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松廼屋｜論点解説　薬剤師国家試験対策ノート問 106-244-245【物理・化学・生物、衛生／実務】論点：飲料水 / 水質検査 / 基準 / 評価方法 / 学校環境衛生基準

matsunoya

第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 /
問244-245

一般問題（薬学実践問題）

【物理・化学・生物、衛生／実務】

■複合問題｜問 106-244-245

Q. 小学校において、学校薬剤師が飲料水の水質検査を行った。この学校では、飲料水は水道水を水源として3階建物屋上の高置水槽に貯水し、あらためて塩素消毒装置を通したのち、校内の各階に設置した給水栓から給水している。

衛生

問 106-244｜衛生
Q. 飲料水の水質検査に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。
2. 濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。
3. 有機物（全有機炭素（TOC）の量）の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO2量から炭素量に換算している。
4. 大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。
5. pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。

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実務

問 106-245｜実務
Q. 学校薬剤師が貯水する前の水道水及び高置水槽から最も遠い1階の給水栓における水の水質検査を実施したところ、表に示す結果となった。

第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 / 問244-245

項目｜水道水｜給水塔における水｜
一般細菌｜26 集落/mL｜85 集落/mL｜
大腸菌｜検出されず｜検出されず｜
塩化物イオン｜35 mg/L｜37 mg/L｜
有機物（全有機炭素（TOC）の量）｜1.6 mg/L｜2.8 mg/L｜
pH 値｜6.8｜7.8｜
味｜異常なし｜異常なし｜
臭気｜異常なし｜異常なし｜
色度｜0.5 度｜0.5 度｜
濁度｜0.1 度｜1.2 度｜
遊離残留塩素｜0.15 mg/L｜0.05 mg/L｜

この飲料水の水質検査の実施状況及び結果から推測される内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。
2. 給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。
3. 高置水槽内部が汚染されている可能性がある。
4. 校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。
5. 塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。

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こんにちは！薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生／実務】　の複合問題を一緒に完全攻略しよう！
今回は、第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 / 問244-245、論点：飲料水 / 水質検査 / 基準 / 評価方法 / 学校環境衛生基準を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
matsunoya_note｜note https://note.com/matsunoya_note

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n797cc0ef9021

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このコンテンツの制作者｜

滝沢 幸穂　　Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ｜

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。

厚生労働省｜過去の試験問題👇

第109回（令和6年2月17日、2月18日実施）
第108回（令和5年2月18日、2月19日実施）
第107回（令和4年2月19日、2月20日実施）
第106回（令和3年2月20日、2月21日実施）

第106回薬剤師国家試験 問244-245（問106-244-245）では、飲料水の水質検査に関する知識を衛生および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。

複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。

💡ワンポイント

複合問題ですが、問106-244-245を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。
なお、冒頭文で必要な情報は、「水道水を水源とする飲料水（専用水道を除く。）の水質」を問われていることを理解するのに十分な配水の位置関係です。

問106-244-245 論点解説｜matsunoya_note

問106-244は、飲料水の水質検査に関する記述の正誤を問う問題です。
冒頭文は読む必要がないです。

問106-245では、検査値が基準の範囲内か、基準を超えているかを問われました。
学校環境衛生基準における「水道水を水源とする飲料水（専用水道を除く。）の水質」の理解が必要です。

問106-245｜実務
貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。（選択肢1）[誤り]

問106-244-245 論点解説｜matsunoya_note

水質検査の基準値をそれぞれの項目で暗記していることを求められた問題です。

学校環境衛生管理マニュアル「学校環境衛生基準」の理論と実践［平成30年度改訂版］ 1292465_01.pdf｜文部科学省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/31/1292465_01.pdf

給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。（選択肢2）[誤り]

問106-244-245 論点解説｜matsunoya_note

この選択肢では、学校環境衛生基準において水道水を水源とする飲料水（専用水道を除く。）の一般細菌の基準値が「集落数100以下」であることを暗記していることを求めており、この出題内容は、薬剤師国家試験の出題基準から逸脱しています。

