢性便秘
作用機序:
ラクツロースは消化管で分解されず、大腸で腸内細菌により発酵される。
これにより有機酸が産生され腸管pHが低下し、アンモニア(NH₃)をイオン化(NH₄⁺)し吸収を抑制。
腸内の有害物質の排泄を促進し、肝性脳症の改善に寄与。
(6)アミノレバンEN配合散
薬効分類:肝不全用経口栄養剤
適応症:慢性肝不全の栄養管理
作用機序:
BCAAを多く含むアミノ酸組成で、肝機能低下時の栄養管理を補助。
肝臓でのタンパク異化を抑え、肝性脳症やサルコペニアの予防に貢献。
(7)ナルフラフィン塩酸塩(Nalfurafine Hydrochloride)
薬効分類:κオピオイド受容体作動薬
適応症:透析・肝疾患に伴う難治性皮膚掻痒症
作用機序:
中枢神経系のκオピオイド受容体を刺激し、掻痒感を抑制。
肝硬変では胆汁うっ滞による皮膚掻痒症が頻発するため、本薬が用いられる。
3. まとめ
本患者の肝硬変・肝性脳症に対し、以下のように薬物治療が行われている。
腹水管理:トルバプタン、スピロノラクトン
肝性脳症治療:ラクツロース、BCAA(リーバクト、アミノレバン)
胃粘膜保護:ランソプラゾール
皮膚掻痒症対策:ナルフラフィン
4. 参考文献
日本肝臓学会編. 肝硬変診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2020.
European Association for the Study of the Liver (EASL). Clinical Practice Guidelines on the management of ascites, spontaneous bacterial peritonitis, and hepatorenal syndrome. J Hepatol, 2018.
Moriwaki H, et al. Branched-chain amino acids as a protein- and energy-source in liver cirrhosis. Biochem Biophys Res Commun, 2004.
論点およびポイント
■■GPT4o
問 108-220|実務
論点| スピロノラクトン / 肝性脳症 / 利尿薬 / 腹水管理 / アルドステロン拮抗薬
ポイント|
スピロノラクトンは抗アルドステロン薬であり、肝硬変に伴う腹水や浮腫の治療に用いられる。
肝硬変ではアルドステロンが過剰分泌され、ナトリウムの再吸収が増加し腹水が形成される。スピロノラクトンはこれを抑制する。
肝性脳症の主な原因は高アンモニア血症であり、治療にはラクツロースや分岐鎖アミノ酸(BCAA)が用いられる。
スピロノラクトンは肝性脳症の直接的な治療効果を持たない。
肝性脳症を改善するとする選択肢3は誤り。トルバプタンはバソプレシンV₂受容体拮抗薬であり、腹水の利尿を促進する。
ランソプラゾールはPPI(プロトンポンプ阻害薬)であり、食道・胃静脈瘤治療中の潰瘍形成を予防する目的で使用される。
ラクツロースは腸内細菌による酸生成を促進し、アンモニアをイオン化(NH₄⁺)して腸管吸収を抑制することで肝性脳症を改善する。
ナルフラフィンはκオピオイド受容体作動薬であり、肝硬変に伴う皮膚掻痒症(かゆみ)を改善する。
問 108-221|生物
論点| 分岐鎖アミノ酸(BCAA) / 筋肉代謝 / 肝硬変 / 芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症
ポイント|
分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリン)は、筋肉でエネルギー源として利用される。
肝臓ではBCAAの異化が少なく、主に筋肉で代謝される。
BCAAは肝不全時に消費が増加し、相対的に芳香族アミノ酸(AAA:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)の比率が上昇する。
BCAA/AAA比が低下すると、AAAが血液脳関門を通過しやすくなり、肝性脳症の悪化を引き起こす。
BCAA製剤(リーバクト、アミノレバン)はBCAA/AAA比を改善し、肝性脳症の治療に役立つ。
プロリンはBCAAではない。
選択肢3(プロリンがBCAAに含まれる)は誤り。ロイシンはケト原性アミノ酸であり、糖新生には関与しない。
選択肢4(すべて糖原性アミノ酸である)は誤り。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
問 108-220(実務)
本問題は、C型肝炎から肝硬変を発症し、腹水や肝性脳症を呈している患者の薬物治療と栄養管理に関するものである。
問題は、「実務」と「生物」の2つの側面から構成されている。
この問題では、患者に処方されている薬剤の説明の正誤を判断する。
肝硬変の治療では、腹水管理、肝性脳症の改善、栄養管理などが重要であり、本患者に対して以下の治療が行われている。
腹水の治療:
トルバプタン(バソプレシンV2受容体拮抗薬)、スピロノラクトン(抗アルドステロン薬)が使用されている。胃食道静脈瘤の管理:
