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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問109-136【衛生】論点:がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)

第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問136

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問109-136
Q. 
図1~4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。
図1は、あらかじめ毛を剃ったマウスの背部皮膚に化学物質A又は化学物質Bを1回だけ塗布し、その後、同一部位に化学物質Cを1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。図2、3、4は、化学物質A、B、Cを図1と同じ用量でそれぞれ単独で、毛を剃ったマウスの背部皮膚に1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。
これらの結果からわかる化学物質A、B、Cの発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


選択肢|

1. 化学物質Aには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
2. 化学物質Bには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
3. 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
4. 化学物質Aには、発がんプロモーターとしての作用がある。
5. 化学物質Bには、発がんプロモーターとしての作用がある。


第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【衛生】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問136、がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
matsunoya_note|note https://note.com/matsunoya_note

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n609fb4fd7646

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問109-136【衛生】論点:がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)

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設問へのアプローチ|


第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136
第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

第109回薬剤師国家試験の問136(問109-136)では、がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)に関する知識を問われました。

1ページ目に問題文と選択肢1 ~ 5が入り、改ページして2ページ目に4つのグラフが図1 ~ 図4として入っている広大な問題構成になっています。
文字数を数えてみましたが、問題文と選択肢を含めると444文字あります。

次ページのグラフ中の文字数は208文字です。
謎が多い下向き矢印↓↓↓↓↓↓↓…の数は、いちいち数えていませんが、週2回投与していることを表しているので、30週連続投与ですから、下向き矢印↓↓↓↓↓↓↓…は1つの図につき、60文字書き込まれています。
合計240文字下向き矢印↓↓↓↓↓↓↓…🤣

第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

何らかの…

執念を感じますね。

全ての文字数を合わせると892文字です。
1問に2.5分で回答するには、文字数が多すぎませんか。

しかも、選択肢3が正答とされています。


選択肢3. 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。[誤り]

👆化学物質Cに、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用がないことを証明するには、追加の試験が必要です。
この選択肢3 は誤りですから、「正しい選択肢を選べ」って言われても選べないです。選んではいけないやつです。


正しい薬学教育を受けている薬学生の皆さんなら、考えてみれば当然理解できるレベルですけれど、
例えば、下記のような試験計画で、下記の結果が得られたら、選択肢3は正しいと言えます。ただし、事前にイニシエーターとしての化合物Cの投与量を最適化するための科学的根拠となる試験をしておく必要があります。

Ref. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanigaku/2016/18/2016_71/_article/-char/ja
図3
 (※後述、論文紹介参照)
第109回薬剤師国家試験 問136 図3, 図4から改変した。

上記の結果の場合、
選択肢3. 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。[正しい]


厚生労働省のホームページに、正答の一覧があるので確認してみるのもよいでしょう。
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

厚生労働省のホームページです。
びっくりします。

がん原性試験が論点の薬剤師国家資格を問う問題なのです。
がん原性試験のガイドラインは、これです👇

令和5年3月10日薬生薬審発 0310 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知別添「がん原性試験ガイドライン」

https://www.pmda.go.jp/files/000251332.pdf

じゃーん!「控えおろう!このモンドコロが目に入らぬかっ!」って感じです。

薬剤師国家資格にふさわしい知識への検出力を低下させる意図があったことを疑われても仕方のない、、典型的ABCDアイウエオ構文の問題設計ですし、意図的にネガティブデータを正答として選択させる設計になっている。
薬剤師国家試験出題基準から逸脱している疑義があるように思います。


👽💬図1~4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。

…(論文に示されている⁇ ホントかよ⁉)


がん原性試験がテーマでこのデータセットのみで、この考察をした「論文❓(草案)」の場合、科学雑誌に投稿したら間違いなくリジェクトされます。
薬剤師国家資格に関する能力を検出するべき試験問題としては適格性を欠きいているように見受けられます。
原案の提出時点で、差し戻して修正する仕組みが必要です。
国家資格試験として印刷されると、厚生労働省のホームページに一生残る羽目になります。
これでいいのかってことです。


👽💬正しいのはどれか。2つ選べ。

😱🤮🤢

でも、ここで焦ってはいけません。


まず基本的な知識に関して復習しておきましょう。


一見、文字量が多いですが、ナラティブに覚えることができる構成になっているので、体感的には、意外と楽勝な仕上がりにできています。

ぜひ、最後までお読みいただければと思います。
完全攻略をめざせ!


