松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-130【衛生】論点:食品添加物 / 特性・使用基準
第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問130
一般問題(薬学理論問題)【衛生】
問108-130
Q. 食品添加物A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢|
1. Aは、かんきつ類やバナナに使用される防かび剤である。
2. Bは、ショ糖の200倍の甘さがある甘味料である。
3. Cは、酸性領域で効力のある保存料である。
4. Dは、金属封鎖作用のある酸化防止剤である。
5. Eは、酸性のタール色素である。
こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【衛生】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問130、食品添加物 / 特性・使用基準を徹底解説します。
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-130【衛生】論点:食品添加物 / 特性・使用基準
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滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
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設問へのアプローチ|
第108回薬剤師国家試験の問130(問108-130)では、食品添加物 / 特性・使用基準に関する知識を問われました。
化学構造式から食品添加物の化合物名を特定する能力に加えて、その食品添加物の特性および使用基準の理解の有無を問う問題です。
化学構造式…ABCDアイウエオ構文…😱🤮🤢
でも、ここで焦ってはいけません。
コアになる化学構造(基本骨格)を意識して覚えておけば楽勝です。(^^)/
今回の論点解説を読み終わる頃には、自然と化学構造式は覚えているはずです。
完全攻略を目指せ!
まず基本的な知識に関して復習しておきましょう。
Grok 2 mini (beta)にお願いしてサクッとmini解説にまとめてもらいました。
詳細は、厚生労働省のホームページから情報を得ましょう。
■■Grok 2 mini (beta)
Ref.
食品添加物 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
食品添加物の概要と法規制について
1. 食品添加物の定義と目的
食品添加物は、食品の製造、加工、または保存の目的で使用される物質であり、保存料、甘味料、着色料、香料などが含まれます。
これらの添加物は、食品の品質を保つ、味を調整する、または消費者の嗜好に応えるなどの目的に利用される化合物です。
2. 法規制と安全性評価
食品衛生法第12条に基づき、食品添加物の使用は規制されています。
厚生労働省は、食品添加物の安全性を食品安全委員会の評価に基づいて確認し、健康に害を及ぼす恐れがないと判断されたもののみを指定添加物として認可します。
この指定は、化学的合成品だけでなく、天然物も対象としています。
指定添加物:
食品衛生法施行規則別表第1にリストされているもので、令和6年3月1日現在で470品目以上が登録されています。
これらは、使用基準と成分規格が公定書によって定められています。既存添加物:
化学合成品以外で、長い食経験がある天然由来の添加物。
平成7年の法改正前から広く使用されており、指定の必要がないとされるものです。天然香料:
動植物から得られる香料で、使用量は一般的に少量です。一般飲食物添加物:
通常の食材としても使用されるもので、添加物としても利用されるものです(例:イチゴジュース、寒天)。
3. 公定書と使用基準
最新の食品添加物公定書は第10版であり、これには添加物の成分規格、保存基準、および使用基準が詳細に記載されています。
公定書は、食品添加物の科学的、法的な基準を提供し、薬剤師国家試験でも参照される重要な資料です。
成分規格・保存基準:
各添加物の化学構造や物理的特性を定義。使用基準:
食品ごとの最大使用量や使用可能な食品の範囲を規定。
■ポイント
化合物の化合物名および化学構造式は、公定書のD. 成分規格・保存基準各条に掲載されているものが公定書での正式な定義です。
これで覚えるといいと思います。
使用基準は、F. 使用基準に記載されているものが、公定書で規定された使用基準です。
Ref.