PPI(プロトンポンプ阻害薬)のランソプラゾールが投与されている。肝性脳症の治療:
ラクツロースシロップ(腸内アンモニア産生抑制)、リーバクト(分岐鎖アミノ酸製剤)が用いられている。かゆみの治療:
ナルフラフィン(κオピオイド受容体作動薬)が処方されている。
本問題の正答
3. スピロノラクトンは肝性脳症を改善する働きがある。(誤り)
スピロノラクトンは利尿薬として使用されるが、直接的に肝性脳症を改善するわけではない。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢 3. スピロノラクトンは肝性脳症を改善する働きがあります。
論点
スピロノラクトンは、抗アルドステロン薬であり、主に腹水や浮腫の管理に用いられる。
肝硬変では、アルドステロンの作用が亢進し、ナトリウムの再吸収が増加することで腹水が形成される。
スピロノラクトンはこの作用を抑制し、腹水の減少に寄与する。
肝性脳症の改善には直接関与しない。
アプローチ方法
本問題では、各薬剤の適応症と作用機序を正確に理解する必要がある。
肝性脳症の治療には、腸管内のアンモニアを減少させるラクツロースや、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤が用いられる。
スピロノラクトンは利尿薬であり、肝性脳症に直接的な治療効果はないため、本選択肢が誤りである。
問 108-221(生物)
この問題は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝と肝機能低下時の影響について問うものである。分岐鎖アミノ酸には以下の特徴がある。
BCAAの役割:
BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)は筋肉でエネルギー源として利用される。BCAAの代謝:
BCAAは主に筋肉で代謝されるが、肝臓ではほとんど異化を受けない。アミノ酸の分類:
BCAAはロイシン、イソロイシン、バリンである。
プロリンは含まれない。糖原性とケト原性:
BCAAのうち、ロイシンは完全にケト原性である。
すべて糖原性アミノ酸というのは誤り。肝硬変とBCAA:
肝機能が低下するとBCAAの消費が増加し、芳香族アミノ酸(AAA)との比率が低下する。
本問題の正答は
1. 筋肉ではエネルギー源として利用される。
5. 肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢 1. 筋肉ではエネルギー源として利用される。
論点
分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、筋肉においてエネルギー源として利用される。
BCAAは肝臓での異化をほとんど受けず、筋肉でトランスアミナーゼにより代謝され、最終的にTCA回路を介してATPを産生する。
このため、BCAAは筋肉の重要なエネルギー基質となる。
アプローチ方法
BCAAの代謝経路を理解することで、筋肉でのエネルギー利用の重要性を確認できる。
特に、肝硬変などで筋肉が代償的にエネルギー供給を担う場合、BCAAの利用が促進される。
この観点から、本選択肢が正しいと判断できる。
選択肢 5. 肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。
論点
肝硬変では、BCAAの消費が増加し、相対的に芳香族アミノ酸(AAA、フェニルアラニン・チロシン・トリプトファン)の比率が上昇する。
これは、肝不全時にBCAAが異化亢進する一方で、AAAの代謝が低下するためである。こ
れにより、血中のBCAA/AAA比が低下し、肝性脳症のリスクが増加する。
アプローチ方法
肝硬変患者では、BCAAを補充することが、BCAA/AAA比を改善し、肝性脳症の治療につながる。
このため、BCAA製剤(リーバクトやアミノレバン)が用いられる。
本選択肢はこの機序に基づいて正しいと判断できる。
引用文献
日本消化器病学会 (2021). 「肝硬変診療ガイドライン2021」.
肝硬変の管理における薬物療法(利尿薬、BCAA製剤、ラクツロース等)の適応とエビデンスを示す。
日本肝臓学会 (2020). 「肝性脳症の治療指針」.
肝性脳症の発症メカニズムおよびBCAAの意義について解説。
日本薬学会 (2022). 「治療薬ハンドブック2022」.
各薬剤の作用機序および適応症に関する詳細な解説。
Harper, A. E., et al. (1984). "Branched-chain amino acid metabolism." Annual Review of Nutrition, 4(1), 409-454.
分岐鎖アミノ酸の代謝経路と筋肉における利用に関する研究。
Fischer, J. E., et al. (1975). "The role of plasma amino acids in hepatic encephalopathy." Surgery, 78(2), 276-290.
