松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-179【薬剤】論点:懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペット
第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問179
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-179
Q. 図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定した。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0g/cm^3、2.0g/cm^3とする。
■選択肢
1. アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。
2. ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。
3. コロイド粒子の粒子径を測定することができる。
4. 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。
5. 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm^3にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。
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今回は、第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問179、論点:懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペットを徹底解説します。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-179【薬剤】論点:懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペット
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設問へのアプローチ|
第107回薬剤師国家試験の問179(問107-179)では、懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペットに関する知識を問われました。テクニカルタームの定義と式がわかっていれば解ける計算問題が盛り込まれた問題です。
とりあえず、ストークスの法則(Stokes’ Law)の概説から始めましょう。
■■Copilot
ストークスの法則(Stokes’ Law)は、粘性流体中を沈降する球形粒子の速度を記述する法則です。ここで、
v は粒子の沈降速度(m/s)
r は粒子の半径(m)
ρp は粒子の密度(kg/m³)
ρm は媒体の密度(kg/m³)
g は重力加速度(m/s²)
η は流体の動粘度(Pa·s)
力のバランス:
粒子が媒体中を沈降する際、重力による力(下向き ↓)と浮力(上向 ↑)、および粘性抵抗力(上向き ↑)が働きます。
ストークスの法則は、これらの力が釣り合ったときの粒子の速度を記述しています。重力と浮力:
粒子に働く重力は
Fg = (4/3) * π * r^3 * ρp * g
で表され、
浮力は
Fb = (4/3) * π * r^3 * ρm * g
で表されます。
これらの力の差が粒子を沈降させる駆動力となります。粘性抵抗力:
粘性抵抗力はストークスの法則により
Fd = 6 * π * η * r * v
で表されます。
この力は粒子の速度に比例し、粒子が沈降する際の抵抗となります。平衡状態:
粒子が一定速度で沈降する場合、重力と浮力の差が粘性抵抗力と釣り合います。
すなわち、
(4/3) * π * r^3 * (ρp - ρm) * g = 6 * π * η * r * v
となります。
この式を整理すると、ストークスの法則の式が導かれます。適用範囲:
ストークスの法則は、粒子が球形であり、媒体がニュートン流体である場合に適用されます。
また、粒子のレイノルズ数が1未満であることが前提となります。
これは、粒子が非常に小さく、媒体の流れが層流である場合に該当します。
比例するパラメータ
粒子の半径 r:
粒子の半径 r は、沈降速度 v に対して二乗で比例します。
つまり、粒子の半径が大きくなると、沈降速度は半径 rの 二乗で増加します。粒子の密度と流体の密度の差 (ρp - ρm):
粒子の密度 ρp と媒体の密度 ρm の差は沈降速度に比例します。
粒子が媒体よりも密度が高いほど、沈降速度は速くなります。重力加速度 g:
重力加速度 g は沈降速度に比例します。