文献紹介

がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)


以下の文献は、今回の論点の理解に役立つと思います。
時間があるときに読んでみてはどうでしょうか?
大学生なら読んで理解できるレベルです。
わかりやすいレビューを選びました。


Journal of Japanese Biochemical Society 87(5): 510-516 (2015) doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870510
脱リン酸化酵素PP6は,皮膚がん抑制遺伝子である―発がんプロモーターオカダ酸の標的:25年目のミッシングピースの検証
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870510/data/index.html

Ref. https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870510/data/index.html
Ref. https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870510/data/index.html

河部 真弓, 3-2 発がん性評価における中期発がん性試験の位置付け, 谷本学校 毒性質問箱, 2016, 2016 巻, 18 号, p. 71-79
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanigaku/2016/18/2016_71/_article/-char/ja


Ref. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanigaku/2016/18/2016_71/_article/-char/ja
Ref. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tanigaku/2016/18/2016_71/_article/-char/ja

食品の安全に関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/index.html
アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ & A
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/060213-1.html

表は、アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0213-3a.html

Ref. https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0213-3a.html

■■GPT4o


1. げっ歯類を用いた二段階発がん試験について


二段階発がん試験は、がん発生の初期段階(イニシエーション)と、その後のプロモーション段階を評価するために設計された実験的手法です。この試験は、主にネズミやラットといったげっ歯類を用いて行われます。

イニシエーションは、細胞のDNAに不可逆的な変異を引き起こすプロセスです。化学物質や放射線などの発がん物質がDNAに直接作用し、がん化の第一歩を踏み出す原因となります。この段階では、細胞はまだ増殖の抑制が可能で、単独では腫瘍形成に至りません。

一方、プロモーションは、イニシエーションによって変異を受けた細胞が、さらに分裂・増殖を重ね、腫瘍形成に至る過程です。プロモーターは一般に発がん性物質ではないものの、細胞増殖を刺激し、がんの進展を助長します。これにより、イニシエーション段階で変異を受けた細胞が選択的に増殖し、腫瘍形成へと進む可能性が高まります。

二段階発がん試験では、げっ歯類に対し、まず発がん性物質(イニシエーター)を投与し、その後プロモーターを投与することによって、腫瘍の形成過程を観察します。この試験は、発がん性物質とプロモーターの特定、さらには発がん機序の解明に重要な役割を果たしてきました。


2. 発がんイニシエーションおよび発がんプロモーションについて


発がんイニシエーションとは、発がんプロセスの第一段階であり、主に細胞のDNAに不可逆的な変化を引き起こすイベントです。これにより、正常な細胞ががん細胞へと転換する潜在的な可能性を持つようになります。イニシエーター(発がん性物質)は、直接的なDNA損傷や突然変異を引き起こし、これががん化の第一ステップとなります。しかし、イニシエーションが起こったからといって直ちに腫瘍が形成されるわけではなく、その後のプロセスが重要です。

発がんプロモーションは、イニシエーション段階で変異を受けた細胞が、外的または内的な刺激によって増殖を開始し、腫瘍形成に至るプロセスです。プロモーターは、通常は発がん性を持たない化学物質ですが、細胞増殖の促進や炎症反応の誘発などを通じて、イニシエーション段階で損傷を受けた細胞の増殖を助長します。プロモーションは、可逆的なプロセスであるため、刺激が除去されると細胞増殖が抑制される場合もありますが、持続的なプロモーションにより腫瘍形成が進行します。

このように、発がんはイニシエーションとプロモーションの二段階で進行することが多く、二段階発がんモデルはその理解に重要な役割を果たしています。


Ref.

  • Pitot, H. C., & Dragan, Y. P. (1991). Chemical carcinogenesis. Environmental Health Perspectives, 100, 207-216. doi:10.1289/ehp.91100207.

  • Yuspa, S. H., & Poirier, M. C. (1988). Chemical carcinogenesis: from animal models to molecular models in one decade. Advances in Cancer Research, 50, 25-70.


