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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-109【化学】論点:1H-NMR / IRスペクトル / 構造決定
第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問109
一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】
化学|問 108-109
Q. 下図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものであり、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。また、この化合物はIRスペクトルにて1770cm-1付近に強い吸収を示した。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、×印のシグナルは水又はCDCl3中に含まれるCHCl3のプロトンに由来する。
表:
シグナル|積分比|
- ア|3|
- イ|3|
- ウ|2|
- エ|2|
- オ|2|

■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-109【化学】論点:1H-NMR / IRスペクトル / 構造決定|matsunoya
こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【化学】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問109【化学】 、論点:1H-NMR / IR / 構造決定を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
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第108回薬剤師国家試験の問109【化学】(問108-109)では、化学構造から1H-NMR / IR / 構造決定などが問われました。
1H-NMRで積分比が示されている場合、各選択肢の化合物の水素の数を数えることが、最初に行うことです。
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数えてみると、典型的なプロトンの環境の分類別に、すべての選択肢で同じ数の水素が存在することがわかります。
水素の合計数は12、メチル基の水素が3×2、メチレンの水素が2、ベンゼン環の水素が2×2です。
シグナル|積分比|
- ア|3|
- イ|3|
- ウ|2|
- エ|2|
- オ|2|
もう一つのアプローチとして、今回、IRスペクトルの吸収が1770cm^(-1)付近に観察されていることから、これがどの官能基に該当するのか特定する必要があります。
IRスペクトルで1770 cm⁻¹付近に強い吸収が見られることは、エステル基(-C(=O)-O-)の存在を示唆しています。
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IRスペクトルの知識を問う形になっています。候補を3つに絞ることができます。
IRスペクトルの知識がないと、1H-NMRだけでは区別が難しいでしょう。
また、1H-NMRでは、メチル基の環境の違いをよく見ると、下記の4種類に分けられます。
-CH2-CH3 | 約0.8 - 1.5 ppm |エチル基の末端メチル
-O-C(=O)-CH3 | 約2.0 - 2.5 ppm |アセチル基のメチル
-O-CH3 | 約3.7 - 4.0 ppm |メトキシ基のメチル
-Ph-CH3 | 約2.2 - 2.6 ppm |ベンジルメチル
シグナル|積分比|シフト(ppm)|ピーク数
- ア|3|1.20 – 1.26|3
- イ|3|2.2 – 2.3|1
これらのメチルの化学シフトの違いおよびカップリングの違いを見分けられるかが、薬剤師の国家資格として問われている問題設計です。
メチレン(2H)および芳香族環のプロトン(2H×2)は、各選択肢で明確な環境の違いはないです。
まとめるとこんな感じです。
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これを、初見で2分30秒で解くことは、不可能ですねー。⤴
まさに、典型的なABCDアイウエオ問題👽(キィー、ヒヒッ) と言えるでしょう。
誰も解くことのできない問題を意図的に設計して、利益相反関係上有利な「ゼロ点合格」へのベクトルを創出することが目論みとして存在するとしたら、それは、薬剤師という国家資格の定義と価値を非常に希薄に薄めていく方向性を持っていて、保健衛生上のリスクとなります。
「それも世の常、人の常」で、放置してよいことではないです。
あなたのためだもの。🤔
こうした問題は、草案の時点で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示を行う「リスクベースのアプローチによる品質マネージメント」のプロセスが必要です。
今回は、1H-NMRを解説させたら、生成AI界で右に出る者はいない Grok 2 の登板です(^^)/。。🤖🦾🙂
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■Grok 2
メチル基のプロトンの化学シフト
-CH₂-CH₃(エチル基の末端メチル):
化学シフトの範囲: 約0.8 - 1.5 ppm
この範囲は一般にアルキルメチルに見られます。
-O-C(=O)-CH₃(アセチル基のメチル):
化学シフトの範囲: 約2.0 - 2.5 ppm
エステルやアセチル基のメチルはこの範囲に現れます。
-O-CH₃(メトキシ基のメチル):
化学シフトの範囲: 約3.7 - 4.0 ppm
エーテルやエステルの一部として存在するメトキシ基のメチルはここに見られます。
-Ph-CH₃(ベンジルメチル):
化学シフトの範囲: 約2.2 - 2.6 ppm
ベンゼン環に直接結合したメチル基はこの範囲に見られますが、アセチル基のメチルと重なることがあります。
注意点:
これらの範囲は一般的なものであり、溶媒、分子の構造、他の置換基の影響などにより若干変動することがあります。
特にエステル基のメチル(-O-C(=O)-CH₃)とケトン基のメチル(-C(=O)-CH₃)は同じ範囲に現れることが多いですが、微細なシフトの違いが見られる場合もあります。
選択肢1: (4-ethylphenyl) acetate, C10H12O2 |シグナルの分析:
まず、選択肢1の化学構造式が正しいかどうかを確認するために、与えられた1H-NMRスペクトルのデータと一致するかを段階的に見ていきましょう。
シグナル ア (3H, 1.20 – 1.26 ppm):
これはメチル基(CH₃)のシグナルです。エチル基の一端にあるメチルが対応すると考えられます。積分比が3であることから、これがエチル基のメチル部分を表す可能性が高いです。
シグナル イ (3H, 2.2 – 2.3 ppm):
これもメチル基のシグナルですが、位置が異なります。アセチル基(-O-CO-CH₃)のメチルと一致する可能性があります。アセチル基のメチルはこの範囲で見られることが一般的です。