こうした問題👽(ｷｨｰ､ﾋﾋｯ) の場合、草稿の段階で、レビュワーが責任者に差し戻して、指導と修正の指示をするプロセスが必要です。

参考情報：

学校環境衛生管理マニュアル「学校環境衛生基準」の理論と実践［平成30年度改訂版］ 1292465_01.pdf｜文部科学省
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/31/1292465_01.pdf

参考情報：　学校環境衛生：文部科学省

🫛豆知識　

問 106-244｜衛生
大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。（選択肢4）[誤り]

特定酵素基質培地法における
大腸菌群と大腸菌との違い

■■Copilot

🫛大腸菌群とは

  • 定義:
    大腸菌群は、グラム陰性の無芽胞桿菌であり、乳糖を分解して酸とガスを産生する菌群です。
    特定酵素基質培地法では、β-ガラクトシダーゼという酵素を持つ菌を指します。

  • 検出方法:
    特定酵素基質培地法では、ONPG（ο-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド）または XGal（5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド）という基質を使用し、これがβ-ガラクトシダーゼによって分解されることで呈色します。

🫛大腸菌とは

  • 定義:
    大腸菌（Escherichia coli）は、大腸菌群の一部であり、特定の酵素であるβ-グルクロニダーゼを持つ菌です。

  • 検出方法:
    特定酵素基質培地法では、MUG（4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド）という基質を使用し、これがβ-グルクロニダーゼによって分解されることで蛍光を発します。

違い

  • 酵素の違い:
    大腸菌群はβ-ガラクトシダーゼを持つ菌であり、大腸菌はβ-グルクロニダーゼを持つ菌です。

  • 検出方法の違い:
    大腸菌群はXGalを分解して青色または青緑色に呈色し、大腸菌はMUGを分解して蛍光を発します。

引用文献：　飲料水の大腸菌群検査法 麻布大学 環境保健学部 微生物学研究室 古畑勝則　｢イーズ｣NO. 027(2002年1月発行) 　es27.pdf

まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o

水道水質基準及び飲料水の検査方法 概説

1. 水道水質基準の概要

水道水を水源とする飲料水（専用水道を除く。）の水質

- ア．一般細菌: 1 mLの検水で形成される集落数が100以下であること。
- イ．大腸菌: 検出されないこと。
- ウ．塩化物イオン: 200 mg/L以下であること。
- エ．有機物（全有機炭素（TOC）の量）: 3 mg/L以下であること。
- オ．pH値: 5.8以上8.6以下であること。
- カ．味: 異常でないこと。
- キ．臭気: 異常でないこと。
- ク．色度: 5度以下であること。
- ケ．濁度: 2度以下であること。
- コ．遊離残留塩素: 給水における水が、遊離残留塩素を0.1 mg/L以上保持するように塩素消毒すること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2 mg/L以上とする。

✅水質基準に関する省令（平成15年厚生労働省令第101号）の表の下欄に掲げる基準による。
ア．一般細菌、イ．大腸菌、ウ．塩化物イオン、エ．有機物（全有機炭素（TOC）の量）、オ．pH値、カ．味、キ．臭気、ク．色度、ケ．濁度
✅水道法施行規則（昭和32年厚生省令第45号）第17条第1項第3号に規定する遊離残留塩素の基準による。
コ．遊離残留塩素

