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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-122【衛生】論点:人口動態 / 悪性新生物

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問122

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問108-122
Q. 
下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a~eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

注: 大腸の悪性新生物<腫瘍>は、結腸の悪性新生物<腫瘍>と直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物<腫瘍>を示す。ただし、昭和42年までは直腸肛門部の悪性新生物を含む。
令和3年(2021)人口動態統計 月報年計(概数)の概況より引用


選択肢|

1. aは大腸である。
2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
3. cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
5. eは肺である。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問122

こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【衛生】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問122、論点:人口動態 / 悪性新生物を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート
問108-122【衛生】
論点:人口動態 / 悪性新生物

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滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|


第108回薬剤師国家試験の問122(問108-122)では、人口動態 / 悪性新生物に関する知識を問われました。
人口動態統計における部位別にみた悪性新生物の死亡数の年次推移のうち、男性および女性の死亡率に関する理解を問う問題です。


類題に、以下の過去問題があります。
第103回薬剤師国家試験の問126(問103-126)は、人口動態統計における部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移の理解を問われました。

第103回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問126

Q. 図は、1955年から2015年までの全悪性新生物及び部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移を示したものである。A~Fは、乳房、肺(気管、気管支及び肺)、胃、肝臓、大腸及び子宮のいずれかに対応している。これらの年次推移に関する記述のうち、適切なのはどれか。

選択肢|

1. Aの年齢調整死亡率が低下し続けている要因として、がんの早期発見や食生活の変化が考えられる。
2. Bの年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した主な要因として、飲酒やウイルス感染の関与が考えられる。
3. Cの年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した要因の1つとして、食事内容の欧米化が考えられる。
4. Eの年齢調整死亡率の低下の主な要因として、ワクチンの定期接種によるEの罹患率の低下が考えられる。
5. 近年、全悪性新生物の年齢調整死亡率が男女とも低下しているが、粗死亡率も同様に低下している。
(論点:人口動態)

第103回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問126

解説しています。こちらもチャレンジしてみるとよいです。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-126【衛生】論点:人口動態 / 悪性新生物|matsunoya (note.com)

また、第106回薬剤師国家試験の問122(問106-122)は、人口動態統計における部位別にみた悪性新生物の女性の死亡数の年次推移の理解を問われました。

第106回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問122

問106-122
Q.
表は、我が国の女性における胃、子宮、大腸、肝臓及び乳房の悪性新生物による死亡数の推移を表したものである。乳房に該当するのはどれか。1つ選べ。(単位:人)
出典:人口動態統計(厚生労働省)


選択肢|

第106回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問122

解説しています。こちらもチャレンジしてみるとよいです。
最新の人口動態統計(確定数)(1970 ~ 2022)を集計して視覚化したグラフで、性別の年次推移について、それぞれ死亡数、死亡率、年齢調整死亡率を見ることができます。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問106-122【衛生】論点:人口動態 / 悪性新生物|matsunoya (note.com)


今回は、最新の人口動態統計(2022年まで)のデータを使用して、独自に視覚化したグラフと表を引用して解説します。

人口動態 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)

設問の図に近いビジュアルに仕上げてみました。
どうですか?🤔
ただし、作図に用いたデータは下記(e-Stat)から引用している最新の確定数です。
人口動態統計の数値の正しい引用の仕方については、前回(問106-122)の解説で詳しく説明しました。

出典: 人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡
5-24 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)

Topic: 人口動態統計年報(確定数)主要統計表

2017 人口動態統計(確定数)まで厚生労働省の概況内に掲載されていた主要統計表は、2018以降、代替となる政府統計の総合窓口(e-Stat)の表を利用するプロセスに変更されました。

第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問122

前回の松廼屋|論点解説(問106-122 論点:人口動態 / 悪性新生物)で触れましたが、人口動態統計 年報(確定数)は e-Stat にあります。 薬剤師国家試験の問題設計で、月報(概数)を引用する必然性はないです。😅

もしも、作問段階で月報(概数)を引用した原稿が届いたら、レビュワーの判断で差し戻されるべきです。
その科学的な品質コントロールの仕組みがなかったら、薬剤師国家資格にふさわしいか判断する試験の出題基準に合わないように思います。


