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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎

第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 109-157-158 

Q. 37歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌になって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分からなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査の結果は以下のとおりである。
(検査値)
赤血球400×10^4/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8×10^4/μL、血清クレアチニン1.84mg/dL、eGFR32.8mL/min/1.73m^2、空腹時血糖112mg/dL、HbA1c6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、尿潜血(+)


病態|問 109-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. SLEはI型アレルギーによって発症した。
2. 顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。
3. 副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。
4. 血液検査から汎血球減少症が疑われる。
5. 血液検査からループス腎炎が疑われる。


解説はこちらからどうぞ。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎|matsunoya


薬理|問 109-158 
Q. (薬理)
SLE及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。
2. ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制する。
3. タクロリムスは、活性化T細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、IL-2 の産生を抑制する。
4. ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プリン塩基の合成を抑制する。
5. ベリムマブは、Bリンパ球細胞膜のCD20に結合して、Bリンパ球の増殖を抑制する。


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-157-158【薬理/病態・薬物治療】(2/2) 論点:SLE及び合併症 治療薬 / シクロホスファミド / ミゾリビン / タクロリムス / ミコフェノール酸モフェチル / ベリムマブ|matsunoya


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苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬理/病態・薬物治療】の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 、論点:全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎を徹底解説します。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎

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設問へのアプローチ|

第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問157-158

第109回薬剤師国家試験の問157-158【薬理/病態・薬物治療】(問109-157-158)では、全身性エリテマトーデス(SLE)に関する知識を薬理および病態・薬物治療のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。

複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。

今回は、2回に分けて、それぞれの問題の論点を解説します。
第1回は、問109-157です。

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

表 検査項目と検査値、正常範囲と病態を示唆する範囲

表 検査項目と検査値、正常範囲と病態を示唆する範囲

検査項目 | 検査値 | 正常範囲 | 病態を示唆する範囲 | 病態の可能性

  • 赤血球 | 400×10^4/μL | 400〜550×10^4/μL |
    低値:貧血を示唆 | 貧血の可能性

  • 白血球 | 5,120/μL | 4,000〜9,000/μL |
    異常値:白血球減少または増加 | 免疫異常や感染症の可能性

  • 血小板 | 20.8×10^4/μL | 15〜40×10^4/μL |
    異常値:血小板減少または増加 | 出血傾向や血栓症のリスク

  • 血清クレアチニン | 1.84 mg/dL | 0.6〜1.1 mg/dL |
    高値:腎機能低下 | 腎機能不全の可能性

  • eGFR | 32.8 mL/min/1.73 m^2 | >60 mL/min/1.73 m^2 |
    低値:腎機能障害 | 慢性腎不全の可能性

  • 空腹時血糖 | 112 mg/dL | 70〜109 mg/dL |
    高値:高血糖 | 糖尿病予備軍の可能性

  • HbA1c | 6.5% | 4.6〜6.2% |
    高値:糖尿病管理不良 | 糖尿病の可能性

  • 抗核抗体 (ANA) | (+) | (-) |
    陽性:自己免疫疾患 | SLEなどの自己免疫疾患

  • 尿タンパク | (2+) | (-) |
    陽性:腎疾患の可能性 | 糸球体腎炎などの腎疾患

  • 尿潜血 | (+) | (-) |
    陽性:尿路感染症や腎疾患 | 尿路感染症や腎疾患

Ref.

  1. 日本臨床検査標準協議会(JSCC)『日本臨床検査標準協議会ガイドライン』。

  2. 『腎機能指標:血清クレアチニンとeGFR』日本腎臓学会、2020年版。

  3. 糖尿病診療ガイドライン2022、日本糖尿病学会。


全身性エリテマトーデス(SLE)および
関連病態について


全身性エリテマトーデス (SLE)

病態:
SLEは自己免疫疾患で、免疫系が自己の細胞や組織を攻撃し、さまざまな臓器や組織に慢性的な炎症を引き起こします。
SLEの主な病態は、抗核抗体(ANA)をはじめとする自己抗体の産生と、それに伴う免疫複合体の形成です。
これが血管や結合組織に沈着し、組織損傷および炎症反応を引き起こします。
SLEは多臓器に影響を与え、特に皮膚、関節、腎臓、心血管、神経系、血液系などが侵されることが多いです。


治療:
SLEの治療は、臓器へのダメージの抑制と自己免疫反応の制御を目的とし、次のような治療法が行われます。

  1. 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs):
    軽度の関節痛や炎症を緩和するために用いられます。

