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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 生物(1) 第106回-第109回 19問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

こんにちは!Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【生物】 を一緒に完全攻略しよう!
今回は、薬学理論問題 生物(1)として、2024年2月に実施された最新の薬剤師国家試験までの4回分、第106回薬剤師国家試験-第109回薬剤師国家試験 薬学理論問題【生物】19問の論点解説を powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にして一挙公開します。
GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にした論点解説と Gemini 1.5 Pro との対話を基盤にした論点解説を両方掲載していますので、追加の情報を得られ、また、両者の回答を比較することも可能です。

一般問題【薬学理論問題】は、解法へのアプローチで分類すると、2つにわけられます。
・選択肢の文章のみから、その記述の正誤を判断する問題
・図表の理解から、正答を選択する問題
今回取り上げた問題は、前者です。
必須問題との違いは、問題によって、選択肢を1つ選ぶ場合2つ選ぶ場合がある事、また、1問の中に論点が複数ある事です。
要するに、必須問題がたくさんあるようなものです。
まず、ここから攻略することで、論点理解を深め、知識の幅を増やして、実力アップに挑戦しましょう。

薬剤師国家試験の勉強法は色々ありますが、薬学理論問題を一通り解いてみて、そこから自分に合った勉強法の傾向と対策を立てることは効率的な方法のひとつです。
Matsunoya品質の論点解説でサクッと学べば、それはそれで、薬剤師国家資格取得に向け走り出すきっかけになると思います。

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薬剤師にしかできない仕事がある。

さあ、はじめよう。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 生物(1) 第106回-第109回 19問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT
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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 生物(1) 第106回-第109回 19問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

1. 論点一覧 19問 薬学理論問題【生物】

問番号は[試験の回]-[問番号]です。問番号順に並んでいます。
まず、論点を確認しましょう。

💡Tips:
Webブラウザ上でショートカットキー[Ctrl+F]を使ってみよう!
例: 問 107-100の論点、問題、論点解説、解説要約に素早くアクセスするには、107-100を選択してからCtrl+Fを押します。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【生物】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/14

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
1. 論点一覧 19問 薬学理論問題【生物】

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論点:
■■Gemini 1.5 Pro
⇒ 改変・校正(Yukiho Takizawa, PhD)
論点リスト
問番号 |論点
生物|問 106-110|呼吸器系 / 構造 / 機能
生物|問 108-110|膵臓 / 構造 / 機能
生物|問 108-111|生体膜透過 / 物質輸送
生物|問 109-111|解糖系 / 反応経路 / 制御機構
生物|問 106-112|真核細胞 / 転写の制御機構
生物|問 107-112|血小板凝集 / 分子とその役割
生物|問 107-113|糖新生の基質 / 律速酵素 / ホルモンによる調節機構
生物|問 109-113|骨組織の細胞 / 骨代謝の調節機構
生物|問 109-114|ケトン体の産生 / 役割 / 代謝
生物|問 106-115|糖 / 糖鎖 / 構造と機能
生物|問 107-115|テロメアの構造 / 機能 / テロメラーゼとの関係
生物|問 108-115|原核細胞 / 転写と翻訳の連関と機構
生物|問 108-116|リソソームとプロテアソーム / タンパク質分解
生物|問 106-117|免疫担当細胞の発生 / 分化 / 機能
生物|問 107-117|ヒトの免疫組織とその機能 / 免疫細胞の分化と成熟
生物|問 109-117|抗体クラススイッチ / メカニズム
生物|問 106-118|滅菌 / 殺菌 / 消毒 / 違いと具体的な方法
生物|問 108-118|細菌 / 抗菌薬耐性機構
生物|問 109-118|炎症反応 / 細胞と分子 / 急性炎症の特徴
生物|問 107-119|細菌 / 細胞壁構造 / 特徴と多様性


2. 試験問題 19問 薬学理論問題【生物】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【生物】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/14

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
2. 試験問題 19問 薬学理論問題【生物】

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論点を確認し終わったら、問題を解いてみましょう。
薬剤師国家試験の本番では、薬学理論問題は原則1問2.5分以内に解く必要があります。でも、最初はゆっくりで大丈夫です。よく考えることが大切だからです。時間がかかる問題とかからない問題があります。
落ち着いて一通り解いてみましょう。
2. 試験問題の後に、
3. 論点解説、4. 解説要約があります。
わからなかった問題に関して、論点解説を読み、重点的に復習してみましょう。正解だった問題も、時間があったら、解説を確認するとよいです。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【生物】第106回 - 第109回
・正答の選択肢は問題によって異なります。
 1つ選択または2つ選択のどちらかです。


💡豆知識: 生物の薬学理論問題は、模擬試験のように薬剤師国家試験の原本そのままで、タイマー付きで解いてみることをお勧めします。
テキストと図の構成が独特かつ複雑で、一見してとても見づらいからです。
本物に慣れておくことは大事です。
一般問題「薬学理論問題」の完全攻略の第一歩は、何度も読むことで慣れる事です。
読書百遍意自ずから通ず📚

原本は厚生労働省のホームページ 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp) にあります。
薬学理論問題【物理・化学・生物】は本番の国家試験では第1日目のお昼休憩の後、12:30から始まります。
試験問題の原本(PDF)はこちら 
過去の試験問題及び解答
第106回 000756020.pdf (mhlw.go.jp)
第107回 000915526.pdf (mhlw.go.jp)
第108回 001074629.pdf (mhlw.go.jp)
第109回 001226760.pdf (mhlw.go.jp)

それでは、はじめましょう。


生物|問 106-110
呼吸器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。

  2. 気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。

  3. 肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。

  4. 呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。

  5. 血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。


生物|問 108-110
膵臓の構造と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。

  2. 膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。

  3. 膵液は、HCO3-を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。

  4. 膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。

  5. 膵臓ランゲルハンス島b細胞内のCa2+濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。


生物|問 108-111
生体内の物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。

  2. 水素イオンは、受動輸送により胃壁細胞から分泌される。

  3. 原尿中のグルコースは、Na+との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。

  4. 血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。

  5. ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。


生物|問 109-111
解糖系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アルドラーゼにより六炭糖が三炭糖に開裂する反応(図2)は、加リン酸分解である。

  2. D-グルコースから代謝物Aを生じるまでの過程でATPを産生する。

  3. 図3のうち、代謝物Bから代謝物Cを生じる反応は、基質レベルのリン酸化である。

  4. 図3で生じたNADHは、シャトル機構により細胞質からミトコンドリアのマトリックスに運ばれる。

  5. D-グルコースからD-フルクトース1,6-ビスリン酸の生成過程は、ATPにより促進され、AMPにより抑制される。


生物|問 106-112
真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。

  2. 転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。

  3. 転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。

  4. 転写されたmRNAの5ʼ末端にはキャップ構造が、3ʼ末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。

  5. mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。


生物|問 107-112
血小板に関わる分子についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。

  2. セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。

  3. アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP3)量を増加させ、血小板凝集を促進する。

  4. トロンボキサンA2は、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。

  5. プロスタグランジンI2は、血小板内のサイクリックAMP(CAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。


生物|問 107-113
糖新生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。

  2. 主に骨格筋で起こる反応である。

  3. 律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。

  4. 糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。

  5. グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。


生物|問 109-113
骨組織及び骨代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 骨芽細胞は造血幹細胞に由来し、骨基質を分解する。

  2. 破骨細胞は、アルカリホスファターゼを分泌する。

  3. 副甲状腺ホルモンは、血漿中のCa2+濃度を上昇させる。

  4. カルシトニンは甲状腺ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を亢進する。

  5. 活性型ビタミンD3は、消化管からのCa2+吸収を促進する。


生物|問 109-114
ケトン体に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。

  2. グルコースに代わるエネルギー源となる。

  3. 3-ヒドロキシ酪酸、a-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。

  4. 主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。

  5. 細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。


生物|問 106-115
糖及び糖鎖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1-リン酸が生じる。

  2. 哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。

  3. A型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。

  4. CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。

  5. ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。


生物|問 107-115
テロメアに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. テロメアは、染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列の繰り返し構造を含む。

  2. テロメアを開始点としてDNAが複製される。

  3. 生殖細胞系列の分裂時には、テロメアは短縮する。

  4. 多くのがん細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。

  5. テロメア伸長の鋳型として、tRNAが利用される。


生物|問 108-115
原核細胞の遺伝子発現における転写と翻訳に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 遺伝子の転写と翻訳は同時進行が可能であり、転写が完結する前に翻訳が開始される。

  2. 翻訳開始コドンの直前には、シャイン・ダルガーノ(SD)配列が存在し、リボソームの60Sサブユニットが結合する。

  3. 翻訳は、mRNAの3ʼ末端側から5ʼ末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はC末端側からN末端側へと合成される。

  4. アミノアシルtRNAは、コドンを含むtRNAの3ʼ末端に、mRNA上のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合している。

  5. オペロンとして隣り合う一群の遺伝子は1本のmRNA(ポリシストロニックmRNA)に転写され、複数のタンパク質に翻訳される。


生物|問 108-116
リソソーム及びプロテアソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。

  2. エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。

  3. プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。

  4. プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。

  5. プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。


生物|問 106-117
免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟B細胞となる。

  2. 樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHCクラスIIによる抗原提示をしない。

  3. キラーT細胞は、MHCクラスIIにより提示された抗原をT細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。

  4. ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロンc(IFN-c)を産生する。

  5. CD8分子を表面に有する成熟T細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。


生物|問 107-117
ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 骨髄では、造血幹細胞が分裂している。

  2. 胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。

  3. リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。

  4. 肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。

  5. 小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。


生物|問 109-117
抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。

  2. 最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。

  3. クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。

  4. すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。

  5. クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。


生物|問 106-118
滅菌・殺菌・消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。

  2. マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45μmのフィルターでろ過する。

  3. 輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。

  4. 芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。

  5. 傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。


生物|問 108-118
細菌の抗菌薬耐性化には種々の遺伝子もしくはその産物が関わっている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの増加は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。

  2. 腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。

  3. リファンピシン耐性菌では、DNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。

  4. カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をリン酸化する酵素として働き、RNAポリメラーゼへの結合を消失させるものがある。

  5. Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。


生物|問 109-118
炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。

  2. 補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。

  3. P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。

  4. Toll様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。

  5. 炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。


生物|問 107-119
細菌の細胞表面構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。

  2. グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。

  3. 淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。

  4. マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。

  5. 肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。


😊 お疲れ様でした。次は、論点解説です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


3. 論点解説 19問 薬学理論問題【生物】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【生物】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/14

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
3. 論点解説 19問 薬学理論問題【生物】

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Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


生物|問 106-110  ■正答| 2 5
呼吸器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。

  2. 気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。

  3. 肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。

  4. 呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。

  5. 血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。


生物|問 106-110


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 呼吸器系の構造と機能
この問題の論点は、呼吸器系の構造、特に気管や肺胞の構造と機能、そして呼吸調節機構における神経系と化学受容器の役割を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。(選択肢2) [正しい]
気道分泌液(気道粘液)は、気道の内壁を覆う粘液層を形成し、リゾチームや免疫グロブリンAなどの抗菌物質を含んでいます。これらの物質は、吸入された細菌やウイルスなどの病原体を捕捉し、殺菌または不活性化することで、呼吸器感染症を防ぐ役割を担っています。
血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。(選択肢5) [正しい]
頸動脈小体は、動脈血中の酸素分圧を感知する末梢化学受容器です。血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、その情報は延髄にある呼吸中枢に伝達されます。その結果、呼吸運動が促進され、酸素摂取量が増加します。
■解説2|
リゾチームは、細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカンを加水分解する酵素であり、細菌を溶菌する効果があります。免疫グロブリンAは、病原体に結合して、その感染性を抑制する抗体です。
頸動脈小体以外の化学受容器として、大動脈小体も血中酸素分圧を感知しています。これらの化学受容器は、呼吸調節において重要な役割を担っており、体液のpHや二酸化炭素分圧の変化にも反応します。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。(選択肢1) [誤り]
気管は軟骨と平滑筋から構成されていますが、副交感神経の興奮によって収縮します。気管支を拡張させるのは交感神経の興奮です。
肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。(選択肢3) [誤り]
肺胞サーファクタントは、肺胞内の表面張力を低下させることで、肺胞の拡張を容易にし、萎縮を防ぎます。
呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。(選択肢4) [誤り]
呼吸調節中枢は、延髄と橋に存在します。延髄には吸息中枢と呼息中枢があり、橋には呼吸調節に関与するニューロン群が存在します。呼吸運動は、これらの神経回路の相互作用によって制御されています。


■■GPT4o
■論点|呼吸器系の構造と機能
この問題の論点は、呼吸器系の構造および機能に関する記述の正確さを特定することです。
■解説1|
気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。(選択肢2) [正しい]
気道分泌液は、呼吸器系の防御機能の一部を構成しており、リゾチームや免疫グロブリンA(IgA)が含まれています。
リゾチームは細菌の細胞壁を分解する酵素であり、IgAは免疫応答において重要な役割を果たします。
血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。(選択肢5) [正しい]
頸動脈小体は、血中酸素分圧の低下を感知する化学受容器であり、酸素不足を検出すると呼吸中枢に信号を送り、呼吸運動を促進します。
これは体内の酸素供給を増やすための重要なフィードバック機構です。
■解説2|
気道分泌液は、粘液や水分を含み、異物の捕捉や排出を助ける役割も果たします。また、抗菌性物質やIgAは、免疫防御を補完し、呼吸器系を感染から保護します。
頸動脈小体は、主に酸素分圧の低下に反応しますが、二酸化炭素分圧や血液のpHの変化にも感受性があり、これらの変化も呼吸運動の調節に影響を与えます。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。(選択肢1) [誤り]
気管は軟骨と平滑筋から構成されますが、副交感神経の興奮によって収縮し、交感神経の興奮によって拡張します。
肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。(選択肢3) [誤り]
サーファクタントは、肺胞内の表面張力を低下させることで、肺胞の萎縮を防ぎます。
呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。(選択肢4) [誤り]
呼吸調節中枢は延髄に存在しますが、呼息中枢ではなく、主に吸息中枢の活動を調節します。呼吸リズムの調節は延髄と橋の協調によって行われます。