さて、直近のがんの死亡率について、部位別にみた順位および近年の年次推移の傾向(上昇傾向、低下傾向)を知っていることが求められています。

率直にいえば、この要件に対して、コアカリキュラムの単位の中で上記データソースに関する学習をしている薬学生の皆さんにはアプローチ可能な設問ですが、一般的に考えると、国立がん研究センターの統計担当の方以外の薬剤師で、明確な答えを言えるコンピテンシーが現実に存在するかどうか、といった疑問を生じます。

さらに、がんの発症に関わるリスク要因もまた問われました。

でも、ここで、焦ってはいけません。

まず、今回の論点とアプローチ方法について確認しましょう。


総合的な論点について

本図は、日本における特定の悪性新生物(がん)の粗死亡率の年次推移を示しています。特に、男性と女性に分けて、それぞれの臓器(胃、肝臓、膵臓、大腸、肺)による死亡率がどのように変化してきたかを視覚的に表しています。この図を用いて、以下の点が論点として挙げられます:

  1. 性別による死亡率の差異

    • 男性と女性で死亡率の傾向が異なる。

    • 同一部位のがんでも性別によって増減のパターンが異なる。

  2. 年次推移の変化

    • 特定の時期に死亡率が急増または急減するパターン。

    • 社会的・経済的・医療技術的な要因がどのように影響を与えたか。

  3. リスク要因の考察

    • それぞれのがんに対する主なリスク要因の変化。

    • 予防策や健康指導の影響。

  4. 医療技術の進展とその影響

    • 早期発見・治療技術の進展が死亡率に与えた影響。

    • 公衆衛生政策やキャンペーンの影響。

各選択肢の論点とアプローチ

  1. aは大腸である

    • 論点:aの死亡率が年々増加している傾向について、大腸がんの可能性を考察。

    • アプローチ

      • 大腸がんのリスク要因とその変遷(食生活の欧米化、肥満、運動不足など)。

      • スクリーニングや早期発見の影響。

      • 過去の大腸がんの死亡率データとの比較。

  2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる

    • 論点:食塩過剰摂取が影響するがんの種類(例:胃がん)。

    • アプローチ

      • 食塩摂取量の変遷と胃がんの関係。

      • 食生活の改善や公衆衛生政策の影響。

      • 胃がんの予防策としての食塩摂取制限の効果。

  3. cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる

    • 論点:HPV感染と関連するがん(例:子宮頸がん)。

    • アプローチ

      • HPV感染率の変遷と子宮頸がんの死亡率の関係。

      • ワクチン接種の普及とその効果。

      • 子宮頸がんスクリーニングの歴史とその効果。

  4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる

    • 論点:肥満が影響するがんの種類(例:大腸がん、乳がん)。

    • アプローチ

      • 肥満率の変遷と特定のがんの死亡率の関係。

      • 食生活やライフスタイルの変化がもたらす影響。

      • 公衆衛生政策や健康教育の効果。

  5. eは肺である

    • 論点:eの死亡率が特定の時期に急増している理由として、肺がんの可能性を考察。

    • アプローチ

      • 喫煙率の変遷と肺がん死亡率の関係。

      • 禁煙運動や政策の影響。

      • 環境因子(大気汚染など)と肺がんの関係。

これらの論点とアプローチを基に、各選択肢の正誤を判断することが求められます。


はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【衛生】から人口動態 / 悪性新生物を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot または、Gemini 1.5 Pro が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

GPT4oの製造元またはGemini 1.5 Proの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-122【衛生】論点:人口動態 / 悪性新生物|matsunoya (note.com)

Here we go.


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問122

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問108-122
Q. 
下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a~eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

注: 大腸の悪性新生物<腫瘍>は、結腸の悪性新生物<腫瘍>と直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物<腫瘍>を示す。ただし、昭和42年までは直腸肛門部の悪性新生物を含む。
令和3年(2021)人口動態統計 月報年計(概数)の概況より引用


選択肢|

1. aは大腸である。
2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
3. cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
5. eは肺である。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問122

■■GPT4o


■論点|悪性新生物の部位とリスク要因の特定
この問題の論点は、悪性新生物の部位とそのリスク要因を特定することです。


■解説1|


aの部位

  • 男性: 2021年で最も死亡率が高い。

  • 女性: 死亡率はd(大腸がん)に次いで第2位。

  • 考察: aは肺がんです。


bの部位

  • 男性: 一定の高い値を維持しながらも、徐々に減少しています。

  • 女性: 女性も似たような減少傾向を示しています。

  • 考察: 胃がんはヘリコバクター・ピロリ感染や食塩の過剰摂取がリスク要因で、減少傾向にあることから、bは胃がんであると考えられます。


cの部位

  • 男性: 1990年代後半まで増加し、その後減少。

  • 女性: 女性も同様の傾向を示しています。

  • 考察: 肝臓がんがこの傾向を示します。肝臓がんはB型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスの持続感染が主な要因です。ヒトパピローマウイルス感染のよる悪性新生物は子宮頸がんです。