出典：

学校環境衛生管理マニュアル「学校環境衛生基準」の理論と実践
［平成30年度改訂版］
1292465_01.pdf (保護)　｜文部科学省

2. 飲料水の検査方法

水道水の検査は、基準を満たしているかを確認するため、定期的に以下の方法で行われます：

  1. 一般細菌の測定

    • 培地上に検体を塗布し、一定条件で培養後、形成された集落数を計数します。

  2. 大腸菌の検出

    • 特定酵素基質培地法を用い、β-ガラクトシダーゼ活性およびβ−グルクロニダーゼ活性の有無で判定します。

    • 陽性反応がある場合、大腸菌の存在が疑われます。

    • 特定酵素基質培地法では、培地に大腸菌群を検出するための基質（ONPG又はXGal）と大腸菌を検出するための基質（MUG）を含むため、大腸菌群と大腸菌を同時に測定できる。
      ONPG（o−ニトロフェノール−β−D−ガラクトピラノシド）及びXGal（5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド）は、大腸菌群が産生するβ−ガラクトシダーゼにより分解され、それぞれo−ニトロフェノール（黄色）及びインジゴ（青色）を生成するため、発色により間接的に大腸菌群の有無を判別することができる。MUG（4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド）は、大腸菌に特異的に存在する酵素（β−グルクロニダーゼ）により加水分解され、4−メチルウンベリフェロンが生成する。4−メチルウンベリフェロンは、紫外線ランプ（波長366nm）を照射すると青白色の蛍光を発するため、大腸菌の有無を判別することができる。蛍光の有無及びその強度を観察し、その蛍光強度が蛍光確認液より弱い場合は陰性である。
      出典：＜参考Ⅱ−4−3＞特定酵素基質培地法について　学校環境衛生管理マニュアル

  3. 有機物（TOC）の測定

    • 水中の有機炭素を酸化して発生する二酸化炭素（CO₂）の量を測定し、全有機炭素量を算出します。

  4. 濁度の測定

    • 光散乱法を用い、水中の浮遊物質による光の減衰度を計測します。

  5. 塩化物イオンの測定

    • 試薬を加えて滴定反応を行い、イオン濃度を分析します。

  6. 遊離残留塩素の測定

    • ジエチル-p-フェニレンジアミン（DPD）法により、目視または比色計を使用して残留塩素濃度を測定します。

3. 水質検査の重要性

水質検査の目的は、汚染や異常が発生した際に迅速な対応を可能にすることです。特に感染症のリスクが高まる夏季や、自然災害後の水供給再開時には厳重な検査が求められます。