地球上では重力加速度は一定ですが、異なる天体ではこの値が変わるため、沈降速度は変わります。
反比例するパラメータ
流体の動粘度 η:
流体の動粘度 η は沈降速度に反比例します。
流体が粘性が高いほど、粒子の沈降速度は遅くなります。
レイノルズ数(Reynolds number, Re)
レイノルズ数(Reynolds number, Re)は、流体力学において流れの性質を示す無次元数です。レイノルズ数は、流体の慣性力と粘性力の比を表し、層流と乱流の境界を判断するために用いられます。レイノルズ数の求め方は次の通りです:
Re = (ρ * v * L) / η
または
Re = (v * L) / ν
ここで、
ρ は流体の密度(kg/m³)
v は流体の速度(m/s)
L は代表長さ(例えば、管の直径や物体の長さ)(m)
η は流体の動粘度(Pa·s)
ν は流体の動粘度係数(m²/s)
具体例
例えば、水が直径0.1mの管を速度1m/sで流れる場合のレイノルズ数を求めるとします。水の密度 ρ は約1000kg/m³、動粘度係数 ν は約1×10⁻⁶m²/sです。
Re = (1 * 0.1) / (1 * 10⁻⁶) = 100,000
このようにして、レイノルズ数を計算することができます。レイノルズ数が低い場合(約2000以下)は層流、高い場合(約4000以上)は乱流とされ、その間は遷移領域と呼ばれます。
出題範囲:
製剤化のサイエンス|製剤の性質|分散系材料|
界面の性質(界面張力、分配平衡、吸着等)や代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる。
代表的な分散系(分子集合体、コロイド、乳剤、懸濁剤等)を列挙し、その性質について説明できる。👈ココ
分散した粒子の安定性と分離現象(沈降等)について説明できる。👈ココ
分散安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
今回の解説は、懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペットを語らせたら、生成AI界で右に出る者はいないGPT4oの登板です(^^)/ 💯
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
この問題の総合的な論点は、懸濁剤に分散している粉末粒子の粒子径を、アンドレアゼンピペットを用いて測定し、分散媒および分散粒子の密度を考慮しながら、正しい沈降速度や粒子径の関係を理解することです。この問題では、沈降速度と粒子径の関係に基づき、分散粒子の物理的特性が沈降に与える影響を解析します。
この種の問題での基本的な数式は、ストークスの法則です。ストークスの法則は、球形粒子が重力場内で粘性流体中を沈降する際の速度を表すもので、以下の式で表されます:
v = 2 r^2 (ρ_p - ρ_m) g / 9 η
ここで:
v は沈降速度 (cm/s)
r は粒子の半径 (cm)
ρ_p は分散粒子の密度 (g/cm³)
ρ_m は分散媒の密度 (g/cm³)
g は重力加速度 (980 cm/s²)
η は分散媒の粘度 (P = Poise)
この法則により、粒子のサイズや密度、媒質の粘度がどのように沈降速度に影響するかを解析します。
特に、分散粒子の密度差、粘度、粒子径が沈降速度に大きく関係することが問題の論点です。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
選択肢1: アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である
アンドレアゼンピペットは、沈降法に基づいて粒子径を測定するために使用される装置であり、懸濁液中に浮遊する粒子が重力によって沈降する速度を観察します。粒子径と沈降速度の関係は、ストークスの法則に従います。この法則を利用することで、沈降速度から粒子径を算出することができるため、この選択肢は正しいと判断されます。
選択肢2: ラングミュア式を利用して粒子径を算出する
ラングミュア式は、主に吸着現象に関する式であり、表面上での吸着量と圧力(または濃度)の関係を示します。粒子径の測定に直接使用されるものではありません。よって、この選択肢は誤りです。
選択肢3: コロイド粒子の粒子径を測定することができる
ストークスの法則は、通常ミクロンサイズの粒子に適用されます。コロイド粒子は非常に小さく(10nm~1μm)、ストークスの法則が適用される範囲外のサイズになります。
そのため、アンドレアゼンピペットでコロイド粒子を正確に測定することは難しいです。この選択肢は誤りです。
選択肢4: 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる
ストークスの法則によれば、沈降速度 v は粒子の半径の2乗 r^2 に比例します。したがって、粒子径(直径)が1/3になると、沈降速度は (1/3)^2 = 1/9 になります。この選択肢では「1/3になる」と記載されていますが、実際には1/9になるため誤りです。