dの部位

  • 男性: 徐々に上昇している。

  • 女性: 女性も同様に上昇し、2021年で最も高い。

  • 考察: dは大腸がんです。大腸がんは食生活の欧米化や運動不足、肥満などがリスク要因で、増加傾向にあります。


eの部位

  • 男性: 大腸がんおよび肺がんよりも死亡率が低く、緩やかな上昇傾向。

  • 女性: 女性も同様です。

  • 考察: 膵臓がんがこれに該当する可能性が高いです。


■解説2|


各選択肢について検討します。


  1. aは大腸である

    • 検証結果:aは肺がんであるため、この選択肢は誤りです。

  2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる

    • 検証結果:bは胃がんであり、食塩の過剰摂取がリスク要因です。正しい。

  3. cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる

    • 検証結果:cは肝臓がんであり、ヒトパピローマウイルス感染は関係ありません。誤りです。

  4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる

    • 検証結果:dは大腸がんであり、食生活の欧米化や運動不足などがリスク要因です。正しい。

  5. eは肺である

    • 検証結果:aが肺がんであるため、この選択肢は誤りです。


■結論|


正しい選択肢は以下の2つです:
2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる
4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる


■補足|


  • リスク要因:がんの発生要因には、遺伝的要因、生活習慣、環境因子などがあり、特に生活習慣の改善が予防に有効です。

  • 検診の重要性:早期発見・早期治療のために、定期的な検診を受けることが推奨されます。


Challenge!

グラフから、人口動態統計の動向を読み取って考察してみましょう。

GIF animation|

Facebook Yukiho.Takizawa
フルスクリーン表示で見ると見やすいです。スライドショーです。

https://www.facebook.com/100012869741540/videos/1022885406288711/

人口動態 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)問108-122
Creator: Yukiho Takizawa, PhD.
Tool: Excel Date: 2024/08/05
Ref.
人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡
5-24 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)
5-26 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)


人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)
人口動態統計 悪性新生物 概説(1970 ~ 2022)

グラフと表をPDFでダウンロードできます。
学習の参考にしてください。


Topic


人口動態統計年報(確定数) 主要統計表 の対応表について
平成29年(2017)人口動態統計(確定数)まで厚生労働省のホームページの概況内に掲載されていた主要統計表は、平成30年(2018)以降、主要統計表の対応表を参照して、代替となる政府統計の総合窓口(e-Stat)の表を利用するプロセスに変更されました。

厚生労働省のホームページ 概況の表
※平成29年(2017)人口動態統計(確定数)まで

第15表 悪性新生物の主な部位別にみた性別死亡数の年次推移
第16表 悪性新生物の主な部位別にみた性別死亡率(人口10万対)の年次推移
第17表 悪性新生物の主な部位別にみた性別年齢調整死亡率(人口10万対)の年次推移

政府統計の総合窓口(e-Stat)の表
※平成30年(2018)以降

上巻 5-24 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)
上巻 5-26 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)

Ref.
人口動態統計年報(確定数) 主要統計表 の対応表について|厚生労働省


政府統計の総合窓口(e-Stat) 人口動態統計調査


人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡
5-24 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対)

■ ダウンロードファイル(列指向形式)
人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡上巻 5-24 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別死亡数及び死亡率(人口10万対) | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
https://www.e-stat.go.jp/dbview/file-download?sid=0003411668


人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡
5-26 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)

■ ダウンロードファイル(列指向形式)
人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡上巻 5-26 悪性新生物による主な死因(死因簡単分類)別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)(平成27年モデル人口) | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
https://www.e-stat.go.jp/dbview/file-download?sid=0003464098


■Lecture|
論点解説 がんの予防・検診


胃がん 予防・検診


  • 発生要因:

    • ヘリコバクター・ピロリ感染: ピロリ菌の感染が胃がんの主要な発生要因の一つです。

    • 喫煙: 喫煙も胃がんのリスクを高めます。

    • 高塩分食品の摂取: 食塩や高塩分食品の摂取が胃がんの危険性を増加させます。


  • 予防:

    • 禁煙: 喫煙をやめることが胃がん予防に有効です。

    • 塩分摂取の制限: 塩分や高塩分食品の摂取を控えることが推奨されます。

    • ピロリ菌の除菌: ヘリコバクター・ピロリの除菌が効果的です。


  • 検診:

    • 検診方法: 胃がん検診には問診と胃部X線検査または胃内視鏡検査が含まれます。

    • 対象者: 男女ともに50歳以上の人が対象で、検診の間隔は2年に一度です。ただし、40歳以上の人も1年に一度の検診が推奨される場合があります。

    • 精密検査: 検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず胃内視鏡検査を受けることが重要です。


Ref.

