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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-226-227【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 / 保存方法 / 投与経路 / 混合投与

第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問226-227

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 106-226-227

Q. 70歳男性。10年前から2型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受け、治療中である。今回友人より、「あなたは70歳だけど肺炎球菌ワクチンの接種をしないのか」と聞かれ、ワクチン接種の相談に薬局を訪れた。患者はインフルエンザワクチンを接種したことはあるが、肺炎球菌ワクチンを接種した経験はなかった。


衛生

問 106-226|衛生
Q. 薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎球菌ワクチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。
2. このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。
3. この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。
4. このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。
5. ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。


Here:

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実務

問 106-227|実務
Q. 肺炎球菌ワクチン及びこの患者のワクチン接種に関する注意点について、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
2. 前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
3. 肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。
4. 肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。
5. インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。


Here:

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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問226-227、論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 / 保存方法 / 投与経路 / 混合投与を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-226-227【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 |matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第106回薬剤師国家試験 問226-227(問106-226-227)では、肺炎球菌ワクチンに関する知識を衛生および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-226-227を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問106-226-227 論点解説|matsunoya_note

問106-226および問106-227は、肺炎球菌ワクチンに関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書と予防接種法の理解が必要です。

冒頭文で必要な情報は、
患者の年齢(70歳)、
罹患している疾患(2型糖尿病、前立腺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD))
です。

今回、問題を解くうえでわかりにくい部分は、

✅製造方法および規格が論点の場合は、

ワクチン全般に言えることですが、肺炎球菌ワクチンの製造方法および規格は、メーカーの違いなどによって複数あるので(マジカヨ🤣)、1種類のワクチンの製造工程だけ知っていても、正誤がワカラナイこと、

✅予防接種法が論点の場合は、

感染症の動向によって法律が改正され、運用が変更されやすいので(マジカヨ😅)、最新の情報を理解している必要があること、

です。

問題の草案の時点で、こうした曖昧な論点の正誤を問う記述に関しては、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示をするプロセスが必要です。


🫛豆知識①

問106-226
このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。(選択肢4)[誤り]❓


この選択肢は、ファイザー株式会社のプレベナー20水性懸濁注沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体))の製法の概要および効能又は効果に関連する注意を論点としています。

ちなみに、プレベナー20水性懸濁注でアジュバントとして使用されている化合物は、リン酸アルミニウムです。
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体は有効成分です。
※CRM197:無毒性変異ジフテリア毒素

このワクチンは、免疫原性を高めるために、肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体をアジュバントであるリン酸アルミニウムに吸着させて不溶性とした不活化ワクチンです。

一方、現在、高齢者の肺炎球菌ワクチンとして定期接種で使用されるのはMSD株式会社 ニューモバックスNPシリンジ(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)のみです。(2024/9/30版)

ニューモバックスNPの製造工程には、ジフテリア毒素は使用されません。
このワクチンは、肺炎球菌中で高頻度にみられる23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養・増殖し、殺菌後に各々の型から抽出、精製した莢膜ポリサッカライドを混合した液剤です。
これは、肺炎球菌の莢膜由来成分からなる不活化ワクチンで、肺炎球菌莢膜ポリサッカライドが有効成分です。

まあ、どっちにしても選択肢の記述が誤りであることは間違いないです。
しかし、この選択肢の記述は、薬剤師国家試験の出題基準に照らして、適正さに欠けます。


医療用医薬品添付文書を一読しておくと応用力がつきます。
以下は、プレベナー20水性懸濁注の抜粋です。


基準名

生物学的製剤基準
沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

下記20種類の血清型の肺炎球菌を型別に培養して増殖させ、殺菌後に各々の型から肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを抽出し、精製する。
これらの肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを型別に、ジフテリア菌の変異株(Corynebacterium diphtheriaeC7(β197)/pPX3520)より産生させ、回収・精製した無毒性変異ジフテリア毒素(CRM197)と、還元的アミノ化反応又は求核置換反応により結合させ、混合する。
本剤は免疫原性を高めるために、肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体をアジュバントであるリン酸アルミニウムに吸着させて不溶性とした不活化ワクチンである。
なお、CRM197の製造工程において、カザミノ酸(ウシ乳由来成分)を使用している。

5. 効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤に含まれている肺炎球菌血清型以外による感染症又は他の起炎菌による感染症を予防することはできない。
5.2 ジフテリアの予防接種に転用することはできない。