飲料水の検査方法

1. 大腸菌の検出

大腸菌の検出は、水中に存在する糞便性汚染の指標として重要な役割を果たします。主に以下の手法が用いられます：

1.1 特定酵素基質培地法

  • 大腸菌の特徴的な酵素であるβ-ガラクトシダーゼとβ-グルクロニダーゼの活性を利用します。

  • 検体に特定酵素基質培地を添加し、培養条件下で24～48時間インキュベートします。

  • 活性に応じて、黄色（β-ガラクトシダーゼ活性）や蛍光（β-グルクロニダーゼ活性）の変化が観察され、これにより大腸菌の存在が判定されます。

1.2 利点と限界

  • 利点: 高い特異性と感度を持ち、迅速に検出可能。

  • 限界: クロロホルムなどの消毒副生成物が存在すると、検出感度が低下する場合があります。

2. 有機物（TOC）の測定

全有機炭素（TOC）は、飲料水中の有機汚染の指標として使用されます。主な測定手法は以下の通りです：

2.1 非分散型赤外線吸収法（NDIR）

  • 検体中の有機物を高温酸化または紫外線によって二酸化炭素（CO₂）に分解。

  • 発生したCO₂を赤外線吸収量で測定し、TOC濃度を計算します。

2.2 湿式酸化法

  • 検体に酸化剤（過マンガン酸カリウムや過硫酸カリウム）を添加し、有機物を酸化。

  • 発生する酸化生成物を測定してTOC濃度を算出します。

2.3 利点と限界

  • 利点: 様々な有機物の総量を簡便に評価可能。

  • 限界: 無機炭素（IC）が混入している場合、別途処理が必要。

3. 塩化物イオンの測定

塩化物イオンは、塩素系消毒副生成物やし尿等の混入を検出する重要な指標です。

3.1 滴定法

  • 標準的な方法であり、硝酸銀溶液を使用します。

  • モール法ではクロム酸カリウムを指示薬とし、赤褐色の沈殿が形成されるまで滴定します。

3.2 イオン選択電極法

  • 試料中の塩化物イオンをイオン選択電極を用いて測定する方法。

  • より迅速で精度の高い測定が可能。

3.3 利点と限界

  • 利点: 滴定法は装置を必要とせず、操作が簡単。

  • 限界: 高濃度の干渉物質がある場合、誤差が生じる可能性。

4. 遊離残留塩素の測定

遊離残留塩素は、水道水の消毒効果を示す重要な指標であり、次の手法で測定されます：

4.1 ジエチル-p-フェニレンジアミン（DPD）法

  • 試料にDPD試薬を添加し、反応によって発生するピンク色の色度を目視または比色計で測定します。

  • 自動化装置では、複数試料を効率的に測定可能です。

4.2 吸光光度法

  • 紫外線や可視光の特定波長（通常530nm）を使用し、残留塩素濃度を測定します。

4.3 利点と限界

  • 利点: 簡便で迅速、低コストで高感度。

  • 限界: 塩化物や過酸化物などの干渉物質が存在すると測定精度が低下。

論点およびポイント

■■GPT4o

問 106-244｜衛生
論点｜水質検査基準 / 飲料水安全性 / 微生物検査方法 / 塩素消毒効果 / TOC測定手法
ポイント｜

  • 塩化物イオン：
    し尿や海水の混入で増加する可能性があるが、単独で混入源の特定は難しい。

  • 濁度：
    水中の有機性および無機性浮遊物に由来し、混濁の指標となる。

  • 全有機炭素（TOC）測定：
    水中の有機物を酸化し、生成したCO2を炭素量として換算する。

  • 大腸菌の検査：
    特定酵素基質培地法を用いるが、β-ガラクトシダーゼ活性だけでは大腸菌の検出は不十分である。

  • pH値：
    水質変化を示す指標であり、遊離残留塩素の形態（次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン）に影響を与え、消毒効果にも関与する。

問 106-245｜実務
論点｜貯水槽汚染 / 水道水質基準 / 学校環境衛生基準 / 塩素濃度 / 微生物検査
ポイント｜

  • 水道水の一般細菌数：
    26集落/mLで、水質基準（100集落/mL以下）を満たしている。

  • 給水栓での一般細菌数（85集落/mL）は学校環境衛生基準（同じく100集落/mL以下）を超えていない。

  • 高置水槽内部の汚染が、TOC濃度（1.6→2.8 mg/L）や濁度（0.1→1.2度）の増加から推測される。

  • 貯水後の遊離残留塩素濃度が低下（0.15→0.05 mg/L）しており、塩素消毒の不適切さや有機物との反応による塩素消費が疑われる。

  • 塩化物イオン濃度（35→37 mg/L）や大腸菌非検出から、校内給水系統へのし尿浄化槽排水の混入の可能性は低い。

薬剤師国家試験　出題基準

出典：　薬剤師国家試験のページ ｜厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準　000573951.pdf (mhlw.go.jp)　

論点を整理します。

■■GPT4o

総合的な論点

問 106-244（衛生）

論点
飲料水の水質検査における基準および評価方法を正確に理解し、適切な解析を行うことが課題です。
本問題では特に以下の点が焦点となります。

  • 飲料水の安全性評価における主要項目（塩化物イオン、濁度、有機物量、pH値、大腸菌）の意義。

  • それぞれの測定方法が持つ特徴や限界。

  • 飲料水が基準値を逸脱している場合の健康リスクと、指標の因果関係の適切な理解。

エビデンス

  • 塩化物イオンは水源汚染の指標となり得る。
    異常値はし尿等の混入を示唆する可能性があるが、単独では汚染原因の特定ができない。

  • 濁度は浮遊物質量を反映し、視覚的および衛生的安全性の指標となる。

  • 有機物（TOC）の測定は、酸化生成CO2量から換算されるため、水中有機物の総量把握に有用。

  • 大腸菌の検出は微生物汚染を明確化し、酵素活性法が標準的に用いられる。

  • pH値は水質変化を示し、また消毒効果への影響が重要視される。

各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法

選択肢 1. 塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。

  • 論点: 塩化物イオンの濃度上昇が、し尿等の混入を示唆するかどうか。

  • アプローチ方法: 塩化物イオンは、水源汚染の指標とされるが、具体的な汚染原因（例: し尿混入）は他の測定項目（大腸菌や有機物量）と併せて評価する必要がある。

選択肢 2. 濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。

  • 論点: 濁度が有機性および無機性浮遊物質の存在を反映するかどうか。

  • アプローチ方法: 濁度測定値の変化が他の水質指標と一致するかを確認し、混濁の原因（例えば、有機物分解や異物混入）を解釈する。

選択肢 3. 有機物（全有機炭素（TOC）の量）の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO2量から炭素量に換算している。