生物|問 108-110  ■正答| 3 5
膵臓の構造と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。

  2. 膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。

  3. 膵液は、HCO3-を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。

  4. 膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。

  5. 膵臓ランゲルハンス島β細胞内のCa2+濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。


生物|問 108-110


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 膵臓の構造と機能
この問題の論点は、膵臓の各部位の名称と位置関係、膵液の組成と役割、消化酵素とホルモンの分泌について理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
膵液は、HCO3-を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。(選択肢3) [正しい]
膵液は膵臓から分泌されるアルカリ性の消化液であり、重炭酸イオン (HCO3-) を豊富に含んでいます。
HCO3- は、胃から十二指腸に送られてくる酸性の胃酸を中和し、消化酵素が最適なpHで働くことができる中性~弱アルカリ性の環境を作り出します。
膵臓ランゲルハンス島β細胞内のCa2+濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。(選択肢5) [正しい]
ランゲルハンス島(膵島)は膵臓に散在する内分泌組織であり、血糖値調節に関与するホルモンなどを分泌します。
ランゲルハンス島β細胞は、血中のグルコース濃度の上昇に応じて細胞内にCa2+を取り込み、そのCa2+濃度の上昇をシグナルとしてインスリンを分泌します。
■解説2|
膵液は、水、電解質、消化酵素などから構成されています。消化酵素には、タンパク質を分解するトリプシンやキモトリプシン、炭水化物を分解するアミラーゼ、脂質を分解するリパーゼなどがあります。これらの消化酵素は、膵臓内で不活性型前 zymogen として合成・分泌され、十二指腸に到達後に活性化されます。
インスリンは、血糖値を低下させるホルモンであり、肝臓や筋肉、脂肪組織などに作用してグルコースの取り込みと利用を促進します。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。(選択肢1) [誤り]
膵臓は、脾臓側に位置する膵尾、中央の膵体、十二指腸に囲まれた膵頭の3部位に分けられます。
膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。(選択肢2) [誤り]
膵管は、総胆管と合流して十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口します。
膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。(選択肢4) [誤り]
ペプシンは胃液に含まれる消化酵素であり、膵液には含まれません。


■■GPT4o
■論点|膵臓の構造と機能
この問題の論点は、膵臓の構造および機能に関する正しい知識を特定することです。
■解説1|
膵液は、HCO3-を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。(選択肢3) [正しい]
膵液には大量の重炭酸イオン(HCO3-)が含まれており、十二指腸に分泌されることで胃から送られてくる酸性の内容物を中和します。
これにより、消化酵素が最適なpHで作用する環境を整えます。
膵臓ランゲルハンス島β細胞内のCa2+濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。(選択肢5) [正しい]
ランゲルハンス島のβ細胞は血糖値を感知し、Ca2+濃度の上昇を引き金にしてインスリンを分泌します。
インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、糖代謝の調節に重要な役割を果たします。
■解説2|
膵液の分泌は、膵臓の外分泌機能の一部であり、アシナ細胞で作られます。HCO3-は小腸内の酸性環境を中和し、適切な消化環境を維持します。
β細胞内のCa2+濃度の変化は、グルコース濃度の上昇に伴う膜電位の変化によって引き起こされます。これは、インスリン分泌を制御する重要なメカニズムです。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。(選択肢1) [誤り]
膵臓は膵頭、膵体、膵尾の順に構成されており、膵尾が十二指腸側ではありません。
膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。(選択肢2) [誤り]
膵管は胆嚢管と合流せず、総胆管と合流して十二指腸に開口します。
膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。(選択肢4) [誤り]
ペプシンは胃で分泌される消化酵素であり、膵液には含まれません。膵液にはトリプシン、キモトリプシン、アミラーゼなどの消化酵素が含まれます。


生物|問 108-111  ■正答| 3 5
生体内の物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。

  2. 水素イオンは、受動輸送により胃壁細胞から分泌される。

  3. 原尿中のグルコースは、Na+との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。

  4. 血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。

  5. ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。


生物|問 108-111


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 生体膜透過と物質輸送
この問題の論点は、生体膜における物質輸送の様式である単純拡散、促進拡散、受動輸送、能動輸送、エンドサイトーシス、エキソサイトーシスのそれぞれの仕組みと特徴を理解し、物質の性質や輸送の向きに応じて適切な輸送様式を判断できるかどうかを問うものです。
■解説1|
原尿中のグルコースは、Na+との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。(選択肢3) [正しい]
グルコースは、腎臓の近位尿細管において、Na+の濃度勾配を利用したNa+-グルコース共輸送体 (SGLT) によって、原尿から上皮細胞へ再吸収されます。
この輸送は、Na+の濃度勾配を駆動力とする二次性能動輸送です。
ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。(選択肢5) [正しい]
ノルアドレナリンは、神経伝達物質として働くホルモンであり、交感神経終末に貯蔵されています。
交感神経が興奮すると、神経終末から細胞外へノルアドレナリンが放出されます。この分泌機構は、エキソサイトーシスによるものです。
■解説2|
Na+-グルコース共輸送体 (SGLT) は、細胞膜に存在する膜タンパク質の一種であり、Na+とグルコースを同時に輸送します。Na+の濃度勾配は、Na+-K+ポンプ (Na+/K+-ATPase) によって維持されており、ATPのエネルギーを消費します。
エキソサイトーシスは、細胞内の小胞が細胞膜と融合し、小胞内の物質を細胞外に放出する機構です。神経伝達物質やホルモンなどの分泌、細胞膜へのタンパク質の挿入などに involved です。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。(選択肢1) [誤り]
一酸化窒素 (NO) は、細胞膜を自由に通過できるため、単純拡散によって血管内皮細胞から移動します。
水素イオンは、受動輸送により胃壁細胞から分泌される。(選択肢2) [誤り]
胃壁細胞は、H+-K+ポンプ (H+/K+-ATPase) を用いて能動輸送により水素イオン (H+) を胃の中に分泌します。
血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。(選択肢4) [誤り]
血中のグルコースは、インスリン依存的にグルコース輸送体 (GLUT4) を介した促進拡散によって脂肪細胞に取り込まれます。


■■GPT4o
■論点|生体内の物質移動
この問題の論点は、生体内での物質移動の仕組みとそれに関与する機構を特定することです。
■解説1|
原尿中のグルコースは、Na+との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。(選択肢3) [正しい]
腎臓の近位尿細管では、Na+の濃度勾配を利用してグルコースが共輸送されます。これにより、効率的に原尿中のグルコースが再吸収されます。
ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。(選択肢5) [正しい]
ノルアドレナリンは交感神経終末で合成され、小胞に貯蔵され、神経刺激に応じてエキソサイトーシスによって放出されます。
■解説2|
近位尿細管でのNa+との共輸送は、SGLT(Sodium-Glucose Transporter)によって行われ、これはグルコースの効率的な再吸収に不可欠です。
ノルアドレナリンのエキソサイトーシスは、神経伝達の主要な仕組みであり、カルシウム依存性のプロセスです。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。(選択肢1) [誤り]
一酸化窒素は拡散によって移動し、促進拡散ではありません。
水素イオンは、受動輸送により胃壁細胞から分泌される。(選択肢2) [誤り]
水素イオンは、能動輸送によって胃壁細胞から分泌されます。
血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。(選択肢4) [誤り]
血中のグルコースは、インスリン依存性のグルコーストランスポーター(GLUT4)によって脂肪細胞に取り込まれます。エンドサイトーシスではありません。


生物|問 106-112  ■正答| 3
真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。

  2. 転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。

  3. 転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。

  4. 転写されたmRNAの5ʼ末端にはキャップ構造が、3ʼ末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。

  5. mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。


生物|問 106-112


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 真核細胞における転写の制御機構
この問題は、真核細胞における転写開始のプロセス、転写調節因子とヒストン修飾の関係、mRNAのプロセシングについて理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。(選択肢3) [誤り]
転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素 (HAT) を活性化しますが、これはクロマチンの凝縮を促進するのではなく、緩和することで転写を促進します。
■解説2|
真核細胞のDNAは、ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いてクロマチン構造をとっています。クロマチンの構造は、転写の活性に影響を与えます。
転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素 (HAT) をリクルートすることで、ヒストンのアセチル化を促進します。ヒストンのアセチル化は、クロマチン構造を緩めることで、転写開始複合体がプロモーターに結合しやすくなり、転写を活性化します。
■結論|
誤っている選択肢は、3です。
■補足|
基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。(選択肢1) [正しい]
プロモーターは、遺伝子の転写開始点の上流に位置するDNA領域であり、RNAポリメラーゼや基本転写因子群が結合して転写を開始するために必要です。
転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。(選択肢2) [正しい]
転写調節因子は、エンハンサーやサイレンサーといった特定のDNA配列に結合することで、転写を活性化または抑制します。
転写されたmRNAの5ʼ末端にはキャップ構造が、3ʼ末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。(選択肢4) [正しい]
mRNAの5'末端には、7-メチルグアノシン三リン酸 (m7Gppp) からなるキャップ構造が付加されます。また、3'末端には、アデニンヌクレオチドが複数付加されたポリA鎖が付加されます。これらの修飾は、mRNAの安定化や翻訳の効率化に寄与します。
mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。(選択肢5) [正しい]
mRNA前駆体から、スプライシングによってイントロンと呼ばれる非コード領域が除去され、エクソンと呼ばれるコード領域が連結されます。この過程は、スプライソソームと呼ばれるRNA-タンパク質複合体によって行われます。


■■GPT4o
■論点|真核細胞における転写の調節
この問題の論点は、真核細胞の転写過程に関する正しい知識を特定することです。
■解説1|
転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。(選択肢3) [誤り]
ヒストンアセチル化酵素(HAT)は、ヒストンをアセチル化してクロマチンを緩め、転写を活性化します。凝縮を促進するのはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)です。
■解説2|
基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。(選択肢1) [正しい]
プロモーターは転写開始点の近くに位置し、基本転写因子とRNAポリメラーゼの結合を介して転写を開始します。
転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。(選択肢2) [正しい]
転写調節因子はエンハンサーやサイレンサーといった特定のDNA配列に結合し、転写の活性化や抑制を行います。
転写されたmRNAの5ʼ末端にはキャップ構造が、3ʼ末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。(選択肢4) [正しい]
mRNAは転写後に5'キャップと3'ポリアデニル酸(ポリA)テールが付加され、これによって安定性が増し、翻訳が効率化されます。
mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。(選択肢5) [正しい]
スプライシングによってイントロンが除去され、エクソンが連結されることで成熟mRNAが形成されます。
■結論|
誤っている選択肢は、3です。
■補足|
基本転写因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。(選択肢1) [正しい]
プロモーターは転写開始のための重要な領域であり、RNAポリメラーゼの結合部位です。
転写調節因子は特定のDNA配列に結合し、転写を調節する。(選択肢2) [正しい]
これらの因子は、特定のDNA配列に結合し、転写の効率を調整します。
転写されたmRNAの5ʼ末端にはキャップ構造が、3ʼ末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。(選択肢4) [正しい]
5'キャップはmRNAの安定性と翻訳開始に重要な役割を果たし、3'ポリAテールはmRNAの安定性と核外輸送に関与します。
mRNAの成熟過程で、イントロンが除去される。(選択肢5) [正しい]
スプライシングによってイントロンが除去され、エクソンが連結されます。これにより、成熟mRNAが形成され、翻訳に使用されます。


生物|問 107-112  ■正答| 1 4
血小板に関わる分子についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。

  2. セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。

  3. アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP3)量を増加させ、血小板凝集を促進する。

  4. トロンボキサンA2は、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。

  5. プロスタグランジンI2は、血小板内のサイクリックAMP(CAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。


生物|問 107-112


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 血小板凝集に関わる分子とその役割
この問題は、血小板凝集に関与するセロトニン、ADP、トロンボキサンA2、プロスタグランジンI2といった分子について、それぞれの役割を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。(選択肢1) [正しい]
セロトニンは、血小板が活性化されると血小板内の顆粒から放出され、血管収縮を引き起こすことで、出血を抑制する効果があります。
トロンボキサンA2は、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。(選択肢4) [正しい]
トロンボキサンA2は、活性化された血小板から産生されるエイコサノイドの一種であり、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、さらに血小板を活性化することで凝集を促進します。
■解説2|
血小板は、血管内皮細胞が損傷を受けると、損傷部位に粘着し、活性化されます。活性化された血小板からは、様々な生理活性物質が放出され、さらに多くの血小板を活性化します。
このようなポジティブフィードバック機構によって、血小板は凝集塊を形成し、損傷部位を塞ぎます。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。(選択肢2) [誤り]
セロトニン自体は血小板凝集を促進する作用があります。ホスホジエステラーゼを活性化し、血小板凝集を抑制するのはプロスタサイクリン(プロスタグランジンI2)です。
アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP3)量を増加させ、血小板凝集を促進する。(選択肢3) [誤り]
ADPは、血小板膜上のADP受容体に結合することで、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、凝集を促進します。IP3濃度の上昇はトロンビンなど他の因子によって引き起こされます。
プロスタグランジンI2は、血小板内のサイクリックAMP(CAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。(選択肢5) [誤り]
プロスタグランジンI2は、血小板内のcAMP量を増加させることで、血小板凝集を抑制します。