シグナル ウ (2H, 2.6 – 2.7 ppm):
この範囲は通常、アルキル基のメチレン(CH₂)プロトンを示します。エチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)に対応するでしょう。
シグナル エ (2H, 6.96 – 7.02 ppm) と シグナル オ (2H, 7.16 – 7.22 ppm):
これらは芳香族プロトンのシグナルです。4-エチルフェニル基のベンゼン環上のプロトンに相当します。ベンゼン環のプロトンは一般に7 ppm付近でシグナルを示し、この積分比とピークの数から、対称的な構造を持つ化合物であると推測できます。
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IRスペクトルの確認:
IRスペクトルで1770 cm⁻¹付近に強い吸収が見られることは、エステル基(-COO-)の存在を示唆しています。これは選択肢1の構造式に見られるアセチル基に一致します。
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1. 4-Ethylphenyl acetate, C10H12O2, IU PAC: (4-ethylphenyl) acetate, CAS: 3245-23-6
4-Ethylphenyl acetate | C10H12O2 | CID 76731 - PubChem
p-ethylphenol, acetate - Optional[1H NMR] - Spectrum - SpectraBase
p-ethylphenol, acetate - Optional[FTIR] - Spectrum - SpectraBase
結論:
選択肢1の(4-ethylphenyl) acetateは、与えられたNMRスペクトルのデータとIRスペクトルの情報に完全に一致します。積分比、化学シフト、およびピークの数がすべて説明されていることから、選択肢1が正しい構造式であると結論づけられます。
選択肢2: 1-ethyl-4-methoxybenzene, C9H12O |シグナルの分析:
選択肢2の1-ethyl-4-methoxybenzeneが与えられた1H-NMRスペクトルのデータとどのように一致するか、またはしないかを確認します。
以下は、1-ethyl-4-methoxybenzeneの1H-NMRと問題のシグナルとを比較した表です。
問題のイのアセチル基(-O-CO-CH₃)のメチルと3.7 ppmのメトキシ基(-O-CH₃)のメチルのシグナルの違いしか違いはないです。
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2. 4-Ethylanisole, C9H12O, IU PAC: 1-ethyl-4-methoxybenzene, CAS: 1515-95-3
1-Ethyl-4-methoxybenzene | C9H12O | CID 73690 - PubChem
p-ethylanisole - Optional[1H NMR] - Chemical Shifts - SpectraBase
p-ethylanisole - Optional[FTIR] - Spectrum - SpectraBase
シグナル ア (3H, 1.2 ppm vs. 1.20 – 1.26 ppm):
実測値と問題のシグナルがほぼ一致しています。これはエチル基の末端のメチル(CH₃)に相当します。
シグナル イ (3H, 3.7 ppm vs. 2.2 – 2.3 ppm):
ここで大きな不一致が見られます。3.7 ppmはメトキシ基(-O-CH₃)のシグナルで、通常この範囲に現れますが、問題のシグナル範囲(2.2 - 2.3 ppm)とは一致しません。
シグナル ウ (2H, 2.5 ppm vs. 2.6 – 2.7 ppm):
このシグナルはエチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)に相当します。実測値と問題のシグナルがほぼ一致しています。
シグナル エ (2H, 6.7 ppm vs. 6.96 – 7.02 ppm):
ベンゼン環のプロトンで、範囲内に入っているため、ある程度一致しています。
シグナル オ (2H, 7.0 ppm vs. 7.16 – 7.22 ppm):
こちらもベンゼン環のプロトンで実測値が範囲外ですが、化学シフトの細かい違いは溶媒や測定条件により変動することがあります。
IRスペクトルの確認:
問題では1770 cm⁻¹付近の強い吸収が示されていますが、選択肢2の化合物にはエステル基が存在しないため、これに相当する吸収は期待されません。この点で不一致が生じます。

結論:
選択肢2の1-ethyl-4-methoxybenzeneは、以下の点で与えられたNMRデータと完全には一致しない:
シグナル イの化学シフトがメトキシ基のシグナルとして適切な範囲にない。
ベンゼン環のプロトン(特にシグナル オ)のシフト値が完全に一致しない。
IRスペクトルの情報と矛盾する。
したがって、選択肢2は正解ではありません。
選択肢2. 1-ethyl-4-methoxybenzene (C9H12O) のIRスペクトル
選択肢2の化合物は1-ethyl-4-methoxybenzene (C9H12O) です。この化合物のIRスペクトルには以下のような特徴が見られるでしょう:
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C-H伸縮振動:
芳香族C-H: ベンゼン環のC-H結合は約3000-3100 cm⁻¹の範囲で中程度から強い吸収を見せます。
アルキルC-H: エチル基やメトキシ基のアルキルC-Hは約2850-3000 cm⁻¹の範囲で中程度から強い吸収を示します。
C-O伸縮振動:
メトキシ基のC-O: オキシ基(-O-CH₃)のC-O伸縮は約1200-1270 cm⁻¹の範囲で強い吸収を示します。これはエーテルの特徴的な吸収です。
ベンゼン環骨格振動:
ベンゼン環の骨格振動は約1450-1600 cm⁻¹の範囲で中程度から強い吸収を見せます。特に、1500 cm⁻¹付近に特徴的なピークが現れることがあります。
その他の吸収:
ベンゼン環の置換パターンに応じた吸収も見られます。例えば、1,4-置換(パラ)では約800-900 cm⁻¹の範囲に特徴的な吸収が現れることが多いです。
注意点:
選択肢2の化合物はエステル基を持たないため、1770 cm⁻¹付近に強い吸収(エステルのC=O伸縮)は見られません。これは問題で示されたIRスペクトルの特徴と矛盾します。
選択肢2のIRスペクトルは以下のように要約できます:
3000-3100 cm⁻¹: 芳香族C-H伸縮
2850-3000 cm⁻¹: アルキルC-H伸縮
1450-1600 cm⁻¹: ベンゼン環の骨格振動
1200-1270 cm⁻¹: メトキシ基のC-O伸縮
800-900 cm⁻¹: 1,4-置換ベンゼン環の特徴的吸収
これらの特徴は、選択肢2の化合物の構造に適合しますが、問題で示されたIRスペクトルの吸収(特に1770 cm⁻¹のエステルC=Oの吸収)とは一致しません。
選択肢3: methyl 4-ethylbenzoate, C10H12O2 |シグナルの分析:
選択肢3のmethyl 4-ethylbenzoateが与えられた1H-NMRスペクトルのデータとどのように一致するか、またはしないかを確認します。
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シグナル ア (3H, 1.20 – 1.26 ppm):
このシグナルはエチル基の末端のメチル(CH₃)に相当します。範囲が一致しています。
シグナル イ (3H, 2.2 – 2.3 ppm):
このシグナルはメチル基のシグナルですが、範囲がメトキシ基(-O-CH₃)の通常の位置(約3.7-4.0 ppm)とは一致しません。
エステル基のメチルではないかもしれません。
シグナル ウ (2H, 2.6 – 2.7 ppm):
エチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)に相当します。範囲が一致します。
シグナル エ (2H, 6.96 – 7.02 ppm) と シグナル オ (2H, 7.16 – 7.22 ppm):
これらはベンゼン環上の芳香族プロトンのシグナルです。4-エチルベンゾエートでは、ベンゼン環のプロトンは2つの異なる環境にあります。一方はエチル基に近いプロトン(低シフト)、もう一方はエステル基に近いプロトン(高シフト)です。
積分比が2で一致しますが、シフト値が正確に一致するかどうかは、細かい影響(例えば溶媒効果、測定条件)により異なる場合があります。
IRスペクトルの確認:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当します。
選択肢3の化合物にもエステル基があるため、これは一致します。
結論:
選択肢3のmethyl 4-ethylbenzoateは、以下の点で与えられたNMRデータと完全には一致しない:
シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常の範囲外である。
エステル基のメチルがこの範囲で現れることはあまり一般的ではありません。
しかし、以下の点で一致します:
シグナル アとウの化学シフトおよび積分比。
芳香族プロトンの積分比。
IRスペクトルでのエステル基の吸収。
したがって、選択肢3が完全に不正解であるとは断言できませんが、シグナル イの不一致により、問題のデータと完全に一致しないと判断されます。
選択肢4: 1-(methoxymethyl)-4-methylbenzene, C9H12O |シグナルの分析:
選択肢4の1-(methoxymethyl)-4-methylbenzeneが与えられた1H-NMRスペクトルのデータとどのように一致するか、またはしないかを確認します。
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シグナル ア (3H, 1.20 – 1.26 ppm):
このシグナルはメチル基(CH₃)に相当しますが、通常メチル基のシグナルはこの範囲ではなく、2 ppm以上に現れることが多いです。
メトキシメチル基のメチル(-CH₂-O-CH₃)ではなく、4位のメチル基(-CH₃)がこのシグナルに相当する可能性は低いです。
シグナル イ (3H, 2.2 – 2.3 ppm):
これはメチル基のシグナルで、ベンゼン環の4位にあるメチル(-CH₃)に相当する可能性があります。この化学シフトはメチル基の一般的な範囲内です。
シグナル ウ (2H, 2.6 – 2.7 ppm):
このシグナルはメチレン(-CH₂-)に相当します。1位のメトキシメチル基のメチレン部分(-CH₂-O-CH₃)がこの範囲には通常現れません。メチレン基のシグナルは一般に3.5 ppm付近に見られることが多いです。
シグナル エ (2H, 6.96 – 7.02 ppm) と シグナル オ (2H, 7.16 – 7.22 ppm):
これらはベンゼン環上の芳香族プロトンのシグナルです。2つの異なる環境に分かれているため、積分比やシフト値は一致しますが、メトキシメチル基の影響でシフト値が若干変動する可能性があります。しかし、基本的には一致します。
IRスペクトルの確認:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当しますが、選択肢4の化合物にはエステル基が存在しないため、この吸収は見られません。この点で不一致が生じます。
結論:
選択肢4の1-(methoxymethyl)-4-methylbenzeneは、以下の点で与えられたNMRデータと完全には一致しない:
シグナル アの化学シフトがメチル基として予想される範囲外。
シグナル ウの化学シフトがメチレン基として予想される範囲外。
IRスペクトルの情報と矛盾する(エステル基がないため1770 cm⁻¹の吸収がない)。
したがって、選択肢4は正解ではありません。
選択肢5: (4-methoxyphenyl) propanoate, C10H12O3 |シグナルの分析:
次に、選択肢5の(4-methoxyphenyl) propanoateが与えられた1H-NMRスペクトルのデータとどのように一致するか、またはしないかを確認します。
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シグナル ア (3H, 1.20 – 1.26 ppm):
このシグナルはプロピオネート基(-O-C(=O)-CH₂-CH₃)の末端のメチル(CH₃)に相当します。積分比3と化学シフトが一致します。
シグナル イ (3H, 2.2 – 2.3 ppm):
これもメチル基のシグナルですが、位置が異なります。メトキシ基(-O-CH₃)に相当する可能性があります。
メトキシ基のプロトンは通常3.7-4.0 ppm付近に現れるため、このシフト値と一致しません。
シグナル ウ (2H, 2.6 – 2.7 ppm):
このシグナルはプロピオネート基のメチレン(-CH₂-CH₃)に相当します。化学シフトが一致します。
シグナル エ (2H, 6.96 – 7.02 ppm) と シグナル オ (2H, 7.16 – 7.22 ppm):
これらはベンゼン環上の芳香族プロトンのシグナルです。4-メトキシフェニル基のベンゼン環のプロトンは2つの異なる環境にあります。
メトキシ基が4位にあるため、一方のシグナルはメトキシ基に近いプロトン(よりシールドされ、低シフト)、もう一方は遠いプロトン(高シフト)となります。積分比は一致しますが、メトキシ基の影響を考慮すると、シフト値が完全に一致しない可能性があります。
IRスペクトルの確認:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基の存在を示唆しますが、エステルの種類や配置によって吸収位置が若干変わることがあります。選択肢5の構造にもエステル基があるため、この点では一致します。
結論:
選択肢5の(4-methoxyphenyl) propanoateは、以下の点で与えられたNMRデータと完全には一致しない:
シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常の範囲(3.7-4.0 ppm付近)外である。
ベンゼン環のプロトンのシフト値がメトキシ基の影響を考慮すると完全に一致しない可能性がある。