  2. 抗マラリア薬 (例: ヒドロキシクロロキン):
    皮膚症状や関節痛の抑制に有効で、長期的なSLE管理に寄与します。

  3. グルココルチコイド:
    中等度から重度の炎症抑制に使用され、急性の症状管理に有効です。

  4. 免疫抑制剤 (例: シクロホスファミド、タクロリムス、ミゾリビン):
    免疫系を抑制することで、重篤な臓器病変の進行を遅らせます。

  5. 生物学的製剤 (例: ベリムマブ):
    特定の自己抗体をターゲットにし、特に従来の治療に反応しない場合に使用されます。


中枢神経ループス (Neuropsychiatric Lupus, NPSLE)

病態:
中枢神経ループスはSLEの合併症の一つで、中枢神経系に病変を引き起こします。
免疫複合体や自己抗体が中枢神経に侵入し、神経組織の炎症や血管病変を引き起こします。
これにより、頭痛、認知障害、けいれん発作、精神症状(例:うつ、不安、幻覚)が生じます。
NPSLEは非常に多様な神経症状を示し、重症度もさまざまです。


治療:
NPSLEの治療は症状に応じて異なりますが、主に以下の方法が用いられます。

  1. グルココルチコイドの使用:
    急性期の炎症を抑制するために用いられます。

  2. 免疫抑制剤 (例: シクロホスファミド):
    神経症状が重症の場合に使用され、免疫反応の抑制により症状の進行を抑制します。

  3. 精神症状の管理:
    抗うつ薬や抗不安薬を使用し、精神的な症状の緩和を行います。


汎血球減少症 (Pancytopenia)

病態:
SLEにおける汎血球減少症は、自己抗体が血液細胞に対する攻撃を引き起こすために生じます。
特に赤血球、白血球、血小板の減少が見られ、貧血、感染リスクの増加、出血傾向が伴います。
骨髄抑制も関連し、免疫反応による炎症性サイトカインが造血を抑制することも要因と考えられています。


治療:
SLEによる汎血球減少症の治療は次の方法で行われます。

  1. グルココルチコイドの使用:
    炎症を抑制し、血球減少を改善します。

  2. 免疫抑制剤 (例: ミコフェノール酸モフェチル):
    重症例では免疫抑制剤により自己抗体の生成を抑制し、造血機能を回復させます。

  3. 必要に応じた輸血:
    貧血が重篤な場合、赤血球輸血などが行われることもあります。


ループス腎炎 (Lupus Nephritis)

病態:
ループス腎炎はSLEの合併症で、免疫複合体が腎臓に沈着し、腎臓の糸球体で炎症を引き起こします。
これにより、腎機能の低下や腎不全が引き起こされることがあり、尿タンパク、血尿、腎機能低下(クレアチニン上昇、eGFR低下)などの症状が現れます。
ループス腎炎はSLE患者の予後に大きく影響するため、早期診断と治療が重要です。


治療:
ループス腎炎の治療には、以下のアプローチがとられます。

  1. グルココルチコイドの使用:
    糸球体の炎症を抑制し、腎機能を保護するために使用されます。

  2. 免疫抑制剤 (例: シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル):
    免疫反応を抑制し、腎臓への自己抗体の作用を抑えます。ステロイドと併用することが多いです。

  3. RAAS阻害薬 (例: ACE阻害薬):
    高血圧管理や尿タンパクの減少に効果があり、腎機能の保護に寄与します。


Ref.

  1. Wallace, D. J., & Hahn, B. H. (Eds.). Dubois' Lupus Erythematosus and Related Syndromes. 9th edition, 2019. Elsevier.

  2. 日本リウマチ学会『全身性エリテマトーデス(SLE)診療ガイドライン』2019年版。

  3. National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases (NIAMS). "Lupus: An Overview of Symptoms, Diagnosis, and Treatment," 2021.


論点およびポイント

■■GPT4o


病態|問 109-157
論点|全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎
ポイント|

  • SLEは自己免疫疾患で、主にIII型アレルギー(免疫複合体によるアレルギー)とIV型アレルギー(細胞媒介性アレルギー)によって発症する

    • I型アレルギーではない

  • 顔面紅斑は通常、蝶形紅斑と呼ばれ、鼻梁から両頬にかけて左右対称に現れる

  • ステロイドの減量中に認知症状や精神症状が出現する場合、中枢神経ループス(CNSループス)が疑われる

  • SLEでは貧血や白血球・血小板減少がみられることがあり、血液検査で汎血球減少症の可能性が示されることがある

    • 汎血球減少症: 赤血球、白血球、血小板のすべてが減少する状態

  • クレアチニン高値、尿タンパク・尿潜血の存在からループス腎炎が疑われることがある


薬理|問 109-158
論点|SLE及び合併症 治療薬 / シクロホスファミド / ミゾリビン / タクロリムス / ミコフェノール酸モフェチル / ベリムマブ
ポイント|