■■GPT4o
■論点|血小板に関わる分子
この問題の論点は、血小板の活性化や凝集に関わる分子の機能と役割を理解することです。
■解説1|
セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。(選択肢1) [正しい]
血管が損傷すると、血小板が活性化され、セロトニンが放出されます。セロトニンは血管収縮を引き起こし、止血に寄与します。
トロンボキサンA2は、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。(選択肢4) [正しい]
トロンボキサンA2は血小板から放出され、血小板内のカルシウム濃度を上昇させて血小板凝集を促進します。
■解説2|
血小板から放出されるセロトニンは、血管収縮を引き起こすことで止血反応を助けます。また、血小板のさらなる活性化にも関与します。
トロンボキサンA2は、血小板の活性化と凝集の重要なメディエーターであり、アラキドン酸から合成されます。この物質は血小板のCa2+濃度を増加させることで血小板凝集を促進します。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。(選択肢2) [誤り]
セロトニンは血小板凝集を促進する役割があり、ホスホジエステラーゼを活性化することはありません。
アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP3)量を増加させ、血小板凝集を促進する。(選択肢3) [誤り]
ADPは確かに血小板凝集を促進しますが、IP3を直接増加させるのではなく、特定の受容体を介してその作用を発揮します。
プロスタグランジンI2は、血小板内のサイクリックAMP(CAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。(選択肢5) [誤り]
プロスタグランジンI2(PGI2)は実際には血小板内のcAMP量を増加させ、血小板凝集を抑制します。


生物|問 107-113  ■正答| 4 5
糖新生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。

  2. 主に骨格筋で起こる反応である。

  3. 律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。

  4. 糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。

  5. グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。


生物|問 107-113


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 糖新生の基質、律速酵素、ホルモンによる調節機構
この問題は、糖新生に関与する基質、律速酵素、ホルモンによる調節機構について、正しいものを選択できるかを問うものです。
■解説1|
糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。(選択肢4) [正しい]
糖新生において、オキサロ酢酸はミトコンドリアから細胞質に輸送された後、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ (PEPCK) によってホスホエノールピルビン酸に変換されます。
この反応では、GTPがGDPとリン酸に加水分解され、そのエネルギーが利用されます。
グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。(選択肢5) [正しい]
グルカゴンは、血糖値が低下した際に膵臓から分泌されるホルモンであり、肝臓において糖新生を促進することで血糖値を上昇させます。
グルカゴンは、PEPCK遺伝子の転写を活性化することで、PEPCK酵素の量を増やし、糖新生を促進します。
■解説2|
糖新生は、グルコース以外の物質からグルコースを合成する代謝経路であり、肝臓が主要な組織です。
糖新生は、飢餓時や激しい運動時など、グルコースの供給が不足した際に、血糖値を維持するために重要な役割を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。(選択肢1) [誤り]
脂肪酸は、アセチルCoAを介して糖新生に利用することはできません。
ロイシンは、糖新生に利用できないケト原性アミノ酸です。
グルタミン酸は糖新生に利用できますが、乳酸、アミノ酸(ケト原性アミノ酸以外), グリセロールが主な材料となります。
主に骨格筋で起こる反応である。(選択肢2) [誤り]
糖新生は主に肝臓で起こり、腎臓でもわずかに起こります。骨格筋では糖新生は起こりません。
律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。(選択肢3) [誤り]
PEPCKは、オキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸を生成します。ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成するのは、ピルビン酸カルボキシラーゼとPEPCKの連続した反応です。


■■GPT4o
■論点|糖新生の経路と調節
この問題の論点は、糖新生の経路とその調節メカニズムを理解することです。
■解説1|
糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。(選択肢4) [正しい]
糖新生の過程で、ホスホエノールピルビン酸(PEP)はホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)によって生成され、この反応にはGTPが使われます。
グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。(選択肢5) [正しい]
グルカゴンは、肝臓において糖新生を促進するホルモンであり、PEPCKの遺伝子発現を増加させて糖新生を活性化します。
■解説2|
糖新生は、肝臓や腎臓で主に行われる代謝経路で、エネルギー供給が必要なときに、非糖質からグルコースを生成します。
グルカゴンは空腹時に分泌され、糖新生を促進することで血糖値を維持します。PEPCKは糖新生の律速酵素であり、その活性が糖新生の速度を制御します。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。(選択肢1) [誤り]
糖新生は乳酸やグルタミンなどの非糖質からグルコースを生成しますが、脂肪酸とロイシンはグルコースに変換されません。
主に骨格筋で起こる反応である。(選択肢2) [誤り]
糖新生は主に肝臓と腎臓で起こり、骨格筋では行われません。
律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。(選択肢3) [誤り]
PEPCKはオキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸を生成します。ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸への変換には別の経路が必要です。


生物|問 109-113  ■正答| 3 5
骨組織及び骨代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 骨芽細胞は造血幹細胞に由来し、骨基質を分解する。

  2. 破骨細胞は、アルカリホスファターゼを分泌する。

  3. 副甲状腺ホルモンは、血漿中のCa2+濃度を上昇させる。

  4. カルシトニンは甲状腺ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を亢進する。

  5. 活性型ビタミンD3は、消化管からのCa2+吸収を促進する。


生物|問 109-113


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 骨組織の細胞、骨代謝の調節機構
この問題は、骨芽細胞と破骨細胞の機能、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、活性型ビタミンD3の骨代謝における役割を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
副甲状腺ホルモンは、血漿中のCa2+濃度を上昇させる。(選択肢3) [正しい]
副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度が低下したときに副甲状腺から分泌され、骨吸収を促進することで血中カルシウム濃度を上昇させます。
また、腎臓でのカルシウム再吸収促進と活性型ビタミンD3の産生促進作用も持ちます。
活性型ビタミンD3は、消化管からのCa2+吸収を促進する。(選択肢5) [正しい]
活性型ビタミンD3は、小腸におけるカルシウム吸収を促進することで、血中カルシウム濃度を上昇させます。
また、骨吸収を促進することで骨のリモデリングにも関与しています。
■解説2|
骨代謝は、骨吸収と骨形成という2つの過程がバランスをとりながら行われる動的なプロセスです。
骨吸収は、破骨細胞が骨基質を分解する過程であり、骨形成は、骨芽細胞が新たな骨基質を合成する過程です。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
骨芽細胞は造血幹細胞に由来し、骨基質を分解する。(選択肢1) [誤り]
骨芽細胞は、骨髄間質細胞に由来し、骨基質を合成・分泌することで骨形成を行います。骨基質を分解するのは破骨細胞です。
破骨細胞は、アルカリホスファターゼを分泌する。(選択肢2) [誤り]
アルカリホスファターゼは骨芽細胞から分泌される酵素であり、骨基質の石灰化を促進します。破骨細胞は、酸性ホスファターゼやカテプシンKなどの酵素を分泌し、骨基質を分解します。
カルシトニンは甲状腺ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を亢進する。(選択肢4) [誤り]
カルシトニンは、甲状腺の傍ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を抑制することで血中カルシウム濃度を低下させます。


■■GPT4o
■論点|骨組織及び骨代謝
この問題の論点は、骨組織の細胞と骨代謝を理解することです。
■解説1|
副甲状腺ホルモンは、血漿中のCa2+濃度を上昇させる。(選択肢3) [正しい]
副甲状腺ホルモン(PTH)は骨からカルシウムを放出させることで血中カルシウム濃度を上昇させます。また、腎臓でのカルシウム再吸収を促進し、ビタミンDの活性化を助けます。
活性型ビタミンD3は、消化管からのCa2+吸収を促進する。(選択肢5) [正しい]
活性型ビタミンD3(カルシトリオール)は、消化管からのカルシウムとリンの吸収を増加させることで血中カルシウム濃度を維持します。
■解説2|
副甲状腺ホルモンは、骨からカルシウムを動員するだけでなく、腎臓でのカルシウム再吸収を増加させ、腸管からのカルシウム吸収を増強するビタミンDの生成を促進します。
活性型ビタミンD3は腸管からのカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の健康維持と成長に重要な役割を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
骨芽細胞は造血幹細胞に由来し、骨基質を分解する。(選択肢1) [誤り]
骨芽細胞は間葉系幹細胞由来であり、骨基質を形成する細胞です。骨基質を分解するのは破骨細胞です。
破骨細胞は、アルカリホスファターゼを分泌する。(選択肢2) [誤り]
破骨細胞は骨を分解する細胞で、酸性フォスファターゼを分泌します。アルカリホスファターゼは骨形成を行う骨芽細胞が分泌します。
カルシトニンは甲状腺ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を亢進する。(選択肢4) [誤り]
カルシトニンは甲状腺の傍濾胞細胞から分泌され、骨吸収を抑制し、血中カルシウム濃度を低下させます。


生物|問 109-114  ■正答| 2 4
ケトン体に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。

  2. グルコースに代わるエネルギー源となる。

  3. 3-ヒドロキシ酪酸、a-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。

  4. 主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。

  5. 細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。


生物|問 109-114


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| ケトン体の産生、役割、代謝
この問題は、ケトン体の構成成分、産生部位、エネルギー源としての役割、分解経路、などを理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
グルコースに代わるエネルギー源となる。(選択肢2) [正しい]
ケトン体は、グルコースが不足した状態において、脳や筋肉などの組織でエネルギー源として利用されます。
特に、脳はグルコースを主なエネルギー源としますが、飢餓時などにはケトン体を利用することで、グルコースの消費を抑えます。
主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。(選択肢4) [正しい]
ケトン体は、主に肝臓のミトコンドリアで、脂肪酸のβ酸化によって産生されたアセチルCoAから合成されます。
合成されたケトン体は、血液中に放出され、肝臓以外の組織に運ばれます。
■解説2|
ケトン体は、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つの物質の総称です。
ケトン体は水溶性が高く、特別な輸送タンパク質を必要とせず、血液脳関門を通過することができます。
■結論|
正しい選択肢は、2と4です。
■補足|
アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。(選択肢1) [誤り]
ケトン体は、アセチルCoAから合成されます。マロニルCoAは脂肪酸の合成に関与する物質であり、ケトン体の合成には関与しません。
3-ヒドロキシ酪酸、a-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。(選択肢3) [誤り]
α-ケトグルタル酸は、TCA回路の中間体であり、ケトン体には含まれません。ケトン体は、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つです。
細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。(選択肢5) [誤り]
ケトン体は糖新生には利用されません。ケトン体は、肝臓以外の組織に取り込まれ、アセチルCoAに分解された後、TCA回路でエネルギー産生に利用されます。


■■GPT4o
■論点|ケトン体の生成と利用
この問題の論点は、ケトン体の生成過程とその生理的役割を理解することです。
■解説1|
グルコースに代わるエネルギー源となる。(選択肢2) [正しい]
ケトン体は、特に飢餓時や糖尿病時にグルコースの代替エネルギー源として重要です。脳や筋肉などで利用されます。
主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。(選択肢4) [正しい]
ケトン体は肝臓で脂肪酸から生成され、血流を通じて他の組織に運ばれ、エネルギー源として使用されます。
■解説2|
ケトン体は肝臓での脂肪酸代謝の産物であり、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3種類があります。これらはエネルギー不足時に代替エネルギーとして利用されます。
肝臓で生成されたケトン体は、脳、心筋、骨格筋などの組織で酸化されてエネルギーを供給します。特に長期間の飢餓時や糖尿病時に重要な役割を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、2と4です。
■補足|
アセチルCoAとマロニルCoAから産生される。(選択肢1) [誤り]
ケトン体はアセチルCoAから生成されますが、マロニルCoAは脂肪酸合成に関与し、ケトン体の生成には直接関与しません。
3-ヒドロキシ酪酸、a-ケトグルタル酸及びアセト酢酸の3つの分子を指す。(選択肢3) [誤り]
ケトン体は3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3種類です。α-ケトグルタル酸はクエン酸回路の中間体であり、ケトン体ではありません。
細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。(選択肢5) [誤り]
ケトン体は糖新生の原料にはなりません。エネルギー源として利用されますが、グルコースの合成には関与しません。


生物|問 106-115  ■正答| 3 5
糖及び糖鎖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1-リン酸が生じる。

  2. 哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。

  3. A型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。

  4. CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。

  5. ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。


生物|問 106-115


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 糖および糖鎖の構造と機能
この問題は、グリコーゲン代謝、糖タンパク質、ウイルス結合、糖鎖の多様性、ムコ多糖の特徴に関する理解を問うものです。
■解説1|
A型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。(選択肢3) [正しい]
A型インフルエンザウイルスは、その表面にあるヘマグルチニンが、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合することで感染します。
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。(選択肢5) [正しい]
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は、二糖単位の繰り返し構造をもつムコ多糖であり、多くの負電荷を持つポリアニオンとして細胞外マトリックスの構成成分となります。
■解説2|
糖鎖は、タンパク質や脂質に結合して、細胞接着、シグナル伝達、免疫反応など、様々な生命現象に関与しています。
ムコ多糖は、アミノ糖とウロン酸からなる二糖単位の繰り返し構造をもつ多糖類であり、細胞外マトリックスの主要な構成成分となります。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1-リン酸が生じる。(選択肢1) [正しい]
グリコーゲンホスホリラーゼはグリコーゲンの非還元末端からグルコース残基をリン酸分解によりグルコース1-リン酸として切り出す反応を触媒します。
哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。(選択肢2) [誤り]
N-結合型糖鎖は、アスパラギン残基のアミド基に付加されます。
CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。(選択肢4) [誤り]
CHO細胞は、糖鎖修飾能を持つ細胞ですが、産生される糖鎖は必ずしも均一ではなく、様々な糖鎖構造が混在していることがあります。


