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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-157-158【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 108-157-158

Q. 50歳男性。身長170cm、体重81kg(BMI28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高いことを指摘された。家庭での血圧自己測定においても、連日140/90mmHg台と高く推移していたため受診した。診察室での血圧は146/92mmHg、心拍68拍/分(整)で、その他特記すべき異常所見は認められなかった。その後の複数回の受診時の血圧も同様に高く、I度高血圧と診断された。飲酒は毎日缶ビール(350mL)1本程度で、喫煙歴はない。しばらく生活習慣の改善を試みたが、診察室・家庭血圧ともに降圧はほとんど認められなかったため、薬物療法を開始することになった。

病態|問 108-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 頻脈が認められる。

  2. 肥満は認められない。

  3. 白衣高血圧と仮面高血圧の可能性は、いずれも否定できる。

  4. 食塩摂取量は9g/日未満が理想である。

  5. 降圧薬の投与にあたっては、単剤を低用量から開始する。


解説はこちらからどうぞ。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:I度高血圧 / 生活習慣改善 / 薬物治療|matsunoya


薬理|問 108-158 
Q. (薬理)
高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。

  2. アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα1受容体遮断により血管収縮を抑制する。

  3. シルニジピンは、電位依存性N型Ca2+チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。

  4. リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。

  5. クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。


解説はこちらからどうぞ。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-157-158【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断|matsunoya


こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬理/病態・薬物治療】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問157-158【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 、論点:高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断を徹底解説します。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 108-157-158【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断

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設問へのアプローチ|

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問157-158

第108回薬剤師国家試験の問157-158【薬理/病態・薬物治療】(問108-157-158)では、高血圧の治療に関する知識を薬理および病態・薬物治療のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。

複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。

今回は、2回に分けて、それぞれの問題の論点を解説します。
第2回は、問108-158です。

まず基本的な知識について復習しておきましょう。


選択肢の5つの高血圧治療薬について、薬物の分類ごとにその薬理作用機序を説明します。

分類 | 作用機序 | 薬物 | 適用

  • 直接レニン阻害薬(DRI) |
    レニン活性を直接阻害し、アンジオテンシンIとアンジオテンシンIIの生成を抑制 |
    アリスキレン |
    RAAS全体の活性を抑制するため、ACE阻害薬・ARBが適応外の患者に適応

  • 選択的β1受容体遮断薬 |
    心臓のβ1受容体を遮断し、心拍数と心拍出量を低下。レニン分泌を抑制しRAASも抑制 |
    アテノロール |
    狭心症、心筋梗塞後、または気道過敏性がある患者に適応

  • ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬 |
    L型カルシウムチャネルを遮断し血管平滑筋を弛緩、末梢血管抵抗を低下 |
    シルニジピン |
    N型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入も抑制、交感神経系の活動を抑制、高齢者、高血圧患者において安定した降圧効果が期待される

  • アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬) |
    アンジオテンシンII生成を抑制し、血管拡張およびナトリウムと水分の排泄を促進 |
    リシノプリル |
    腎保護作用が期待され、糖尿病や慢性腎臓病の患者に適応

  • 中枢性交感神経抑制薬 |
    中枢神経のα2受容体に作用して交感神経活動を抑え、末梢血管抵抗と心拍数を低下 |
    クロニジン |
    急性降圧が必要な場合。長期使用時は反跳性高血圧に注意が必要

1. アリスキレン(直接レニン阻害薬)

分類
直接レニン阻害薬(DRI)

作用機序
アリスキレンは、RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)における最初の段階であるレニンの活性を直接阻害します。レニンはアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに変換する酵素であり、この変換を阻害することでアンジオテンシンIおよびその後のアンジオテンシンIIの生成を抑制します。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用とアルドステロン分泌促進作用を持つため、これを抑制することで血圧が低下します。また、アリスキレンはACE阻害薬やARBに比べ、上流段階での作用が特徴であり、RAAS全体の活性を効果的に抑えます。


2. アテノロール(β遮断薬)

分類
選択的β1受容体遮断薬(βブロッカー)

