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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-101【化学】論点:ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問101

一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】 


化学|問 108-101 
Q. 日本薬局方収載医薬品ジルチアゼムは、化合物Aから化合物Bを経て合成される。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。図の説明:3つの化合物は、左から化合物A, 化合物Aから合成された化合物B, 化合物Bから合成されたジルチアゼム。図の中のア、イ、ウ、エ、オ、カの矢印はそれぞれ化合物中の酸素原子Oの位置を差し示している。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

■選択肢
1. 酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。
2. 酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。
3. 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。
4. 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。
5. 化合物Bは、化合物Aからの転位反応による生成物である。


松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-101【化学】論点:ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化|matsunoya


こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【化学】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101【化学】 、論点:ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化を徹底解説します。

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設問へのアプローチ|

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

第108回薬剤師国家試験の問101【化学】(問108-101)では、ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化などが問われました。

いわゆるABCDアイウエオ問題の形式ですね。今回の問題では、アイウエオカ問題です。
無駄に丸いカーブがついた⤴で酸素をラベルしていて、視認性が悪いです。
通常、有機合成反応を追うための⤴を、酸素をラベルするだけの意図👽で使用しているので、理解するまでに時間を無駄に消費します。

でもここで焦ってはいけません。

見やすいように指文字に直してみました。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

これで、課題が見やすくなりました。

今回の出題は、見た目がビジー🤮🤢で一見複雑そうですが、同一分子中で、7員環ラクタムが生成したという合成プロセスを論点としていました。
平常心で解けばいいレベルの問題です。
ただし、実際にジルチアゼムの合成経路について、有機合成の講義の中で事実(エビデンス)を教わっていて、知識として持っていないと、確定はできない反応について問われているように見えます。

田辺製薬でジルチアゼムの開発に関わったおそらくプロジェクトマネージャーが、昭和63(1988)年度日本薬学会技術賞を受賞しています。

出典: Chart 3, Chart 8
阿部 久二, 井上 博純, 長尾 拓, 塩酸ジルチアゼムの開発研究, YAKUGAKU ZASSHI, 1988, 108 巻, 8 号, p. 716-732

当時、ジルチアゼムの合成プロセスは、簡単に思い付きで予測通りにできる「公知の事実」ではなかったのだろうと思います。
今でも、オリジナル文献でエビデンスをつかんでいないと、7員環ラクタムの生成プロセスについて確定した正答は無理です。

薬剤師国家試験の薬学理論問題で出題することが適切かは、レビュワーが査読時に判断すべきですが、草案に関して審査があったとは思えないです。
やはり、、ABCDアイウエオ+カ問題👽、に違いありません🤣

後述のLectureで、この昭和63(1988)年度日本薬学会技術賞受賞業績の総論をご紹介しています。時間があったら、一読してみることをお勧めします。


問題の論点の化学構造を言語化してみましょう。
化合物A:
ア: α-ヒドロキシ (-OH)の酸素
イ: カルボキシル基 (-C=O) の酸素
ウ: メチルエステル (-OCH3)の酸素
ジルチアゼム:
エ: -N-C(=O)- の酸素 =O
オ: -O-C(=O)-CH3 の酸素 -O-
カ: -O-C(=O)-CH3 の酸素 =O

同一化合物の中に、それぞれ、フェニル基の置換基であるNH2-および、その同じフェニル基の置換基である-S-CH(Ph)に結合した α-ヒドロキシカルボン酸メチルエステルが存在する化合物です。
その分子内の反応をとわれています。
硫酸存在下、その分子に環状のラクタム (Ph-NH-(C=O)-CH(OH)-CH(Ph)-S-) が生成するプロセスにおいて、化合物Bが生成されます。

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■Grok 2 mini (beta)


この有機化学合成のプロセスについて説明します:

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

初期状態

化合物にはフェニル基に結合したアミノ基 (-NH₂) とフェニル基に結合した-α-ヒドロキシカルボン酸メチルエステル (-S-CH(Ph)-C(OH)-COOCH₃) が存在します。

ステップ1: プロトン化

メチルエステル部分: 硫酸の存在下、メチルエステルの酸素がプロトン化されます。これにより、メチルエステル部分がエステル交換反応に参加しやすくなります。
メチルエステル (-OCH₃)の酸素: プロトン化された後に脱離する可能性が高まります。

ステップ2: 環化反応

アミノ基とエステル基の反応: アミノ基が、プロトン化されたエステル基に攻撃します。これにより、環状構造への形成が始まります。
カルボキシル基 (-C=O)の酸素: アミノ基がカルボニル炭素に攻撃することで、カルボニル酸素はアミノ基と新しい結合を形成しますが、その過程で酸素はプロトンを受け取ることもできます。