選択肢5: 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm³にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる
ストークスの法則によると、沈降速度は媒質の粘度 η に反比例します。粘度が1.6倍になると、沈降速度はその逆数、すなわち 1/1.6 になります。さらに、分散媒の密度が変化すると、沈降速度は (ρ_p - ρ_m) に依存しますが、問題文にある分散媒の密度変化により、計算すると沈降時間が約2倍になると予想されます。この選択肢は正しいです。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
深掘り
選択肢1: アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である
論点:
アンドレアゼンピペットは、沈降法に基づいた粒子径測定装置です。この方法は、液中に分散した粒子が重力によって沈降する速度を観察し、粒子の径を算出するものです。ストークスの法則が基本原理として適用され、懸濁液中の分散粒子の沈降速度から粒子径が求められます。
解法へのアプローチ:
沈降速度と粒子径の関係
ストークスの法則に基づき、沈降速度 v は粒子径(半径)の2乗に比例する関係があります。
ストークスの法則:
v = 2 r^2 (ρ_p - ρ_m) g / 9 η
この式から、沈降速度 v を測定し、既知の媒質粘度 η 、分散粒子の密度 ρ_p 、分散媒の密度 ρ_m 、および重力加速度 g を代入して、粒子の半径 r を求めることができます。
アンドレアゼンピペットの仕組み
アンドレアゼンピペットは、懸濁液中の粒子が重力により沈降する様子を一定の時間間隔で観察し、その沈降した粒子の体積を計測します。特定の高さまで沈降するのにかかる時間をもとに、沈降速度が求められます。この速度からストークスの法則を使い、粒子の直径が算出されます。
適用範囲
ストークスの法則は、球形でかつ大きさが一定の粒子がゆっくりと沈降する場合に適用されます。アンドレアゼンピペットで測定可能な粒子径は、おおよそ1~100 μm程度のミクロンサイズの粒子です。粒子がコロイドサイズの場合、法則が正確に適用されないため、この範囲外の粒子径測定には別の方法が必要です。
考察
アンドレアゼンピペットはこの沈降法を使用して粒子径を測定するため、選択肢1は正しいと言えます。
問題文で提示されている条件(分散粒子と分散媒の密度)が与えられているため、これらを用いて粒子径をストークスの法則に基づいて計算できます。
選択肢2: ラングミュア式を利用して粒子径を算出する
論点:
ラングミュア式は主に吸着現象に関するモデルであり、表面吸着と関連する現象を説明するための式です。粒子が気体や溶液中の表面に吸着する場合、その吸着量を圧力(または濃度)の関数として表すのに使用されます。ラングミュア式自体は粒子径の算出には直接的には関係ありません。
ラングミュア式の概要:
ラングミュア式は以下の形で表されます:
θ = K P / (1 + K P)
ここで:
θ は吸着表面の占有率
P は圧力(または溶液中の濃度)
K は吸着定数
この式は、単一層吸着の平衡を表すもので、粒子が表面に吸着する場合の挙動を説明します。
粒子径の測定や沈降速度の計算には関連がありません。
解法へのアプローチ:
ラングミュア式の適用範囲
ラングミュア式は、固体表面における吸着現象の解析に使用されるため、沈降法や粒子径測定の分野とは異なった目的の数式です。このため、粒子径を測定する際にラングミュア式を用いるのは適切ではありません。
沈降速度との無関係性
ラングミュア式は、吸着平衡に基づくものであり、粒子の沈降速度や分散液中の運動には影響を与えません。ストークスの法則のように、粒子の物理的特性(大きさや密度)と液体中の粘度などが考慮されるわけではなく、吸着平衡に基づく式です。
考察
この選択肢は粒子径の測定に関する記述ですが、ラングミュア式はそのような用途には適用できません。そのため、この選択肢は誤りであると結論付けられます。
選択肢3: コロイド粒子の粒子径を測定することができる
論点:
コロイド粒子は非常に小さく、粒子径はおおよそ10 nmから1 µmの範囲です。
ストークスの法則が適用されるのは、ミクロンサイズの大きな粒子に対してであり、コロイド粒子のようなナノスケールの粒子には適していません。
解法へのアプローチ:
コロイド粒子とストークスの法則の適用範囲
ストークスの法則は、粒子が粘性抵抗のもとで沈降する速度を記述しますが、この法則は粒子のレイノルズ数が小さい範囲でしか適用できません。コロイド粒子のサイズは非常に小さく、ブラウン運動などの熱的な力も働くため、ストークスの法則は正確に適用できません。つまり、コロイド粒子の粒子径をアンドレアゼンピペットで測定するのは困難です。