3. 遺伝毒性試験と発がんイニシエーションの関連


発がんイニシエーションは、細胞のDNAに不可逆的な損傷を引き起こし、がん化の第一段階を誘発するプロセスです。このプロセスは、通常、発がん性物質がDNAに変異を引き起こし、その結果として細胞が異常増殖する能力を持つようになることで始まります。
したがって、発がんイニシエーターの作用を評価するには、化学物質がDNAに与える影響、つまり遺伝毒性を評価することが不可欠です。

複数の遺伝毒性試験の組み合わせ

ICHガイドライン(特にICH S2(R1))では、遺伝毒性試験は発がん性リスクを評価するための重要な手法とされています。一般的に、発がんイニシエーターとしての作用を確証するために、以下のような異なる試験系を用いた複数の試験結果の組み合わせが推奨されます。

  1. 細菌を用いた復帰突然変異試験(Ames試験):
    細菌(一般的にはサルモネラ・チフムリウムや大腸菌)を用いて、化合物が突然変異を誘発するかどうかを評価する試験です。これは、化学物質がDNAに直接損傷を与えるかどうかを早期に評価するための標準的なアッセイです。

  2. ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験:
    ほ乳類の培養細胞(ヒトやげっ歯類由来の細胞を使用)を用いて、化学物質が染色体に異常を引き起こすかどうかを評価します。染色体の構造変化(断裂や転座など)が検出されると、DNA損傷の可能性が示唆されます。

  3. マウスを用いた小核試験:
    生体内試験として、マウスに化学物質を投与し、骨髄細胞などにおける小核形成(染色体破壊や染色体不分離による小核の形成)を評価します。この試験は、化合物が実際に動物モデルで遺伝毒性を発揮するかどうかを確認するために使用されます。

複数の試験結果を組み合わせたエビデンスの強化

発がんイニシエーターであることを確証するには、上記のような異なる遺伝毒性試験で一貫して陽性結果が得られることが重要です。これにより、化学物質が複数の異なるメカニズムを通じてDNAに損傷を与え、発がんの第一段階であるイニシエーションを引き起こす可能性が高いと判断されます。

たとえば、Ames試験で陽性結果が得られた場合でも、それだけでは発がんイニシエーターとしての確証には不十分です。しかし、さらに染色体異常試験や小核試験でも陽性結果が得られた場合、その化合物がDNAに損傷を与える可能性が強く支持され、発がんイニシエーターとしての作用が科学的に証明される可能性が高まります。

ICHガイドラインにおける考え方

ICHガイドライン(ICH S1BやS2(R1))では、遺伝毒性試験の結果は発がんリスクの評価において重要な役割を果たすとされています。
これらのガイドラインに基づき、発がんイニシエーターの評価には複数の異なる遺伝毒性試験を組み合わせて総合的に評価することが推奨されています。これにより、発がん性リスクに関するエビデンスの信頼性が高まり、安全性評価の精度が向上します。

結論

ICHガイドラインに基づき、遺伝毒性試験の複数の結果を組み合わせることで、化合物が発がんイニシエーターとしての作用を持つかどうかを科学的に証明することができます。これは、発がん性の評価において信頼性の高いエビデンスとなり、化合物のリスク評価における重要な根拠となります。


Ref. 


はじめましょう。


薬剤師国家試験の薬学理論問題【衛生】からがん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問109-136【衛生】論点:がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)|matsunoya (note.com)

Here we go.


第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問136

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問109-136
Q. 
図1~4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。
図1は、あらかじめ毛を剃ったマウスの背部皮膚に化学物質A又は化学物質Bを1回だけ塗布し、その後、同一部位に化学物質Cを1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。図2、3、4は、化学物質A、B、Cを図1と同じ用量でそれぞれ単独で、毛を剃ったマウスの背部皮膚に1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。
これらの結果からわかる化学物質A、B、Cの発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


選択肢|

1. 化学物質Aには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
2. 化学物質Bには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
3. 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
4. 化学物質Aには、発がんプロモーターとしての作用がある。
5. 化学物質Bには、発がんプロモーターとしての作用がある。


第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

■■GPT4o


■科目| 衛生|問 109-136


■論点|がん原性試験 / げっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)


この問題の論点は、がん原性試験においてin vivo 追加試験として推奨されている試験の一つであるげっ歯類 2段階発がんモデル(イニシエーション・プロモーションモデル)において、化学物質A, B, Cが発がんプロセスにおいて発がんイニシエーターあるいは発がんプロモーターとして作用するかどうかを特定することです。


■解説1|


  1. 化学物質Aの発がん作用:

    • 図1で、化学物質Aを発がんイニシエーターとして使用した場合に、化学物質Cがプロモーターとして作用したことが確認されています。これにより、化学物質Aがイニシエーターとしての作用を持つ可能性が示唆されます。

    • 図2では、発がんイニシエーターを使用しなくても、化学物質Aが発がんプロモーターとして作用したことが示されています。これにより、化学物質Aにはプロモーション作用もあることが示されました。

第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

  1. 化学物質Bの発がん作用:

    • 図1で、化学物質Bを発がんイニシエーターとして使用した場合に、化学物質Cがプロモーターとして作用したことが確認されています。これにより、化学物質Bがイニシエーターとしての作用を持つ可能性が示唆されます。

    • 図3では、発がんイニシエーターを使用しない場合、化学物質Bがプロモーターとしての作用を示さなかったことから、化学物質Bにはプロモーション作用がないと考えられます。

第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

  1. 化学物質Cの発がん作用:

    • 図1に示されるように、化学物質Cは発がんプロモーターとして作用しています。

    • 図4によると、化学物質Cは単独でのプロモーション作用を持たないと推測されます。


■解説2|


  • イニシエーターとしての作用:
    発がんイニシエーターは、通常DNAに不可逆的な損傷を引き起こし、発がんの最初のステップであるイニシエーションを促します。
    図1で化学物質AとBがイニシエーターとして用いられた際に、化学物質Cが発がんプロモーターとして作用したことは、AとBがイニシエーターとして機能した証拠です。


  • プロモーターとしての作用:
    発がんプロモーターは、すでにイニシエーションを受けた細胞を増殖させ、腫瘍の形成を促進します。
    図2の結果から、化学物質Aがプロモーターとして強力に作用することが示され、図3の結果から、化学物質Bがプロモーション作用を示さなかったことが確認できます。


■結論|


  1. 化学物質Aの発がん作用:

    • 図1
      化学物質Aを発がんイニシエーターとして使用した場合、化学物質Cがプロモーターとして作用したことが確認されています。
      化学物質Aがイニシエーターとしての作用を持つ可能性が示唆されます。

    • 図2
      発がんイニシエーターを使用しない場合、化学物質Aが発がんプロモーターとして作用したことが示されており、化学物質Aにはプロモーション作用があることが確認されました。

  2. 化学物質Bの発がん作用:

    • 図1
      化学物質Bを発がんイニシエーターとして使用した場合に、化学物質Cがプロモーターとして作用したことが確認されています。
      これにより、化学物質Bがイニシエーターとしての作用を持つ可能性が示唆されます。

    • 図3
      発がんイニシエーターを使用しない場合、化学物質Bがプロモーターとしての作用を示さなかったことから、化学物質Bにはプロモーション作用がないと考えられます。

  3. 化学物質Cの発がん作用:

    • 図1
      化学物質Cが発がんプロモーターとして作用しています。

    • 図4
      化学物質Cは単独ではプロモーション作用を示さないことが確認されています。これにより、化学物質Cが発がんプロモーターとしての作用を示すためにはイニシエーターの存在が必要であると考えられます。

  4. 選択肢3の誤り:

    • 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。(選択肢3)[誤り]
      これは誤りです。理由は、化学物質Cが単独で発がんプロモーション作用を示さなかったことは、イニシエーターとしての作用を否定する根拠にはならないからです。
      図1において、化学物質Cはイニシエーター(化学物質AまたはB)の作用を受けた後に発がんプロモーターとして機能しています。このことから、化学物質Cがイニシエーターとしての作用を持たないと断定するのは早計であり、他の試験や追加データが必要です。


  • イニシエーターとプロモーターの作用機序:
    発がんイニシエーターはDNA損傷を引き起こし、イニシエーションのプロセスを促進します。一方、プロモーターは既に変異した細胞を増殖させます。化学物質Cがイニシエーターとしての作用を持たないと断定するには、遺伝毒性試験などの追加データが必要です。

  • 図1における化学物質Cの作用:
    図1では、化学物質Cがプロモーターとしての作用を示していますが、これはイニシエーターの作用があった後の結果です。
    単独でのプロモーション効果が見られなかったことは、Cがイニシエーターとしての作用を持たないという結論に直接結びつきません。


正答は選択肢4です。

  • 化学物質Aには、発がんプロモーターとしての作用がある(選択肢4)[正しい]
    図2で示されているように、化学物質Aは発がんプロモーターとしての作用を示しています。