肝硬変患者のBCAAと芳香族アミノ酸比の変化に関する研究。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からスピロノラクトン / 利尿薬 / アルドステロン拮抗 / 分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症・肝硬変を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第108回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問220-221
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 108-220-221
Q. 66歳男性。C型肝炎の既往歴あり。今回、肝硬変によると思われる腹水が出現し、肝性脳症の症状もみられたので、消化器内科に入院し治療している。現在の処方は以下のとおりである。
(処方1)
トルバプタン口腔内崩壊錠7.5mg|1回1錠(1日1錠)|
ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(処方2)
スピロノラクトン錠25mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回|朝昼食後|14日分|
(処方3)
リーバクト配合経口ゼリー(注1)|1回1個(1日3個)|
ラクツロースシロップ65%|1回10mL(1日30mL)|
1日3回|朝昼夕食後|14日分|
(処方4)
アミノレバンEN配合散(注2)50g/包|1回1包(1日1包)|
ナルフラフィン塩酸塩口腔内崩壊錠2.5ng|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|就寝前|14日分
(注1:分岐鎖アミノ酸製剤、注2:肝不全用経口栄養剤)
実務
問 108-220|実務
Q. 現在の薬物治療について、この患者への説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. トルバプタンは、腹部などに溜まった余分な水を尿として排泄する働きがあります。
2. ランソプラゾールは、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する働きがあります。
3. スピロノラクトンは、肝性脳症を改善する働きがあります。
4. ラクツロースシロップは、腸管内でのアンモニアの発生及び吸収を抑制する働きがあります。
5. ナルフラフィンは、かゆみを改善する働きがあります。
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物理・化学・生物
問 108-221|生物
Q. この患者に補充している分岐鎖アミノ酸に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 筋肉ではエネルギー源として利用される。
2. 主に肝臓において異化を受ける。
3. 該当するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、プロリンである。
4. すべて糖原性アミノ酸である。
5. 肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-220-221【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:スピロノラクトン / 利尿薬 / アルドステロン拮抗 / 分岐鎖アミノ酸(BCAA)・芳香族アミノ酸(AAA) / 肝性脳症・肝硬変|matsunoya
■■GPT4o
■問 108-220|実務
■論点|
この問題の論点は、スピロノラクトンの作用機序と適応症を特定することです。
■解説1|
スピロノラクトンは肝性脳症を改善する働きがあります。(選択肢3)[誤り]
スピロノラクトン(Spironolactone)は抗アルドステロン薬であり、アルドステロン受容体を拮抗することで、腎臓におけるナトリウム貯留を抑制し、腹水や浮腫の治療に用いられる。
肝硬変患者ではアルドステロンの過剰分泌が見られ、ナトリウムの再吸収が促進されることで腹水が形成されるため、スピロノラクトンが有効である。
一方、肝性脳症の主要な原因は高アンモニア血症であり、その治療にはラクツロースや分岐鎖アミノ酸(BCAA)が用いられる。
スピロノラクトンは高アンモニア血症の改善作用を持たず、肝性脳症の治療薬としての適応はない。
■解説2|
肝性脳症は、肝機能低下によりアンモニアが代謝されず血中に蓄積することで発症する。
ラクツロースは腸内で短鎖脂肪酸を生成し、腸管内pHを低下させることでアンモニアをイオン化(NH₄⁺)し、腸管からの吸収を抑制する。
分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリン)は肝性脳症患者で不足しやすく、補充することで芳香族アミノ酸(AAA)の相対的増加を抑制し、意識障害を改善する。
したがって、肝性脳症の治療にはラクツロースやBCAAの補充が重要であり、スピロノラクトンにはその効果がない。
■結論|
スピロノラクトンは、腹水治療には有効だが、肝性脳症の改善には寄与しないため、選択肢3は誤りである。
■補足|
トルバプタンは、腹部などに溜まった余分な水を尿として排泄する働きがあります。(選択肢1)[正しい]
トルバプタンはバソプレシンV₂受容体拮抗薬であり、水利尿作用を持ち、腹水治療に使用される。
ランソプラゾールは、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する働きがあります。(選択肢2)[正しい]
ランソプラゾールはPPI(プロトンポンプ阻害薬)であり、胃粘膜保護作用があり、食道・胃静脈瘤治療中の潰瘍形成を予防する。
ラクツロースシロップは、腸管内でのアンモニアの発生及び吸収を抑制する働きがあります。(選択肢4) [正しい]
ラクツロースはアンモニアの発生および吸収を抑制し、肝性脳症を改善する。