  1. シクロホスファミド (Cyclophosphamide)

    • アルキル化剤としてDNAに作用し、DNA鎖間の架橋を形成

    • DNA複製を阻害し、細胞分裂を停止させるため、増殖が盛んな免疫細胞(特にB細胞とT細胞)に対して強力な抑制効果を示す

    • 活性代謝物ホスファミドマスタードに変換されることで薬理作用を発揮

  2. ミゾリビン (Mizoribine)

    • イノシン酸脱水素酵素を選択的に阻害し、T細胞やB細胞のDNA合成に必要なプリン合成を抑制

    • 免疫細胞の増殖を制御し、特に自己免疫疾患での免疫反応を抑える効果を発揮

    • 副作用が少ないため、他の免疫抑制剤が使用困難な患者にも適している

  3. タクロリムス (Tacrolimus)

    • カルシニューリン阻害剤であり、カルシニューリンの脱リン酸化を阻害することでNFAT(活性化T細胞の転写因子)の核内移行を抑制

    • インターロイキン-2(IL-2)の産生が抑制され、T細胞の増殖と活性化が低下

    • 主にT細胞依存性の免疫反応を抑えるため、自己免疫疾患や臓器移植後の拒絶反応予防に有効

  4. ミコフェノール酸モフェチル (Mycophenolate Mofetil)

    • 体内でミコフェノール酸に代謝され、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害

    • IMPDH阻害により、活性化リンパ球に特異的に影響を与え、特にB細胞とT細胞の増殖を抑制

    • 他の細胞には比較的影響が少なく、免疫抑制効果と安全性が両立している

  5. ベリムマブ (Belimumab)

    • B細胞活性化因子(BAFF)に対するヒトモノクローナル抗体で、BAFFの作用を阻害

    • BAFFの阻害により、自己反応性B細胞の生存と増殖を抑制し、自己抗体産生を減少させる

    • B細胞をターゲットにするため、自己免疫疾患、特に全身性エリテマトーデス(SLE)の治療に特化


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


この問題では、全身性エリテマトーデス (SLE) の病態と治療、特に副腎皮質ステロイドの投与に伴う精神症状と腎障害に焦点を当てています。
ここでは、SLEの発症機序、中枢神経ループス (CNSループス) とループス腎炎、ステロイドの作用と副作用について論点を整理します。


1. 全身性エリテマトーデス(SLE)の病態と発症機序

SLEは自己免疫疾患であり、自己抗体(例:抗核抗体)と免疫複合体が組織に沈着し、炎症を引き起こすことでさまざまな臓器障害が発生します。
SLEの発症メカニズムはI型アレルギー(IgEによる即時型反応)ではなく、III型アレルギー(免疫複合体型反応)によるものであり、特定の自己抗体が組織に蓄積して補体を活性化することで、慢性的な炎症反応が進行します。


2. 中枢神経ループス(CNSループス)

SLE患者には中枢神経系(CNS)に影響を与える症状が現れることがあり、これをCNSループスと呼びます。
精神症状や行動の変化(例:躁状態、抑うつ、認知障害)は、SLEの合併症として認知されています。
本患者のような気分変動や認知障害の発症は、ステロイドの減量中に顕在化する場合があり、CNSループスの疑いがあります。


3. ループス腎炎

SLE患者の50%以上が腎障害(ループス腎炎)を発症し、これは予後に重要な影響を与えます。
腎障害が進行することで、血清クレアチニンの上昇やeGFRの低下、尿タンパク陽性が見られることがあります。
本症例においても、血清クレアチニンの上昇とeGFRの低下が認められているため、ループス腎炎が疑われます。


4. 副腎皮質ステロイドの作用と副作用

副腎皮質ステロイドは強力な抗炎症作用を有し、SLE治療においても重要な役割を果たしますが、精神症状(ステロイド精神病)などの副作用が現れることがあります。
副腎皮質ステロイドの漸減中には、自己免疫反応の再燃やホルモンバランスの変化により、精神的および認知的な不調が起こり得るため、SLE患者において特に注意が必要です。


総合的に、本問題はSLE患者における特異的な病態(CNSループスやループス腎炎)の鑑別、および副腎皮質ステロイド投与中の症状変化に対する対応が主な論点となっています。