選択肢3は誤りであり、化学物質Cがイニシエーターとしての作用を持たないと断定する根拠は不十分です。


■補足|


  • 選択肢1(化学物質Aには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない)[誤り]

    • 図1において、化学物質Aがイニシエーターとして機能していることが示されていますので、この選択肢は誤りです。

  • 選択肢2(化学物質Bには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない)[誤り]

    • 図1の結果により、化学物質Bがイニシエーターとしての作用を持つことが示唆されているため、この選択肢も誤りです。

  • 選択肢5(化学物質Bには、発がんプロセスにおいて発がんプロモーターとしての作用がある)[誤り]

    • 図3で、化学物質Bがプロモーション作用を示さなかったことが示されているため、この選択肢も誤りです。


■Lecture|


論点解説1 試験計画:マウスを用いた二段階発がん試験(皮膚がん)

化合物Cが発がんイニシエーターの作用を有していないことを証明するために、以下の仮説を検証する。


仮説:

化合物Cは発がんイニシエーターとしての作用を持たない。


試験デザイン

対象: げっ歯類(マウス)
サンプルサイズ: グループごとに最低15~20匹のマウス(ICHガイドラインに基づく統計的有意性確保のため)
実験期間: 約30~40週間(イニシエーション段階とプロモーション段階の評価期間を含む)

グループ分け

  1. グループ1: コントロール

    • 皮膚に発がん性物質も化合物Cも塗布しない。

  2. グループ2: イニシエーション単独

    • 化合物A(発がんイニシエーター)を皮膚に単回塗布。

    • プロモーションは行わない。

  3. グループ3: イニシエーション+プロモーション(ポジティブコントロール)

    • 化合物A(発がんイニシエーター)を皮膚に単回塗布。

    • 続けて化合物Cを複数回塗布(プロモーターとして作用するか評価)。

  4. グループ4: 化合物Cの単独イニシエーション

    • 化合物Cを皮膚に単回塗布(イニシエーターとして作用するか評価)。

    • プロモーションは行わない。

  5. グループ5: 化合物Cのイニシエーション+プロモーション

    • 化合物Cを皮膚に単回塗布(イニシエーターとしての作用評価)。

    • 続けて化合物Aまたは別のプロモーターを複数回塗布。

  6. グループ6: 化合物Bのイニシエーション+プロモーション

    • 化合物B(参考用の発がんイニシエーター)を皮膚に単回塗布。

    • 続けて化合物Cを複数回塗布(発がんプロモーション効果を評価)。

試験手順

  1. イニシエーション段階:

    • グループ2、3、4、5、6のマウスにそれぞれ対応するイニシエーター(化合物A、化合物B、化合物C)を皮膚に単回塗布。

    • 7~14日の待機期間を設け、化合物が代謝され、効果が定着するのを待つ。

  2. プロモーション段階:

    • グループ3、5、6において、2回/週、合計20~30週間にわたり、化合物Cまたは他のプロモーターを塗布。

    • その他のグループ(1, 2, 4)はプロモーションを行わず観察。

  3. 観察および評価:

    • マウスの皮膚における腫瘍の発生率と数を毎週記録。

    • 腫瘍の形態学的特徴を確認するために、定期的に病理学的検査を実施。

評価基準

  • 主要評価項目: 腫瘍発生率(各グループにおけるマウスの腫瘍数と発生率の比較)。

  • 副次評価項目: 腫瘍のサイズ、進行速度、発生時期。

データ解析

  • 各グループ間の腫瘍発生率を統計的に比較し、化合物Cが発がんイニシエーターとして作用するか否かを判定。

  • 有意差を確認するために、カイ二乗検定またはFisherの正確検定を実施。

結論

この試験計画に基づき、化合物Cが発がんイニシエーターとしての作用を持たないことが証明される場合、その仮説が支持される。一方で、腫瘍発生率に有意差がある場合、化合物Cが発がんイニシエーターとしての可能性があると判断される。


Ref. 

  • International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use (ICH). (2009). ICH S1B: Testing for Carcinogenicity of Pharmaceuticals. Retrieved from https://database.ich.org/sites/default/files/S1B_Guideline.pdf

  • Yuspa, S. H., & Poirier, M. C. (1988). Chemical carcinogenesis: from animal models to molecular models in one decade. Advances in Cancer Research, 50, 25-70.