第10版食品添加物公定書|厚生労働省
D. 成分規格・保存基準各条|第10版食品添加物公定書|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001208483.pdf
化合物名と化学構造式
F. 使用基準|第10版食品添加物公定書|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001208485.pdf
以下は、今回出題された化合物A ~ Eの、公定書における記述です。
A. チアベンダゾール
分類| メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)系の殺カビ剤、防カビ剤
使用基準|
チアベンダゾール チアベンダゾールは、かんきつ類及びバナナ以外の食品に使用してはならない。 チアベンダゾールは、チアベンダゾールとして、かんきつ類にあってはその1kgにつき0.010g、バナナにあってはその1kgにつき0.0030g及びその果肉1kgにつき0.0004gを、それぞれ超えて残存しないように使用しなければならない。
B. デヒドロ酢酸ナトリウム
分類| 保存料
使用基準|
デヒドロ酢酸ナトリウム デヒドロ酢酸ナトリウムは、チーズ、バター及びマーガリン以外の食品に使用してはならない。 デヒドロ酢酸ナトリウムの使用量は、デヒドロ酢酸として、チーズ、バター又はマーガリン1kgにつき0.50g以下でなければならない。
C. L-グルタミン酸ナトリウム
分類| 調味料
使用基準| なし
D. エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 二水和物
分類| 酸化防止剤
使用基準|
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムは、缶詰又は瓶詰食品以外の食品に使用してはならない。 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの使用量は、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウムとして、缶詰又は瓶詰の清涼飲料水にあってはその1kgにつき0.035g以下、その他の缶詰又は瓶詰食品にあってはその1kgにつき0.25g以下でなければならない。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムは、最終食品の完成前にエチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウムにしなければならない。
E. ネオテーム
分類| 甘味料、アスパルテーム類似化合物、L-フェニルアラニン化合物
使用基準| なし
4. 摂取量の監視
厚生労働省は、指定添加物の使用後も国民の摂取量を調査し、安全性を継続的に確保する取り組みを行っています。
これは、食品添加物が長期的に摂取された際の健康影響を最小限に抑えるための予防措置です。
まとめ
食品添加物は現代の食品製造において常套的に使用される化合物ですが、その使用は食品衛生法に基づく規制下にあります。
科学的根拠に基づいた評価と法規制の理解は、食品の安全性を確保し、消費者の信頼を得るための鍵となります。
コアカリキュラムと出題基準
薬剤師国家試験の衛生における食品添加物の出題基準は、食品機能と食品衛生の項目の中で、「代表的な食品添加物を用途別に列挙し、それらの働きを説明できる。」かどうかという項目に該当します。
まず、論点整理から始めてみよう。
※Grok 2 beta だと、まだ、このレベルの論点整理ができないのね。。💦
だから、GPT4oにお願いして、論点を整理してもらいました。(^^)/
■■GPT4o
■総合的な論点|
衛生学における食品添加物の問題は、各化合物の用途、特性、構造と関連づけて科学的に評価することが重要です。
化学構造の理解:
各選択肢に示された化合物の構造式から、どのような機能や用途があるかを理解することが求められます。特に、芳香族環、カルボン酸基、アミノ基などの官能基が、物質の化学的性質や用途に影響を与えることが多いです。食品添加物の種類と分類:
食品添加物には、防かび剤、甘味料、保存料、酸化防止剤、着色料などの種類があり、それぞれの役割に応じた化合物が使用されています。
選択肢の化合物がどの用途に適しているかを識別する必要があります。化学的性質と応用:
酸性領域で効果がある保存料や金属封鎖作用のある酸化防止剤など、化合物の特定の性質が応用されるケースが多いです。
この性質は、化合物の化学構造に基づいて予測できます。
■各選択肢に対する論点とアプローチ|
選択肢1 (Aに関する記述)
論点: 防かび剤としての使用。特に、かんきつ類やバナナに使用される物質は、抗菌性や抗カビ性を持つ必要があります。化合物Aの化学構造から、これらの性質があるかを評価することが重要です。
アプローチ: Aの化学構造に含まれる官能基が、抗菌作用を持つかを調べます。例えば、芳香族環や硫黄含有基が含まれている場合、これが防かび剤としての機能に関連する可能性があります。
選択肢2 (Bに関する記述)
論点: 甘味料としての機能。甘味料は通常、糖類に似た構造や、特定の甘味受容体に結合する能力を持っています。Bの化学構造がこれに該当するかを検討します。
アプローチ: Bの化学構造が糖類に似ているか、または特定の甘味受容体に結合しやすい形状をしているかを確認し、甘味料としての可能性を評価します。
選択肢3 (Cに関する記述)
論点: 酸性領域での保存料の効果。保存料は一般に微生物の増殖を抑制する機能を持ち、酸性条件下でその効果が強まることが多いです。Cの構造が、酸性条件での保存料として適しているかを確認します。
アプローチ: Cの構造に酸性基やカルボキシル基が含まれているか、または酸性条件で安定性があるかを評価し、保存料としての機能を検討します。
選択肢4 (Dに関する記述)
論点: 金属封鎖作用と酸化防止剤の機能。酸化防止剤は、金属イオンを封鎖することで酸化反応を抑制することが求められます。Dの構造が金属イオンと結合しやすいかを確認します。
アプローチ: Dの化学構造に金属イオンと結合しやすい配位子が含まれているか、または酸化を抑制する機能を持つかを検討します。例えば、カルボキシル基やヒドロキシル基があるかを確認します。
選択肢5 (Eに関する記述)
論点: 酸性のタール色素としての機能。タール色素は特定の色を示すことが求められますが、酸性条件でその特性が変化することもあります。Eの構造がこの性質を持つかを評価します。
アプローチ: Eの構造に発色団や酸性条件で安定な部分が含まれているかを確認し、タール色素としての適性を判断します。
これらのポイントに基づいて、正しい選択肢を導き出すことができます。
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学理論問題【衛生】から食品添加物 / 特性・使用基準を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-130【衛生】論点:食品添加物 / 特性・使用基準|matsunoya (note.com)
Here we go.