ブラウン運動の影響
コロイドサイズの粒子は、沈降速度が非常に遅く、液中での移動は主にブラウン運動による拡散に支配されます。ブラウン運動が支配的になると、粒子は重力に従って沈降するのではなく、ランダムな運動を繰り返すため、ストークスの法則を用いた粒子径測定は意味をなさなくなります。
測定方法の制約
コロイド粒子の測定には、動的光散乱法(DLS)や電子顕微鏡など、より高度な技術が必要です。これらの方法では、コロイド粒子の粒子径を正確に測定できますが、アンドレアゼンピペットを用いた沈降法では十分な精度を持たないため、測定できないと考えられます。
考察
アンドレアゼンピペットを用いた沈降法でコロイド粒子の粒子径を測定するのは不適切です。コロイド粒子には異なる測定技術が必要であり、この選択肢は誤りです。
選択肢4: 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる
論点:
この選択肢では、粒子径を1/3にすると沈降速度が1/3になるとされています。しかし、ストークスの法則に基づくと、粒子の沈降速度は粒子の半径の2乗に比例するため、この記述は誤りです。
解法へのアプローチ:
ストークスの法則による沈降速度の関係
ストークスの法則は次のように表されます:
v = 2 r^2 (ρ_p - ρ_m) g / 9 η
この式において、沈降速度 v は粒子の半径 r の2乗に比例します。したがって、粒子の直径(または半径)を1/3にすると、沈降速度は (1/3)^2 = 1/9 になります。つまり、粒子径を1/3にした場合、沈降速度は1/9に減少します。
沈降速度と粒子径の2乗関係
粒子の直径が減少する場合、その沈降速度は直線的に減少するのではなく、粒子径の2乗に基づいて急激に減少します。このため、「1/3になる」とする記述は誤りです。正しくは、粒子径を1/3にすると沈降速度は1/9に減少します。
考察
この選択肢では、粒子径の変化と沈降速度の関係を単純に比例関係と考えていますが、実際には2乗の関係があるため、記述は正確ではありません。粒子径を1/3にした場合、沈降速度は1/3ではなく1/9になるため、この選択肢は誤りです。
選択肢5: 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm³にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる
論点:
この選択肢では、分散媒に増粘剤を添加することで粘度が1.6倍になり、分散媒の密度も1.2 g/cm³に増加した場合に、分散粒子の沈降時間が2倍になるかどうかが問われています。ストークスの法則に基づいて、これらの物理パラメータの変化が沈降速度および時間にどのように影響するかを解析します。
解法へのアプローチ:
ストークスの法則と沈降速度の影響因子
ストークスの法則は以下のように記述されます:
v = 2 r^2 (ρ_p - ρ_m) g / 9 η
ここで、沈降速度 v は分散媒の粘度 η に反比例し、分散媒の密度 ρ_m と分散粒子の密度差 (ρ_p - ρ_m) に比例します。したがって、粘度が増加すると沈降速度は低下し、分散媒の密度が増加すると沈降速度も低下する傾向があります。
粘度の影響
分散媒の粘度が1.6倍に増加すると、沈降速度は1/1.6倍になります。これにより、沈降速度が遅くなるため、沈降にかかる時間は逆に1.6倍に増加します。
密度の影響
分散媒の密度が1.2 g/cm³に増加すると、分散粒子と分散媒の密度差 (ρ_p - ρ_m) が小さくなります。この結果、分散粒子の沈降速度はさらに遅くなります。具体的には、もともと分散媒の密度が1.0 g/cm³であったものが1.2 g/cm³に変化するため、密度差が小さくなり、沈降速度が減少します。
沈降時間への総合的な影響
粘度が1.6倍に増加し、分散媒の密度も増加した場合、沈降速度が低下し、結果的に沈降時間はおおよそ2倍になると考えられます。粘度の増加による影響と密度の増加による影響が相乗効果を持つため、沈降時間が2倍に延びるという記述は正しいです。
考察
以上の分析から、分散媒の粘度が1.6倍、密度が1.2 g/cm³に増加すると、沈降速度は大幅に減少し、沈降時間が2倍に増加するという選択肢の記述は正しいです。
Ref.
以下の文献は、粒子径測定およびストークスの法則に関連する物理現象を理解するために参照しました。
Adamson, A. W., & Gast, A. P. (1997). Physical Chemistry of Surfaces (6th ed.). Wiley-Interscience.
本書は、ラングミュア式や吸着現象について詳細に説明しており、ラングミュア式が粒子径測定には適用されないことを理解するために有用です。Allen, T. (1997). Particle Size Measurement (5th ed.). Springer.