🫛豆知識②

問106-226
この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。(選択肢3)[誤り]❓


第106回薬剤師国家試験は2021年2月実施なので、2021年2月時点では、この患者(70歳)は、高齢者の肺炎球菌ワクチン定期接種の(経過措置による)対象者です。よって、記述は「正しい」です。
「誤り」ではないです。

厚生労働省の正答が間違っている事案です。
論点が、接種の努力義務があるのかないのかということでしたら、努力義務はないです。予防接種法のA類疾病に相当しないからです。
記述は、努力義務を問うているわけではないです。

2024年4月以降は、以下の1、2、または3の方が定期接種の対象です。
ただし、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません。
1: 65歳の方
2: 60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方
3: 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
※65歳を超える方を対象とした経過措置は2024(令和6)年3月31日に終了

つまり、2024(令和6)年3月31日までは、以下の「経過措置による対象者」は、定期接種の対象者でした。

経過措置による対象者

65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳又は100歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある者


🫛豆知識③

問106-227
前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である(選択肢2)[誤り]❓


前立腺がんの治療中の患者は、2009年までは接種不適当者に該当する可能性がありました。
放射線、免疫抑制剤等で治療中である可能性があるからです。
現在は、併用注意に該当する可能性があります。

接種不適当者に関しては、MSD株式会社 ニューモバックスNPシリンジの場合、下記の記載があります。

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

2.1 2歳未満の者では、含有される莢膜型抗原の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと。[18.1 参照]
2.2 明らかな発熱を呈している者
2.3 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.4 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.5 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

一方、相互作用の併用注意(併用に注意すること)には、
免疫抑制剤
本剤の効果が得られないおそれがある。
免疫抑制的な作用を持つ製剤の投与を受けている者、特に長期あるいは大量投与を受けている者は免疫機能が低下していることがある.。
との記載があります。

PMDA 医療用医薬品添付文書 MSD株式会社 ニューモバックスNPシリンジ

🤔❓

なお、インタビューフォーム 開発の経緯には、下記の記述があります。

海外の状況に従い本剤の再接種の要望が高まる中、2009年に 4学会(日本感染症学会、日 本化学療法学会、日本呼吸器学会、日本環境感染学会)連名で「肺炎球菌ワクチンの添付文書記載事項一部改訂についての要望書」が厚生労働省に提出された。
関連事項に関して検討された結果、「接種不適当者」の項から
「過去に、含有莢膜型の組成のいかんにかかわらず多価肺炎球菌莢 膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者」
放射線、免疫抑制剤等で治療中の者又は接種後間もなくそのような治療を受ける者
が削除された。

インタビューフォーム ニューモバックスNPシリンジ

つまり、前立腺がんの治療中の患者は、2009年までは接種不適当者に該当する可能性がありました。
添付文書の接種不適当者からは削除されましたが、今でも併用に注意する必要がある治療を受けている可能性は否定できません。

クリアカットに正誤が判断できない(限りなくブラックに近いグレー的な)この選択肢の記述は、薬剤師国家試験の出題基準に照らして、適正さに欠けます。


出典:

PMDA 医療用医薬品添付文書等 肺炎球菌ワクチン
製造販売元/MSD株式会社 ニューモバックスNPシリンジ
インタビューフォーム ニューモバックスNPシリンジ
製造販売元/ファイザー株式会社 プレベナー20水性懸濁注

また、厚生労働省の最新の情報をチェックすることも必要です。

高齢者の肺炎球菌ワクチン|厚生労働省

高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて 
第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 資料 1 2023(令和5)年12月1日

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001173696.pdf

平成26年10月
高齢者の肺炎球菌感染症が定期の予防接種の B 類疾病に追加
PPSV23を定期接種ワクチンに位置づけ
65歳以上の方に接種機会を付与するために、5年間の経過措置開始(~平成30年度)
平成31年4月
接種機会の提供等のため、経過措置を5年間延長(~令和5年度)

高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて 
第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 資料 1 2023(令和5)年12月1日
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001173696.pdf

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■Gemini 2.0 Flash


高齢者の肺炎球菌ワクチンに関するQ&A(要約)|厚生労働省 2024年9月30日版

感染症について

  • Q1:肺炎球菌感染症とは?