したがって、選択肢5は正解ではありません。
メチル基の化学シフトとカップリング
メチル基の化学シフトとカップリングに関する情報は、NMRスペクトル解析において重要です。
以下に各環境におけるメチル基の化学シフトとカップリングについて段階的に論述します:
メチル基の化学シフト(ppm)

アルキルメチル(CH₃-):
範囲: 約0.8 - 1.5 ppm
例: エチル基の末端メチルやプロピル基の末端メチル。例えば、シグナル アの1.20-1.26 ppmはこの範囲に該当します。
アセチルメチル(-C(=O)-CH₃):
範囲: 約2.0 - 2.5 ppm
例: アセチル基(CH₃CO-)のメチル。シグナル イの2.2-2.3 ppmはこの範囲に近い。
通常のメチル基のシフト範囲からは外れる可能性がある。
メトキシメチル(-O-CH₃):
範囲: 約3.7 - 4.0 ppm
例: メトキシ基(-OCH₃)のメチルはこの範囲に現れます。
上記の問題ではこの範囲にシグナルが見られませんでした。
エステルメチル(-COO-CH₃):
範囲: 約3.5 - 4.0 ppm
例: エステル基のメチル部分。
シグナル イはこの範囲に該当しない。
メチル基のカップリング(ピーク形状)
メチル基のピーク形状はその隣接する水素原子との相互作用(カップリング)によって決定されます:

シングレット (s):
説明:
隣接する水素がないか、またはカップリングが非常に小さい場合。メチル基がベンゼン環に直接結合しているか、エステル基のメチル部分など。例: シグナル イのピーク数が1は、シングレットを示唆します。
ダブレット (d):
説明:
隣接する水素が1個の場合。二つのピークが等しい強度で現れます。例: 通常、メチル基がメチレン基に隣接している場合(-CH₂-CH₃)、ただしメチル基自体はダブレットを示すことは少ない。
トリプレット (t):
説明:
隣接する水素が2個の場合。三つのピークが現れます。例: エチル基の末端メチル(-CH₂-CH₃)では、メチル基がトリプレットを示すことがあります。
マルチプレット (m):
説明:
隣接する水素が複数で、複雑なカップリングパターンを示す場合。ピークが重なって見えます。例: ベンゼン環のメチル基が複雑なカップリングをする場合。
注意:
上記のシフト範囲は一般的であり、溶媒や他の分子間相互作用により若干のずれが生じることがあります。
ピークの形状は、NMRの磁場強度や測定条件にも影響されます。
これらの情報は、化学構造の解析において、どのメチル基がどの環境に位置しているかを特定する助けとなります。
メチレン基の化学シフトとカップリング
メチレン基の化学シフトとカップリングに関する情報は、NMRスペクトル解析において構造決定に役立ちます。
以下に各環境におけるメチレン基の化学シフトとカップリングについて段階的に論述します:
メチレン基の化学シフト(ppm)

アルキルメチレン(-CH₂-):
範囲: 約1.2 - 2.0 ppm
例: エチル基やプロピル基の内部メチレン(-CH₂-CH₃)。
シグナル ウの2.6-2.7 ppmはこの範囲よりやや高いですが、アリルまたはベンジル位置のメチレンと考えられます。
アリルメチレン(-CH=CH-CH₂-):
範囲: 約2.0 - 3.0 ppm
例: アリル基に近いメチレン基はこの範囲に現れます。シグナル ウの2.6-2.7 ppmはこの範囲内です。
ベンジルメチレン(Ph-CH₂-):
範囲: 約2.5 - 3.5 ppm
例: ベンゼン環に直接結合したメチレン。
シグナル ウの2.6-2.7 ppmはこの範囲に該当し、ベンジルメチレンと考えられます。
エーテルメチレン(-O-CH₂-):
範囲: 約3.5 - 4.5 ppm
例: メトキシメチル基(-CH₂-O-CH₃)のメチレン部分。通常この範囲に現れます。
問題ではこのシフト値に相当するシグナルは見られません。
メチレン基のカップリング(ピーク形状)
メチレン基のピーク形状はその隣接する水素原子との相互作用(カップリング)によって決定されます:
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トリプレット (t):
説明: 隣接する水素が2個の場合。三つのピークが現れます。
例: エチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)では、メチレンが隣接するメチル基によってトリプレットを示すことが多いです。
ダブレット (d):
説明: 隣接する水素が1個の場合。二つのピークが等しい強度で現れます。
例: メチレンがメチル基や他のメチレンに隣接し、一方だけが結合している場合。
マルチプレット (m):
説明: 隣接する水素が複数で、複雑なカップリングパターンを示す場合。ピークが重なって見えます。
例: ベンゼン環に隣接するメチレンでは、環上のプロトンとの複雑な相互作用があるためマルチプレットを示すことがあります。
クワルテット (q):
説明: 隣接する水素が3個の場合。四つのピークが現れます。
例: エチル基のメチレンでは、隣接するメチル基の3つの水素によりクワルテットを示すことがあります。
注意:
化学シフトの範囲は溶媒や分子間相互作用により若干の変動があります。
ピークの形状は、NMRの磁場強度や測定条件、さらには溶媒効果などによっても影響を受けます。
これらの情報は、NMRスペクトルからメチレン基の環境を特定し、化合物の構造を決定する上で重要です。
ベンゼン環の芳香族プロトンの化学シフトとカップリング
ベンゼン環の芳香族プロトンの化学シフトとカップリングに関する情報は、NMRスペクトル解析において役立ちます。
以下に各環境における芳香族プロトンの化学シフトとカップリングについて段階的に論述します:
芳香族プロトンの化学シフト(ppm)
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無置換ベンゼン環(C₆H₆):
範囲: 約7.2 - 7.4 ppm
説明: 全てのプロトンが同等で、シングレットとして現れます。
置換ベンゼン環:
範囲: 約6.5 - 8.0 ppm
例:
パラ置換: 二つの異なる環境に分かれ、シフトが異なります。
通常、置換基に近いプロトンは低シフト(6.5-7.1 ppm)、遠いプロトンは高シフト(7.1-7.5 ppm)に現れます。シグナル エ(6.96-7.02 ppm)とオ(7.16-7.22 ppm)がこのパターンに合致します。
オルトやメタ置換: 複雑なパターンとなり、プロトンは互いに異なるシフト範囲に現れます。範囲は6.5-8.0 ppm内で変動します。
置換基の影響:
電子供与基(例:-OCH₃):
プロトンをシールドし、シフトを低くします。電子求引基(例:-COOH, -NO₂):
プロトンをデシールドし、シフトを高くします。
芳香族プロトンのカップリング(ピーク形状)
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芳香族プロトンのピーク形状は隣接する水素原子との相互作用によるカップリングパターンによって決定されます:
ダブレット (d):
説明: 隣接する水素が1個の場合。ベンゼン環のプロトンがパラまたはメタ位置に置換基がある場合によく見られます。
例: パラ置換のベンゼン環では、各セットのプロトンが互いにダブレットを形成することがあります。
トリプレット (t):