  • 論点: TOC（全有機炭素量）の測定手法が、CO2量から炭素量を算出するかどうか。

  • アプローチ方法: TOC測定が酸化法を採用する点を文献から確認し、正しい記述であることを理解する。

選択肢 4. 大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。

  • 論点: 大腸菌検出において特定酵素基質培地法の活用が正確かどうか。

  • アプローチ方法: β-ガラクトシダーゼ活性が、大腸菌検出の標準法であることを確認し、問題文の記述が誤りであることを判断する。

選択肢 5. pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。

  • 論点: pH値が水質変化と遊離残留塩素の消毒効果に影響するか。

  • アプローチ方法: pHが塩素の形態（次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン）に与える影響を科学的根拠に基づいて確認する。

正答: 4
特定酵素基質培地法では、通常、大腸菌群を検出するが、大腸菌の存在を特異的に判定するためには追加検査が必要。

問 106-245（実務）

論点
本問では水道水から給水塔および最終的な給水栓までの水質変化に基づき、次の点を考察する必要があります。

  • 高置水槽を含む貯水および供給システム内での汚染リスクの特定。

  • 一般細菌数や残留塩素量の変化に基づく衛生管理の適切性。

  • 消毒工程の問題や物理的汚染（例: 水槽の清掃不備）への対応。

エビデンス

  • 貯水槽で一般細菌数が増加するのは、清掃不備や貯水槽の設計不良が原因である場合が多い。

  • 遊離残留塩素量の減少は、適切な塩素消毒が行われていないか、有機物と塩素の反応による塩素消費を示唆する。

  • pH値が増加している場合、炭酸塩系の反応や装置内の変化が推測される。

各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法

選択肢 1. 貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。

  • 論点: 貯水前の水道水が基準を満たしていないか。

  • アプローチ方法: 表中の水道水の一般細菌数（26集落/mL）や大腸菌非検出を基準値と照合し、水道水が基準内であると結論付ける。

選択肢 2. 給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。

  • 論点: 給水栓の一般細菌数が学校環境衛生基準を超えているか。

  • アプローチ方法: 学校環境衛生基準では一般細菌数は100集落/mL以下であるため、結果（85集落/mL）が基準内であると判断。

選択肢 3. 高置水槽内部が汚染されている可能性がある。

  • 論点: 高置水槽内部の汚染の可能性。

  • アプローチ方法: 高置水槽でのTOC量や濁度増加、一般細菌増加が内部汚染を示唆するか分析する。

選択肢 4. 校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。

  • 論点: 校内給水系統へのし尿浄化槽排水の混入可能性。

  • アプローチ方法: 塩化物イオンや大腸菌の結果を評価し、し尿混入の兆候がないと結論付ける。

選択肢 5. 塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。

  • 論点: 塩素消毒が適切に行われているか。

  • アプローチ方法: 残留塩素濃度（0.05 mg/L）が低下している点が、塩素不足または有機物との反応による消費を示唆するかを評価。

正答: 3, 5
高置水槽内部の汚染が可能性として高く、また消毒の不適切さも指摘できる。

引用文献

  1. 厚生労働省 水質基準

    • 「水道水質基準に関する省令」（水道法施行規則別表）

  2. 学校環境衛生基準

    • 文部科学省：「学校環境衛生基準の解説」

  3. 飲料水の検査方法

    • 日本水道協会：「水質検査の手引き」

  4. 微生物検査の手法

    • APHA（American Public Health Association）: "Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater"

  5. 塩素消毒とpHの関係

    • White, G. C. "Handbook of Chlorination and Alternative Disinfectants." 5th Edition. Wiley.