    • 肺炎球菌という細菌による感染症で、飛沫感染します。

    • 高齢者の約3~5%が保菌者で、気管支炎、肺炎、敗血症などを引き起こすことがあります。

ワクチンについて

  • Q2:高齢者向け肺炎球菌ワクチンの効果は?

    • 「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、23種類の血清型に効果があります。

    • 成人侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約4-5割を予防する効果があります。

  • Q3:副反応は?

    • 重い副反応として、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎様反応などが報告されています。

    • 添付の表に示すような、様々な程度の副反応が報告されています。

      • 5%以上: 注射部位の疼痛、熱感、腫脹、発赤など。

      • 1~5%: 全身症状(倦怠感、違和感、悪寒、発熱)、筋肉痛、注射部位の硬結、頭痛。その他(ALT上昇)

      • 1%未満: ほてり、注射部位の掻痒感、咽頭炎、鼻炎、悪心、皮疹など。その他(腋窩痛)

      • 頻度不明: 無力症、関節痛、可動性の低下、感覚異常、嘔吐、食欲減退、リンパ節炎、蕁麻疹。

高齢者の肺炎球菌ワクチン|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/pneumococcus-senior/index.html

接種スケジュールおよび接種方法

  • Q4:定期接種対象者は?

    • 2024年4月以降、以下のいずれかに該当する方が対象です。

      1. 65歳の方

      2. 60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器に障害があり、生活が極度に制限される方

      3. 60~64歳で、HIVによる免疫不全で日常生活がほとんど不可能な方

    • 過去に「ニューモバックスNP」を接種済みの人は対象外。

  • Q5:過去に「ニューモバックスNP」を接種済みの場合は?

    • 定期接種の対象外となります。

  • Q6:過去に肺炎になったことがある場合は?

    • 定期接種の対象となります。

  • Q7:「ニューモバックスNP」を再接種した場合の影響は?

    • 過去5年以内の再接種では、注射部位の副反応が強く出やすいです。

  • Q8:結合型ワクチン(PCV15, PCV20)は定期接種で使える?

    • 定期接種で使用できるのは、「ニューモバックスNP」のみです。

  • Q9:過去に結合型ワクチン(PCV13, PCV15)を接種した場合は?

    • 定期接種で「ニューモバックスNP」を受けることができます。

  • Q10:どこで定期接種を受けられる?

    • お住まいの市町村にお問い合わせください。

  • Q11:定期接種で使用できるワクチンは?

    • 「ニューモバックスNP」を1回接種します。

長期療養特例

  • Q12:長期療養で対象年齢を過ぎてしまった場合は?

    • 長期療養特例として接種できる場合があります。市町村にお問い合わせください。

健康被害があった場合

  • Q13:重い副反応が起きた場合は?

    • 健康被害救済制度があります。市町村にご相談ください。

出典: 高齢者の肺炎球菌ワクチン|厚生労働省 Q&A 2024年9月30日版


予防接種法:
今回の問題に関連するポイント

予防接種法は、感染症の予防と国民の健康保持を目的とした法律です。今回の問題に関連するポイントを、以下の3つの視点からまとめます。

1. 予防接種の目的と定義

  • 目的:
    感染症の発生とまん延を予防し、国民の健康を守ること。

  • 定義:
    ワクチンを人体に注射または接種し、免疫効果を得させること。

2. A類疾病とB類疾病

予防接種法では、予防接種の対象となる疾病を、その重要度や性質によってA類疾病とB類疾病に分類しています。

  • A類疾病:

    • 人から人に伝染しやすい、または重症化しやすい疾病。

    • 例:
      ジフテリア、百日せき、麻しん、風しん、日本脳炎、結核、小児の肺炎球菌感染症(※小児がかかるものに限る。)、ヒトパピローマウイルス感染症、新型インフルエンザ等感染症など。

    • これらの疾病に対する予防接種は、原則として市町村長が実施し、対象者は接種を受けるよう努める義務があります(努力義務)。

  • B類疾病:

    • 個人の発病や重症化を防ぎ、感染拡大を抑えることを目的とする疾病。

    • 例:インフルエンザなど。

    • B類疾病に対する予防接種は、原則として努力義務はありません。

今回の問題との関連:

  • 今回の問題に出てくる肺炎球菌感染症は、小児がかかるものを除き、A類疾病には含まれていません。

  • (高齢者の肺炎球菌感染症はB類疾病と見なすことができますが、B類疾病の中でもインフルエンザと同様に、予防接種を受ける努力義務はありません。)