第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問130
一般問題(薬学理論問題)【衛生】
問108-130
Q. 食品添加物A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢|
1. Aは、かんきつ類やバナナに使用される防かび剤である。
2. Bは、ショ糖の200倍の甘さがある甘味料である。
3. Cは、酸性領域で効力のある保存料である。
4. Dは、金属封鎖作用のある酸化防止剤である。
5. Eは、酸性のタール色素である。
■■Grok 2 (beta)
衛生|問 108-130
■論点|食品添加物 / 特性・使用基準
この問題の論点は、食品添加物A~Eの化学構造式からその特性および使用基準に関する記述の正確さを特定することです。
■解説1|
Aは、かんきつ類やバナナに使用される防かび剤である。(選択肢1) [正しい]
チアベンダゾールはメチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)系の殺カビ剤であり、特にかんきつ類とバナナに対して防かび剤(ポストハーベスト)として使用されます。
※公定書の使用基準には、「チアベンダゾールは、かんきつ類及びバナナ以外の食品に使用してはならない。」と記述されています。
これは、「かんきつ類やバナナに使用される」と同義ではないです。「や」って何ですか。「や…」🤮🤢😱
薬剤師国家試験で記述の正誤を問う問題でしたら、公定書の使用基準を反映した記述で問うべきです。
Dは、金属封鎖作用のある酸化防止剤である。(選択肢4) [正しい]
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)は金属イオンを封鎖することで酸化を防ぐ酸化防止剤として使用されます。
■解説2|
チアベンダゾールは、果実の表面に残留し、カビの成長を抑制します。使用基準が厳格に定められているのは、その使用が食品の安全性に直結するためです。
EDTAは、食品中の金属イオンと結合し、これらのイオンが食品の酸化や変色を促進するのを防ぎます。特に缶詰や瓶詰食品において、金属イオンの影響を抑えるために使われます。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
Bは、ショ糖の200倍の甘さがある甘味料である。(選択肢2) [誤り]
この記述はアスパルテームに当てはまりますが、デヒドロ酢酸ナトリウムは保存料であり、甘味料ではありません。
食品衛生法施行規則別表第1にリストされている甘味料について、公的な情報に基づくと以下のようなものが含まれます。:
天然甘味料: ステビア、甘草など。
合成甘味料: アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなど。これらは、砂糖の何倍もの甘さを持ち、低カロリー甘味料として広く使用されています。
糖アルコール: キシリトールなどの甘味料で、砂糖に代わるものとして使用されることが多いです。
食品添加物としての甘味料は、使用基準や対象食品が定められています。
また、例えばアスパルテームは多くの食品に使用されますが、フェニルケトン尿症の患者に対する注意喚起が必要とされるなど、特定の条件が付随します。
Cは、酸性領域で効力のある保存料である。(選択肢3) [誤り]
L-グルタミン酸ナトリウムは調味料です。
保存料としての特性は主にありません。
食品衛生法施行規則別表第1にリストされている保存料のうち、酸性領域で特に効果を発揮する保存料としては、以下のような食品添加物があります:
ソルビン酸及びその塩類(ソルビン酸カリウムなど)
安息香酸及びその塩類(安息香酸ナトリウムなど)
デヒドロ酢酸及びその塩類
これらの保存料は、酸性条件下でより効果的に抗菌作用を示すため、酸性食品の保存に用いられます。
Eは、酸性のタール色素である。(選択肢5) [誤り]
ネオテーム (N-[N-(3,3-ジメチルブチル)-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン 1-メチルエステル) は強い甘味を持つ人工甘味料です。
ネオテームはアスパルテームを還元的N-アルキル化することによって合成される、ジペプチドメチルエステル誘導体です。
その甘みは、砂糖の 7,000~13,000倍、アスパルテームの約 30~60 倍です。
日本では、2007年12月28日に食品添加物として正式に認可されました。
タール色素ではありません。
食品衛生法施行規則別表第1にリストされている酸性のタール色素には以下のようなものがあります:
赤色2号 (Amaranth)
赤色3号 (Erythrosine)
赤色102号 (New Coccine)
黄色4号 (Tartrazine)
黄色5号 (Sunset Yellow FCF)
青色1号 (Brilliant Blue FCF)
青色2号 (Indigo Carmine)
これらの色素は、食品の着色に使用される酸性のタール色素であり、食品衛生法に基づいて使用が規定されています。
酸性のタール色素の化合物構造に含まれる酸性官能基の特徴:
スルホン酸基 (-SO₃H):