各選択肢の論点と解法アプローチ


選択肢 1: SLEはI型アレルギーによって発症した。

論点

SLEの病態発生機序についての理解を問う選択肢です。
SLEは自己免疫疾患であり、免疫複合体が原因で炎症を引き起こす「III型アレルギー(免疫複合体型反応)」によって発症します。
I型アレルギーはIgE抗体が関与する即時型反応で、蕁麻疹やアナフィラキシーなどが該当しますが、SLEの病態とは異なります。

アプローチ方法

SLEがI型アレルギーではないことを確認し、III型アレルギーがSLEの主な発症メカニズムであると判断できれば、この選択肢は誤りと判断できます。


選択肢 2: 顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。

論点

SLE特有の皮膚症状についての理解を問う選択肢です。SLE患者に見られる顔面紅斑(蝶形紅斑)は通常、鼻梁から両側の頬に対称的に広がる特徴があります。
一側性である場合、別の皮膚病変の可能性が高いです。

アプローチ方法

SLEの代表的な皮膚症状が「蝶形紅斑」であり、これが対称性であることを基に、この選択肢が誤りであると判断できます。


選択肢 3: 副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。

論点

SLE患者における精神症状や認知障害が、CNSループスに関連する可能性を問う選択肢です。
ステロイド漸減中に現れる気分変動、記憶障害、言動の変化は、CNSループスの疑いとして鑑別が必要です。

アプローチ方法

CNSループスはSLEの神経精神症状を含む疾患の一部であるため、ステロイド減量中にこれらの症状が現れる場合にはCNSループスの可能性があると考え、この選択肢が正しいと判断します。


選択肢 4: 血液検査から汎血球減少症が疑われる。

論点

汎血球減少症の定義とSLEに伴う血液所見についての理解を問う選択肢です。
汎血球減少症は、赤血球、白血球、血小板がいずれも低下する状態を指します。
本症例では、赤血球、白血球、血小板いずれも基準範囲内であるため、汎血球減少症とは言えません。

アプローチ方法

血液検査の結果を確認し、赤血球、白血球、血小板が基準範囲内であることを根拠に、この選択肢が誤りであると判断します。


選択肢 5: 血液検査からループス腎炎が疑われる。

論点

ループス腎炎の診断に関する理解を問う選択肢です。
SLE患者の腎機能評価で重要な所見には、血清クレアチニンの上昇、eGFRの低下、尿タンパク陽性が含まれます。
本症例でもこれらの所見が見られるため、ループス腎炎が疑われます。

アプローチ方法

血清クレアチニン、eGFR、尿タンパクの値を基に、ループス腎炎の診断基準を満たしているかを確認し、この選択肢が正しいと判断します。


Ref.

以下は、今回の解答の根拠として参考にした文献リストです。
この文献リストを基に、SLEの診断と治療について、科学的根拠に基づいて問題の解答を構成しました。

  1. Nussinovitch, U., & Schoenfeld, Y. (2014). The clinical manifestations of anti-DNA antibodies in systemic lupus erythematosus: A cross-sectional analysis. European Journal of Internal Medicine, 25(8), 783–787.
    この文献では、SLEにおける免疫反応の特徴や関連する自己抗体の役割、主要な症状(CNSループスやループス腎炎を含む)の病態について説明しています。

  2. Wallace, D. J., & Hahn, B. H. (Eds.). (2012). Dubois' Lupus Erythematosus and Related Syndromes (8th ed.). Saunders.
    SLEの包括的なリファレンスであり、III型アレルギーとしての発症メカニズムや、蝶形紅斑などの皮膚症状、SLEにおける腎病変とその検査所見について詳述されています。

  3. Bruce, I. N. (2005). 'CNS lupus': A clinical perspective. Nature Reviews Rheumatology, 1(1), 34-39.
    CNSループスにおける精神神経症状のメカニズムや、ステロイド治療に関連する精神症状との鑑別についての解説を含む文献です。

  4. Gladman, D. D., & Urowitz, M. B. (2008). Systemic lupus erythematosus: Clinical features. Rheumatology (5th ed.). Oxford University Press.
    汎血球減少症およびSLEに関連する血液所見の診断基準、ループス腎炎に関する腎機能の指標についての詳細な記述があります。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【複合問題】から全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 109-157-158 

Q. 37歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌になって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分からなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査の結果は以下のとおりである。
(検査値)
赤血球400×10^4/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8×10^4/μL、血清クレアチニン1.84mg/dL、eGFR32.8mL/min/1.73m^2、空腹時血糖112mg/dL、HbA1c6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、尿潜血(+)