  • 問題の症例のように、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、原則として市町村長の実施義務はなく、個人の意思による任意接種となります。

  • ただし、予防接種法に基づき健康被害救済制度の対象となる場合があります。

3. 定期接種と臨時接種

予防接種は、実施時期や目的によって、定期接種と臨時接種に分類されます。

  • 定期接種:

    • 市町村長が、対象者に対して期日または期間を指定して実施する予防接種。

    • A類疾病が中心ですが、一部のB類疾病も対象となる場合があります。

  • 臨時接種:

    • 感染症のまん延予防上緊急の必要があると判断された場合に、都道府県知事や厚生労働大臣の指示によって行われる予防接種。

    • A類疾病とB類疾病の両方が対象となります。

今回の問題との関連:

  • 今回のケースのように、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、原則として定期接種ではなく、任意の接種となります。

  • 2024年4月以降は、以下の1、2、または3の方が定期接種の対象です。
    但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません。

    1. 65歳の方

    2. 60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方

    3. 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

    4. 65歳を超える方を対象とした経過措置は2024(令和6)年3月31日に終了

  • この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。(選択肢3)[誤り]

    • 患者は70歳なので、肺炎球菌ワクチンは、予防接種法における集団予防を目的とするものではない。

4. ワクチン接種の勧奨と努力義務

  • 勧奨:

    • 市町村長は、定期接種の対象者に対し、予防接種を受けることを勧める必要があります。

    • 特にA類疾病の予防接種については、積極的に勧奨する必要があります。

  • 努力義務:

    • A類疾病の定期接種や臨時の予防接種の対象者は、予防接種を受けるよう努める義務があります(努力義務)。

    • ただし、個人の健康状態によっては接種を受けられない場合もあります。

    • B類疾病については、努力義務はありません。

今回の問題との関連:

  • 今回の症例のように、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、予防接種法で定められた努力義務の対象とはなりません。あくまで個人の判断に委ねられます。

5. 健康被害救済制度

  • 予防接種によって健康被害が生じた場合、予防接種法に基づき、国や地方公共団体による救済措置が受けられます。

  • 定期接種、臨時接種、任意接種によって救済措置の対象範囲が異なる場合があります。

今回の問題との関連:

  • ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。(選択肢5)

    • ワクチン接種後に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。

まとめ

予防接種法は、国民の健康を守るための重要な法律です。
今回の問題で取り上げられた肺炎球菌ワクチンは、高齢者の場合、原則として任意の接種となりますが、予防接種法に基づき健康被害救済制度の対象となる場合があります。
予防接種を検討する際には、法律の内容を正しく理解し、医師や薬剤師に相談することが重要です。

出典: 予防接種法 | e-Gov 法令検索


PMDA 医療用医薬品添付文書 肺炎球菌ワクチン
製造販売元/MSD株式会社 ニューモバックスNPシリンジ

貯法・有効期間

貯法

2~8℃、凍結を避けること

有効期間

製造日から28箇月

基準名

生物学的製剤基準
肺炎球菌ワクチン

薬効分類名

細菌ワクチン類

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

2.1 2歳未満の者では、含有される莢膜型抗原の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと。[18.1 参照]
2.2 明らかな発熱を呈している者
2.3 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.4 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.5 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、肺炎球菌中で高頻度にみられる下記23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養・増殖し、殺菌後に各々の型から抽出、精製した莢膜ポリサッカライドを混合した液剤である。なお、本剤は肺炎球菌の莢膜由来成分からなる不活化ワクチンである。また、種菌を調製する前段階でウシ由来成分(ヘミン)を使用し、製造工程に用いる酵素の製造にウシの乳由来成分(カザミノ酸)を使用している。

4. 効能又は効果

  • 2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者

    • 脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防

    • 肺炎球菌による感染症の予防

1)鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
2)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者
3)高齢者
4)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者

6. 用法及び用量

1回0.5mLを筋肉内又は皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 同時接種

医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。[14.1.1 参照]

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

14.1.1 接種時

(1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いること。
(2) 冷蔵庫から取り出し室温になってから使用すること。
(3) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.1 参照]
(4) 針を時計回りにシリンジにねじ込み、しっかり固定して、用法・用量に従い全量を投与すること。
(5) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
(6) 本剤は1人1回限りの使用とすること。