本書では、粒子サイズの測定技術全般が解説されており、沈降法やストークスの法則を含む粒子径測定に関する基本的な原理をカバーしています。Hinds, W. C. (1999). Aerosol Technology: Properties, Behavior, and Measurement of Airborne Particles (2nd ed.). Wiley-Interscience.
エアロゾル粒子の沈降やブラウン運動に関する情報を提供し、コロイドサイズの粒子がどのようにして測定されるかを解説しています。Perry, R. H., & Green, D. W. (1997). Perry's Chemical Engineers' Handbook (7th ed.). McGraw-Hill.
化学工学における粘性流体力学の基本原理やストークスの法則の応用が説明されており、沈降速度と粒子径の関係の詳細がわかります。ISO 13317-1:2001. Determination of Particle Size Distribution by Gravitational Liquid Sedimentation Methods — Part 1: General Principles and Guidelines.
粒子沈降法による粒子径測定に関する標準的なガイドラインがまとめられており、アンドレアゼンピペットを使用した測定手順が記載されています。
選択肢5の論点 詳細
選択肢5の論点である沈降時間の計算について、ストークスの法則に基づいて、実際に数値を当てはめて段階的に計算し、粘度と密度の変化による沈降時間の比較を行います。
条件整理
分散媒の粘度 (η):
元の粘度を η_1 = 1.0 とします。
増粘剤を添加後、粘度が 1.6 倍に増加するため、新しい粘度は η_2 = 1.6 になります。分散媒の密度 (ρ_m):
元の分散媒の密度は ρ_m1 = 1.0 g/cm^3。
新しい分散媒の密度は ρ_m2 = 1.2 g/cm^3。分散粒子の密度 (ρ_p):
ρ_p = 2.0 g/cm^3。粒子の半径 (r):
仮に粒子の半径を r = 10 μm = 1.0 × 10^-3 cm とします。
ストークスの法則による沈降速度の計算
ストークスの法則は次の式で表されます:
v = 2 r^2 (ρ_p - ρ_m) g / 9 η
ここで:
v は沈降速度 (cm/s)
r は粒子の半径 (cm)
ρ_p は粒子の密度 (g/cm³)
ρ_m は分散媒の密度 (g/cm³)
g は重力加速度 (g = 980 cm/s^2)
η は分散媒の粘度 (g/cm·s)
1. 元の条件での沈降速度 (v_1)
元の粘度 (η_1 = 1.0) と密度 (ρ_m1 = 1.0 g/cm^3) を用いると:
v_1 = 2 (1.0 × 10^-3)^2 (2.0 - 1.0) × 980 / 9 × 1.0
v_1 = 2 × 10^-6 × 1.0 × 980 / 9
v_1 = 1.96 × 10^-3 / 9 = 2.18 × 10^-4 cm/s
2. 新しい条件での沈降速度 (v_2)
新しい粘度 (η_2 = 1.6) と密度 (ρ_m2 = 1.2 g/cm^3) を用いると:
v_2 = 2 (1.0 × 10^-3)^2 (2.0 - 1.2) × 980 / 9 × 1.6
v_2 = 2 × 10^-6 × 0.8 × 980 / 9 × 1.6
v_2 = 1.568 × 10^-3 / 14.4 = 1.09 × 10^-4 cm/s
3. 沈降時間の比較
沈降時間 t は沈降速度 v の逆数に比例します。
したがって、元の沈降時間 t_1 と新しい沈降時間 t_2 の比率は次のように表せます:
t_2 / t_1 = v_1 / v_2
これを計算すると:
t_2 / t_1 = 2.18 × 10^-4 / 1.09 × 10^-4 = 2
したがって、沈降時間は2倍になることがわかります。
まとめ
分散媒の粘度を1.6倍にし、密度を1.2 g/cm³にした場合、沈降時間は元の条件の2倍になることが計算により確認されました。
この結果は選択肢5の記述と一致します。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【薬剤】から懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペットを論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-179【薬剤】論点:懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペット|matsunoya
Here we go.