作用機序
アテノロールは、心臓のβ1アドレナリン受容体を選択的に遮断することで、心拍数と心拍出量を低下させ、結果として血圧を低下させます。また、β1受容体遮断により腎臓からのレニン分泌も抑制され、RAASの活性が低下することも血圧低下に寄与します。アテノロールは非選択的β遮断薬に比べて気道に対する影響が少ないため、気道過敏性がある患者でも使用しやすい薬剤です。一般的に、狭心症や心筋梗塞後の患者においても心保護効果が期待されるため、併用症例に適しています。


3. シルニジピン(カルシウム拮抗薬)

分類
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)

作用機序
シルニジピンは、血管平滑筋に存在するL型カルシウムチャネルを遮断することで、細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑制します。これにより血管平滑筋が弛緩し、末梢血管抵抗が低下するため、血圧が低下します。また、シルニジピンは他のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と異なり、交感神経の細胞膜に存在するN型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入を抑制し、交感神経系の活動を抑制する作用もあり、これにより血圧の過度な反跳上昇が抑えられるため、長期にわたって安定した降圧効果が期待されます。


4. リシノプリル(ACE阻害薬)

分類
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

作用機序
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することでアンジオテンシンIIの生成を抑制します。アンジオテンシンIIは血管収縮やアルドステロン分泌を促進するため、これを抑えることで血管拡張が起こり、ナトリウムと水分の排泄が増加して血圧が低下します。さらに、リシノプリルは心血管保護作用も期待でき、特に糖尿病や慢性腎臓病を有する患者において腎保護効果が示されています。ACE阻害薬特有の副作用として、ブラジキニン分解抑制による咳嗽が起こることがあります。


5. クロニジン(中枢性交感神経抑制薬)

分類
中枢性交感神経抑制薬(α2受容体作動薬)

作用機序
クロニジンは、中枢神経系のα2アドレナリン受容体に作用し、ノルアドレナリンの分泌を抑制することで交感神経の活動を抑えます。これにより、末梢血管抵抗が減少し、心拍数も低下するため、血圧が下がります。クロニジンは急性の降圧が必要な際にも用いられますが、作用が中枢神経系に及ぶため、眠気や倦怠感などの副作用が現れることがあります。長期使用中の突然の中止は反跳性高血圧を引き起こす可能性があるため、減量は慎重に行います。


Ref.

  • 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン2021

  • Messerli FH, et al. "The Evolving Role of Direct Renin Inhibitors in High Blood Pressure Treatment"


RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)とは


RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)は、主に血圧の維持および電解質バランスの調整に関与するホルモン系です。
RAASの異常な活性化は高血圧を含む心血管疾患の発症や進展に深く関与します。
RAASの構成要素とその機能、および高血圧における異常な活性化がもたらす影響を説明します。


1. RAASの基本的な役割

RAASは、低血圧や体液量減少、ナトリウム濃度の低下などの状況下で活性化され、血圧上昇と血液量の増加を促します。
主に腎臓、血管、心臓において作用し、以下のホルモンが関与します。

  1. レニン
    レニンは腎臓の傍糸球体細胞から分泌され、アンジオテンシノーゲン(肝臓から放出される)をアンジオテンシンIに変換します。血圧や血液流量の低下、β1受容体の刺激によってレニン分泌が誘発されます。

  2. アンジオテンシンIおよびアンジオテンシンII
    血中でアンジオテンシンIがアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換されます。
    アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用を持ち、血圧を上昇させるほか、アルドステロン分泌を促進します。

  3. アルドステロン
    アルドステロンは副腎皮質から分泌され、腎臓でのナトリウム再吸収とカリウム排泄を促進します。
    この作用により血液量が増加し、血圧が維持または上昇します。


2. 高血圧におけるRAASの異常活性化

高血圧ではRAASが過度に活性化されることが多く、持続的な血管収縮や体液量増加を引き起こします。
この異常な活性化は以下の要因を通じて高血圧の維持や悪化に寄与します。

  1. 血管収縮と末梢血管抵抗の上昇
    アンジオテンシンIIの作用により血管が収縮し、末梢血管抵抗が上昇します。この血管収縮は、特に動脈硬化が進んでいる場合にさらに顕著で、持続的な高血圧を引き起こす主な原因となります。

  2. アルドステロンによる体液貯留
    アルドステロンの作用により、腎臓でのナトリウムと水の再吸収が増加し、循環血液量が増加します。この体液貯留も血圧上昇に寄与し、特に体液調節が正常に働かない患者ではこの作用が強調され、難治性高血圧の要因となります。