■■GPT4o
■論点|糖及び糖鎖
この問題の論点は、糖および糖鎖の構造と機能に関する知識です。
■解説1|
A型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。(選択肢3) [正しい]
A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンは、宿主細胞の表面にある糖鎖の末端に存在するシアル酸に特異的に結合します。この結合がウイルス感染の初期段階を担います。
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。(選択肢5) [正しい]
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸はグリコサミノグリカンと呼ばれ、繰り返し構造を持つ多糖であり、多数の陰電荷を持つためポリアニオンです。これらは結合組織の構成要素として重要な役割を果たします。
■解説2|
インフルエンザウイルスは、宿主細胞に感染するためにシアル酸に結合し、細胞への侵入を助けます。これはウイルスの感染メカニズムの一つです。
ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸は、構造的に繰り返し単位を持つため、結合組織の弾力性や強度を維持するのに役立ちます。これらのポリアニオン性は水分保持やクッション機能を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1-リン酸が生じる。(選択肢1) [誤り]
グリコーゲンホスホリラーゼは加リン酸分解を行い、グリコーゲンをグルコース1-リン酸に分解します。加水分解ではありません。
哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。(選択肢2) [誤り]
N-結合型糖鎖はアスパラギン残基に付加されます。
CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。(選択肢4) [誤り]
糖鎖は一般的に均一ではなく、異なる構造が付加されることが多いです。


生物|問 107-115  ■正答| 1 4
テロメアに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. テロメアは、染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列の繰り返し構造を含む。

  2. テロメアを開始点としてDNAが複製される。

  3. 生殖細胞系列の分裂時には、テロメアは短縮する。

  4. 多くのがん細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。

  5. テロメア伸長の鋳型として、tRNAが利用される。


生物|問 107-115


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| テロメアの構造、機能、テロメラーゼとの関係
この問題は、テロメアの構造と機能、細胞分裂との関連、がん細胞におけるテロメラーゼの役割を理解しているかを問うものです。
■解説1|
テロメアは、染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列の繰り返し構造を含む。(選択肢1) [正しい]
テロメアは、真核生物の染色体の末端に存在する構造であり、特定のDNA配列の繰り返し構造と、それに結合するタンパク質から構成されます。
多くのがん細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。(選択肢4) [正しい]
通常の体細胞では、細胞分裂のたびにテロメアは短縮していき、ある一定の短さに達すると細胞は分裂を停止します。
一方、がん細胞では、テロメラーゼと呼ばれる酵素が活性化しており、テロメアを伸長させることで細胞分裂を継続することができます。
■解説2|
テロメアは、染色体の末端を保護し、染色体同士の異常な結合や分解を防ぐ役割を担っています。
テロメラーゼは、テロメア特異的な逆転写酵素であり、自身の持つRNAを鋳型としてテロメアDNAを伸長します。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
テロメアを開始点としてDNAが複製される。(選択肢2) [誤り]
DNA複製は、染色体上に点在する複製起点から開始され、テロメアは複製起点ではありません。
生殖細胞系列の分裂時には、テロメアは短縮する。(選択肢3) [誤り]
生殖細胞では、テロメラーゼが活性化しており、テロメアの長さが維持されます。
テロメア伸長の鋳型として、tRNAが利用される。(選択肢5) [誤り]
テロメア伸長の鋳型となるのは、テロメラーゼ自身が持つRNAです。


■■GPT4o
■論点|テロメア
この問題の論点は、テロメアの構造と機能に関する知識です。
■解説1|
テロメアは、染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列の繰り返し構造を含む。(選択肢1) [正しい]
テロメアは染色体末端に位置し、TTAGGGの繰り返し配列を持つDNA構造で、染色体の安定性を維持し、末端の情報損失を防ぎます。
多くのがん細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。(選択肢4) [正しい]
テロメラーゼは、RNAを鋳型としてテロメアを延長する酵素で、多くのがん細胞ではテロメラーゼの活性が高く、無限増殖が可能になります。
■解説2|
テロメアの繰り返し配列は染色体末端の保護機能を果たし、細胞分裂の度に短縮しますが、テロメラーゼによって延長されることがあります。特に幹細胞やがん細胞でこの酵素の活性が高いです。
テロメラーゼの活性は通常の体細胞では低く、細胞分裂を繰り返すとテロメアが短縮し、細胞老化やアポトーシスが誘導されます。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
テロメアを開始点としてDNAが複製される。(選択肢2) [誤り]
DNA複製は染色体の内部から開始され、テロメアは複製の終端を保護する役割を果たします。
生殖細胞系列の分裂時には、テロメアは短縮する。(選択肢3) [誤り]
生殖細胞ではテロメラーゼの活性が高く、テロメアは短縮しません。
テロメア伸長の鋳型として、tRNAが利用される。(選択肢5) [誤り]
テロメラーゼの鋳型はテロメラーゼRNA(TERC)であり、tRNAではありません。


生物|問 108-115  ■正答| 1 5
原核細胞の遺伝子発現における転写と翻訳に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 遺伝子の転写と翻訳は同時進行が可能であり、転写が完結する前に翻訳が開始される。

  2. 翻訳開始コドンの直前には、シャイン・ダルガーノ(SD)配列が存在し、リボソームの60Sサブユニットが結合する。

  3. 翻訳は、mRNAの3ʼ末端側から5ʼ末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はC末端側からN末端側へと合成される。

  4. アミノアシルtRNAは、コドンを含むtRNAの3ʼ末端に、mRNA上のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合している。

  5. オペロンとして隣り合う一群の遺伝子は1本のmRNA(ポリシストロニックmRNA)に転写され、複数のタンパク質に翻訳される。


生物|問 108-115


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 原核細胞における転写と翻訳の連関と機構
この問題は、原核細胞における転写と翻訳の過程、特に両者の連関性、翻訳開始機構、翻訳方向、ポリシストロニックmRNAについて理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
遺伝子の転写と翻訳は同時進行が可能であり、転写が完結する前に翻訳が開始される。(選択肢1) [正しい]
原核細胞では、核膜が存在しないため、転写と翻訳は細胞質で同時進行します。転写が進行するにつれて、合成中のmRNAにリボソームが結合し、翻訳が開始されます。
オペロンとして隣り合う一群の遺伝子は1本のmRNA(ポリシストロニックmRNA)に転写され、複数のタンパク質に翻訳される。(選択肢5) [正しい]
原核細胞のmRNAには、複数の遺伝子の情報を含むポリシストロニックmRNAが存在します。
ポリシストロニックmRNAは、複数の翻訳開始点を持つため、1本のmRNAから複数のタンパク質が合成されます。
■解説2|
原核細胞の翻訳開始には、リボソームの小サブユニットがmRNAの開始コドンであるAUGの上流に位置するシャイン・ダルガーノ配列に結合することが必要です。
ポリシストロニックmRNAは、機能的に関連する遺伝子がまとまっていることが多く、遺伝子発現の効率化に役立っています。
■結論|
正しい選択肢は、1と5です。
■補足|
翻訳開始コドンの直前には、シャイン・ダルガーノ(SD)配列が存在し、リボソームの60Sサブユニットが結合する。(選択肢2) [誤り]
リボソームの小サブユニット(30Sサブユニット)がシャイン・ダルガーノ配列に結合します。その後、開始tRNAを結合したリボソーム大サブユニット(50Sサブユニット)が結合し、翻訳が開始されます。
翻訳は、mRNAの3ʼ末端側から5ʼ末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はC末端側からN末端側へと合成される。(選択肢3) [誤り]
翻訳は、mRNAの5'末端側から3'末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はN末端側からC末端側へと合成されます。
アミノアシルtRNAは、コドンを含むtRNAの3ʼ末端に、mRNA上のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合している。(選択肢4) [誤り]
アミノアシルtRNAは、tRNAの3'末端に、アンチコドンに対応したアミノ酸が結合しています。mRNA上のコドンとtRNA上のアンチコドンは、相補的に結合します。


■■GPT4o
■論点|原核細胞の遺伝子発現における転写と翻訳
この問題の論点は、原核細胞における遺伝子発現のメカニズム、具体的には転写と翻訳の同時進行性とその構造的特徴を特定することです。
■解説1|
遺伝子の転写と翻訳は同時進行が可能であり、転写が完結する前に翻訳が開始される。(選択肢1) [正しい]
原核細胞(例えば細菌)では、遺伝子の転写と翻訳が同時に起こることが可能です。転写が進行中のmRNAがリボソームにより即座に翻訳され始めるためです【参考資料1】。
このプロセスは、原核細胞の遺伝情報の迅速な発現とタンパク質合成を可能にします。
オペロンとして隣り合う一群の遺伝子は1本のmRNA(ポリシストロニックmRNA)に転写され、複数のタンパク質に翻訳される。(選択肢5) [正しい]
原核細胞では、関連する複数の遺伝子がオペロンという単位として1つのプロモーターから1本のmRNAに転写されます。このmRNAはポリシストロニックで、複数の翻訳開始部位を持ち、それぞれが異なるタンパク質に翻訳されます【参考資料2】。
このメカニズムにより、関連するタンパク質が同時に合成されるため、細胞の機能が効率的に調整されます。
■解説2|
遺伝子の転写と翻訳が同時進行することは、原核細胞の迅速な応答能力を支えます。mRNAが合成されると同時にリボソームが結合し、翻訳が開始されるため、タンパク質の生成速度が高まります。
オペロンの概念は、原核細胞の遺伝子発現の調整において重要です。例えば、大腸菌のlacオペロンは、ラクトースの存在に応じて複数の酵素が一括して合成されるシステムを提供します。
■結論|
正しい選択肢は、1と5です。
■補足|
2. 翻訳開始コドンの直前には、シャイン・ダルガーノ(SD)配列が存在し、リボソームの60Sサブユニットが結合する。(選択肢2) [誤り]
シャイン・ダルガーノ配列は真核細胞ではなく原核細胞の特徴であり、原核細胞のリボソームの30Sサブユニットに結合します。60Sサブユニットは真核細胞のリボソームの一部です【参考資料3】。
翻訳は、mRNAの3ʼ末端側から5ʼ末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はC末端側からN末端側へと合成される。(選択肢3) [誤り]
翻訳はmRNAの5ʼ末端から3ʼ末端に向かって進行し、ペプチド鎖はN末端からC末端に合成されます【参考資料4】。
アミノアシルtRNAは、コドンを含むtRNAの3ʼ末端に、mRNA上のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合している。(選択肢4) [誤り]
アミノアシルtRNAはmRNA上のコドンに対するアンチコドンを持ち、その3ʼ末端に対応するアミノ酸を結合しています【参考資料5】。
■参考資料|

  1. Lodish H, Berk A, Kaiser CA, et al. Molecular Cell Biology. W.H. Freeman; 2016.

  2. Alberts B, Johnson A, Lewis J, et al. Molecular Biology of the Cell. Garland Science; 2015.

  3. Lewin B. Genes XII. Jones and Bartlett Learning; 2017.

  4. Watson JD, Baker TA, Bell SP, et al. Molecular Biology of the Gene. Pearson; 2013.

  5. Berg JM, Tymoczko JL, Gatto GJ, Stryer L. Biochemistry. W.H. Freeman; 2015.


生物|問 108-116  ■正答| 3 4
リソソーム及びプロテアソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。

  2. エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。

  3. プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。

  4. プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。

  5. プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。


生物|問 108-116


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| リソソームとプロテアソームによるタンパク質分解
この問題は、細胞内におけるタンパク質分解を担う、リソソームとプロテアソームの構造、機能、役割の違いを理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。(選択肢3) [正しい]
プロテアソームは、細胞質や核内に存在するタンパク質分解酵素複合体です。不要になったタンパク質や異常な構造を持つタンパク質にユビキチンが結合することで、プロテアソームによる分解の標的となります。
プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。(選択肢4) [正しい]
ウイルスに感染した細胞では、ウイルス由来のタンパク質がプロテアソームで分解され、その断片がMHCクラスI分子によって細胞表面に提示されます。
キラーT細胞は、MHCクラスI分子に提示されたウイルス由来のペプチド断片を認識することで、感染細胞を攻撃します。
■解説2|
リソソームは、細胞内外の物質を分解する役割を持つオルガネラであり、その内部には多様な加水分解酵素が含まれています。
プロテアソームは、細胞内のタンパク質の品質管理に重要な役割を果たしており、異常なタンパク質の蓄積を防いでいます。
■結論|
正しい選択肢は、3と4です。
■補足|
リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。(選択肢1) [誤り]
リソソーム内部は酸性 (pH 4.5-5.5) に保たれており、酸性条件下で働く加水分解酵素を含んでいます。
エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。(選択肢2) [誤り]
エンドサイトーシスされた物質は、エンドソームを経てリソソームに運ばれ分解されますが、この過程でATPは直接的には関与しません。
プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。(選択肢5) [誤り]
オートファジーは、細胞内の不要なタンパク質やオルガネラを分解する仕組みですが、オートファゴソーム内でタンパク質を分解するのはリソソームです。


■■GPT4o
■論点|リソソーム及びプロテアソームの機能と役割
この問題の論点は、リソソームとプロテアソームの機能とそれぞれの細胞内での役割を特定することです。
■解説1|
3. プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。(選択肢3) [正しい]
プロテアソームは、細胞内の不要または損傷したタンパク質を分解する巨大な筒状の複合体です。ポリユビキチン化されたタンパク質を識別して分解する機能を持っています【参考資料6】。
4. プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。(選択肢4) [正しい]
プロテアソームは、ウイルス感染細胞内でウイルス由来のタンパク質を分解し、その断片をMHCクラスI分子に結合させて細胞表面に提示します。これにより、キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)が感染細胞を認識し、破壊することができます【参考資料7】。
■解説2|
プロテアソームの機能は細胞の恒常性維持に不可欠です。細胞内のタンパク質の質を管理し、異常なタンパク質を迅速に除去することで、細胞の健康を保ちます。
プロテアソームは、免疫応答においても重要な役割を果たします。特に、ウイルス感染細胞のタンパク質を分解し、その断片を抗原として提示するプロセスは、適応免疫系の一部として機能します。
■結論|
正しい選択肢は、3と4です。
■補足|

  1. リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。(選択肢1) [誤り]
    リソソームの内部は酸性です。この酸性環境は、リソソーム内の加水分解酵素が最適に機能するために必要です【参考資料8】。

  2. エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。(選択肢2) [誤り]
    リソソームによる分解は主に酸性加水分解酵素によって行われ、ATPは主に物質の輸送に関与しますが、分解そのものはATP依存的ではありません【参考資料9】。

  3. プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。(選択肢5) [誤り]
    プロテアソームとオートファジーは異なる経路で機能します。プロテアソームは主にユビキチンプロテアソームシステムを介してタンパク質を分解し、オートファジーはリソソームを介したタンパク質や細胞小器官の分解を行います【参考資料10】。
    ■参考資料|

  4. Goldberg AL. Protein degradation and protection against misfolded or damaged proteins. Nature. 2003.

  5. Rock KL, Goldberg AL. Degradation of cell proteins and the generation of MHC class I-presented peptides. Annu Rev Immunol. 1999.