説明: 隣接する水素が2個の場合。オルト置換の場合、中央のプロトンがトリプレットを示すことがあります。
クワルテット (q):
説明: 隣接する水素が3個の場合。稀に見られますが、複雑な置換パターンで起こることがあります。
マルチプレット (m):
説明: 隣接する水素が複数で、複雑なカップリングパターンを示す場合。ピークが重なって見えます。
例: ベンゼン環のプロトンが多数の異なる環境にあり、相互にカップリングする場合。特に置換が複雑な場合に見られます。
シングレット (s):
説明: 隣接する水素がないか、またはカップリングが非常に小さい場合。対称的な置換パターン(例:1,3,5-トリメチルベンゼン)では、すべてのプロトンがシングレットを示すことがあります。
注意:
化学シフトは溶媒、置換基の種類、および分子の全体構造によって大きく変動します。
カップリングパターンは、ベンゼン環の置換パターンと環上の水素の配置に強く依存します。
NMRの磁場強度や測定条件もピークの形状とシフトに影響を与えます。
これらの情報は、ベンゼン環の構造や置換パターンを理解し、化合物の構造を決定するための重要な手掛かりとなります。
論点およびポイント
■■Grok 2
化学|問 108-109
論点|1H-NMR / IR / 構造決定
ポイント|
NMRのシグナル分析:
積分比からメチル(3H×2)、メチレン(2H)、芳香族プロトン(2H×2)の存在を確認。化学シフトで各プロトンの環境を推測。IRスペクトルの利用:
1770 cm⁻¹の強い吸収はエステル基(C=O)の存在を示す。選択肢との比較:
各選択肢の構造式がNMRのシグナルとIRの吸収に合致するかをチェック。エステル基を持つ化合物が優先。化学シフトの理解:
各シグナルの位置(ppm)から、メチル、メチレン、エステル基、芳香環のプロトンを特定。積分比の確認: 積分比が各構造式の水素数と一致するかを検証。
ピークの多重度: ピークの形状や数から隣接水素の数を推定し、構造を評価。
エステル基の存在: IR吸収とNMRデータを組み合わせて、エステル基を持つ化合物を絞り込む。
正しい構造の特定: 全てのスペクトルデータに合致する選択肢を選定。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■Grok 2
総合的な論点
1. 問題の総合的な論点についてエビデンスに基づいて段階的に論述
論点1: 1H-NMRスペクトルの解析
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シグナルの積分比:
各シグナルの積分比が示されているため、構造中の水素の数とその環境を理解する必要があります。例えば、積分比が3であるシグナル(ア、イ)はメチル基(CH₃)を示唆します。化学シフト:
化学シフトの値から、プロトンがどのような化学環境にあるか(例えばメチル基か、メチレン基か)を推測します。例えば、1.20-1.26 ppmは一般にメチル基、2.2-2.3 ppmもまたメチル基ですが、環境が異なることを示します。ピークの多重度:
ピークの数や形状(例えば三重線、四重線など)は、隣接する水素原子とのスピン結合を反映しており、構造決定の重要な手掛かりとなります。
論点2: IRスペクトルの利用
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1770 cm⁻¹付近の吸収:
この強い吸収はエステル基のC=Oの伸縮振動に関連しており、選択肢の中でエステル基を持つ化合物を特定する重要な指標となります。
論点3: 選択肢の比較
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各選択肢の化合物の構造と、NMRおよびIRデータの整合性を確認する必要があります。
特に、エステル基の存在の確認や、特定のシグナルの化学シフトが選択肢の化合物に適合するかどうかを評価します。
アプローチ方法:
まず、各選択肢の構造式から期待されるNMRスペクトルを予測し、それを問題で与えられたスペクトルデータと比較します。
IRスペクトルの特徴(1770 cm⁻¹の吸収)があるかどうかを確認し、これがエステル基を持つ化合物か否かを判断します。
各シグナルの化学シフト、積分比、ピークの多重度を詳細に分析し、選択肢の構造とマッチングさせます。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢1: (4-ethylphenyl) acetate, C10H12O2
論点:
エステル基(アセチル基)とエチル基を持つ。
1H-NMRではメチル(積分比3)、メチレン(積分比2)、および芳香族プロトン(積分比2×2)が存在する。
アプローチ方法:
シグナル アとイはそれぞれエチル基とアセチル基のメチルに相当。
シグナル ウはエチル基のメチレン。
シグナル エとオは芳香族プロトンで、4-エチルフェニル基のベンゼン環に適合。
IRスペクトルの1770 cm⁻¹の吸収はエステル基に一致。
選択肢2: 1-ethyl-4-methoxybenzene, C9H12O
論点:
エチル基とメトキシ基を持つが、エステル基はない。
アプローチ方法:
シグナル アはエチル基のメチル。
シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常の範囲外。
シグナル ウはエチル基のメチレン。
芳香族プロトン(エ、オ)も一致するが、IRスペクトルがエステル基を持たないことを示す。
選択肢3: methyl 4-ethylbenzoate, C10H12O2
論点:
エステル基とエチル基を持ち、IRスペクトルに一致。
アプローチ方法:
シグナル アとウがエチル基に相当。
シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常の位置と一致しない。
芳香族プロトン(エ、オ)はパラ置換のベンゼン環と一致。
IR吸収がエステル基の存在を支持。
選択肢4: 1-(methoxymethyl)-4-methylbenzene, C9H12O
論点:
メトキシメチル基とメチル基を持つが、エステル基はない。
アプローチ方法:
シグナル アの化学シフトがメチル基の期待値と異なる。
シグナル イはベンゼン環のメチルに相当。
シグナル ウの化学シフトがメチレン基の予想外。
IRスペクトルがエステル基を示さない。
選択肢5: (4-methoxyphenyl) propanoate, C10H12O3
論点:
エステル基(プロピオネート)とメトキシ基を持つ。
アプローチ方法:
シグナル アはプロピオネート基のメチル。
シグナル イの化学シフトがメトキシ基の位置に合わない。
シグナル ウはメチレン。
芳香族プロトン(エ、オ)はパラ置換パターンに一致。
IR吸収がエステル基を示すが、NMRの不一致がある。
引用文献のリスト
以下は、NMRおよびIRスペクトル解析に関する基本的な文献です。これらのテキストは、化学シフトや吸収帯の解釈についての理解を深めるのに役立ちます。
Silverstein, R. M., Webster, F. X., Kiemle, D. J., & Bryce, D. L. (2014). Spectrometric Identification of Organic Compounds (8th ed.). Wiley.
