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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-228-229【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:レジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシン

第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問228-229

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-228-229

Q. 70歳男性と60歳女性の夫婦。2人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈したが、自宅療養し、2日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5日後に発熱し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したところ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165cm、体重53kg。入院時の各種検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性となった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられた。
(身体所見)
体温38.2℃、血圧101/62mmHg、脈拍95拍/分(整)、SpO2(ルームエアー)93%
(検査所見)
白血球 12,000/µL、赤血球 440×10^4/µL、Hb 14.3g/dL、血小板 20×10^4/µL、AST 25IU/L、ALT 20IU/L、総ビリルビン 0.8mg/dL、血清 クレアチニン2.0mg/dL、CRP 18.2mg/dL、SARS-CoV2-PCR(鼻咽頭ぬぐい液) 陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性


実務

問 109-228|実務
Q. この男性患者に対する治療薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. レボフロキサシン
2. オセルタミビル
3. アモキシシリン
4. セフジニル
5. ニルマトレルビル・リトナビル


Here:

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衛生

問 109-229|衛生
Q. この男性患者が罹患した疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 感染症法(注)において三類感染症に分類される。
2. 高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。
3. ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい。
4. 罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。
5. ワクチン接種により予防することができる。
(注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律


Here:

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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問228-229、論点:レジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシンを徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
matsunoya_note|note https://note.com/matsunoya_note

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n3185331c7eff

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-228-229【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:レジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシン|matsunoya

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このコンテンツの制作者|

滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第109回薬剤師国家試験 問228-229(問109-228-229)では、レジオネラ症に関する知識を衛生および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問109-228-229を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問109-228-229 論点解説|matsunoya_note

問109-228および問109-229は、レジオネラ症に関する記述の正誤を問う問題です。
レジオネラ症の病態と薬物治療および感染症における類型の理解が必要です。

冒頭文で必要な情報は、
診断(肺炎)
病原体(夫婦は同じ病原体に罹患、女性はポンティアック熱)
検査結果(SARS-CoV2 陰性、肺炎球菌 陰性)
です。

夫婦は同じ病原体に罹患、女性はポンティアック熱との記述が男性患者の診断の特定の決定打です。
ポンティアック熱とレジオネラ肺炎との関連性を知識として持っていることを問われた問題でした。
また、レジオネラ肺炎の病態と薬物治療の特徴を知っている必要があります。
なお、β-ラクタム系およびアミノグリコシド系は、細胞内で増殖するLegionella‌spp.に対して抗菌活性を有していないため、臨床的に無効です。


時間にゆとりがない人は、論点およびポイントから読んでくださいね。
上記の太字を選択して Ctrl + F でジャンプできます。


少し解説💁


問 109-229|衛生
感染症法において三類感染症に分類される。(選択肢1)[誤り]


論点を「感染症における類型」とした類題の薬剤師国家試験の過去問題は複数あり、今後も、感染症における類型は、論点として頻出する可能性があります。
が、感染性疾病の類型を問われた場合の試験対策としては、

暗記以外のアプローチはありません。

ここでは、matsunoya original の「感染症法の1類から3類を野球の塁に例えた、語呂合わせ」をご紹介します。


感染症法における類型の覚え方|野球編🧸⚾

written by Mats.

問109-228-229 論点解説|matsunoya_note

解説します。

1塁|🧸⚾

ペット  |ペスト|痘そう|
クマ、  |クリミア・コンゴ出血熱|マールブルグ病|
エラーさ |エボラ出血熱|ラッサ熱|
なんだよぉー! |南米出血熱|

2塁|🧸⚾

結果、  |結核|
白髪の  |急性灰白髄炎(ポリオ)|
ジイサマ、|ジフテリア|SARS|MERS|
取り、  |鳥インフルエンザ(H5N1)&(H7N9)|

3塁|🧸⚾

席、 |細菌性赤痢|
  |パラチフス|
  |腸チフス|
  |O157(腸管出血性大腸菌感染症)|
  |コレラ|

これで、一類(7疾病)、二類(7疾病)、三類(5疾病)までは守備範囲内です。大丈夫です。

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問127
https://note.com/matsunoya_note/n/n14953f32c3b6