14.1.2 接種部位

(1) 通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。
(2) 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
神経走行部位に接種しないこと。
注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

18.1 作用機序

肺炎球菌は、その莢膜によって体内での食菌作用から保護されており、肺炎球菌莢膜の構成成分であるポリサッカライド(多糖体)に対する抗体が菌体莢膜と結合すると、食菌作用が著しく増強され、菌は貪食される。
本剤は抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチンであり、本剤を接種することにより23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドに対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられる3)
一般に、莢膜血清型特異的防御抗体レベルの上昇は、ワクチン接種後第3週までに生じる4)
細菌莢膜血清型ポリサッカライドは、主にT細胞非依存性メカニズムによって抗体を誘発する。そのため、ほとんどの肺炎球菌莢膜血清型に対する抗体応答は、免疫系が未熟な2歳未満の幼児では一般に乏しいか又は不安定である4)。23価肺炎球菌ワクチンを用いた臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された。また、12価、14価及び23価の肺炎球菌ワクチンを2歳以上の小児及び成人に投与した臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された1),5),6),7)[2.1 参照]


論点およびポイント

■■Gemini 2.0 Flash


問 106-226|衛生
論点|肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度
ポイント|

  • 肺炎球菌ワクチンは、病原性を弱毒化した生ワクチンではなく、不活化ワクチンである。

  • 肺炎球菌ワクチンは、複数の血清型に対応するため、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖を抗原として含む。

  • 高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、予防接種法に基づく定期接種ではなく、原則として任意接種である。

  • 2024年4月以降:
    以下の1、2、または3の方が定期接種の対象:
    但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません。

    1. 65歳

    2. 60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される

    3. 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能

    4. 65歳を超える方を対象とした経過措置は2024(令和6)年3月31日に終了

  • 予防接種後に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度によって救済される。

問 106-227|実務
論点|肺炎球菌ワクチン / 基礎疾患 / 保存方法 / 投与経路 / 混合投与
ポイント|

  • 糖尿病や前立腺がんは、肺炎球菌ワクチン接種の禁忌ではない。

  • 定期接種対象者:

    • 2024年4月以降、以下のいずれかに該当する方が対象。

      1. 65歳

      2. 60~64歳、心臓、腎臓、呼吸器に障害があり、生活が極度に制限

      3. 60~64歳で、HIVによる免疫不全で日常生活がほとんど不可能

      4. 65歳を超える方を対象とした経過措置は2024(令和6)年3月31日に終了

  • 肺炎球菌ワクチンは、冷蔵保存が必要で、室温保存は不適切である。

  • 肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射が可能である。

  • 複数のワクチンを混合して投与することは推奨されておらず、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを混合投与することは不適切である。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■Gemini 2.0 Flash


総合的な論点


問 106-226(衛生)

この問題は、肺炎球菌ワクチンに関する知識を問うとともに、予防接種に関する制度を理解しているかを問うています。
具体的には、以下の点が論点となります。

  1. 肺炎球菌ワクチンの種類と特徴:
    肺炎球菌ワクチンには、弱毒化された生ワクチンではなく、不活化ワクチンであること、莢膜多糖を抗原とするワクチンであることなど、ワクチンの基本的な特徴を理解しているかが問われています。

  2. 予防接種法の適用:
    高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの接種が、予防接種法に基づいた定期接種であるかどうか、あるいは任意接種であるかの区別を理解しているかが問われています。

  3. アジュバントの役割と誤解:
    アジュバントの役割を理解しているか、また、ワクチンにジフテリア毒素が結合しているからといって、ジフテリアの予防効果があるという誤った認識を持っていないかが問われています。

  4. 予防接種健康被害救済制度:
    ワクチン接種後に発生する可能性のある健康被害に対する救済制度の存在と、その対象となるワクチンについて理解しているかが問われています。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢1. このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。

  • 論点:
    肺炎球菌ワクチンの種類(生ワクチンか不活化ワクチンか)に関する知識。

  • アプローチ方法:
    肺炎球菌ワクチンは、莢膜多糖を抗原とする不活化ワクチンであり、病原性を弱毒化した生ワクチンではないという事実を理解しているかを確認します。

選択肢2. このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。

  • 論点:
    肺炎球菌ワクチンの構成成分に関する知識。

  • アプローチ方法:
    肺炎球菌ワクチンは、複数の血清型に対応するために、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖を抗原として含むことを理解しているかを確認します。