論点解説2

発がんイニシエーターとしての作用を持たないことを証明するために、適切な発がんプロモーターの選定とその条件を理解することは非常に重要です。発がんプロモーターは、イニシエーションによって変異を受けた細胞を選択的に増殖させ、腫瘍形成を促進する役割を果たします。
以下に、発がんプロモーターとしての条件や選定基準を説明します。


発がんプロモーターの条件

  1. 非イニシエーター性:
    発がんプロモーターは、通常DNAに直接的な損傷を与えないため、イニシエーターとしての機能を持たないことが条件です。つまり、発がんプロモーターは、単独でがんを引き起こすことはできません。化合物Aと化合物Bの例では、化合物Bは発がんイニシエーターの使用なしに塗布された場合、発がんプロモーション作用を示さないため、プロモーターとしての役割を果たすためには、必ずイニシエーターが必要となります。

  2. イニシエーターの有無に依存した作用:
    発がんプロモーターは、イニシエーションがすでに起こった細胞に対してのみ効果を発揮します。イニシエーターが無い場合、通常は腫瘍形成を引き起こしません。化合物Aが、イニシエーターの代わりに単なる媒体(エタノール)を塗布した後にでも発がんプロモーション作用を示すことから、化合物Aは特に強力なプロモーターであることがわかります。
    一方で、化合物Bはイニシエーターなしでは発がんプロモーション作用を示さないため、プロモーターの作用が特定の発がんイニシエーターに依存していると考えられます。

  3. 持続的かつ可逆的な作用:
    発がんプロモーターの効果は持続的であり、プロモーションの停止後には腫瘍形成が抑制されることがあります。この可逆的な作用は、イニシエーターによって変異を受けた細胞が、プロモーションに依存して増殖を維持していることを示しています。

  4. 生理学的変化の誘導:
    発がんプロモーターは、炎症反応や細胞増殖のシグナル伝達経路を活性化することが知られています。これにより、変異細胞が正常細胞よりも有利に増殖できる環境を提供します。

適切な発がんプロモーターの選定基準

発がんイニシエーターとしての作用を持たないことを証明するためには、適切な発がんプロモーターを選ぶことが重要です。以下の基準に基づいてプロモーターを選定することが推奨されます。

  1. 既知の強力な発がんプロモーターの使用:
    化合物Aのように、イニシエーターがなくても発がんプロモーション作用を示す強力なプロモーターが適切です。こうしたプロモーターを使用することで、化合物Cのイニシエーション効果が検証しやすくなります。

  2. イニシエーター依存型のプロモーターの比較:
    化合物Bのように、イニシエーターがない場合にはプロモーション作用を示さない発がんプロモーターを対照として使用することで、化合物Cがイニシエーション効果を持つかどうかをより精密に評価できます。

  3. 標準的なプロモーターの利用:
    一般的に用いられる発がんプロモーターとして、12-O-テトラデカノイルフォルボール-13-アセタート (TPA) などがあり、これを使用することで実験の信頼性と再現性を高めることができます。TPAは皮膚がんモデルにおいて広く使用され、強力なプロモーターとして認知されています。

まとめ

化合物Cが発がんイニシエーターとしての作用を持たないことを証明するためには、イニシエーターの有無にかかわらず作用を示す強力なプロモーターを使用し、化合物Cのイニシエーション効果を検証することが重要です。また、イニシエーター依存型のプロモーターを対照とすることで、化合物Cの作用をより正確に評価できます。


Ref. 

  • International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use (ICH). (2009). ICH S1B: Testing for Carcinogenicity of Pharmaceuticals. Retrieved from https://database.ich.org/sites/default/files/S1B_Guideline.pdf

  • Yuspa, S. H., & Poirier, M. C. (1988). Chemical carcinogenesis: from animal models to molecular models in one decade. Advances in Cancer Research, 50, 25-70.