四類に関しては下記の定義を覚えよう。

✅ 四類:
人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物等の物件を介して感染するため、物件や動物の消毒、廃棄などの措置が必要となる感染症

後述しますが、下記の厚生労働省のページで感染症の名前に特設ページに飛ぶリンクが貼ってある疾病は、その先の特設ページを一読しておくとよいです。今、注目されている感染症だから、今後、出題されるかもしれません。
参考情報:
類型から探す(感染症法)|厚生労働省

ここで注意しなければいけないことがあります。

「動物、飲食物等の物件を介して感染するため、物件や動物の消毒、廃棄などの措置が必要となる」は、1類-4類で共通の特徴です。

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問127
https://note.com/matsunoya_note/n/n14953f32c3b6

感染症法では「第五章 消毒その他の措置」で類型ごとの措置が定められています。

4類の場合、1類-3類と異なる点は、「人から人への感染はほとんどない」点で、感染力(危険性)の順位が低いことから、上記1類-3類としてのより厳しい規定をされていないのです。

ちなみに、新型コロナウイルス感染症 は、5類の定点把握疾患【 インフルエンザ/ COVID-19定点把握 】に分類されます。

例えば以下のような物件を介した感染症が4類に分類されています。

4類感染症

人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物等の物件を介して感染するため、物件や動物の消毒、廃棄などの措置が必要となる感染症

感染症と感染経路(物件)

  1. 狂犬病

    • 感染経路:感染した動物(犬、コウモリなど)に咬まれることで感染。

    • 物件の例:感染動物の唾液。

  2. オウム病(クラミジア感染症)

    • 感染経路:感染した鳥類(オウム、インコなど)との接触や糞便を吸入。

    • 物件の例:鳥の糞便や羽毛。

  3. エキノコックス症

    • 感染経路:感染したキツネや犬の糞便に含まれる虫卵を経口摂取。

    • 物件の例:汚染された水や野菜。

  4. Q熱

    • 感染経路:感染した動物(牛、羊、山羊など)の排泄物や乳製品を介して感染。

    • 物件の例:汚染された乳製品や動物の排泄物。

  5. デング熱

    • 感染経路: 主に蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)による媒介。

    • 物件の例: 感染した蚊が生息する水たまりや植木鉢の受け皿などの静止水。

  6. レジオネラ症

    • 感染経路: レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入。

    • 物件の例: 汚染された冷却塔水、加湿器、循環式浴槽、温泉施設の水。


引用元:

薬剤師国家試験対策ノート📒論点:感染症 一覧 問102-127【衛生】論点:感染症法/類型 からの再掲です。

類題:
第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問127

Q. 表は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において、ある1つの類型に分類される感染症の特徴及び主な対応・措置を示したものである。この類型に分類される感染症はどれか。

感染症の特徴|
動物、飲食物等の物件を介してヒトに感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症
主な対応・措置|
媒介動物の輸入規制、消毒等の対物措置

第102回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問127

選択肢|
1. 腸管出血性大腸菌感染症
2. 中東呼吸器症候群(MERS)
3. ジカウイルス感染症
4. クロイツフェルト・ヤコブ病
5. デング熱
(論点:感染症法/類型)


🫛豆知識① 感染症の類型について

一類感染症から四類感染症は全数報告対象で、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る必要があります。
五類感染症は、診断した医師に届出を義務づける「全数把握」疾患と、指定届出機関からの届出により把握する「定点把握」疾患に分けられます。