多くのタール色素はスルホン酸基を持っています。この基は非常に強い酸性を示し、水中で容易にプロトン(H⁺)を放出してアニオン(-SO₃⁻)となります。これが、色素を酸性にする主な理由です。例えば、赤色2号(アマランシン)や黄色4号(タートラジン)にはこの基が含まれています。カルボン酸基 (-COOH):
これもまた酸性の官能基で、プロトンを放出してカルボキシレートアニオン(-COO⁻)になります。ただし、タール色素におけるカルボン酸基の存在はスルホン酸基ほど一般的ではありません。フェノール性ヒドロキシ基 (-OH on aromatic ring):
フェノール性のヒドロキシ基も弱酸性を示します。フェノール基は芳香環に結合したヒドロキシ基で、特定の条件下でプロトンを放出することができます。
これらの酸性官能基が存在することで、タール色素は水溶液中で酸性を示します。また、これらの基は色素の溶解性を高める役割も果たし、食品や飲料に均一に分布させるのに役立ちます。酸性色素は、酸性条件下で安定性が増すため、酸性食品や飲料に適していると言えます。
■Lecture
論点解説1
■化合物A|チアベンダゾール (Thiabendazole)
化学的特性と構造
化学名: 2-(4-Thiazolyl)benzimidazole
構造: チアベンダゾールは、ベンゾイミダゾール環とチアゾール環から成る化合物です。この構造は、広範な生物活性を示すための基盤となります。
用途と作用機序
防かび剤: チアベンダゾールは主に防かび剤として使用されます。かんきつ類やバナナなどの果実表面に適用され、収穫後のカビの成長を抑制します。
作用機序: チアベンダゾールは真菌の細胞内で微小管の形成を阻害することにより、細胞分裂を妨げます。これにより、真菌の成長を効果的に抑制します。
食品衛生法における規制
使用基準: 日本の食品衛生法に基づき、チアベンダゾールはかんきつ類とバナナに限定して使用が認められています。
具体的には、かんきつ類においては果実全体で1kgあたり0.010g、バナナでは果実全体で1kgあたり0.0030g、果肉では1kgあたり0.0004gを超えて残存しないように使用しなければならないと規定されています。
安全性
評価: 食品安全委員会による評価では、チアベンダゾールの摂取による健康への悪影響は、適切に使用された場合、通常見られないとされています。
代謝と排泄: 人体や動物体内での研究では、チアベンダゾールは比較的迅速に代謝され、主に尿中に排泄されます。これは、長期間の体内蓄積リスクを低減します。
環境への影響
生分解性: チアベンダゾールは環境中での持続性があり、土壌や水系に影響を与える可能性があります。このため、使用後の環境への影響も考慮に入れた管理が必要とされます。
まとめ
チアベンダゾールは、その特異的な構造と生物活性により、食品の保存において重要な役割を果たします。
その使用は規制の下で行われ、科学的な安全性評価に基づいて健康へのリスクを最小限に抑える努力がなされています。
環境への影響については、持続可能な使用方法が模索されています。
論点解説2
■化合物B|デヒドロ酢酸ナトリウム (Dehydroacetic Acid Sodium)
化学的特性と構造
化学名: Dehydroacetic acid sodium
分子式: C₈H₇NaO₄
分子量: 190.130
構造: デヒドロ酢酸ナトリウムはピロンの誘導体であり、防かび剤や殺菌料として使用される。
用途と作用機序
保存料: 主にチーズ、バター、マーガリンに使用され、これらの食品の保存性を高めるために用いられます。酸性から中性のpH範囲で抗菌作用を示し、特に一部の細菌、カビ、酵母に対して効果があります。
食品衛生法における規制
使用基準: 日本の食品衛生法では、デヒドロ酢酸ナトリウムはチーズ、バター、マーガリンにのみ使用が認められており、その使用量はデヒドロ酢酸として、これらの食品1kgあたり0.50g以下とされています。これ以外の食品への使用は禁止されています。
安全性
抗菌作用: デヒドロ酢酸ナトリウムの抗菌効果は、細胞内での特定の酵素反応を阻害することによると考えられています。この作用により、微生物の増殖を抑制します。
安全性評価: 食品添加物としての使用は、適切な範囲内であれば健康への悪影響は通常見られないと評価されています。しかし、使用基準を守ることが重要です。
環境への影響
分解性: デヒドロ酢酸ナトリウムは環境中での挙動については、特に広範に研究されていませんが、一般的に有機化合物として適切な条件下では分解される可能性があります。
まとめ
デヒドロ酢酸ナトリウムは、特定の食品における保存料としてその役割を果たす一方で、その使用は厳格に管理されています。
科学的根拠に基づく使用基準は、食品の安全性を確保するためのものであり、消費者保護の観点から重要です。
論点解説3
■化合物C|L-グルタミン酸ナトリウム (Monosodium Glutamate, MSG)
化学的特性と構造
化学名: Monosodium glutamate
分子式: C₅H₈NNaO₄
分子量: 169.111
構造: L-グルタミン酸のナトリウム塩であり、アミノ酸の一種であるグルタミン酸にナトリウムが結合したものです。
用途と作用機序