  3. 交感神経系との相互作用
    アンジオテンシンIIは交感神経系を刺激し、さらなるレニン分泌を誘導する悪循環を引き起こします。この相互作用により、心拍数や心拍出量が増加し、さらに血圧が上昇することにつながります。

  4. 組織レベルでの影響
    アンジオテンシンIIは、心筋や血管平滑筋の肥大・増殖を促し、心血管組織におけるリモデリング(構造変化)を引き起こします。これにより血管の弾力性が低下し、動脈硬化の進展が助長され、持続的な高血圧状態が維持されやすくなります。


3. RAAS阻害薬の高血圧治療における意義

高血圧治療においては、RAASを抑制することが重要であり、以下の薬剤が使用されます。

  • ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
    アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を阻害し、血管拡張とアルドステロン分泌抑制を促します。

  • ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
    アンジオテンシンIIが結合するAT1受容体をブロックし、血圧上昇作用を抑えます。

  • 直接レニン阻害薬(DRI)
    RAASの最上流段階であるレニン活性を抑制することで、アンジオテンシンII生成を抑えます。

これらの薬剤によってRAASを調整し、高血圧状態の改善および心血管系の保護効果を得られます。


参考文献

  • 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン

  • Williams B, et al. "Renin–Angiotensin System Blockers in the Treatment of Hypertension: A Review of Comparative Efficacy and Safety."


論点およびポイント

■■GPT4o


病態|問 108-157
論点|I度高血圧 / 生活習慣改善 / 薬物治療
ポイント|

  • I度高血圧は、収縮期血圧が140-159 mmHg、拡張期血圧が90-99 mmHgの範囲に該当し、生活習慣の改善が推奨されるが、改善が見られない場合は薬物療法が検討される。

  • 白衣高血圧(診察室でのみ血圧が高い状態)や仮面高血圧(診察室以外で血圧が高い状態)は否定できないため、診察室と家庭での血圧測定が推奨される。

  • 降圧薬投与開始時には、低用量の単剤から開始し、効果に応じて用量や薬剤の調整が一般的。

  • 食塩摂取量の目標は通常6g/日未満であり、9g/日未満はまだ改善の余地があるとされる。


薬理|問 108-158
論点|高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断
ポイント|

  • アリスキレン:
    レニン阻害薬であり、アンジオテンシンI生成を抑制し、血圧を低下させる。

  • アテノロール:
    β1受容体を遮断し心拍出量を低下させる。

  • シルニジピン:
    L型Ca2+チャネルを遮断し血管拡張作用を示す。
    また、他のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と異なり、交感神経の細胞膜に存在するN型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入を抑制し、交感神経系の活動を抑制する作用もあり、これにより血圧の過度な反跳上昇が抑えられる。

  • リシノプリル:
    アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害し、ブラジキニン分解を抑える。

  • クロニジン:
    中枢性α2受容体作動薬で、延髄血管運動中枢に作用し、交感神経活動を抑制する。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


この問題は【薬理】に関するものであり、高血圧症治療薬の薬理作用に基づいて正しい選択肢を選択することが求められています。
各選択肢は異なる作用機序や作用部位を持つ薬剤についての記述であり、特に以下の点が論点となります:


  1. レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の調節
    高血圧治療において、RAAS系は重要な役割を果たします。
    レニン阻害薬(アリスキレン)やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(リシノプリル)がRAASの調節に関わります。
    これらの薬剤はアンジオテンシンの産生や作用を抑制することで血圧を低下させます。

  2. 交感神経系の調節
    高血圧治療薬には、交感神経系に作用して血圧を低下させる薬剤が含まれ、β1受容体遮断薬(アテノロール)やN型Ca2+チャネル遮断薬(シルニジピン)などが該当します。
    交感神経系を調節することで、心拍出量や血管収縮の抑制を通じて血圧を下げる機序が採用されています。

  3. 延髄の血管運動中枢における作用
    中枢性降圧薬(クロニジン)は延髄の血管運動中枢のα2受容体に作用することで、交感神経活動を抑制し血圧を低下させる効果があります。この作用が選択肢にあるため、正しい受容体と作用機序を確認することが重要です。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ


選択肢 1. アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。

論点

アリスキレンは、直接レニンを阻害することでアンジオテンシンIの生成を抑制します。これによりアンジオテンシンIIの生成も抑制され、血管収縮やアルドステロンの分泌を減少させて血圧を下げる作用を発揮します。

アプローチ方法

アリスキレンの作用機序は「レニン阻害によるアンジオテンシンIの生成抑制」であり、選択肢の記述は正確です。この選択肢は正しいと判断されます。


選択肢 2. アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα1受容体遮断により血管収縮を抑制する。

論点

アテノロールは主にβ1受容体遮断作用を持つ薬剤であり、心拍出量を低下させて血圧を下げますが、α1受容体を遮断する作用はありません。β1受容体を遮断することで、心筋収縮力を低下させ、交感神経系の影響を抑制します。

アプローチ方法

アテノロールにはα1受容体遮断作用がないため、この選択肢は誤りです。アテノロールの作用はβ1受容体遮断による心拍出量の減少に限定されます。


選択肢 3. シルニジピンは、電位依存性N型Ca2+チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。

論点

シルニジピンは主にL型Ca2+チャネルを遮断するカルシウム拮抗薬ですが、N型Ca2+チャネルも抑制する作用があり、これにより交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制します。この作用によって血圧低下効果が得られます。

アプローチ方法

シルニジピンの作用はL型およびN型Ca2+チャネルを遮断することであり、この記述は正確です。この選択肢は正しいと判断されます。


選択肢 4. リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。

論点

リシノプリルはACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬であり、ACEがキニナーゼIIとしても作用するため、ブラジキニン分解を抑制し、ブラジキニンの濃度を上昇させます。これが血管拡張作用をもたらします。

アプローチ方法

記述内容が誤っており、リシノプリルはブラジキニンの「生成」ではなく「分解」を抑制します。この選択肢は誤りです。


選択肢 5. クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。

論点

クロニジンは延髄の血管運動中枢のα2受容体を「遮断」するのではなく「刺激」することで交感神経活動を抑制し、血圧を低下させる効果を発揮します。

アプローチ方法

クロニジンの作用機序はα2受容体の刺激によるものであり、「遮断」という表現は誤りです。この選択肢は誤りです。


Ref.


  1. 日本高血圧学会. (2019). 高血圧治療ガイドライン2019. ライフサイエンス出版.

  2. Brunton, L. L., Knollmann, B. C., & Hilal-Dandan, R. (2018). Goodman & Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics (13th ed.). McGraw-Hill Education.

  3. Katzung, B. G., & Trevor, A. J. (2015). Basic and Clinical Pharmacology (13th ed.). McGraw-Hill Education.

  4. Weber, M. A., Schiffrin, E. L., White, W. B., et al. (2014). Clinical Practice Guidelines for the Management of Hypertension in the Community. The Journal of Clinical Hypertension, 16(1), 14-26.


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【複合問題】から高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 108-157-158

Q. 50歳男性。身長170cm、体重81kg(BMI28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高いことを指摘された。家庭での血圧自己測定においても、連日140/90mmHg台と高く推移していたため受診した。診察室での血圧は146/92mmHg、心拍68拍/分(整)で、その他特記すべき異常所見は認められなかった。その後の複数回の受診時の血圧も同様に高く、I度高血圧と診断された。飲酒は毎日缶ビール(350mL)1本程度で、喫煙歴はない。しばらく生活習慣の改善を試みたが、診察室・家庭血圧ともに降圧はほとんど認められなかったため、薬物療法を開始することになった。

病態|問 108-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 頻脈が認められる。

  2. 肥満は認められない。

  3. 白衣高血圧と仮面高血圧の可能性は、いずれも否定できる。

  4. 食塩摂取量は9g/日未満が理想である。

  5. 降圧薬の投与にあたっては、単剤を低用量から開始する。


薬理|問 108-158 
Q. (薬理)
高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。

  2. アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα1受容体遮断により血管収縮を抑制する。

  3. シルニジピンは、電位依存性N型Ca2+チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。

  4. リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。

  5. クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。


■■GPT4o


薬理|問 108-158


■論点|高血圧治療薬 / 作用機序 / 受容体遮断

この問題の論点は、降圧薬の作用機序と、それぞれの作用が血圧低下にどのように寄与するかを理解することです。


■解説1|

アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。(選択肢1)[正しい]