  6. De Duve C. The lysosome. Sci Am. 1963.

  7. Klions


生物|問 106-117  ■正答| 1 4
免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟B細胞となる。

  2. 樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHCクラスIIによる抗原提示をしない。

  3. キラーT細胞は、MHCクラスIIにより提示された抗原をT細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。

  4. ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生する。

  5. CD8分子を表面に有する成熟T細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。


生物|問 106-117


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 免疫担当細胞の発生、分化、機能
この問題は、B細胞、樹状細胞、キラーT細胞、ナチュラルキラー細胞の特徴と機能、CD8陽性T細胞のサブセットを理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟B細胞となる。(選択肢1) [正しい]
B細胞は、骨髄において造血幹細胞から分化し、抗体遺伝子の再編成を経て抗原特異性を獲得します。その後、脾臓やリンパ節などの二次リンパ器官に移動し、抗原に出会うことで活性化され、抗体を産生する形質細胞へと分化します。
ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロンc(IFN-γ)を産生する。(選択肢4) [正しい]
ナチュラルキラー細胞 (NK細胞) は、自然免疫において重要な役割を果たすリンパ球であり、MHCクラスI分子を発現していない細胞や、抗体で覆われた細胞を認識して細胞傷害活性を示します。
また、NK細胞はIFN-γなどのサイトカインを産生することで、他の免疫細胞の活性化にも貢献します。
■解説2|
免疫系は、体内に侵入した病原体や異常な細胞から生体を防御するシステムであり、自然免疫と獲得免疫の2つの機構からなります。
自然免疫は、病原体に対する初期防御を担い、NK細胞、マクロファージ、樹状細胞などが関与します。一方、獲得免疫は、特定の病原体に対して特異的に作用し、B細胞とT細胞が中心的な役割を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHCクラスIIによる抗原提示をしない。(選択肢2) [誤り]
樹状細胞は、MHCクラスII分子を発現しており、抗原提示細胞として、ヘルパーT細胞に抗原を提示します。
キラーT細胞は、MHCクラスIIにより提示された抗原をT細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。(選択肢3) [誤り]
キラーT細胞は、MHCクラスI分子によって提示された抗原をT細胞受容体で認識します。MHCクラスII分子に提示された抗原を認識するのはヘルパーT細胞です。
CD8分子を表面に有する成熟T細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。(選択肢5) [誤り]
CD8陽性T細胞は、主に細胞傷害活性を持つ細胞毒性T細胞(キラーT細胞)へと分化します。Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞は、CD4陽性ヘルパーT細胞のサブセットです。


■■GPT4o
■論点|免疫担当細胞の発生・機能・役割
この問題の論点は、免疫担当細胞の発生・機能・役割を特定し、その正確な生理学的プロセスと特徴を理解することです。
■解説1|
B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟B細胞となる。(選択肢1) [正しい]
B細胞は骨髄で発生・分化し、抗体遺伝子の再編成(V(D)J組換え)を経て機能的なB細胞受容体を持つようになります。
このプロセスを経た後、B細胞は二次リンパ器官(例えば、脾臓やリンパ節)に移動して成熟し、抗原に対する応答を準備します【参考資料1】。
ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生する。(選択肢4) [正しい]
ナチュラルキラー(NK)細胞は自然免疫の一部として、感染細胞や腫瘍細胞を直接殺傷する能力を持つリンパ球です。
NK細胞は細胞傷害活性を持つだけでなく、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生し、他の免疫細胞の活動を調整します【参考資料2】。
■解説2|
B細胞の成熟は骨髄での発生から始まり、その後、抗体の多様性を生み出す遺伝子再編成を経て行われます。このプロセスにより、さまざまな抗原に対応する多様な抗体が生成されます。
NK細胞は自然免疫系の一部として迅速な応答を行い、感染初期の防御に重要です。さらに、IFN-γの産生により、適応免疫系の活性化を助ける役割も果たします。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHCクラスIIによる抗原提示をしない。(選択肢2) [誤り]
樹状細胞はMHCクラスII分子を介して抗原を提示し、T細胞の活性化に重要な役割を果たします【参考資料3】。
キラーT細胞は、MHCクラスIIにより提示された抗原をT細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。(選択肢3) [誤り]
キラーT細胞(細胞傷害性T細胞、CTL)はMHCクラスI分子を介して抗原を認識し、感染細胞や腫瘍細胞を破壊します。MHCクラスII分子はヘルパーT細胞に抗原を提示します【参考資料4】。
CD8分子を表面に有する成熟T細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。(選択肢5) [誤り]
CD8陽性T細胞は主に細胞傷害性T細胞(CTL)として機能します。Th1、Th2、Th17細胞はCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)のサブセットであり、異なるサイトカインを産生します【参考資料5】。


■参考資料|

  1. Janeway CA, Travers P, Walport M, Shlomchik MJ. Immunobiology. Garland Science; 2016.

  2. Vivier E, Tomasello E, Baratin M, Walzer T, Ugolini S. Functions of natural killer cells. Nat Immunol. 2008.

  3. Banchereau J, Steinman RM. Dendritic cells and the control of immunity. Nature. 1998.

  4. Zinkernagel RM, Doherty PC. The discovery of MHC restriction. Immunol Today. 1997.

  5. Mosmann TR, Cherwinski H, Bond MW, Giedlin MA, Coffman RL. Two types of murine helper T cell clone. I. Definition according to profiles of lymphokine activities and secreted proteins. J Immunol. 1986.


生物|問 107-117  ■正答| 1 5
ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 骨髄では、造血幹細胞が分裂している。

  2. 胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。

  3. リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。

  4. 肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。

  5. 小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。


生物|問 107-117


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| ヒトの免疫組織とその機能、免疫細胞の分化と成熟
この問題は、骨髄、胸腺、リンパ節、肝臓、パイエル板などの免疫組織の機能と、それらの組織で起こる免疫細胞の分化や成熟、免疫応答について理解しているかを問うものです。
■解説1|
骨髄では、造血幹細胞が分裂している。(選択肢1) [正しい]
骨髄は、血液細胞の産生を行う場であり、全ての血液細胞の起源となる造血幹細胞が存在します。造血幹細胞は、骨髄内で自己複製を行うとともに、リンパ球系幹細胞と骨髄系幹細胞へと分化します。
小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。(選択肢5) [正しい]
パイエル板は、小腸の粘膜に存在するリンパ組織であり、腸管免疫において重要な役割を果たします。M細胞は、パイエル板のspecialized 上皮細胞であり、腸管内腔から抗原を取り込み、その下にある免疫細胞に提示します。
■解説2|
免疫系は、全身に分布する免疫組織と、それらの間を循環する免疫細胞から構成されています。
免疫組織は、免疫細胞の分化、成熟、活性化の場を提供し、免疫応答の誘導と制御に重要な役割を果たします。
■結論|
正しい選択肢は、1と5です。
■補足|
胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。(選択肢2) [誤り]
胸腺で正の選択と負の選択を受けるのはT細胞です。B細胞は骨髄で分化し、抗原刺激を受けて形質細胞へと分化します。
リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。(選択肢3) [誤り]
リンパ節において、抗原提示を行うのは樹状細胞です。高内皮細静脈 (HEV) からリンパ節に移動してきたT細胞は、樹状細胞から抗原提示を受けます。
肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。(選択肢4) [誤り]
肝臓は、老化した赤血球の除去や、血液中の異物の処理などを行います。血液中の抗原に対する免疫応答は、主に脾臓やリンパ節で行われます。


■■GPT4o
■論点|免疫系の組織と細胞の機能と役割
この問題の論点は、免疫系の主要な組織と細胞の機能および役割を特定することです。
■解説1|
骨髄では、造血幹細胞が分裂している。(選択肢1) [正しい]
骨髄は造血幹細胞の主要な分裂・分化の場です。造血幹細胞は血液細胞のすべての系統に分化する能力を持ちます【参考資料6】。
小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。(選択肢5) [正しい]
パイエル板は小腸に存在するリンパ組織で、M細胞を介して抗原を取り込み、局所的な免疫応答を誘導します【参考資料7】。
■解説2|
骨髄では、造血幹細胞が継続的に分裂し、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞に分化します。このプロセスは体内の血液供給を維持するために不可欠です。
パイエル板のM細胞は、消化管内の抗原を捕捉して輸送し、免疫応答を開始します。これにより、小腸での局所的な免疫防御が強化されます。
■結論|
正しい選択肢は、1と5です。
■補足|
胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。(選択肢2) [誤り]
胸腺での正の選択と負の選択はT細胞のプロセスであり、B細胞ではありません。B細胞は骨髄で発生・分化し、形質細胞へと分化するのは二次リンパ器官です【参考資料8】。
リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。(選択肢3) [誤り]
リンパ節で抗原提示を行うのは樹状細胞であり、T細胞は提示された抗原を認識します【参考資料9】。
肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。(選択肢4) [誤り]
老化した赤血球の除去は主に脾臓の役割です。肝臓は解毒や代謝に関与しますが、主な免疫応答は他のリンパ組織で行われます【参考資料10】。
■参考資料|
6. Orkin SH, Zon LI. Hematopoiesis: an evolving paradigm for stem cell biology. Cell. 2008.
7. Mowat AM, Agace WW. Regional specialization within the intestinal immune system. Nat Rev Immunol. 2014.
8. Kondo M, Weissman IL, Akashi K. Identification of clonogenic common lymphoid progenitors in mouse bone marrow. Cell. 1997.
9. Steinman RM, Hemmi H. Dendritic cells: translating innate to adaptive immunity. Curr Top Microbiol Immunol. 2006.
10. Old J. The reticuloendothelial system: an overview. Biochem Soc Trans. 1981.


生物|問 109-117  ■正答| 4
抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。

  2. 最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。

  3. クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。

  4. すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。

  5. クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。


生物|問 109-117


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 抗体クラススイッチのメカニズム
この問題は、抗体クラススイッチが遺伝子レベルでの変化によって起こる現象であり、RNAスプライシングとは異なることを理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。(選択肢4) [誤り]
抗体クラススイッチは、DNAレベルでの遺伝子の再編成によって起こります。B細胞の抗体遺伝子座では、クラススイッチ組換えと呼ばれる機構によって、定常領域をコードする遺伝子が切り換えられ、異なるクラスの抗体が産生されます。
■解説2|
抗体クラススイッチは、抗原刺激を受けたB細胞が、T細胞からのシグナルやサイトカインなどの影響を受けて起こります。
クラススイッチによって、抗体のエフェクター機能が変化し、より効果的に病原体を排除できるようになります。例えば、IgMは初期免疫応答において重要な役割を果たし、IgGは血清中に長く存在し、胎盤通過能を持つなど、様々な免疫応答に関与します。
■結論|
誤っている選択肢は、4です。
■補足|
クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。(選択肢1) [正しい]
クラススイッチは、抗体可変領域の遺伝子再編成によって抗原特異性を獲得した後に起こります。
最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。(選択肢2) [正しい]
抗原刺激を受けたB細胞は、最初にIgMを産生します。
クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。(選択肢3) [正しい]
クラススイッチは、抗体重鎖の定常領域をコードする遺伝子の切り換えによって起こります。
クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。(選択肢5) [正しい]
クラススイッチは、T細胞由来のサイトカインや細胞表面分子からのシグナルによって制御されます。


■■GPT4o
■論点|抗体のクラススイッチ
この問題の論点は、抗体のクラススイッチに関する基本的な知識を特定することです。
■解説1|

  1. クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。(選択肢1)[正しい]
    クラススイッチは、B細胞が抗体の可変部を持つままで異なるクラス(IgM, IgG, IgA, IgE, IgD)の抗体を産生できるようにするプロセスです。
    この過程は、抗体の可変部の遺伝子再編成(V(D)J再編成)が完了した後に生じます。

  2. 最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。(選択肢2)[正しい]
    B細胞が初めて抗原に反応すると、最初にIgM抗体を産生します。IgMは初期免疫応答において重要な役割を果たします。