胃がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


肝臓がん(肝細胞がん) 予防・検診


  • 発生要因:

    • ウイルス感染: B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染が主な要因。

    • その他の危険因子: アルコール摂取、喫煙、肥満、脂肪肝、糖尿病、男性、高齢。


  • 予防:

    • 感染予防: B型肝炎ウイルスはワクチンで予防可能。早期検査も重要。

    • 生活習慣: 禁煙、節度ある飲酒、バランスの良い食事、適正な体形の維持。


  • 検診:

    • 定期検査: 肝硬変や慢性肝炎のある人は3~6カ月間隔での腹部超音波検査が推奨される。

    • 早期発見: がん検診は症状のない健康な人を対象に行われ、早期発見と適切な治療を目的とする。


Ref.


肝臓がん(肝細胞がん) 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


膵臓がん 予防・検診


  • 発生要因:

    • 家族歴: 血縁のある家族に膵臓がんの患者がいる場合、特に両親、兄弟姉妹、子どものいずれかで2人以上いる場合はリスクが高い。

    • 健康状態: 糖尿病、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などがリスクを高める。

    • 生活習慣: 喫煙、飲酒、肥満が膵臓がんのリスクを増加させる。


  • 予防:

    • 禁煙: 特に男性において、禁煙が膵臓がん予防に効果的。

    • バランスの良い生活: 節度のある飲酒、バランスの良い食事、適正な体形の維持、身体活動、感染予防ががん全般の予防に有効。


  • 検診:

    • 現状: 膵臓がんに関する特定の検診指針はない。

    • 推奨: 気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診。人間ドックなど任意の検診を受ける際は、メリットとデメリットを理解した上で受診することが重要。


Ref.


膵臓がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


大腸がん(結腸がん・直腸がん) 予防・検診


  • 発生要因:

    • 生活習慣: 喫煙、飲酒、肥満が大腸がんのリスクを高める。

    • 食事: 女性では加工肉や赤肉の摂取がリスクを高める可能性がある。

    • 家族歴: 家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家系でリスクが高い。


  • 予防:

    • 生活習慣の改善: 禁煙、節度ある飲酒、バランスの良い食事、適正な体形の維持。

    • 運動: 大腸がんの予防に効果的。

    • 食物繊維とカルシウム: 摂取が予防に効果的である可能性。


  • 検診:

    • 対象者: 40歳以上の男女。

    • 検診内容: 問診と便潜血検査。

    • 検診の頻度: 1年に1回。


Ref.


大腸がん(結腸がん・直腸がん) 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


肺がん 予防・検診


  • 発生要因:

    • 喫煙: 喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんのリスクが男性で4.4倍、女性で2.8倍高い。受動喫煙もリスクを2~3割程度高める。

    • 有害物質: アスベストなどの有害物質への長期間の曝露。

    • 既往症: 肺結核、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎など。


  • 予防:

    • 禁煙: 喫煙者は禁煙し、非喫煙者はたばこの煙を避ける。

    • 生活習慣: 節度ある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防。


  • 検診:

    • 対象: 40歳以上の人は1年に1回肺がん検診を受ける。

    • 検査内容: 問診、胸部X線検査、喀痰細胞診(50歳以上の重喫煙者対象)。

    • 費用: 多くの市区町村で公費負担があり、一部自己負担で受診可能。


Ref.


肺がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


乳がん 予防・検診


  • 発生要因:

    • エストロゲン: 経口避妊薬の使用や閉経後のホルモン補充療法がリスクを高める

    • 生活習慣: 飲酒、閉経後の肥満、運動不足、糖尿病の既往

    • 遺伝: 第一親等に乳がん患者がいる場合、BRCA1/BRCA2遺伝子の変異。


  • 予防:

    • 生活習慣の改善: 禁煙、節度ある飲酒、バランスの良い食事、適度な運動。

    • 体重管理: 閉経後の肥満を避けるための体重管理。


  • 検診:

    • 定期検診: 40歳以上の女性は2年に1回の乳がん検診が推奨される。

    • 検診内容: 問診とマンモグラフィ(乳房X線検査)。


Ref.