ナルフラフィンは、かゆみを改善する働きがあります。(選択肢5) [正しい]
ナルフラフィンはκオピオイド受容体作動薬であり、難治性皮膚掻痒症の改善に用いられる。
■問 108-221|生物
■論点|
この問題の論点は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝と生理的役割を特定することです。
■解説1|
筋肉ではエネルギー源として利用される。(選択肢1)[正しい]
分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリン)は、筋肉での主要なエネルギー源として利用される。
BCAAは他のアミノ酸とは異なり、主に筋肉で代謝される(一般的なアミノ酸は肝臓で代謝される)。
BCAAは分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(BCAT)によってα-ケト酸に変換され、その後ミトコンドリアの分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素(BCKDH)複合体により異化される。
これにより、TCA回路でエネルギー産生に寄与するため、特に長時間の運動時に筋肉のエネルギー供給として重要な役割を果たす。
肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。(選択肢5)[正しい]
肝硬変患者では、BCAAの消費が増加し、血中濃度が低下する。
一方で、肝臓で代謝される芳香族アミノ酸(AAA:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)の血中濃度は上昇する。
これにより、BCAAとAAAの比率(Fischer比)が低下し、脳内の神経伝達物質バランスが崩れ、肝性脳症を引き起こす。
そのため、BCAA製剤(リーバクトなど)の投与が肝性脳症の治療に有効である。
■解説2|
BCAAは必須アミノ酸であり、体内で合成できないため、食事やサプリメントからの摂取が必要。
肝不全患者にBCAAを補充すると、筋肉でのタンパク質合成を促進し、筋肉量の維持にも寄与する。
BCAAはインスリン分泌を促進する作用があり、糖代謝にも関与する。
BCAAとAAAの比率(Fischer比)を正常に保つことで、肝性脳症の改善が期待できる。
■結論|
選択肢1と5は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝と肝機能低下時の役割を正しく説明しているため、正しい選択肢である。
■補足|
選択肢2:主に肝臓において異化を受ける。[誤り]
BCAAは主に筋肉で異化される。
肝臓での異化はほとんど起こらない。
選択肢3:該当するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、プロリンである。[誤り]
BCAAはロイシン、イソロイシン、バリンである。
プロリンは含まれない。
選択肢4:すべて糖原性アミノ酸である。[誤り]
ロイシンはケト原性アミノ酸、イソロイシンとバリンは糖原性アミノ酸である。
「すべて糖原性」ということではない。
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第108回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問220-221
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 108-220-221
Q. 66歳男性。C型肝炎の既往歴あり。今回、肝硬変によると思われる腹水が出現し、肝性脳症の症状もみられたので、消化器内科に入院し治療している。現在の処方は以下のとおりである。
(処方1)
トルバプタン口腔内崩壊錠7.5mg|1回1錠(1日1錠)|
ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|朝食後|14日分|
(処方2)
スピロノラクトン錠25mg|1回1錠(1日2錠)|
1日2回|朝昼食後|14日分|
(処方3)
リーバクト配合経口ゼリー(注1)|1回1個(1日3個)|
ラクツロースシロップ65%|1回10mL(1日30mL)|
1日3回|朝昼夕食後|14日分|
(処方4)
アミノレバンEN配合散(注2)50g/包|1回1包(1日1包)|
ナルフラフィン塩酸塩口腔内崩壊錠2.5ng|1回1錠(1日1錠)|
1日1回|就寝前|14日分
(注1:分岐鎖アミノ酸製剤、注2:肝不全用経口栄養剤)
実務
問 108-220|実務
Q. 現在の薬物治療について、この患者への説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. トルバプタンは、腹部などに溜まった余分な水を尿として排泄する働きがあります。
2. ランソプラゾールは、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する働きがあります。
3. スピロノラクトンは、肝性脳症を改善する働きがあります。
4. ラクツロースシロップは、腸管内でのアンモニアの発生及び吸収を抑制する働きがあります。
5. ナルフラフィンは、かゆみを改善する働きがあります。
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物理・化学・生物
問 108-221|生物
Q. この患者に補充している分岐鎖アミノ酸に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 筋肉ではエネルギー源として利用される。
2. 主に肝臓において異化を受ける。
3. 該当するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、プロリンである。
4. すべて糖原性アミノ酸である。
5. 肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。
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