ステップ3: 脱離と環形成

メチルエステルの脱離: アミノ基がカルボニル炭素に攻撃した後、メチルエステル部分のメトキシ基 (-OCH₃) は脱離します。これは通常、メタノールとして出て行きます。
メチルエステル (-OCH₃)の酸素: 以上のように脱離します。

ステップ4: α-ヒドロキシ基の変化

α-ヒドロキシ (-OH)の酸素: アミノ基がカルボニルに攻撃すると、α-ヒドロキシ基の酸素は環上に残りますが、プロトン化されて水を放出するか、再配置によってアミノ基と一緒に新たな環状構造の一部となります。

結果

最終的には、Ph-NH-(C=O)-CH(OH)-CH(Ph)-Sのような環状ラクタムが形成されます。
α-ヒドロキシ (-OH)の酸素: 環状構造の一部として残ります。
カルボキシル基 (-C=O)の酸素: アミノ基と新しい結合を形成してラクタム環の一部となります。
メチルエステル (-OCH₃)の酸素: メタノールとして脱離します。

このプロセスは、酸触媒下での分子内環化反応の一例であり、特にアミノ基とエステル基の間に起こる特徴的な反応です。

生成したラクタムのヒドロキシ基 (-OH) をアシル化またはアルキル化する方法について、一般的かつ段階的に説明します。ただし、実際の条件は反応する化合物の性質や目的に応じて調整が必要です。

アシル化の条件

選択の基準:
アシル化には、アシルクロライド(アシルハライド)、酸無水物、またはカルボン酸と活性化試薬(例:DCC、EDC)を使用します。

アルキル化の条件

選択の基準:
アルキル化には、ハロゲン化アルキル(例:メチルヨウ素、ベンジルブロミド)やトシル酸エステル(メシル酸エステル)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)を使用することが多い。

一般的な注意点

  • 反応は全て不活性ガス雰囲気下(例:窒素)で行うことが推奨される場合が多い。

  • 反応終了後は、適切な分離・精製技術(例:クロマトグラフィー、再結晶など)を用いて生成物を純化する。

  • 反応条件や試薬の選択は、反応性、副反応の可能性、生成物の安定性などを考慮して決定します。


論点およびポイント

■■Grok 2 mini (beta)


化学|問 108-101

論点|ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化

ポイント|

  • 化合物Aはメチルエステルを含むフェニル基置換化合物。

  • 化合物Aから化合物Bへの変換は分子内環化反応で、ラクタムが形成される。

  • ラクタムの形成ではアミノ基がカルボキシル基と反応する。

  • メチルエステル部分の酸素は反応中に脱離。

  • 化合物Bからジルチアゼムへの変換では、ヒドロキシ基がアシル化される。

  • アシル化では新たな酸素原子が導入される。

  • 反応過程で特定の酸素原子が分子内に残るか、脱離するかを追跡する。

薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■Grok 2 mini (beta)


総合的な論点


この問題は、ジルチアゼムの合成過程を理解することを目的としています。具体的には、化合物Aから化合物Bへの変換、および化合物Bからジルチアゼムへの変換において、各酸素原子の由来とその分子内での変化を追うことが求められています。

化合物Aから化合物Bへの変換:

この反応は分子内環化反応であり、特にエステル基のカルボニル酸素とアミノ基との間で起こります。これにより、ラクタム環が形成されます。
この過程で、酸素原子ア(α-ヒドロキシの酸素)、ウ(メチルエステルの酸素)、イ(カルボキシル基の酸素)がどのように変化するかが重要です。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

化合物Bからジルチアゼムへの変換:

化合物Bのヒドロキシ基がアシル化され、さらにアミノ基がアルキル化される過程です。これらの変換により、ジルチアゼムの構造が完成します。ここでは、酸素がどのように新たな官能基と結合するか、またどの酸素が元々の化合物から来ているかが問題のポイントとなります。

この問題は、分子内の各酸素原子がどのように反応に参加し、最終的にどの位置に存在するかを確認することで、化学反応の進行を追跡し、理解する能力をテストしています。また、合成化学における酸素原子の挙動とその追跡が重要であることを示しています。


各選択肢の論点およびアプローチ方法

選択肢1: 酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。

論点:

化合物Aのメチルエステル部分 (-OCH₃) の酸素原子ウは、エステル交換反応や環化の過程で脱離することが一般的です。この場合、メタノールとして放出されます。

アプローチ方法:

反応の進行を詳細に追い、特に化合物Aから化合物Bへの変換でどの酸素が分子から離れるかを確認します。メチルエステルが環状化合物の形成過程で脱離するかどうかを検討します。もしウが脱離するなら、ジルチアゼム内には存在しないということが予想されます。

選択肢2: 酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。

論点:

酸素原子エはジルチアゼムのラクタム部分 (-N-C(=O)-) のカルボニル酸素です。この酸素は、化合物Aのカルボキシル基 (-C=O) から来ている可能性が高いです。

アプローチ方法:

化合物Aから化合物Bへの変換で、カルボキシル基 (-C=O) の酸素がどのようにラクタム環内での酸素となるかを確認します。反応の機構を考慮し、カルボニル酸素が新しい結合を形成しながらもその位置を保つかを検証します。

選択肢3: 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。

論点:

この選択肢は矛盾しています。化合物Aの酸素原子ウはエステル部分であり、通常は環化反応で脱離します。したがって、ジルチアゼムの新たな酸素原子オがウ由来であることは考えにくいです。

アプローチ方法:

化合物AからBへの環化と、Bからジルチアゼムへのアシル化の過程を追い、酸素原子ウがどの段階でどのように反応に参加し、脱離するかを評価します。

選択肢4: 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。

論点:

酸素原子カはジルチアゼムの -O-C(=O)-CH₃部分のカルボニル酸素です。これがα-ヒドロキシ基のア由来である可能性は低く、むしろ新たに導入されたアシル基の酸素であると考えられます。

アプローチ方法:

化合物Bのα-ヒドロキシ基がアシル化される過程を詳細に追い、その際にどの酸素原子が導入されるかを確認します。新たに導入されたアシル基の酸素と、元々のα-ヒドロキシ基の酸素を比較します。

選択肢5: 化合物Bは、化合物Aからの転位反応による生成物である。

論点:

化合物Bが転位反応(分子内の官能基が移動する反応)によって形成されるかどうかを検討します。実際には、化合物AからBへの変換は環状化反応です。

アプローチ方法:

化合物AからBへの変換の機構を詳しく調べ、分子内環化反応か、あるいは転位反応が起こっているかを検証します。特に、酸素原子やアミノ基の位置の変化に注目します。

Ref.

文献は提供されませんでしたが、一般的な参考文献として以下のような書籍や論文が挙げられます:

  1. Jerry March, Michael B. Smith, "March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure," 7th Edition, Wiley, 2013.
    この書籍は有機化学反応の詳細なメカニズムと手法を扱っており、分子内の環化やアシル化、アルキル化反応についての理解を深めるのに役立ちます。

  2. Francis A. Carey, Richard J. Sundberg, "Advanced Organic Chemistry: Part B: Reactions and Synthesis," 5th Edition, Springer, 2007.
    有機合成におけるアミノ基やヒドロキシ基の反応性について詳述された部分があります。

  3. Michael B. Smith, Jerry March, "March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure," 6th Edition, Wiley-Interscience, 2007.
    分子内環化やエステル・ラクタムの形成についての詳細な記述が含まれています。

  4. P. Vogel, S. A. Bachrach (Eds.), "Reactivity in Chemistry," Wiley, 2008.
    反応性の具体的な例や、酸素原子の役割に関する詳細な議論が含まれています。

  5. T. W. Greene, P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis," 4th Edition, Wiley-Interscience, 2006.
    特にアシル化やアルキル化の過程で使用される保護基についての知識を得るのに役立ちます。

これらの文献は有機化学の一般的な理論や反応機構を学ぶための参考になるでしょう。ただし、実際の問題解決には具体的な反応や化合物の情報が必要になるため、直接的な論文やデータベースの検索が必要です。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【複合問題】からジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問101

一般問題(薬学理論問題)【物理・化学・生物】 


化学|問 108-101 
Q. 日本薬局方収載医薬品ジルチアゼムは、化合物Aから化合物Bを経て合成される。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。図の説明:3つの化合物は、左から化合物A, 化合物Aから合成された化合物B, 化合物Bから合成されたジルチアゼム。図の中のア、イ、ウ、エ、オ、カの矢印はそれぞれ化合物中の酸素原子Oの位置を差し示している。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

■選択肢
1. 酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。
2. 酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。
3. 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。
4. 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。
5. 化合物Bは、化合物Aからの転位反応による生成物である。


■■Grok 2 mini (beta)


化学|問 108-101

■論点|ジルチアゼムの合成 / 酸素追跡 / 分子内環化 / アシル化

この問題の論点は、ジルチアゼムの合成過程における酸素原子の進行追跡と、分子内反応の理解です。

■解説1|

酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。(選択肢1)[正しい]

化合物Aのメチルエステル (-OCH₃) の酸素原子ウは、反応中にメタノールとして脱離します。これにより、ジルチアゼムの構造にはこの酸素原子が存在しないことになります。

酸素原子エは、主に酸素原子イ由来である。(選択肢2)[正しい]