病態|問 109-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. SLEはI型アレルギーによって発症した。
2. 顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。
3. 副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。
4. 血液検査から汎血球減少症が疑われる。
5. 血液検査からループス腎炎が疑われる。


薬理|問 109-158 
Q. (薬理)
SLE及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。
2. ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制する。
3. タクロリムスは、活性化T細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、IL-2 の産生を抑制する。
4. ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プリン塩基の合成を抑制する。
5. ベリムマブは、Bリンパ球細胞膜のCD20に結合して、Bリンパ球の増殖を抑制する。


■■GPT4o


病態|問 109-157


■論点|全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループス腎炎

この問題の論点は、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状や診断に関する知識と、副腎皮質ステロイド薬の漸減中に現れる病態への理解です。


■解説1|


副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる(選択肢3)[正しい]

この患者はステロイド療法の漸減中に、気分の変動や認知機能の低下といった中枢神経症状を示しています。
SLE患者における中枢神経ループスは、気分障害や認知障害、錯乱などが典型的な症状であり、ステロイド療法を減量するとこうした症状が現れる可能性があります。
中枢神経ループスは、神経系における自己抗体の影響や免疫反応が原因とされ、診断には他の神経疾患との鑑別が必要です。


血液検査からループス腎炎が疑われる(選択肢5)[正しい]

患者の血液検査で、血清クレアチニンが1.84 mg/dL、eGFRが32.8 mL/min/1.73m²と、腎機能の低下が示唆されています。
また、尿タンパク(2+)、尿潜血(+)が見られるため、SLEによる腎病変、すなわちループス腎炎の可能性が考えられます。
ループス腎炎はSLEの代表的な合併症で、腎炎の進行に伴い腎不全が進行することもあるため、適切な管理が求められます。


■解説2|


中枢神経ループスは、SLEの神経精神症状の原因として診断されることがあり、SLE患者に見られる約50%の精神的および神経学的症状に関連しています。
ステロイドの減量に伴って神経症状が出現することが多く、この場合、ステロイドの再投与や免疫抑制剤の使用が検討されます。


ループス腎炎は、抗核抗体陽性、尿タンパク、尿潜血といった腎炎の症状が揃った場合に強く疑われます。
早期診断が進行抑制において重要であり、腎生検などが行われることもあります。


■結論|

この問題の正しい選択肢は 3と5 です。
中枢神経ループスとループス腎炎が疑われる病態を理解することが重要であると考えられます。


■補足|

SLEはI型アレルギーによって発症した(選択肢1)[誤り]

SLEは自己免疫疾患であり、I型アレルギー(即時型アレルギー)ではなく、主にIII型アレルギー(免疫複合体によるアレルギー)とIV型アレルギー(細胞媒介性アレルギー)によって発症します。

顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である(選択肢2)[誤り]

SLEの顔面紅斑(蝶形紅斑)は通常、鼻梁から両側の頬にかけて対称的に分布するのが典型的な所見です。
一側性に生じることは稀です。

血液検査から汎血球減少症が疑われる(選択肢4)[誤り]

汎血球減少症とは、赤血球、白血球、血小板のすべてが減少する状態を指します。
今回の患者の血液検査では各血球が基準範囲内であり、汎血球減少は見られません。


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すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問157-158

一般問題(薬学理論問題)


【薬理/病態・薬物治療】

■複合問題|問 109-157-158 

Q. 37歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌になって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分からなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査の結果は以下のとおりである。
(検査値)
赤血球400×10^4/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8×10^4/μL、血清クレアチニン1.84mg/dL、eGFR32.8mL/min/1.73m^2、空腹時血糖112mg/dL、HbA1c6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、尿潜血(+)


病態|問 109-157 
Q. (病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. SLEはI型アレルギーによって発症した。
2. 顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。
3. 副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。
4. 血液検査から汎血球減少症が疑われる。
5. 血液検査からループス腎炎が疑われる。


薬理|問 109-158 
Q. (薬理)
SLE及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。
2. ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制する。
3. タクロリムスは、活性化T細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、IL-2 の産生を抑制する。
4. ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プリン塩基の合成を抑制する。
5. ベリムマブは、Bリンパ球細胞膜のCD20に結合して、Bリンパ球の増殖を抑制する。


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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-157-158【薬理/病態・薬物治療】(1/2) 論点:全身性エリテマトーデス (SLE) / 副腎皮質ステロイド / 中枢神経ループス / ループ|matsunoya

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