乳がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


前立腺がん 予防・検診


  • 発生要因:

    • 家族歴: 前立腺がんの家族歴がある場合、リスクが高まります。

    • 高年齢: 年齢が高くなるとリスクが増加します。

    • その他の要因: 肥満、食品(カルシウムの過剰摂取など)、喫煙などが研究されていますが、明確な結論は出ていません。


  • 予防:

    • 一般的ながん予防: 禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効です。

    • 特有の予防法: 前立腺がんに特有の予防法は現在確立されていません。


  • 検診:

    • 目的: がんを早期発見し、適切な治療を行うことで死亡を減少させること。

    • 現状: 前立腺がんに対する特定の検診方法は定められていません。気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが推奨されます。


Ref.


前立腺がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


子宮頸がん 予防・検診


  • 発生要因: 子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連しています。特に性交渉で感染することが知られています。また、喫煙も子宮頸がんのリスクを高めます


  • 予防方法: 禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効です。特に、HPVワクチン接種が推奨されており、特定のHPV型の感染を防ぐことができます。


  • 検診の重要性: HPVワクチンを接種しても、定期的な子宮頸がん検診が重要です。20歳以上の女性は2年に1回の検診が推奨されています。


  • 検診内容: 問診、視診、子宮頸部の細胞診、内診が行われ、必要に応じてコルポスコープ検査も実施されます。検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けることが重要です。


Ref.

子宮頸がん 予防・検診:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


科学的根拠に根ざしたがん予防ガイドライン
「日本人のためのがん予防法(5+1)」


  • 禁煙: たばこは多くのがんに関連し、喫煙者は非喫煙者に比べてがんリスクが約1.5倍高まります。禁煙はがん予防の大きな一歩です

  • 節酒: 飲酒は肝細胞がん、食道がん、大腸がんなどと強く関連し、1日あたりのアルコール摂取量を23g未満に抑えることが推奨されます。

  • 食生活: 塩分の摂取を抑え、野菜や果物を積極的に摂取することで、胃がんや食道がんのリスクを低減できます。

  • 身体活動: 日常的に身体を動かすことで、がんや心疾患のリスクが低くなります。18歳から64歳の人は毎日60分の身体活動が推奨されます。

  • 適正体重の維持: BMI値を男性は21~27、女性は21~25の範囲に保つことで、がんのリスクを低減できます。

  • 感染予防: ウイルスや細菌感染ががんの発生に関連しており、適切な対応が必要です。


日本人のがんの中で、原因が生活習慣や感染であると思われる割合

引用:*Ref.
出典:Inoue M, et al. Burden of cancer attributable to modifiable factors in Japan in 2015. Glob Health Med. 2022; 4(1): 26-36.

  • 男性のがん要因:

    • 生活習慣: 男性のがんの要因の43.4%のうち、生活習慣が原因とされているものには喫煙(23.6%、受動喫煙 0.2%)、飲酒(8.3%)、塩分摂取(3.0%)、肥満(1.0%)、運動不足(1.0%)などが含まれます。

    • 感染: 感染(18.2%)も男性のがんの重要な要因であり、特定のウイルスや細菌ががんの発生に関連しています。


  • 女性のがん要因:

    • 生活習慣: 女性のがんの25.3%うち、生活習慣が原因とされているものには喫煙(4.0%、受動喫煙 0.9%)、飲酒(3.5%)、塩分摂取(1.6%)、肥満(0.3%)、運動不足(1.6%)などが含まれます。

    • 感染: 女性においても感染(14.7%)ががんの主要な要因であり、特定のウイルスや細菌ががんの発生に関連しています。


このデータは、日本人のがん予防において生活習慣の改善と感染予防が重要であることを示しています。


Ref.


科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)


人口動態統計に関する過去問を解説しています。
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第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問122

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問108-122
Q. 
下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a~eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

注: 大腸の悪性新生物<腫瘍>は、結腸の悪性新生物<腫瘍>と直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物<腫瘍>を示す。ただし、昭和42年までは直腸肛門部の悪性新生物を含む。
令和3年(2021)人口動態統計 月報年計(概数)の概況より引用


選択肢|

1. aは大腸である。
2. bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
3. cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
4. dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
5. eは肺である。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問122

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