化合物Bの形成過程で、カルボキシル基の酸素(イ)がアミノ基と反応してラクタムを形成します。このラクタムのカルボニル酸素がエとなります。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

■解説2|

選択肢1: メチルエステル部分の酸素は通常エステル交換反応や環化の過程で脱離します。これは有機化学の反応機構に基づく自然な進行です。
選択肢2: ラクタムの形成はカルボキシル基の酸素が環に取り込まれることで起こります。これはエステルやアミドの合成における一般的な反応経路に従っています。

■結論|

選択肢1と2が正しい。選択肢1はメチルエステルの脱離を、選択肢2はラクタム環形成における酸素の由来を正確に述べています。

■補足|

酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。(選択肢3)[誤り]

酸素原子オはジルチアゼムのアシル化された部分に存在し、これは化合物Bのアシル化反応で新たに導入された酸素原子であり、メチルエステルの酸素ウ由来ではありません。アシル化は通常、酸無水物やアシルクロライドを使って行われ、反応後には新たな酸素が導入されます。

酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。(選択肢4)[誤り]

酸素原子カはアシル基のカルボニル酸素であり、化合物Bのα-ヒドロキシ基の酸素アから直接来ているわけではありません。アシル化の際に新たに導入された酸素原子です。

化合物Bは、化合物Aからの転位反応による生成物である。(選択肢5)[誤り]

化合物AからBへの変換は分子内環化反応であり、転位反応ではありません。転位反応では官能基が分子内で位置を変えますが、ここでは新たな結合の形成とエステル基の脱離が主な反応です。

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問101

■Lecture
論点解説 ジルチアゼムの合成


文献をご紹介します。
ジルチアゼム塩酸塩は田辺製薬(現 田辺三菱製薬)の創製したベンゾチアゼピン系Ca2+拮抗薬です。
抗狭心症作用、降圧作用、抗不整脈作用、冠血流増加作用などの多彩な薬理活性を有し ており、有用性の高い抗狭心症薬及び降圧薬として広く使用されています。
要するに、「純国産」の新薬としての医薬品です。
薬剤師国家試験には、比較的「純国産」の新薬が出題される傾向があります。
いくつかの代表的な「純国産」はそのプロフィールをよく覚えておくとよいです。

田辺製薬によるジルチアゼムの開発に関する総論がありましたのでご紹介します。昭和63(1988)年度日本薬学会技術賞受賞業績を中心にまとめた総説です。
ジルチアゼムの合成経路の図がありました。
今回の問108-101で出題された範囲です。詳しくは、論文を読むとイメージしやすいです。
ただし、論文の論点は、立体異性体から活性の高い化合物の収率を上げたプロセスで、今回の出題箇所よりも上流の合成過程です。
お時間があったらオリジナルの文献を一読してみてください。

出典: Chart 3, Chart 8
阿部 久二, 井上 博純, 長尾 拓, 塩酸ジルチアゼムの開発研究, YAKUGAKU ZASSHI, 1988, 108 巻, 8 号, p. 716-732

阿部 久二, 井上 博純, 長尾 拓, 塩酸ジルチアゼムの開発研究, YAKUGAKU ZASSHI, 1988, 108 巻, 8 号, p. 716-732

抄録を要約しました。
■■Gemini 1.5 Pro 002


ジルチアゼム塩酸塩の合成と薬理研究

研究背景:

虚血性心疾患治療薬として世界的に使用されるカルシウム拮抗薬、ジルチアゼム塩酸塩の合成と薬理研究に関するレビュー

初期研究:

  • 中枢神経系(CNS)活性評価を目的とした3-ヒドロキシ-1,5-ベンゾチアゼピン誘導体の合成

  • ランダムスクリーニング試験による冠血管拡張作用の発見。CNSへの有意な影響なし

  • 開発化合物としてジルチアゼム((+)-(2S, 3S)-2, 3-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-5-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-1, 5-ベンゾチアゼピン-4(5H)-オン塩酸塩)を選定

ジルチアゼム合成:

  • 鍵中間体である2-3-cis-2, 3-ジヒドロ-2-(4-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシ-1, 5-ベンゾチアゼピン-4(5H)-オンの高収率合成法確立

  • スズ触媒存在下、3-(4-メトキシフェニル)グリシド酸エステルのオキシラン環を2-ニトロチオフェノールで位置・立体選択的に開環

薬理作用:

  • 血管拡張作用機序研究におけるカルシウム拮抗作用の発見

  • 狭心症、高血圧、不整脈に対する薬理的作用のレビュー

  • カルシウムチャネル、腎循環、脳循環への作用

その他:

  • 新規適応症の可能性

  • 国内外におけるジルチアゼムの開発状況


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya


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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


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3. 酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。
4. 酸素原子カは、主に酸素原子ア由来である。
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それではまた
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