論点解説3


げっ歯類を用いた二段階発がん試験は、主に発がんプロモーションの作用を持つ化合物を評価するために設計されることが多いです。
この試験の目的は、特定の化合物が、すでに発がんイニシエーションを受けた細胞に対してどのように作用するかを評価することに重点を置いています。
したがって、二段階発がん試験は、遺伝毒性試験で陰性と判定された化合物が、発がんプロモーション作用を持つ可能性があるかどうかを検証するための重要な手法です。


二段階発がん試験の目的と焦点

  1. 発がんプロモーション作用の検出:
    二段階発がん試験は、化合物が発がんプロモーターとしての作用を持つかどうかを評価することに主眼を置いています。これは、すでにイニシエーションが起こった細胞に対して、その化合物が腫瘍形成を促進するかどうかを確認するものです。
    このように、遺伝毒性試験で陰性であっても、プロモーション作用を持つ化合物を見逃さないために行われます。

  2. 非遺伝毒性発がん物質の検出:
    発がんプロモーション作用は、必ずしも遺伝毒性を伴うものではありません。
    すなわち、二段階発がん試験では、遺伝毒性が陰性であった化合物の中から、細胞の増殖や炎症反応を促進することで発がんを助長する化合物(非遺伝毒性発がん物質)を見つけることが可能です。


発がんイニシエーション作用の評価

一方で、二段階発がん試験が発がんイニシエーション作用を評価するために使用されることもあります。特に、新規の化合物がイニシエーターとしての潜在性を持つかどうかを評価する場合、発がんイニシエーターを用いることでイニシエーション段階における発がん作用を検証することができます。

この場合、試験のデザインでは、発がんイニシエーターとしての可能性を持つ化合物を皮膚に塗布し、その後、既知のプロモーター(例えばTPA)を適用することで、化合物がイニシエーションを引き起こすかどうかを調べます。
このアプローチは、化合物がDNAに不可逆的な損傷を与えるかどうか、そしてその後のプロモーションによって腫瘍形成が引き起こされるかどうかを評価することに焦点を当てています。

実際の研究目的と試験デザイン

現実には、二段階発がん試験は主に発がんプロモーターの評価を目的として実施されることが多いですが、発がんイニシエーション作用を評価するためにも応用されることがあります。
特に、新規の化合物について遺伝毒性試験で得られた結果が曖昧であったり、異なる毒性メカニズムが考えられる場合には、二段階発がん試験を補完的に実施して、発がんイニシエーション作用も評価することが有効です。


まとめ

二段階発がん試験は、主に発がんプロモーションの作用を評価するために実施されることが多いですが、発がんイニシエーション作用を評価するためにも使用されることがあります。実際の試験デザインや目的は、評価対象の化合物やその予備的なデータに基づいて決定されます。特に、新規化合物や非遺伝毒性発がん物質の評価において、この試験は非常に重要な役割を果たします。


Ref. 

  • International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use (ICH). (2011). ICH S2(R1): Guidance on Genotoxicity Testing and Data Interpretation for Pharmaceuticals Intended for Human Use. Retrieved from https://database.ich.org/sites/default/files/S2_R1_Guideline.pdf

  • DiGiovanni, J. (1992). Multistage carcinogenesis in mouse skin. Pharmacology & Therapeutics, 54(1), 63-128.


論点解説4

著者の考察。。🤔


今回の問109-136は、設問の文章が不自然で無駄な言葉が多いのに気づいた方は多いと思います。
問題を解く意欲を無くして検出力を落としてしまおうと、意図的に読みにくい文章にしているように推測されます。
科学的な訓練を受けているひとなら、こんな不気味で洗練されていない稚拙な文章を印刷物として公開することはないでしょう。
直しようがないですが、少し、校正してみました。


Q. 図1~4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。
図1は、あらかじめ毛を剃ったマウスの背部皮膚に化学物質A又は化学物質Bを1回だけ塗布し、その後、同一部位に化学物質Cを1週間に2回ずつ塗布し続け時の結果である。図2、3、4は、化学物質A、B、Cを図1と同じ用量でそれぞれ単独で、毛を剃ったマウスの背部皮膚に1週間に2回ずつ塗布し続け時の結果である。
これらの結果からわかる化学物質A、B、Cの発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


選択肢|

1. 化学物質Aは、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
⇒ 考察できること:化学物質Aは、イニシエーターとして適切ではない。

理由:イニシエーターなしの試験でプロモーターとして作用したため、擬陽性を発生させる可能性があり、化合物Cがプロモーターであるかの試験が成立しない。

2. 化学物質Bは、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
⇒ 考察できること:化学物質Bは、イニシエーターとして適切である。

理由:
イニシエーターなしの試験でプロモーターとして作用しなかったため、擬陽性を発生させないので、化合物Cがプロモーターであるかの試験が成立する。

3. 化学物質Cは、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
⇒ 考察できること:プロモーターの陽性対照を用いた追加試験が必要である。