この書籍は、NMRとIRスペクトルの解釈方法を詳細に説明しており、化学シフトや吸収バンドの予想範囲についての基本的な情報を提供します。
Pavia, D. L., Lampman, G. M., Kriz, G. S., & Vyvyan, J. R. (2015). Introduction to Spectroscopy (5th ed.). Cengage Learning.
各種スペクトル解析方法の導入書で、特にNMRのプロトンと炭素の化学シフトの範囲、およびIRスペクトルの特徴的な吸収について学ぶのに適しています。
Williams, D. H., & Fleming, I. (2007). Spectroscopic Methods in Organic Chemistry (6th ed.). McGraw-Hill.
有機化合物の構造決定に用いられる各種スペクトル法の包括的なガイドで、NMRとIRの双方について深い洞察を提供します。
Pretsch, E., Bühlmann, P., & Badertscher, M. (2009). Structure Determination of Organic Compounds: Tables of Spectral Data (4th ed.). Springer.
スペクトルデータの表形式の集大成で、化学シフトやIR吸収の具体的な数値データを提供します。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【化学】から1H-NMR / IR / 構造決定を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問109
一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】
化学|問 108-109
Q. 下図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものであり、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。また、この化合物はIRスペクトルにて1770cm-1付近に強い吸収を示した。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、×印のシグナルは水又はCDCl3中に含まれるCHCl3のプロトンに由来する。
表:
シグナル|積分比|
- ア|3|
- イ|3|
- ウ|2|
- エ|2|
- オ|2|
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■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
■■Grok 2
化学|問 108-109
■論点|1H-NMR / IR / 構造決定
この問題の論点は、NMRスペクトルとIRスペクトルを基に構造式を特定することです。
■解説1|
(4-ethylphenyl) acetate, C10H12O2(選択肢1)[正しい]
NMRデータの対応:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3)は、エチル基の末端メチルに対応。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3)は、アセチル基のメチルに対応。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2)は、エチル基のメチレンに対応。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2)は、4-エチルフェニル基の芳香族プロトンに対応。
IRデータの対応:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収は、エステル基の存在を示唆します。
■解説2|
詳細なNMR分析:
1.20-1.26 ppmはエチル基のメチル(CH₃)の典型的な範囲であり、積分比が3と一致。
2.2-2.3 ppmはアセチル基のメチルで、積分比3が一致。
芳香族プロトンは対称的なベンゼン環でシフト値が異なる2組に分かれています。分子構造の確認:
選択肢1の構造は、NMRとIRの両方のデータと完全に一致し、エステル基を持つ構造です。
■結論|
選択肢1の(4-ethylphenyl) acetateが正しい構造式です。
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■補足|
1-ethyl-4-methoxybenzene, C9H12O(選択肢2)[誤り]
不一致点: IRスペクトルにエステル基の吸収がない。
また、シグナル イの化学シフトがメトキシ基の一般的な位置と一致しない。
methyl 4-ethylbenzoate, C10H12O2(選択肢3)[誤り]
不一致点: シグナル イの化学シフトがメチル基の予想範囲外にある。
ただし、エステル基を持つ点ではIRデータと合致する。
1-(methoxymethyl)-4-methylbenzene, C9H12O(選択肢4)[誤り]
不一致点: IRスペクトルにエステル基の吸収がない。
また、シグナル アとウの化学シフトがその構造に一致しない。
(4-methoxyphenyl) propanoate, C10H12O3(選択肢5)[誤り]
不一致点: シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常の範囲外である。
エステル基は存在するが、NMRデータとの完全な一致がない。
より詳細な補足
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(4-ethylphenyl) acetate, C10H12O2(選択肢1)[正しい]
論点:
NMRデータの完全一致:
各シグナルの化学シフト、積分比、ピーク形状が選択肢1の構造と一致。IRスペクトルの対応:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収がエステル基の存在を示し、選択肢1の構造と合致。
アプローチ方法と詳細な解説:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3):
環境: エチル基の末端メチル(CH₃)。このシフト範囲はアルキルメチルとして期待される範囲にあり、積分比3はこの部分の水素数と一致します。
カップリング: ピーク数3はトリプレットを示唆し、隣接するメチレン基の二つの水素による影響を反映しています。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3):
環境: アセチル基のメチル部分(-C(=O)-CH₃)。このシフト範囲はアセチルメチルに適合します。
カップリング: ピーク数1はシングレットで、アセチル基のメチルが他のプロトンとカップリングしないことを示します。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2):