  3. クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。(選択肢3)[正しい]
    クラススイッチは抗体の定常領域(C領域)に影響を与えます。この定常領域は抗体の重鎖に存在します。

  4. すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。(選択肢4)[誤り]
    クラススイッチはDNAレベルでの再編成に基づくものであり、RNAの選択的スプライシングではありません。

  5. クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。(選択肢5)[正しい]
    クラススイッチは、T細胞とB細胞の相互作用およびサイトカインの影響によって誘導されます。例えば、インターフェロン-γはIgGのクラススイッチを誘導します。
    ■解説2|
    抗体のクラススイッチは、特定の抗体クラスを必要とする免疫応答を調整するための重要な機構です。このプロセスは、B細胞が異なる機能を持つ抗体を産生できるようにするために、DNAレベルでの遺伝子再編成を伴います。選択的スプライシングはRNAプロセシングの段階で起こるため、クラススイッチの機構とは異なります。
    ■結論|
    正しい選択肢は、4です。
    ■補足|
    選択肢1:クラススイッチは抗体可変部の遺伝子再編成の後に生じます。これは正しいです。
    選択肢2:最初に産生される抗体のクラスはIgMであり、これは正しいです。
    選択肢3:クラススイッチにより変化する領域は重鎖に存在し、これは正しいです。
    選択肢5:クラススイッチはT細胞との相互作用やサイトカインにより制御されます。これも正しいです。
    クラススイッチはRNAの選択的スプライシングによるものではなく、DNAレベルの遺伝子再編成に基づくため、選択肢4が誤りです。


生物|問 106-118  ■正答| 4 5
滅菌・殺菌・消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。

  2. マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45μmのフィルターでろ過する。

  3. 輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。

  4. 芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。

  5. 傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。


生物|問 106-118


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 滅菌、殺菌、消毒の違いと具体的な方法
この問題は、微生物の制御方法である滅菌、殺菌、消毒の違いを理解し、それぞれの目的に適した方法を選択できるかどうかを問うものです。
■解説1|
芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。(選択肢4) [正しい]
グルタラールは、強力な殺菌消毒薬であり、芽胞を形成する菌に対しても有効です。内視鏡のような複雑な構造を持つ医療機器の消毒に広く用いられています。
傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。(選択肢5) [正しい]
ポビドンヨードは、ヨウ素を含む消毒薬であり、広範囲の微生物に対して殺菌作用を示します。皮膚の消毒や手術部位の消毒に広く用いられています。
■解説2|
滅菌とは、全ての微生物を完全に死滅または除去することです。
殺菌とは、特定の微生物を殺滅することですが、芽胞は殺菌できない場合があります。
消毒とは、病原性のある微生物を減らし、感染のリスクを減らすことです。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。(選択肢1) [誤り]
高周波の電磁波による滅菌は、電子レンジなどにも利用されていますが、金属製医療機器の滅菌には適していません。金属に電磁波が吸収され、発火したり、機器が故障したりする可能性があります。乾熱滅菌やオートクレーブ滅菌が一般的です。
マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45μmのフィルターでろ過する。(選択肢2) [誤り]
マイコプラズマは、細菌の中でも非常に小さく、0.45μmのフィルターを通過してしまう可能性があります。マイコプラズマの除去には、より孔径の小さいフィルター(0.2μm以下)を使用する必要があります。
輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。(選択肢3) [誤り]
過酸化水素低温プラズマ滅菌は、滅菌方法の一種ですが、主に耐熱性の低い医療機器や材料の滅菌に用いられます。輸液チューブのような耐熱性のあるものは、オートクレーブ滅菌が一般的です。


■■GPT4o
■論点|滅菌・殺菌・消毒の方法と適用範囲
この問題の論点は、滅菌、殺菌、および消毒の方法とその適用範囲に関する知識を特定することです。
■解説1|
芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。(選択肢4) [正しい]
グルタラールは、高水準消毒剤として広く用いられており、芽胞を含む多くの微生物に対して有効です。
内視鏡のようなデリケートな医療機器には、強力でありながらも器具に損傷を与えにくいグルタラールが適しています。
傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。(選択肢5) [正しい]
ポビドンヨードは、ヨウ素を放出して広範な抗菌活性を持ち、傷口や手術部位の消毒に適しています。
その優れた抗菌スペクトルと低い毒性により、外科的および一般的な皮膚の消毒に広く使用されています。
■解説2|
グルタラールはアルデヒド系の消毒剤で、タンパク質や核酸と反応して微生物を殺菌します。特に芽胞を形成する菌に対する効果が高いです。
ポビドンヨードは、ヨウ素が徐々に放出されることで長時間にわたって抗菌効果を発揮し、広範囲の病原体に対して有効です。手術前の皮膚消毒に使用される理由は、強力な消毒作用と皮膚への安全性です。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。(選択肢1) [誤り]
高周波の電磁波(例えばマイクロ波)は、滅菌には適していません。通常、オートクレーブやガス滅菌が使用されます。
マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45μmのフィルターでろ過する。(選択肢2) [誤り]
マイコプラズマは非常に小さく、0.45μmフィルターでは除去できません。0.22μmのフィルターが必要です。
輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。(選択肢3) [誤り]
過酸化水素低温プラズマ滅菌は多くの医療機器に有効ですが、輸液チューブのような内部に液体があるものには適用しにくいです。


生物|問 108-118  ■正答| 2 5
細菌の抗菌薬耐性化には種々の遺伝子もしくはその産物が関わっている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの増加は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。

  2. 腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。

  3. リファンピシン耐性菌では、DNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。

  4. カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をリン酸化する酵素として働き、RNAポリメラーゼへの結合を消失させるものがある。

  5. Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。


生物|問 108-118


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 細菌の抗菌薬耐性機構
この問題の論点は、細菌における抗菌薬耐性機構として、薬剤の作用標的の変化、薬剤の不活性化、薬剤の排出などのメカニズムを理解し、具体的な遺伝子や産物の働きと関連づけて説明できるかどうかを問うものです。
■解説1|
腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。(選択肢2) [正しい]
バンコマイシンは、グラム陽性菌の細胞壁ペプチドグリカン合成を阻害する抗菌薬ですが、VanA耐性遺伝子を持つ腸球菌は、VanAがコードする酵素によってペプチドグリカンの構造を変化させることで、バンコマイシンの結合を阻害し、耐性を獲得しています。
Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。(選択肢5) [正しい]
薬剤排出タンパク質は、抗菌薬を細胞外に排出することで、細胞内の薬剤濃度を低下させ、耐性を発揮します。
このような薬剤排出タンパク質の遺伝子は、Rプラスミドなどの伝達性因子に存在することが多く、接合伝達によって他の細菌に伝播するため、多剤耐性化の一因となります。
■解説2|
細菌は、抗菌薬に対して、薬剤の作用標的の変化、薬剤の不活性化、薬剤の排出、薬剤への透過性の低下といった様々な機構で耐性を獲得することがあります。
薬剤耐性遺伝子は、薬剤耐性を担う遺伝子であり、変異によって新たに獲得されたり、他の細菌から伝達されたりすることで、細菌は耐性を獲得します。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの減少は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。(選択肢1) [誤り]
ポーリンは、グラム陰性菌の外膜に存在するタンパク質であり、薬剤などの低分子化合物を透過させる役割を担っています。
ポーリンの量が減少したり、構造が変化したりすると、薬剤の細胞内への透過性が低下し、耐性化につながることがあります。
リファンピシン耐性菌では、RNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。(選択肢3) [誤り]
リファンピシンは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し、RNA合成を阻害する抗菌薬ですが、リファンピシン耐性菌では、RNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、リファンピシンが結合できなくなり、耐性を獲得します。
カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をアセチル化する酵素として働き、リボソームへの結合を消失させるものがある。(選択肢4) [誤り]
カナマイシンは、細菌のリボソームに結合し、タンパク質合成を阻害する抗菌薬ですが、カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、カナマイシンをアセチル化する酵素として働き、リボソームへの結合を阻害することで、耐性を発揮するものがあります。


■■GPT4o
■論点|抗菌薬耐性遺伝子とその機構
この問題の論点は、細菌の抗菌薬耐性化に関与する遺伝子やその産物の役割を特定することです。
■解説1|
腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。(選択肢2) [正しい]
VanA遺伝子の産物は、ペプチドグリカンの前駆体を修飾してバンコマイシンの結合を阻止し、抗菌薬耐性を獲得します。
Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。(選択肢5) [正しい]
Rプラスミドは、耐性遺伝子を運ぶプラスミドで、薬物排出ポンプをコードする遺伝子も含まれ、多剤耐性に寄与します。
薬物排出ポンプは、細菌内に入った抗菌薬を排出し、効果を低減させることで耐性を示します。
■解説2|
VanA遺伝子は、D-アラニン-D-アラニン末端をD-アラニン-D-乳酸に変換する酵素をコードし、バンコマイシンの結合を阻止します。この代替経路は、グリコペプチド系抗菌薬の作用を無効化します。
Rプラスミドは、水平遺伝子伝達を通じて耐性遺伝子を拡散させます。これにより、複数の抗菌薬に対する耐性が一度に獲得され、多剤耐性菌が形成されます。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの増加は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。(選択肢1) [誤り]
ポーリンの増加ではなく、減少や変異がカルバペネム耐性に関与します。
リファンピシン耐性菌では、DNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。(選択肢3) [誤り]
実際には、RNAポリメラーゼ遺伝子の変異がリファンピシン耐性に関連しています。
カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をリン酸化する酵素として働き、RNAポリメラーゼへの結合を消失させるものがある。(選択肢4) [誤り]
カナマイシン耐性は、RNAポリメラーゼではなく、アミノグリコシド修飾酵素によるリン酸化が主な耐性機構です。


生物|問 109-118  ■正答| 3 5
炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。

  2. 補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。

  3. P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。

  4. Toll様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。

  5. 炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。


生物|問 109-118


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 炎症反応に関わる細胞と分子、急性炎症の特徴
この問題の論点は、炎症反応における血管透過性亢進と白血球遊走、急性期タンパク質の役割を理解し、炎症に関わる細胞や分子の機能と関連づけて説明できるかどうかを問うものです。
■解説1|
P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。(選択肢3) [正しい]
炎症が起こると、血管内皮細胞の表面にP-セレクチンなどの接着分子が発現します。
これらの接着分子は、白血球表面の分子と結合し、白血球が血管内皮細胞に接着し、炎症部位へ遊走することを促進します。
炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。(選択肢5) [正しい]
C反応性タンパク質 (CRP) は、炎症が起こると、肝臓で産生が亢進する急性期タンパク質の代表的なものです。
CRPは、細菌や損傷を受けた細胞に結合し、補体活性化や食作用を促進することで、炎症反応の増強に関与します。
■解説2|
炎症は、感染や組織の損傷などが起こったときに、生体が病原体や損傷因子を排除し、組織を修復しようとする生体防御反応です。
炎症反応では、発熱、発赤、腫脹、疼痛、機能障害といった症状が現れます。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
発赤は、炎症の兆候の一つで、血管拡張により血流量が増加することで起こる。(選択肢1) [誤り]
発赤は、炎症の兆候の一つで、血管拡張により局部の血流量が増加することで起こります。赤血球の血管外遊出は、炎症の程度が強い場合にみられることがあります。
補体成分のC3aとC5aは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。(選択肢2) [誤り]
補体成分のC3aとC5aは、アナフィラトキシンとして知られており、肥満細胞からのヒスタミン遊離を促進します。
Toll様受容体は、主に自然免疫系において、病原体などの認識に関わる受容体である。(選択肢4) [誤り]
Toll様受容体 (TLR) は、自然免疫系において、病原体に特徴的な分子パターンを認識する受容体であり、炎症反応の開始に重要な役割を果たします。線維芽細胞の活性化は、主に炎症後期に、組織修復に関わる過程で起こります。


■■GPT4o
■論点|炎症反応のメカニズムと関連因子
この問題の論点は、炎症反応に関与するメカニズムおよび関連因子の正確な理解を特定することです。
■解説1|
P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。(選択肢3) [正しい]
P-セレクチンは、炎症反応の初期段階で血管内皮細胞の表面に発現し、白血球を炎症部位に誘導する役割を持ちます。
白血球は、P-セレクチンを介して血管内皮細胞に接着し、その後炎症部位へと移動します。
炎症時には、肝臓でのC反応性タンパク質の産生が亢進する。(選択肢5) [正しい]
C反応性タンパク質(CRP)は急性期反応物質の一つであり、炎症時に肝臓で産生が亢進します。
CRPは、炎症や感染症の指標として臨床で広く用いられています。
■解説2|
P-セレクチンは、白血球のローリングと呼ばれる過程で重要な役割を果たし、白血球の接着と移動を促進します。これにより、炎症部位に迅速に集まることができます。
C反応性タンパク質は、炎症性サイトカイン(例:IL-6)の影響で肝臓での産生が増加し、血中濃度が上昇します。CRPは、病原体のオプソニンとして働き、免疫応答を強化します。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。(選択肢1) [誤り]
発赤は、血管拡張と血流増加による現象であり、赤血球の血管外への浸潤ではありません。
補体成分のC3bとC5bは、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。(選択肢2) [誤り]
C3aとC5aがアナフィラトキシンとして作用し、肥満細胞からのヒスタミン遊離を誘導します。C3bとC5bは異なる役割を持ちます。
Toll様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。(選択肢4) [誤り]
Toll様受容体は主に炎症の初期段階で病原体を認識し、免疫応答を開始する役割を果たします。炎症後期ではなく初期の役割が中心です。