選択肢3. この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。

  • 論点:
    予防接種法における高齢者肺炎球菌ワクチンの位置づけ。

  • アプローチ方法:
    高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、予防接種法に基づく定期接種ではなく、原則として任意接種であることを理解しているか確認します。

選択肢4. このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。

  • 論点:
    ワクチンにおけるアジュバントの役割と、免疫効果の特異性に関する知識。

  • アプローチ方法:
    アジュバントは、免疫応答を増強させるための物質であり、特定の病原体の抗原ではないことを理解しているか、また、ワクチンが特定の病原体に対する抗体産生を誘導するものであり、他の病原体への予防効果を付与するものではないことを理解しているかを確認します。

選択肢5. ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。

  • 論点:
    予防接種健康被害救済制度の適用範囲に関する知識。

  • アプローチ方法:
    予防接種後に健康被害が生じた場合に、予防接種健康被害救済制度によって救済される対象となるワクチンであることを理解しているか確認します。


引用文献

  1. 厚生労働省. 肺炎球菌感染症

  2. 厚生労働省. 予防接種健康被害救済制度について

  3. 日本医師会. 肺炎球菌ワクチン


問 106-227(実務)

この問題は、患者の背景情報(基礎疾患や治療状況)を踏まえ、肺炎球菌ワクチン接種における注意点を把握しているかを問うています。具体的には、以下の点が論点となります。

  1. 基礎疾患とワクチン接種の可否:
    糖尿病や前立腺がんといった基礎疾患が、肺炎球菌ワクチン接種の禁忌となるか、あるいは注意が必要な状態であるかを判断できるか。

  2. ワクチン製剤の保存方法:
    ワクチン製剤の適切な保存方法(室温保存か冷蔵保存か)に関する知識。

  3. ワクチン製剤の投与経路:
    ワクチンの適切な投与経路(筋肉内注射か皮下注射か)に関する知識。

  4. ワクチンの混合投与の可否:
    複数種類のワクチンを混合して投与することの可否に関する知識。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢1. 糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。

  • 論点:
    糖尿病患者における肺炎球菌ワクチン接種の可否。

  • アプローチ方法:
    糖尿病は、肺炎球菌ワクチン接種の禁忌ではないことを理解しているか確認します。

選択肢2. 前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。

  • 論点:
    前立腺がん患者における肺炎球菌ワクチン接種の可否。

  • アプローチ方法:
    前立腺がんは、肺炎球菌ワクチン接種の禁忌ではないことを理解しているか確認します。

選択肢3. 肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。

  • 論点:
    肺炎球菌ワクチンの保存方法に関する知識。

  • アプローチ方法:
    肺炎球菌ワクチンは、冷蔵保存が必要であり、室温保存は不適切であることを理解しているか確認します。

選択肢4. 肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。

  • 論点:
    肺炎球菌ワクチンの投与経路に関する知識。

  • アプローチ方法:
    肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射が可能であることを理解しているか確認します。

選択肢5. インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。

  • 論点:
    ワクチンの混合投与の可否に関する知識。

  • アプローチ方法:
    一般的に、複数のワクチンを混合して投与することは推奨されておらず、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを混合投与することは不適切であることを理解しているか確認します。


引用文献

  1. 日本環境感染学会. (2021). ワクチン接種に関するQ&A.

  2. 厚生労働省. 予防接種に関するQ&A.

  3. 国立感染症研究所. 肺炎球菌ワクチン.


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 / 保存方法 / 投与経路 / 混合投与を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問226-227

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 106-226-227

Q. 70歳男性。10年前から2型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受け、治療中である。今回友人より、「あなたは70歳だけど肺炎球菌ワクチンの接種をしないのか」と聞かれ、ワクチン接種の相談に薬局を訪れた。患者はインフルエンザワクチンを接種したことはあるが、肺炎球菌ワクチンを接種した経験はなかった。


衛生

問 106-226|衛生
Q. 薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎球菌ワクチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。
2. このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。
3. この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。
4. このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。
5. ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-226-227【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 |matsunoya


実務

問 106-227|実務
Q. 肺炎球菌ワクチン及びこの患者のワクチン接種に関する注意点について、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
2. 前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
3. 肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。
4. 肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。
5. インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-226-227【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 |matsunoya