環境: エチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)。この範囲はベンジルメチレンとしても考えられ、4-エチルフェニル基のメチレンに該当します。
カップリング: ピーク数4はクワルテットを示唆し、隣接するメチル基の3つの水素による影響を反映しています。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2):
環境: これらはベンゼン環上の芳香族プロトンです。4-エチルフェニル基では、パラ置換により2つの異なる環境のプロトンが存在します。一方はエチル基に近く、もう一方はエステル基に近い。
カップリング: 各々のシグナルはメイン2のピークを持つが、より詳細に見ると各々6のピークがある。これはパラ置換ベンゼン環でのダブレットの形成を示唆します。
積分比2が各々の環境でのプロトン数と一致します。
IRスペクトル:
吸収ピーク: 1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当し、選択肢1の構造に存在するアセチル基(-O-CO-CH₃)との完全な整合性があります。
補足:
エステル基の存在: IR吸収がエステル基の存在を証明。
NMRスペクトルの解析: 各シグナルが選択肢1の構造と完全に一致する。特に、エチル基とアセチル基の部分が明確に見られます。
芳香族プロトンのシフト: パラ置換パターンによるシフトの分離が見られ、積分比と化学シフトが期待通りに一致します。
これらの詳細な分析により、選択肢1の(4-ethylphenyl) acetateがこのNMRおよびIRデータに基づく構造式として正しいと判断されます。
選択肢1の(4-ethylphenyl) acetateにおいて、シグナル エとオがどの置換基に近いのかを特定し、詳細に説明します。
シグナルの特定
シグナル エ (6.96-7.02 ppm, 積分比2):
近い置換基: 4位のエチル基(-CH₂-CH₃)
理由:
電子供与基であるエチル基はベンゼン環のプロトンをシールドする効果があり、化学シフトを低くします。このため、エチル基に近いプロトンはより低いシフト値に現れます。
6.96-7.02 ppmの範囲は、一般にエチル基に近いプロトンが現れる範囲に一致します。
シグナル オ (7.16-7.22 ppm, 積分比2):
近い置換基: 1位のアセチル基(-O-C(=O)-CH₃)
理由:
アセチル基は電子求引基であり、ベンゼン環のプロトンをデシールドします。これにより、化学シフトが高くなります。
7.16-7.22 ppmの範囲は、アセチル基に近いプロトンが現れる範囲に該当します。エステル基の電子求引効果により、プロトンはより高磁場側にずれます。
詳細な説明
パラ置換の影響:
(4-ethylphenyl) acetateはパラ置換です。パラ置換では、ベンゼン環のプロトンは二つの異なるグループに分かれます。1位のアセチル基と4位のエチル基によって、各グループのプロトンは異なる電子効果を受けます。
エチル基の影響(シグナル エ):
エチル基はベンゼン環に電子を供与し、プロトンの化学シフトを低下させる効果があります。このため、プロトンのシグナルは6.96-7.02 ppm付近に見られ、積分比が2であることから、エチル基に近い2つのプロトンが該当します。
アセチル基の影響(シグナル オ):
アセチル基は電子を引きつける効果があり、プロトンのシグナルを高磁場側にシフトさせます。これにより、シグナルは7.16-7.22 ppm付近に現れます。このシフト値はアセチル基に近いプロトンに関連します。
カップリングのパターン:
パラ置換のベンゼン環では、互いに隣接しないプロトンがダブレットを形成することが一般的です。シグナル エとオがそれぞれ2つの主なピークを持つ(詳細に見ると6つのピーク)は、このカップリングパターンを反映しています。
これにより、シグナル エはエチル基に近いプロトン、シグナル オはアセチル基に近いプロトンと特定できます。
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1-ethyl-4-methoxybenzene, C9H12O(選択肢2)[誤り]
論点:
NMRデータの不一致: 1H-NMRスペクトルのシグナルが選択肢2の構造と完全に一致しない。
IRスペクトルの不一致: エステル基がないため、IRスペクトルの1770 cm⁻¹の強い吸収に説明がつかない。
アプローチ方法と詳細な解説:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3):
これはエチル基の末端メチル(CH₃)に相当します。化学シフトや積分比はこの部分と一致します。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3):
メトキシ基(-O-CH₃)のシグナルは通常3.7-4.0 ppm付近に現れるため、このシフト値(2.2-2.3 ppm)はメトキシ基の位置と一致しません。これが大きな不一致点です。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2):
これはエチル基のメチレン(-CH₂-CH₃)に相当します。化学シフトが一致するものの、全体のデータと照らし合わせると、このシグナルも問題のスペクトルに完全にはフィットしない。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2):
これらはベンゼン環の芳香族プロトンに相当します。エチル基とメトキシ基のパラ置換により、シグナルが分裂します。ただし、シフト値が若干ずれている可能性があり、完全な一致は難しい。
IRスペクトル:
問題の化合物は1770 cm⁻¹付近に強い吸収を見せるが、これはエステル基の存在を示します。しかし、選択肢2の化合物にはエステル基がないため、この吸収ピークが説明できません。
補足:
エステル基の欠如: IRスペクトルが示すエステル基の吸収がこの化合物では説明できない。
メトキシ基のシグナル: メトキシ基のシグナルが期待される位置にないことが、構造とNMRデータの不一致を示す重要な点です。
これらの理由から、選択肢2の1-ethyl-4-methoxybenzeneはこのNMRおよびIRデータに基づく構造式として正しくないと判断されます。
methyl 4-ethylbenzoate, C10H12O2(選択肢3)[誤り]
論点:
NMRデータの不一致: 一部シグナルの化学シフトが選択肢3の構造と完全に一致しない。
IRスペクトルの対応: エステル基の存在を示す吸収ピークは一致するが、NMRデータ全体での不一致がある。
アプローチ方法と詳細な解説:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3):
このシグナルはエチル基の末端メチル(CH₃)に相当します。化学シフトと積分比が一致。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3):
これはエステル基のメチル(-O-CH₃)のシグナルと考えられますが、通常のメトキシ基のシフト範囲(3.7-4.0 ppm)とは一致しません。これが主要な不一致点です。エステルのメチルがこの範囲に現れることはあまり一般的ではありません。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2):