調味料: うま味を引き出すために広く使用される調味料です。MSGは、食品に加えることで、自然なうま味を増強し、全体的な風味を改善します。
作用機序: グルタミン酸は舌にあるうま味受容体に結合し、これによりうま味を感じます。MSGはこのうま味を効果的に引き出すため、少量でも料理の味を豊かにすることができます。
食品衛生法における規制
使用基準: 日本の食品衛生法において、L-グルタミン酸ナトリウムには特定の使用基準が設けられていません。これは、MSGが一般的に安全と認識されているためで、食品への添加量に上限はありませんが、過剰摂取を避けるための適量使用が推奨されています。
安全性
うま味の科学: うま味は、甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第五の基本味として科学的に認知されています。MSGはこのうま味を提供し、料理の風味バランスを整える役割を果たします。
安全性: MSGの安全性は多くの研究により支持されており、通常の摂取量では健康に悪影響を及ぼす証拠はありません。
しかし、一部の人々では「中華料理店症候群」と呼ばれる一時的な症状(頭痛、発汗など)を引き起こすことが報告されています。これは個人差や摂取量に依存します。
環境への影響
環境影響: MSG自体は食品添加物であり、環境への直接的な影響は一般的に研究されていません。しかし、食品製造過程で使用されるMSGの廃棄物管理は、他の化学物質と同様に適切に行われるべきです。
まとめ
L-グルタミン酸ナトリウムは、世界中で広く使用されている調味料であり、その安全性は科学的に裏付けられています。食品にうま味を加えることで、料理の質を向上させる一方で、消費者の中には特定の症状を訴える人もいるため、使用は適量を心掛けることが推奨されます。
論点解説4
■化合物D|エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム (EDTA-2Na)
分類: 酸化防止剤、金属封鎖剤
使用基準:
酸化防止作用: EDTA-2Naは、食品中の金属イオン(特に鉄、銅、亜鉛などの遷移金属)をキレートすることで、これらの金属イオンが触媒となって起こる酸化反応を抑制します。これにより、食品の変色や風味の劣化を防ぎます。
使用基準: 日本の食品衛生法に基づき、EDTA-2Naは缶詰や瓶詰の食品に使用される場合に限り、その使用量は厳密に規定されています。具体的には、缶詰または瓶詰の清涼飲料水では1kgにつき0.035g以下、その他の缶詰または瓶詰食品では1kgにつき0.25g以下とされています。また、最終食品の完成前にエチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウムに変換する必要があります。これは、EDTAが食品中でカルシウムなどの必須ミネラルと結合し、それらを体外に排出するのを防ぐためと考えられます。
環境・健康への影響:
環境: EDTAは微生物による分解が難しく、水処理が困難であるため、環境中での持続性が問題視されています。ただし、適切な処理方法(例えば次亜塩素酸ナトリウムによる酸化分解)を用いることで管理されています。
健康: 通常の摂取量では健康に悪影響を及ぼす証拠は少ないですが、一部の研究では過剰摂取によるミネラルバランスの崩れや特定の症状(中華料理店症候群など)の原因として指摘されることがあります。しかし、これらの影響は個人差が大きく、また科学的コンセンサスは得られていません。
公的認可: EDTA-2Naは日本を含む多くの国で食品添加物として認可されており、その使用は科学的根拠に基づいて安全性が評価されています。
論点解説5
■化合物E|ネオテーム
分類: 甘味料
使用基準:
ネオテームは、アスパルテームを改良した人工甘味料であり、砂糖の約7,000から13,000倍の甘さを持つとされています。アスパルテームの約30〜60倍の甘味度です。
日本では2007年に食品添加物として認可されました。認可に際しては、食品安全委員会による食品健康影響評価が行われ、ADI(一日摂取許容量)は1mg/kg体重/dayと設定されています。この評価は、ネオテームの代謝物やその毒性についての科学的データに基づいています。
環境・健康への影響:
健康面: ネオテームの代謝物は主にメタノールと脱エステル化ネオテームで、メタノールの生成量は通常の食品摂取による量と比較して毒性が問題となるレベルではないと評価されています。また、フェニルアラニンがほとんど生成されないため、フェニルケトン尿症の患者に対する特別な表示は不要とされています。
環境面: ネオテームの環境への影響については、広範な存在を示すデータは限定的です。しかし、一般的に人工甘味料の環境中での持続性や分解については、研究が進められています。
公的認可: ネオテームは日本だけでなく、多くの国で甘味料として認可されており、その使用は科学的根拠に基づいて安全性が確認されています。
ネオテームに関する注意喚起に関する検討の概要
Ref. 厚生労働省:薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成18年12月8日資料 (mhlw.go.jp)