生物|問 107-119  ■正答| 2 5
細菌の細胞表面構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。

  2. グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。

  3. 淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。

  4. マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。

  5. 肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。


生物|問 107-119


■■Gemini 1.5 Pro
■論点| 細菌の細胞壁構造の特徴と多様性
この問題の論点は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、抗酸菌などの細菌群における細胞壁構造の違い、特にペプチドグリカン層、外膜、莢膜などの構成成分と構造を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。(選択肢2) [正しい]
グラム陰性菌は、細胞膜の外側に薄いペプチドグリカン層と、リポ多糖 (LPS) を含む外膜を持つという特徴的な細胞壁構造を持ちます。LPSは、強い内毒素活性を示し、ヒトなどの宿主に発熱やショックなどの症状を引き起こすことがあります。
肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。(選択肢5) [正しい]
肺炎球菌は、細胞壁の外側に莢膜と呼ばれる層を持つことが多く、この莢膜は、多糖を主成分としています。莢膜は、病原菌の宿主体内での生存や増殖に有利に働くことが知られています。例えば、莢膜は、宿主の免疫細胞による貪食から細菌を保護する役割などを持ちます。
■解説2|
細菌の細胞壁は、ペプチドグリカンと呼ばれる構造体で構成されており、細胞の形態維持や浸透圧に対する耐性などに貢献しています。
グラム陽性菌とグラム陰性菌では、細胞壁の構造が異なり、グラム染色によって識別することができます。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の外側に存在する。(選択肢1) [誤り]
グラム陽性菌は、細胞膜の外側に厚いペプチドグリカン層を持ちます。タイコ酸やリポタイコ酸は、このペプチドグリカン層に結合しており、細胞壁の構造維持や抗原性に関与しています。
淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い細胞壁が存在する。(選択肢3) [誤り]
結核菌やらい菌などの抗酸菌は、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ細胞壁を持つことが特徴です。このミコール酸のために、一般的なグラム染色では染まりにくく、抗酸染色によって染め分けられます。淋菌はグラム陰性菌に分類され、抗酸菌ではありません。
マイコプラズマには、ペプチドグリカンが存在しない。(選択肢4) [誤り]
マイコプラズマは、細胞壁を持たない細菌であり、そのため細胞の形態は一定ではありません。ペプチドグリカンは細胞壁の主要な構成成分であるため、マイコプラズマには存在しません。


■■GPT4o
■論点|細菌の細胞表面構造の特性
この問題の論点は、細菌の細胞表面構造の特性とその機能に関する知識を特定することです。
■解説1|
グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。(選択肢2) [正しい]
グラム陰性細菌は、内膜と外膜の間に薄いペプチドグリカン層を持ち、外膜には内毒素(リポ多糖、LPS)が含まれています。
この構造は、グラム陰性細菌の染色特性や抗菌薬耐性に関与します。
肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。(選択肢5) [正しい]
肺炎球菌は、多糖を主成分とする莢膜を持ち、これが病原性の重要な要素となります。
莢膜は、宿主の免疫系から細菌を保護し、ファゴサイトーシスを回避する役割を果たします。
■解説2|
グラム陰性細菌の外膜は、リポ多糖を含み、免疫応答を強く誘導する内毒素として作用します。また、外膜の存在は薬剤の透過を防ぎ、抗菌薬耐性に寄与します。
肺炎球菌の莢膜は、病原体が宿主の防御機構を回避するための重要な構造であり、感染力の強さと関係しています。莢膜を持つ菌株は、莢膜を持たない菌株よりも病原性が高いことが知られています。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。(選択肢1) [誤り]
タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層は細胞膜の外側に存在します。
淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。(選択肢3) [誤り]
ミコール酸は主にマイコバクテリウム属(結核菌など)に含まれるもので、ナイセリア属には存在しません。
マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。(選択肢4) [誤り]
マイコプラズマには細胞膜は存在しますが、ペプチドグリカンは存在しません。細胞壁がないためです。

😊 お疲れ様でした。次は、解説要約です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


4. 解説要約 19問 薬学理論問題【生物】

各問題の論点と解説の要約を以下にまとめます。復習しましょう。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【生物】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/14

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
4. 解説要約 19問 薬学理論問題【生物】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n31e87716dd98

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


■ 各問題の論点と解説の要約


生物|問 106-110 
論点| 呼吸器系の構造と機能


ポイント|
気道分泌液(気道粘液)は、気道の内壁を覆い、リゾチームや免疫グロブリンAなどの抗菌物質を含んでおり、細菌感染を防ぐ。
頸動脈小体は、動脈血中の酸素分圧を感知する末梢化学受容器であり、血中酸素分圧の低下を感知すると、呼吸中枢に情報を伝達し呼吸運動を促進する。
気管は軟骨と平滑筋から構成され、交感神経の興奮によって拡張し、副交感神経の興奮によって収縮する。
肺胞サーファクタントは、肺胞内の表面張力を低下させることで、肺胞の拡張を容易にして萎縮を防ぐ。
呼吸調節中枢は、延髄と橋に存在し、吸息中枢と呼息中枢の神経回路の相互作用によって呼吸運動を制御する。
大動脈小体も血中酸素分圧を感知する化学受容器であり、呼吸調節において重要な役割を担っている。
化学受容器は、体液のpHや二酸化炭素分圧の変化にも反応する。


生物|問 108-110 
論点| 膵臓の構造と機能


ポイント|
膵臓は、膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。
膵管は総胆管と合流して十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。
膵液は、HCO3-を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。
膵液には、タンパク質分解酵素(トリプシン、キモトリプシン)、炭水化物分解酵素(アミラーゼ)、脂質分解酵素(リパーゼ)などが含まれており、膵臓内で不活性型前駆体として合成・分泌され、十二指腸に到達後に活性化される。
膵臓ランゲルハンス島β細胞内のCa2+濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。
インスリンは、血糖値を低下させるホルモンであり、肝臓や筋肉、脂肪組織などに作用してグルコースの取り込みと利用を促進する。


生物|問 108-111 
論点| 生体膜透過と物質輸送


ポイント|
一酸化窒素 (NO) は、単純拡散によって血管内皮細胞から移動する。
胃壁細胞は、H+-K+ポンプ (H+/K+-ATPase) を用いて能動輸送により水素イオン (H+) を胃の中に分泌する。
原尿中のグルコースは、Na+の濃度勾配を利用したNa+-グルコース共輸送体 (SGLT) によって、原尿から上皮細胞へ再吸収される。
血中のグルコースは、インスリン依存的にグルコース輸送体 (GLUT4) を介した促進拡散によって脂肪細胞に取り込まれる。
ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。
Na+-グルコース共輸送体 (SGLT) は、細胞膜に存在する膜タンパク質の一種であり、Na+とグルコースを同時に輸送する。Na+の濃度勾配は、Na+-K+ポンプ (Na+/K+-ATPase) によって維持されており、ATPのエネルギーを消費する。
エキソサイトーシスは、細胞内の小胞が細胞膜と融合し、小胞内の物質を細胞外に放出する機構である。神経伝達物質やホルモンなどの分泌、細胞膜へのタンパク質の挿入などに involved する。


生物|問 106-112 
論点| 真核細胞における転写の制御機構


ポイント|
プロモーターは、遺伝子の転写開始点の上流に位置するDNA領域であり、RNAポリメラーゼや基本転写因子群が結合して転写を開始するために必要となる。
転写調節因子は、エンハンサーやサイレンサーといった特定のDNA配列に結合することで、転写を活性化または抑制する。
転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素 (HAT) をリクルートすることで、ヒストンのアセチル化を促進し、クロマチン構造を緩めることで、転写開始複合体がプロモーターに結合しやすくなり、転写を活性化する。
mRNAの5'末端には、7-メチルグアノシン三リン酸 (m7Gppp) からなるキャップ構造が付加され、3'末端には、アデニンヌクレオチドが複数付加されたポリA鎖が付加される。これらの修飾は、mRNAの安定化や翻訳の効率化に寄与する。
mRNA前駆体から、スプライシングによってイントロンと呼ばれる非コード領域が除去され、エクソンと呼ばれるコード領域が連結される。この過程は、スプライソソームと呼ばれるRNA-タンパク質複合体によって行われる。
真核細胞のDNAは、ヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いてクロマチン構造をとっており、クロマチンの構造は、転写の活性に影響を与える。


生物|問 107-112 
論点| 血小板凝集に関わる分子とその役割


ポイント|
血小板は、血管内皮細胞が損傷を受けると、損傷部位に粘着し活性化され、様々な生理活性物質を放出し、さらに多くの血小板を活性化する。
セロトニンは、血小板が活性化されると血小板内の顆粒から放出され、血管収縮を引き起こすことで、出血を抑制する効果がある。
トロンボキサンA2は、活性化された血小板から産生されるエイコサノイドの一種であり、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、さらに血小板を活性化することで凝集を促進する。
ADPは、血小板膜上のADP受容体に結合することで、血小板内のCa2+濃度を上昇させ、凝集を促進する。
プロスタグランジンI2は、血小板内のcAMP量を増加させることで、血小板凝集を抑制する。


生物|問 107-113 
論点| 糖新生の基質、律速酵素、ホルモンによる調節機構


ポイント|
糖新生は、グルコース以外の物質からグルコースを合成する代謝経路であり、肝臓が主要な組織である。
糖新生は、飢餓時や激しい運動時など、グルコースの供給が不足した際に、血糖値を維持するために重要な役割を果たす。
糖新生では、乳酸、アミノ酸(ケト原性アミノ酸以外), グリセロールなどが主な材料となる。
糖新生は主に肝臓で起こり、腎臓でもわずかに起こる。
PEPCKは、オキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成するのは、ピルビン酸カルボキシラーゼとPEPCKの連続した反応である。
糖新生において、オキサロ酢酸はミトコンドリアから細胞質に輸送された後、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ (PEPCK) によってホスホエノールピルビン酸に変換される。この反応では、GTPがGDPとリン酸に加水分解され、そのエネルギーが利用される。
グルカゴンは、血糖値が低下した際に膵臓から分泌されるホルモンであり、肝臓において糖新生を促進することで血糖値を上昇させる。
グルカゴンは、PEPCK遺伝子の転写を活性化することで、PEPCK酵素の量を増やし、糖新生を促進する。


生物|問 109-113 
論点| 骨組織の細胞、骨代謝の調節機構


ポイント|
骨代謝は、骨吸収と骨形成という2つの過程がバランスをとりながら行われる動的なプロセスである。
骨芽細胞は、骨髄間質細胞に由来し、骨基質を合成・分泌することで骨形成を行う。
破骨細胞は、酸性ホスファターゼやカテプシンKなどの酵素を分泌し、骨基質を分解する。
副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度が低下したときに副甲状腺から分泌され、骨吸収を促進することで血中カルシウム濃度を上昇させる。また、腎臓でのカルシウム再吸収促進と活性型ビタミンD3の産生促進作用も持ちます。
カルシトニンは、甲状腺の傍ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を抑制することで血中カルシウム濃度を低下させる。
活性型ビタミンD3は、小腸におけるカルシウム吸収を促進することで、血中カルシウム濃度を上昇させる。また、骨吸収を促進することで骨のリモデリングにも関与する。


生物|問 109-114 
論点| ケトン体の産生、役割、代謝


ポイント|
ケトン体は、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンの3つの物質の総称である。
ケトン体は、グルコースが不足した状態において、脳や筋肉などの組織でエネルギー源として利用される。
ケトン体は水溶性が高く、特別な輸送タンパク質を必要とせず、血液脳関門を通過することができる。
ケトン体は、主に肝臓のミトコンドリアで、脂肪酸のβ酸化によって産生されたアセチルCoAから合成される。
合成されたケトン体は、血液中に放出され、肝臓以外の組織に運ばれる。
ケトン体は糖新生には利用されず、肝臓以外の組織に取り込まれ、アセチルCoAに分解された後、TCA回路でエネルギー産生に利用される。


生物|問 106-115 
論点| 糖および糖鎖の構造と機能


ポイント|
グリコーゲンホスホリラーゼはグリコーゲンの非還元末端からグルコース残基をリン酸分解によりグルコース1-リン酸として切り出す反応を触媒する。
N-結合型糖鎖は、アスパラギン残基のアミド基に付加される。
A型インフルエンザウイルスは、その表面にあるヘマグルチニンが、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合することで感染する。
CHO細胞は、糖鎖修飾能を持つ細胞だが、産生される糖鎖は必ずしも均一ではなく、様々な糖鎖構造が混在していることがある。
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は、二糖単位の繰り返し構造をもつムコ多糖であり、多くの負電荷を持つポリアニオンとして細胞外マトリックスの構成成分となる。


生物|問 107-115 
論点| テロメアの構造、機能、テロメラーゼとの関係


ポイント|
テロメアは、真核生物の染色体の末端に存在する構造であり、特定のDNA配列の繰り返し構造と、それに結合するタンパク質から構成される。
DNA複製は、染色体上に点在する複製起点から開始され、テロメアは複製起点ではない。
生殖細胞では、テロメラーゼが活性化しており、テロメアの長さが維持される。
多くの癌細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。
テロメア伸長の鋳型となるのは、テロメラーゼ自身が持つRNAである。