以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか？

大丈夫です。
完全攻略を目指せ！

はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から飲料水 / 水質検査 / 基準 / 評価方法 / 学校環境衛生基準を論点とした問題です。

なお、以下の解説は、著者（Yukiho Takizawa, PhD）がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.

第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 /
問244-245

一般問題（薬学実践問題）

【物理・化学・生物、衛生／実務】

■複合問題｜問 106-244-245

Q. 小学校において、学校薬剤師が飲料水の水質検査を行った。この学校では、飲料水は水道水を水源として3階建物屋上の高置水槽に貯水し、あらためて塩素消毒装置を通したのち、校内の各階に設置した給水栓から給水している。

衛生

問 106-244｜衛生
Q. 飲料水の水質検査に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。
2. 濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。
3. 有機物（全有機炭素（TOC）の量）の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO2量から炭素量に換算している。
4. 大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。
5. pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。

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松廼屋｜論点解説　薬剤師国家試験対策ノート問 106-244-245【物理・化学・生物、衛生／実務】論点：飲料水 / 水質検査 / 基準 / 評価方法 / 学校環境衛生基準｜matsunoya

実務

問 106-245｜実務
Q. 学校薬剤師が貯水する前の水道水及び高置水槽から最も遠い1階の給水栓における水の水質検査を実施したところ、表に示す結果となった。

第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 / 問244-245

項目｜水道水｜給水塔における水｜
一般細菌｜26 集落/mL｜85 集落/mL｜
大腸菌｜検出されず｜検出されず｜
塩化物イオン｜35 mg/L｜37 mg/L｜
有機物（全有機炭素（TOC）の量）｜1.6 mg/L｜2.8 mg/L｜
pH 値｜6.8｜7.8｜
味｜異常なし｜異常なし｜
臭気｜異常なし｜異常なし｜
色度｜0.5 度｜0.5 度｜
濁度｜0.1 度｜1.2 度｜
遊離残留塩素｜0.15 mg/L｜0.05 mg/L｜

この飲料水の水質検査の実施状況及び結果から推測される内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。
2. 給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。
3. 高置水槽内部が汚染されている可能性がある。
4. 校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。
5. 塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。

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■■GPT4o

■問 106-244｜衛生

■論点｜

この問題の論点は、飲料水の水質検査における各測定方法および特性を正確に理解し、誤りを特定することです。

■解説1｜

大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。（選択肢4）[誤り]

  • 大腸菌の検出には特定酵素基質培地法が使用されますが、この方法では通常、β-ガラクトシダーゼ活性に加え、β-グルクロニダーゼ活性も確認します。

  • β-ガラクトシダーゼ活性だけでは大腸菌特有の特性を網羅的に検出することはできません。

  • 大腸菌群（大腸菌を含む微生物群）は同様の酵素活性を持つ他の細菌も含むため、より特異的な活性を組み合わせる必要があります。

■解説2｜

  • 特定酵素基質培地法は、従来の培養法に比べ迅速かつ簡便であり、現場での水質検査に広く利用されています。

  • この方法では、大腸菌群を特定する酵素活性物質（例：ONPGやMUG）を含む培地が用いられ、これに基づいて色や蛍光の発現を観察します。

  • β-グルクロニダーゼ活性は、大腸菌のほとんどの株に存在し、特異性が高い指標として信頼されています。

■結論｜

選択肢4は、誤りです。特定酵素基質培地法はβ-ガラクトシダーゼ活性だけでなく、他の指標も併用して大腸菌を特定します。

■補足｜

塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。（選択肢1）[正しい]

塩化物イオンの増加はし尿や海水の混入を示す可能性があります。一方、値そのものが増加原因を明確に特定するものではありません。

濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。（選択肢2）[正しい]

濁度は水中の浮遊物質量を反映し、物理的な透明度を評価します。

有機物（全有機炭素（TOC）の量）の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO2量から炭素量に換算している。（選択肢3）[正しい]