資料3-4ネオテームのL-フェニルアラニン化合物である旨の注意喚起について(PDF:482KB)
指定年: ネオテームは2007年に日本の食品添加物として指定されました。
フェニルケトン尿症(PKU)への注意喚起:
アスパルテーム: PKU患者に対する注意喚起として、「L-フェニルアラニン化合物」または「これを含む」旨の表示が義務付けられています。
ネオテーム: アスパルテームの類似化合物であり、同様の注意喚起が検討されました。
海外の表示規制:
アメリカ: アスパルテームには表示が必要だが、ネオテームには不要。
EU: アスパルテームには表示が必要で、ネオテームは検討中。
オーストラリア: アスパルテームには表示が必要だが、ネオテームには不要。
L-フェニルアラニンの摂取量:
ネオテームが全てフェニルアラニンに変換された場合でも、その摂取量はPKU患者の摂取目安量の0.7%以下であり、非常に低いと評価されました。
ネオテームの代謝と安定性:
体内代謝: ネオテームの主要な代謝物はNC-00751で、多くは尿や便として排泄されます。
食品中での分解: ネオテームは比較的安定しており、分解してもL-フェニルアラニンの生成量は少ない。
総括: ネオテームから生じるL-フェニルアラニンの量は非常に少なく、PKU患者の日常的な摂取目安量に対して無視できるレベルであるため、特別な注意喚起の表示は不要と判断されました。
類題
類題にもチャレンジしてみましょう。
第100回薬剤師国家試験 問122
衛生|問 100-122
ある食品に含まれる食品添加物を分析したところ、我が国では使用が禁止されている着色料が検出された。検出された禁止着色料はどれか。
解説はこちらからどうぞ
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問100-122【衛生】論点:食品添加物|matsunoya (note.com)
論点解説の一覧はこちらです。
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート【衛生】論点:栄養素・食品添加物 一覧|matsunoya (note.com)
第107回薬剤師国家試験 問18
必須問題【衛生】
衛生|問 107-018
食品表示法に基づき、用途名と物質名を併記する必要がある食品添加物はどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 香料
2. 甘味料
3. 調味料
4. 乳化剤
5. pH調整剤
解説はこちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 衛生 第106回-第109回 全40問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio|matsunoya (note.com)
第108回薬剤師国家試験 問133
一般問題|薬学理論問題【衛生】
衛生|問 108-133
毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。
2. 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。
3. 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。
4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。
5. 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。
第109回薬剤師国家試験 問134
一般問題|薬学理論問題【衛生】
衛生|問 109-134
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
2. 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。
3. 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
4. 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
5. 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。
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第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問130
一般問題(薬学理論問題)【衛生】
問108-130
Q. 食品添加物A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢|
1. Aは、かんきつ類やバナナに使用される防かび剤である。
2. Bは、ショ糖の200倍の甘さがある甘味料である。
3. Cは、酸性領域で効力のある保存料である。
4. Dは、金属封鎖作用のある酸化防止剤である。
5. Eは、酸性のタール色素である。
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