■■Gemini 2.0 Flash


■問 106-226|衛生

■論点|

この問題の論点は、肺炎球菌ワクチンの種類、成分、予防接種法における位置づけ、予防接種健康被害救済制度の適用範囲を特定することです。

■解説1|

このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。(選択肢2)[正しい]

肺炎球菌ワクチンは、複数の血清型による感染を予防するために、それぞれの血清型の莢膜多糖を抗原として含んでいます。これにより、幅広い肺炎球菌感染症に対して予防効果を発揮することができます。

ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。(選択肢5)[正しい]

予防接種法に基づき、ワクチン接種によって健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度による救済措置を受けることができます。これは、ワクチン接種を推進する上で重要な制度です。

■解説2|

肺炎球菌ワクチンは、莢膜多糖を抗原とする不活化ワクチンであり、生ワクチンではありません。
また、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、予防接種法に基づく定期接種ではなく、原則として任意接種です。
2024年4月以降、以下のいずれかに該当する方が定期接種対象です。

  1. 65歳の方

  2. 60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器に障害があり、生活が極度に制限される方

  3. 60~64歳で、HIVによる免疫不全で日常生活がほとんど不可能な方

  4. 過去に「ニューモバックスNP」を接種済みの人は対象外。

アジュバントは免疫応答を増強する目的で使用されますが、ジフテリア毒素がアジュバントと結合していても、ジフテリアの予防効果はありません。
予防接種健康被害救済制度は、予防接種法に基づいて行われる予防接種だけでなく、任意接種も対象となる場合があります。

■結論|

選択肢2と5が、肺炎球菌ワクチンに関する正しい記述です。

■補足|

このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。(選択肢1)[誤り]

肺炎球菌ワクチンは、不活化ワクチンであり、生ワクチンではありません。

この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。(選択肢3)[誤り]

高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、接種の努力義務はなく、原則として任意接種です。
65歳および心臓、腎臓、呼吸器に障害、HIVによる免疫不全などのある60~64歳は定期接種対象者です。

このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。(選択肢4)[誤り]

アジュバントは免疫応答を増強しますが、ジフテリアの予防効果はありません。


■問 106-227|実務

■論点|

この問題の論点は、患者の基礎疾患、ワクチンの保存方法、投与経路、混合投与の可否を考慮して、肺炎球菌ワクチン接種に関する適切な判断をすることです。

■解説1|

肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。(選択肢4)[正しい]

肺炎球菌ワクチンは、通常、筋肉内注射または皮下注射によって投与されます。

■解説2|

糖尿病・前立腺がんは、肺炎球菌ワクチン接種の禁忌ではありません。
肺炎球菌ワクチンは、冷蔵保存が必要であり、室温保存は不適切です。
複数のワクチンを混合して投与することは、一般的に推奨されていません。インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを混合して投与することは避けるべきです。

■結論|

選択肢4が、肺炎球菌ワクチン接種に関する正しい記述です。

■補足|

糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。(選択肢1)[誤り]

糖尿病は、肺炎球菌ワクチン接種の接種不適当者ではありません。

前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。(選択肢2)[誤り]

前立腺がんは、肺炎球菌ワクチン接種の接種不適当者ではありません。
併用に注意する必要がある治療を受けている可能性はあります。

肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。(選択肢3)[誤り]

肺炎球菌ワクチンは、冷蔵保存が必要です。

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。(選択肢5)[誤り]

複数のワクチンを混合して投与することは推奨されていません。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)


薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。

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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第106回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問226-227

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 106-226-227

Q. 70歳男性。10年前から2型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受け、治療中である。今回友人より、「あなたは70歳だけど肺炎球菌ワクチンの接種をしないのか」と聞かれ、ワクチン接種の相談に薬局を訪れた。患者はインフルエンザワクチンを接種したことはあるが、肺炎球菌ワクチンを接種した経験はなかった。


衛生

問 106-226|衛生
Q. 薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎球菌ワクチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。
2. このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。
3. この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。
4. このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。
5. ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 106-226-227【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:肺炎球菌ワクチン / 不活化ワクチン / 莢膜多糖 / 予防接種法 / 救済制度 / 基礎疾患 |matsunoya


実務

問 106-227|実務
Q. 肺炎球菌ワクチン及びこの患者のワクチン接種に関する注意点について、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
2. 前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。
3. 肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。
4. 肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。
5. インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。


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