エチル基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)に相当します。化学シフトが一致します。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2):
これらはベンゼン環の芳香族プロトンで、一方はエチル基に近く、もう一方はエステル基に近い位置にあります。積分比は一致し、シフト値も一般的な範囲内ですが、細かなシフトの差異が完全な一致を阻む可能性があります。
IRスペクトル:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当し、選択肢3の構造に存在するエステル基と一致します。しかし、この吸収だけでは構造を完全に特定するには不十分です。
補足:
シグナルの不一致: シグナル イの化学シフトが期待される位置(メトキシ基のシグナル位置)から外れているため、選択肢3が正しい構造である可能性が低くなります。
エステル基の存在: IRスペクトルがエステル基を示すため、選択肢3が完全に不正解であるとは断言しづらいが、NMRデータとの不一致が大きな問題です。
これらの理由から、選択肢3のmethyl 4-ethylbenzoateはこのNMRおよびIRデータに基づく構造式として正しくないと判断されます。
1-(methoxymethyl)-4-methylbenzene, C9H12O(選択肢4)[誤り]
論点:
NMRデータの不一致: 各シグナルの化学シフトが選択肢4の構造と完全に一致しない。
IRスペクトルの不一致: エステル基が存在しないため、IRスペクトルの1770 cm⁻¹の吸収ピークに説明がつかない。
アプローチ方法と詳細な解説:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3):
このシグナルはメチル基(CH₃)に相当しますが、通常のメチル基の化学シフト(2 ppm以上)はこの範囲に該当しないため、4位のメチル基とは一致しない可能性が高いです。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3):
このシグナルが、4位のメチル基(-CH₃)に対応すると考えられます。化学シフトがメチル基の一般的な範囲に合致します。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2):
これはメトキシメチル基のメチレン部分(-CH₂-O-CH₃)に相当しますが、その化学シフトは通常3.5 ppm付近に現れるため、ここでは不一致です。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2):
これらはベンゼン環の芳香族プロトンで、一方はメトキシメチル基に近く、もう一方はメチル基に近い位置にあります。積分比やシフト値は一般的な範囲に合致しますが、メトキシメチル基の影響で若干のシフト変動がある可能性があります。
IRスペクトル:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当するが、選択肢4の化合物にはエステル基が存在しないため、この吸収ピークが説明できません。
補足:
エステル基の欠如: IRスペクトルに示されるエステル基の吸収がこの化合物では説明できない。
シグナルの不一致: シグナル アとウの化学シフトがその構造にマッチしない。これは特にメチレン基のシフトが不適切であることを意味します。
メトキシメチル基の影響: ベンゼン環上のプロトンのシフト値が完全に一致しない可能性がありますが、これだけでは不一致を決定付けるのは難しい。
これらの理由から、選択肢4の1-(methoxymethyl)-4-methylbenzeneはこのNMRおよびIRデータに基づく構造式として正しくないと判断されます。
(4-methoxyphenyl) propanoate, C10H12O3(選択肢5)[誤り]
論点:
NMRデータの不一致: 特定のシグナルの化学シフトが選択肢5の構造と完全に一致しない。
IRスペクトルの対応: エステル基が存在するが、NMRの全データとの整合性がない。
アプローチ方法と詳細な解説:
シグナル ア(1.20-1.26 ppm, 積分比3):
このシグナルはプロピオネート基(-O-C(=O)-CH₂-CH₃)の末端メチル(CH₃)に相当します。化学シフトと積分比が一致。
シグナル イ(2.2-2.3 ppm, 積分比3):
これはメチル基のシグナルですが、メトキシ基(-O-CH₃)の通常の化学シフト範囲(3.7-4.0 ppm)とは一致しません。メトキシ基のプロトンとしてこのシフト値は不適切です。
シグナル ウ(2.6-2.7 ppm, 積分比2):
これはプロピオネート基のメチレン部分(-CH₂-CH₃)に相当します。化学シフトが一致します。
シグナル エとオ(6.96-7.02 ppmと7.16-7.22 ppm, 各積分比2):
これらはベンゼン環上の芳香族プロトンです。メトキシ基の影響でシフトが分裂しており、積分比2が一致します。ただし、シフト値が若干ずれている可能性があり、完全な一致は難しい。
IRスペクトル:
1770 cm⁻¹付近の強い吸収はエステル基のC=O伸縮振動に相当し、選択肢5の構造に存在するエステル基と一致します。しかし、この吸収だけでは構造決定の完全な証拠にはなりません。
補足:
シグナルの不一致: シグナル イの化学シフトがメトキシ基の通常のシフト値と一致しない。これが主要な不一致点であり、構造決定の際のアプローチでは重要な要素です。
エステル基の存在: IRデータとエステル基の存在は合致していますが、NMRスペクトル全体が選択肢5の構造と完全に一致しないため、選択肢5は不正解となります。
ベンゼン環のプロトン: シフト値の微細な違いは溶媒や測定条件に依存しますが、メトキシ基の影響が考慮されるべきです。
これらの理由から、選択肢5の(4-methoxyphenyl) propanoateはこのNMRおよびIRデータに基づく構造式として正しくないと判断されます。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問109
一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】
化学|問 108-109
Q. 下図は、ある化合物の1H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものであり、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。また、この化合物はIRスペクトルにて1770cm-1付近に強い吸収を示した。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、×印のシグナルは水又はCDCl3中に含まれるCHCl3のプロトンに由来する。
表:
シグナル|積分比|
- ア|3|
- イ|3|
- ウ|2|
- エ|2|
- オ|2|

■選択肢
1. 1
2. 2
3. 3
4. 4
5. 5
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