第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問179
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-179
Q. 図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定した。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0g/cm^3、2.0g/cm^3とする。
■選択肢
1. アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。
2. ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。
3. コロイド粒子の粒子径を測定することができる。
4. 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。
5. 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm^3にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。
■■GPT4o
薬剤|問 107-179
■論点|懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペット
この問題の論点は、アンドレアゼンピペットを用いた沈降法の原理を理解し、沈降速度に影響を与える物理的要因(粒子径、粘度、密度など)を特定することです。
■解説1|
アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。(選択肢1) [正しい]
アンドレアゼンピペットは、沈降速度の測定により粒子の径を算出する沈降法の装置です。沈降速度はストークスの法則に従い、粒子の径に比例して変化します。アンドレアゼンピペットを使用することで、分散媒中で懸濁した粒子の沈降速度を測定し、その速度から粒子径を求めることができます。
増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm³にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。(選択肢5) [正しい]
ストークスの法則によると、粒子の沈降速度 v は次の式で表されます:
v = 2r^2(ρ_p - ρ_m)g / 9η
ここで、粘度 η が増加すると沈降速度は減少し、密度 ρ_m の増加も沈降速度を遅くします。問題の条件に基づき、粘度が1.6倍、密度が1.2 g/cm³に変化した場合、沈降速度が半分になり、沈降時間が2倍になることが計算で確認されました。
■解説2|
アンドレアゼンピペットによる測定の詳細
アンドレアゼンピペットは、懸濁した粒子の沈降速度を測定するために使用されます。沈降速度は粒子の径の2乗に比例するため、粒子径を求めるために沈降速度が重要です。ストークスの法則に基づいて粒子の径を推定するため、この装置は均一な球形の粉末粒子に適しています。
粘度と密度の影響
粘度が増加すると、液体が流れにくくなり、沈降速度が低下します。同様に、分散媒の密度が増加すると、粒子との密度差が小さくなり、沈降速度がさらに低下します。これにより、沈降時間が増加する結果となります。
■結論|
選択肢1と選択肢5が正しいです。
アンドレアゼンピペットを用いた沈降法は、分散粒子の沈降速度を測定する適切な方法であり、沈降速度に影響を与える要因として粘度と密度の変化が沈降時間に大きな影響を与えることがわかります。
■補足|
ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。(選択肢2) [誤り]
ラングミュア式は吸着に関する式であり、粒子の径の測定には直接関係がありません。
沈降法を用いた粒子径測定にラングミュア式を適用することはできないため、この選択肢は誤りです。
ラングミュア式は以下の形で表されます:
θ = K P / (1 + K P)
ここで:
θ は吸着表面の占有率
P は圧力(または溶液中の濃度)
K は吸着定数
コロイド粒子の粒子径を測定することができる。(選択肢3) [誤り]
コロイド粒子のサイズは非常に小さく、ブラウン運動の影響を強く受けるため、沈降法では正確に測定できません。
ストークスの法則が適用できる範囲はミクロンサイズの粒子に限られるため、コロイド粒子の径をこの方法で測定するのは困難です。
懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。(選択肢4) [誤り]
ストークスの法則に基づくと、沈降速度は粒子の半径の2乗に比例します。粒子径を1/3にした場合、沈降速度は (1/3)^2 = 1/9 になります。
この選択肢は、粒子径と沈降速度の関係を誤って単純な比例関係として捉えているため、誤りです。
■Lecture|
まとめ
下記のプロンプトを、GPT4o に入力すると、ストークスの法則をまとめてくれます。お試しあれ(^^)/ (真偽は自分で確かめなさいー🤖)
今日のPrompts:
必須問題の解説はこちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)
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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 薬剤(1) 第106回-第109回 31問 powered by GPT4o, Chat GPT|matsunoya (note.com)
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第107回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問179
一般問題(薬学理論問題)【薬剤】
問107-179
Q. 図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定した。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0g/cm^3、2.0g/cm^3とする。
■選択肢
1. アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。
2. ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。
3. コロイド粒子の粒子径を測定することができる。
4. 懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。
5. 増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm^3にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-179【薬剤】論点:懸濁剤 / ストークスの法則 / 沈降速度 / 粒子径 / アンドレアゼンピペット|matsunoya
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