理由:イニシエーターなしの試験でプロモーターとして作用しなかったため、擬陽性を発生させない可能性があるが、イニシエーターとして用いた際の試験結果もしくは遺伝毒性が陽性である試験結果が必要である。

4. 化学物質Aは、発がんプロモーターとしての作用がある。
⇒ 考察できること:イニシエーターなしの試験結果でプロモーターとしての作用が認められた。強力なプロモーターである可能性があるが、用量を変更した試験ならびにイニシエーターありの試験結果との比較が必要である。

理由:通常、イニシエーターなしでプロモーター作用を示す化合物は存在しないので、非生理的な条件設定になっている可能性がある。
正しいデータセットがそろって存在して初めて考察が成立する。

5. 化学物質Bは、発がんプロモーターとしての作用がある。
⇒ 考察できること:化学物質Bは、イニシエーターとして適切である。一方、プロモーター作用については、イニシエーターありの試験結果との比較によって、プロモーター作用の有無を考察する必要がある。

理由:イニシエーターなしの試験でプロモーターとして作用しなかったため、擬陽性を発生させないので、化合物Cがプロモーターであるかの試験は成立する。


わけがわからないですね。🤣

6年制の教育を受けている薬学生なら、実際の実験計画書を作成できるレベルですから、こんな、意図的に、現実の試験として成立しないデータセットで、国家資格試験の回答を求めるようなことを強要するのは、精神的に残酷だと思います。

原案の時点で、不備があった場合は、差し戻すチェックの仕組みが必要です。
出題基準からの逸脱を好きほうだいされたら、薬剤師の国家資格の統制が取れなくなる。


類題


類題にもチャレンジしてみましょう。


第106回薬剤師国家試験 問133

薬学理論問題【衛生】
衛生|問 106-133
毒性試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 一般毒性試験は、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。
2. 反復投与毒性試験は、50%致死量(LD50)を求めるのに利用される。
3. 遺伝毒性試験のうち、小核試験では染色体異常を検出する。
4. 催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時の胎仔の発生及び発育に対する影響を観察する。
5. 発がん性試験では、動物に被験物質を長期にわたって連続投与し、悪性腫瘍の発生の有無を観察する。


第109回薬剤師国家試験 問134

薬学理論問題【衛生】
衛生|問 109-134
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
2. 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。
3. 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
4. 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
5. 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。


第107回薬剤師国家試験 問137

薬学理論問題【衛生】
衛生|問 107-137
In_vitro遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による突然変異を評価する方法である。
2. マウスリンフォーマTK試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による生殖細胞遺伝毒性を評価する方法である。
3. Ames試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。
4. コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA鎖の切断を評価する方法である。
5. 小核試験は、細菌を用いて化学物質の染色体異常誘発性を評価する方法である。


第108回薬剤師国家試験 問133

薬学理論問題【衛生】
衛生|問 108-133
毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。
2. 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。
3. 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。
4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。
5. 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。


解説はこちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 衛生(1) 第106回-第109回 50問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, C|matsunoya (note.com)


お疲れ様でした。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第109回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問136

一般問題(薬学理論問題)【衛生】


問109-136
Q. 
図1~4は、化学物質A、B、Cの発がん作用を調べるために、マウスを用いて皮膚腫瘍(皮膚がん)の発生割合について検討した論文に示されている結果である。
図1は、あらかじめ毛を剃ったマウスの背部皮膚に化学物質A又は化学物質Bを1回だけ塗布し、その後、同一部位に化学物質Cを1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。図2、3、4は、化学物質A、B、Cを図1と同じ用量でそれぞれ単独で、毛を剃ったマウスの背部皮膚に1週間に2回ずつ塗布し続けた時の結果である。
これらの結果からわかる化学物質A、B、Cの発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


選択肢|

1. 化学物質Aには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
2. 化学物質Bには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
3. 化学物質Cには、発がんプロセスにおいてイニシエーターとしての作用はない。
4. 化学物質Aには、発がんプロモーターとしての作用がある。
5. 化学物質Bには、発がんプロモーターとしての作用がある。


第109回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【衛生】 問136

最低だ。。無駄すぎる。、、、違うだろー。

出典を若干校正してみた。 出典:第109回薬剤師国家試験 問136

楽しく!驚くほど効率的に。

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それではまた
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