生物|問 108-115 
論点| 原核細胞における転写と翻訳の連関と機構


ポイント|
原核細胞では、核膜が存在しないため、転写と翻訳は細胞質で同時進行する。転写が進行するにつれて、合成中のmRNAにリボソームが結合し、翻訳が開始される。
原核細胞の翻訳開始には、リボソームの小サブユニットがmRNAの開始コドンであるAUGの上流に位置するシャイン・ダルガーノ配列に結合することが必要となる。
リボソームの小サブユニット(30Sサブユニット)がシャイン・ダルガーノ配列に結合する。その後、開始tRNAを結合したリボソーム大サブユニット(50Sサブユニット)が結合し、翻訳が開始される。
翻訳は、mRNAの5'末端側から3'末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はN末端側からC末端側へと合成される。
アミノアシルtRNAは、tRNAの3'末端に、アンチコドンに対応したアミノ酸が結合しており、mRNA上のコドンとtRNA上のアンチコドンは、相補的に結合する。
原核細胞のmRNAには、複数の遺伝子の情報を含むポリシストロニックmRNAが存在し、複数の翻訳開始点を持つため、1本のmRNAから複数のタンパク質が合成される。
ポリシストロニックmRNAは、機能的に関連する遺伝子がまとまっていることが多く、遺伝子発現の効率化に役立っている。


生物|問 108-116 
論点| リソソームとプロテアソームによるタンパク質分解


ポイント|
リソソームは、細胞内外の物質を分解する役割を持つオルガネラであり、その内部には多様な加水分解酵素が含まれており、酸性 (pH 4.5-5.5) に保たれている。
エンドサイトーシスされた物質は、エンドソームを経てリソソームに運ばれ分解される。
プロテアソームは、細胞質や核内に存在するタンパク質分解酵素複合体である。
不要になったタンパク質や異常な構造を持つタンパク質にユビキチンが結合することで、プロテアソームによる分解の標的となる。
プロテアソームは、細胞内のタンパク質の品質管理に重要な役割を果たしており、異常なタンパク質の蓄積を防いでいる。
ウイルスに感染した細胞では、ウイルス由来のタンパク質がプロテアソームで分解され、その断片がMHCクラスI分子によって細胞表面に提示される。
キラーT細胞は、MHCクラスI分子に提示されたウイルス由来のペプチド断片を認識することで、感染細胞を攻撃する。
オートファジーは、細胞内の不要なタンパク質やオルガネラを分解する仕組みであるが、オートファゴソーム内でタンパク質を分解するのはリソソームである。


生物|問 106-117 
論点| 免疫担当細胞の発生、分化、機能


ポイント|
免疫系は、体内に侵入した病原体や異常な細胞から生体を防御するシステムであり、自然免疫と獲得免疫の2つの機構からなる。
自然免疫は、病原体に対する初期防御を担い、NK細胞、マクロファージ、樹状細胞などが関与する。一方、獲得免疫は、特定の病原体に対して特異的に作用し、B細胞とT細胞が中心的な役割を果たす。
B細胞は、骨髄において造血幹細胞から分化し、抗体遺伝子の再編成を経て抗原特異性を獲得する。その後、脾臓やリンパ節などの二次リンパ器官に移動し、抗原に出会うことで活性化され、抗体を産生する形質細胞へと分化する。
樹状細胞は、MHCクラスII分子を発現しており、抗原提示細胞として、ヘルパーT細胞に抗原を提示する。
キラーT細胞は、MHCクラスI分子によって提示された抗原をT細胞受容体で認識する。MHCクラスII分子に提示された抗原を認識するのはヘルパーT細胞である。
ナチュラルキラー細胞 (NK細胞) は、自然免疫において重要な役割を果たすリンパ球であり、MHCクラスI分子を発現していない細胞や、抗体で覆われた細胞を認識して細胞傷害活性を示す。また、NK細胞はIFN-γなどのサイトカインを産生することで、他の免疫細胞の活性化にも貢献する。
CD8陽性T細胞は、主に細胞傷害活性を持つ細胞毒性T細胞(キラーT細胞)へと分化する。Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞は、CD4陽性ヘルパーT細胞のサブセットである。


生物|問 107-117 
論点| ヒトの免疫組織とその機能、免疫細胞の分化と成熟


ポイント|
免疫系は、全身に分布する免疫組織と、それらの間を循環する免疫細胞から構成されている。
免疫組織は、免疫細胞の分化、成熟、活性化の場を提供し、免疫応答の誘導と制御に重要な役割を果たす。
骨髄は、血液細胞の産生を行う場であり、全ての血液細胞の起源となる造血幹細胞が存在する。造血幹細胞は、骨髄内で自己複製を行うとともに、リンパ球系幹細胞と骨髄系幹細胞へと分化する。
胸腺で正の選択と負の選択を受けるのはT細胞である。B細胞は骨髄で分化し、抗原刺激を受けて形質細胞へと分化する。
リンパ節において、抗原提示を行うのは樹状細胞である。高内皮細静脈 (HEV) からリンパ節に移動してきたT細胞は、樹状細胞から抗原提示を受ける。
肝臓は、老化した赤血球の除去や、血液中の異物の処理などを行う。血液中の抗原に対する免疫応答は、主に脾臓やリンパ節で行われる。
パイエル板は、小腸の粘膜に存在するリンパ組織であり、腸管免疫において重要な役割を果たす。M細胞は、パイエル板のspecialized 上皮細胞であり、腸管内腔から抗原を取り込み、その下にある免疫細胞に提示する。


生物|問 109-117 
論点| 抗体クラススイッチのメカニズム


ポイント|
クラススイッチは、抗原刺激を受けたB細胞が、T細胞からのシグナルやサイトカインなどの影響を受けて起こる。
クラススイッチは、抗体可変領域の遺伝子再編成によって抗原特異性を獲得した後に起こる。
最初に抗原刺激を受けたB細胞は、最初にIgMを産生する。
クラススイッチは、抗体重鎖の定常領域をコードする遺伝子の切り換えによって起こる。
抗体クラススイッチは、DNAレベルでの遺伝子の再編成によって起こる。B細胞の抗体遺伝子座では、クラススイッチ組換えと呼ばれる機構によって、定常領域をコードする遺伝子が切り換えられ、異なるクラスの抗体が産生される。
クラススイッチによって、抗体のエフェクター機能が変化し、より効果的に病原体を排除できるようになる。例えば、IgMは初期免疫応答において重要な役割を果たし、IgGは血清中に長く存在し、胎盤通過能を持つなど、様々な免疫応答に関与する。


生物|問 106-118 
論点| 滅菌、殺菌、消毒の違いと具体的な方法


ポイント|
滅菌とは、全ての微生物を完全に死滅または除去することである。
殺菌とは、特定の微生物を殺滅することであるが、芽胞は殺菌できない場合がある。
消毒とは、病原性のある微生物を減らし、感染のリスクを減らすことである。
高周波の電磁波による滅菌は、金属製医療機器の滅菌には適していない。金属に電磁波が吸収され、発火したり、機器が故障したりする可能性がある。乾熱滅菌やオートクレーブ滅菌が一般的である。
マイコプラズマは、細菌の中でも非常に小さく、0.45μmのフィルターを通過してしまう可能性がある。マイコプラズマの除去には、より孔径の小さいフィルター(0.2μm以下)を使用する必要がある。
過酸化水素低温プラズマ滅菌は、滅菌方法の一種であるが、主に耐熱性の低い医療機器や材料の滅菌に用いられる。輸液チューブのような耐熱性のあるものは、オートクレーブ滅菌が一般的である。
グルタラールは、強力な殺菌消毒薬であり、芽胞を形成する菌に対しても有効である。内視鏡のような複雑な構造を持つ医療機器の消毒に広く用いられている。
ポビドンヨードは、ヨウ素を含む消毒薬であり、広範囲の微生物に対して殺菌作用を示す。皮膚の消毒や手術部位の消毒に広く用いられている。


生物|問 108-118 
論点| 細菌の抗菌薬耐性機構


ポイント|
細菌は、抗菌薬に対して、薬剤の作用標的の変化、薬剤の不活性化、薬剤の排出、薬剤への透過性の低下といった様々な機構で耐性を獲得することがある。
薬剤耐性遺伝子は、薬剤耐性を担う遺伝子であり、変異によって新たに獲得されたり、他の細菌から伝達されたりすることで、細菌は耐性を獲得する。
ポーリンは、グラム陰性菌の外膜に存在するタンパク質であり、薬剤などの低分子化合物を透過させる役割を担っており、ポーリンの量が減少したり、構造が変化したりすると、薬剤の細胞内への透過性が低下し、耐性化につながることがある。
バンコマイシンは、グラム陽性菌の細胞壁ペプチドグリカン合成を阻害する抗菌薬であるが、VanA耐性遺伝子を持つ腸球菌は、VanAがコードする酵素によってペプチドグリカンの構造を変化させることで、バンコマイシンの結合を阻害し、耐性を獲得している。
リファンピシンは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し、RNA合成を阻害する抗菌薬であるが、リファンピシン耐性菌では、RNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、リファンピシンが結合できなくなり、耐性を獲得する。
カナマイシンは、細菌のリボソームに結合し、タンパク質合成を阻害する抗菌薬であるが、カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、カナマイシンをアセチル化する酵素として働き、リボソームへの結合を阻害することで、耐性を発揮するものがある。
薬剤排出タンパク質は、抗菌薬を細胞外に排出することで、細胞内の薬剤濃度を低下させ、耐性を発揮する。このような薬剤排出タンパク質の遺伝子は、Rプラスミドなどの伝達性因子に存在することが多く、接合伝達によって他の細菌に伝播するため、多剤耐性化の一因となる。


生物|問 109-118 
論点| 炎症反応に関わる細胞と分子、急性炎症の特徴


ポイント|
炎症は、感染や組織の損傷などが起こったときに、生体が病原体や損傷因子を排除し、組織を修復しようとする生体防御反応である。
炎症反応では、発熱、発赤、腫脹、疼痛、機能障害といった症状が現れる。
発赤は、炎症の兆候の一つで、血管拡張により局部の血流量が増加することで起こる。
補体成分のC3aとC5aは、アナフィラトキシンとして知られており、肥満細胞からのヒスタミン遊離を促進する。
炎症が起こると、血管内皮細胞の表面にP-セレクチンなどの接着分子が発現する。これらの接着分子は、白血球表面の分子と結合し、白血球が血管内皮細胞に接着し、炎症部位へ遊走することを促進する。
Toll様受容体 (TLR) は、自然免疫系において、病原体に特徴的な分子パターンを認識する受容体であり、炎症反応の開始に重要な役割を果たす。線維芽細胞の活性化は、主に炎症後期に、組織修復に関わる過程で起こる。
C反応性タンパク質 (CRP) は、炎症が起こると、肝臓で産生が亢進する急性期タンパク質の代表的なものである。CRPは、細菌や損傷を受けた細胞に結合し、補体活性化や食作用を促進することで、炎症反応の増強に関与する。


生物|問 107-119 
論点| 細菌の細胞壁構造の特徴と多様性


ポイント|
細菌の細胞壁は、ペプチドグリカンと呼ばれる構造体で構成されており、細胞の形態維持や浸透圧に対する耐性などに貢献している。
グラム陽性菌とグラム陰性菌では、細胞壁の構造が異なり、グラム染色によって識別することができる。
グラム陽性菌は、細胞膜の外側に厚いペプチドグリカン層を持ち、タイコ酸やリポタイコ酸は、このペプチドグリカン層に結合しており、細胞壁の構造維持や抗原性に関与している。
グラム陰性菌は、細胞膜の外側に薄いペプチドグリカン層と、リポ多糖 (LPS) を含む外膜を持つ。LPSは、強い内毒素活性を示し、ヒトなどの宿主に発熱やショックなどの症状を引き起こすことがある。
結核菌およびらい菌などの抗酸菌は、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ細胞壁を持つことが特徴である。このミコール酸のために、一般的なグラム染色では染まりにくく、抗酸染色によって染め分けられる。淋菌はグラム陰性菌に分類され、抗酸菌ではない。
マイコプラズマは、細胞壁を持たない細菌であり、そのため細胞の形態は一定ではない。ペプチドグリカンは細胞壁の主要な構成成分であるため、マイコプラズマには存在しない。
肺炎球菌は、細胞壁の外側に莢膜と呼ばれる層を持つことが多く、この莢膜は、多糖を主成分としている。莢膜は、病原菌の宿主体内での生存や増殖に有利に働くことが知られている。例えば、莢膜は、宿主の免疫細胞による貪食から細菌を保護する役割などを持つ。


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参考資料|

厚生労働省ホームページ / 薬剤師国家試験のページ
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

過去の試験問題及び解答|

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第105回(令和2年2月22日、23日実施)
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)
第99回(平成26年3月1、2日実施)
第98回(平成25年3月2、3日実施)
第97回(平成24年3月3、4日実施)

過去の薬剤師国家試験の結果|

第109回(令和6年2月17日、18日実施)[PDF形式:2,589KB][2.6MB]
第108回(令和5年2月18日、19日実施)[PDF形式:471KB][471KB]
第107回(令和4年2月19日、20日実施)[PDF形式:803KB][803KB]
第106回(令和3年2月20日、21日実施)[PDF形式:871KB][871KB]
第105回(令和2年2月22日、23日実施)[PDF形式:371KB][371KB]
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)[PDF形式:620KB][620KB]
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)[PDF形式:457KB]
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)[PDF形式:564KB]
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)[PDF形式:796KB]
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)[PDF形式:2,005KB]
第99回(平成26年3月1、2日実施)[PDF形式:1,116KB]
第98回(平成25年3月2、3日実施)[PDF形式:634KB]
第97回(平成24年3月3、4日実施)[PDF形式:285KB]

いかがでしたか?前回の4年前の集計と比較して、文章での解説を省略して、グラフだけで見せるアプローチにしてみました。
薬学生の皆さんは、ぜひ、グラフから分析と考察に挑戦してみてください。

今日はこの辺で、
それではまた
お会いしましょう。

Your best friend
Mats & BLNt

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