アリスキレンは直接レニン阻害薬であり、腎臓でのレニン活性を阻害します。レニンはアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIを生成する酵素であるため、アリスキレンがレニンを阻害することでアンジオテンシンIおよびIIの産生が抑制され、血圧が低下します。
レニン・アンジオテンシン系(RAS)の抑制により、降圧効果をもたらすのがこの薬剤の主な作用機序です。

シルニジピンは、電位依存性N型Ca2+チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。(選択肢3)[正しい]

シルニジピンはL型Ca2+チャネルを遮断し、血管平滑筋の収縮を抑制します。
また、シルニジピンはN型Ca2+チャネルも抑制する作用があり、これにより交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制します。


■解説2|

アリスキレンの降圧機序の詳細
RAS抑制薬としてアリスキレンは、他のRAS抑制薬であるACE阻害薬やARBと異なり、RAASの最も上流であるレニンの活性を直接阻害します。これにより、ACE阻害薬やARBを併用せずにレニン・アンジオテンシン系を効果的に抑制でき、単剤での効果が期待されます。


■結論|

正しい選択肢は1と3です。
アリスキレンはレニンを直接阻害することでアンジオテンシンIの生成を抑制し、降圧効果を示します。
シルニジピンは他のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と異なり、交感神経の細胞膜に存在するN型電位依存性CaチャネルからのCa2+流入を抑制し、交感神経系の活動を抑制する作用もあり、これにより血圧の過度な反跳上昇が抑えられます。


■補足|

アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα1受容体遮断により血管収縮を抑制する。(選択肢2)[誤り]

アテノロールは選択的なβ1受容体遮断薬であり、α1受容体は遮断しません。
β1受容体の遮断により心拍出量が低下し、降圧効果を得られますが、血管収縮の抑制はα1受容体遮断薬の作用です。

リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。(選択肢4)[誤り]

リシノプリルはACE阻害薬であり、ブラジキニンの分解を抑制することでブラジキニン濃度を上昇させます。
キニナーゼII(ACE)阻害により、アンジオテンシンII生成が抑えられ降圧が起こりますが、同時にブラジキニンの分解も抑制されるため、結果としてブラジキニン濃度は上昇します。

クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。(選択肢5)[誤り]

クロニジンは中枢性のα2受容体作動薬であり、延髄の血管運動中枢にあるアドレナリンα2受容体に作用し、交感神経の活動を抑制します。
これにより、血管の収縮が抑制され、心拍出量も減少し、結果として血圧が低下します。
なお、「遮断」ではなく「作動」という点に留意が必要です。

クロニジンによるα2受容体作動の意義
クロニジンは中枢性降圧薬の代表であり、α2受容体を活性化することで交感神経活動を抑制します。これにより末梢の血管抵抗が減少し、血圧が効果的に低下します。交感神経の活動が抑制されるため、心拍数や心拍出量の減少も見られ、安静時高血圧に対して有効です。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya


お疲れ様でした。
🍰☕🍊


では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 108-157-158

Q. 50歳男性。身長170cm、体重81kg(BMI28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高いことを指摘された。家庭での血圧自己測定においても、連日140/90mmHg台と高く推移していたため受診した。診察室での血圧は146/92mmHg、心拍68拍/分(整)で、その他特記すべき異常所見は認められなかった。その後の複数回の受診時の血圧も同様に高く、I度高血圧と診断された。飲酒は毎日缶ビール(350mL)1本程度で、喫煙歴はない。しばらく生活習慣の改善を試みたが、診察室・家庭血圧ともに降圧はほとんど認められなかったため、薬物療法を開始することになった。

病態|問 108-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 頻脈が認められる。

  2. 肥満は認められない。

  3. 白衣高血圧と仮面高血圧の可能性は、いずれも否定できる。

  4. 食塩摂取量は9g/日未満が理想である。

  5. 降圧薬の投与にあたっては、単剤を低用量から開始する。


薬理|問 108-158 
Q. (薬理)
高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。

  2. アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα1受容体遮断により血管収縮を抑制する。

  3. シルニジピンは、電位依存性N型Ca2+チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。

  4. リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。

  5. クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。


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