全有機炭素（TOC）の測定原理として、水中の有機物を酸化し生成したCO2量を基に炭素量を換算する方法は正しい。

pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。（選択肢5）[正しい]

pH値は遊離残留塩素の消毒効果や水質全般に影響を及ぼす重要な指標である。

■問 106-245｜実務

■論点｜

この問題の論点は、飲料水の水質検査結果から水質管理の不備や問題点を特定することです。

■解説1｜

高置水槽内部が汚染されている可能性がある。（選択肢3）[正しい]

  • 水道水（26集落/mL）に比べ、給水栓の一般細菌数が85集落/mLと大幅に増加していることから、給水系統内で細菌が繁殖している可能性が考えられます。

  • 高置水槽は、屋外に設置されていることが多く、適切な清掃や管理が行われていない場合、細菌が繁殖しやすい環境になります。

塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。（選択肢5）[正しい]

  • 給水栓における遊離残留塩素濃度が0.05 mg/Lと非常に低下しており、水道法で求められる0.1 mg/L以上の基準を下回っています。

  • 塩素濃度が不足していると、細菌の繁殖や有機物の分解が不十分になり、水質の劣化を招きます。

■解説2｜

  • 高置水槽の汚染リスク

    • 高置水槽内部の衛生管理が不十分だと、給水水質に直接影響を及ぼします。特に、貯水後に塩素消毒が十分でない場合、細菌の繁殖が進行します。

    • 一般細菌数の増加は、水質悪化の初期兆候として重要な指標です。

  • 塩素消毒不足の影響

    • 遊離残留塩素が基準値を下回ると、消毒効果が減少し、病原菌の除去が不完全になる可能性があります。

    • 塩素消毒は、有機物量やpH値の影響を受けるため、これらの要因が遊離残留塩素濃度の低下を招いた可能性もあります。

■結論｜

選択肢3および選択肢5は、水質検査結果に基づく適切な推測であり正しい選択肢です。

■補足｜

貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。（選択肢1）[誤り]

水道水の各項目（一般細菌26集落/mL、塩化物イオン35 mg/Lなど）は基準値を満たしています。

給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。（選択肢2）[誤り]

学校環境衛生基準で定められた一般細菌数の基準値は100集落/mL以下であり、85集落/mLは基準内です。

校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。（選択肢4）[誤り]

大腸菌は検出されておらず、し尿浄化槽排水が混入している可能性は低いと考えられます。

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第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 /
問244-245

一般問題（薬学実践問題）

【物理・化学・生物、衛生／実務】

■複合問題｜問 106-244-245

Q. 小学校において、学校薬剤師が飲料水の水質検査を行った。この学校では、飲料水は水道水を水源として3階建物屋上の高置水槽に貯水し、あらためて塩素消毒装置を通したのち、校内の各階に設置した給水栓から給水している。

衛生

問 106-244｜衛生
Q. 飲料水の水質検査に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。
2. 濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。
3. 有機物（全有機炭素（TOC）の量）の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO2量から炭素量に換算している。
4. 大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、β-ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。
5. pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。

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実務

問 106-245｜実務
Q. 学校薬剤師が貯水する前の水道水及び高置水槽から最も遠い1階の給水栓における水の水質検査を実施したところ、表に示す結果となった。

第106回薬剤師国家試験｜薬学実践問題 / 問244-245

項目｜水道水｜給水塔における水｜
一般細菌｜26 集落/mL｜85 集落/mL｜
大腸菌｜検出されず｜検出されず｜
塩化物イオン｜35 mg/L｜37 mg/L｜
有機物（全有機炭素（TOC）の量）｜1.6 mg/L｜2.8 mg/L｜
pH 値｜6.8｜7.8｜
味｜異常なし｜異常なし｜
臭気｜異常なし｜異常なし｜
色度｜0.5 度｜0.5 度｜
濁度｜0.1 度｜1.2 度｜
遊離残留塩素｜0.15 mg/L｜0.05 mg/L｜

この飲料水の水質検査の実施状況及び結果から推測される内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。
2. 給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。
3. 高置水槽内部が汚染されている可能性がある。
4. 校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。
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