問109-228-229 論点解説|matsunoya_note

下記の厚生労働省のページの情報を一読しておくと応用力がつきます。

類型から探す(感染症法)|厚生労働省 

※2025/3/1現在の情報


以下、感染症法の類型別の疾患を抜粋します。

一類感染症

✅ 感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が極めて高い感染症

エボラ出血熱
クリミアコンゴ出血熱
痘そう
南米出血熱
ペスト
マールブルグ病
ラッサ熱

二類感染症

✅ 感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が高い感染症

ポリオ(急性灰白髄炎)
結核
ジフテリア
重症急性呼吸器症候群(SARS)
中東呼吸器症候群(MERS)
鳥インフルエンザ(H5N1)
鳥インフルエンザ(H7N9)

三類感染症

✅ 特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症

コレラ
細菌性赤痢
腸管出血性大腸菌感染症
腸チフス
パラチフス

四類感染症

✅ 動物、飲食物等の物件を介してヒトに感染する感染症

E型肝炎
ウエストナイル熱
A型肝炎
エキノコックス症
エムポックス
黄熱
オウム病
オムスク出血熱
回帰熱
キャサヌル森林病
Q熱
狂犬病
コクシジオイデス症
ジカウイルス感染症
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
腎症候性出血熱
西部ウマ脳炎
ダニ媒介脳炎
炭疽
チクングニア熱
つつが虫病
デング熱
東部ウマ脳炎
鳥インフルエンザ(H5N1H7N9を除く)
ニパウイルス感染症
日本紅斑熱
日本脳炎
ハンタウイルス肺症候群
Bウイルス病
鼻疽
ブルセラ症
ベネズエラウマ脳炎
ヘンドラウイルス感染症
発しんチフス
ボツリヌス症
マラリア
野兎病
ライム病
リッサウイルス感染症
リフトバレー熱
類鼻疽
レジオネラ症 👈ココ(今回の問題の論点)
レプトスピラ症
ロッキー山紅斑熱

五類感染症

✅ 国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供公開していくことによって、発生まん延を防止すべき感染症
※五類感染症は、診断した医師に届出を義務づける「全数把握」疾患と、指定届出機関からの届出により把握する「定点把握」疾患に分けて記載しています。

全数把握疾患

アメーバ赤痢
ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症
急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く)
急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)
クリプトスポリジウム症
クロイツフェルトヤコブ病
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
後天性免疫不全症候群
ジアルジア症
侵襲性インフルエンザ菌感染症
侵襲性髄膜炎菌感染症
侵襲性肺炎球菌感染症(高齢者)
侵襲性肺炎球菌感染症(小児)
水痘(入院例に限る)
先天性風しん症候群
梅毒
播種性クリプトコックス症
破傷風
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
バンコマイシン耐性腸球菌感染症
百日咳
風しん
麻しん
薬剤耐性アシネトバクター感染症

定点把握疾患

■ 小児科定点把握
RSウイルス感染症
咽頭結膜熱
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
感染症胃腸炎(ロタウイルス)
感染性胃腸炎(ノロウイルス)
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎

■ インフルエンザ/ COVID-19定点把握
インフルエンザ
新型コロナウイルス感染症

■ 眼科定点把握
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎

■ 性感染症定点把握
性器クラミジア感染症
性器ヘルペスウイルス感染症
尖圭コンジローマ
淋菌感染症

■ 基幹定点把握
クラミジア肺炎(オウム病を除く)
細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く)
マイコプラズマ肺炎
無菌性髄膜炎
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
薬剤耐性緑膿菌感染症

出典:
類型から探す(感染症法)|厚生労働省 


🫛豆知識② レジオネラ症とは

下記の国立感染症研究所のページの情報を一読しておくと応用力がつきます。

レジオネラ症とは 国立感染症研究所


以下、一部抜粋します。

治療・予防

レジオネラ属菌は細胞内寄生細菌であるので、宿主細胞に浸透するニューキノロン、マクロライドなどの抗菌薬を使用する必要がある。
静注用のニューキノロン系薬が第一選択剤である。有効な抗菌薬の投与がなされない場合は、7日以内に死亡することが多い。

循環式モデル浴槽におけるレジオネラ属菌の増殖をみると、一般細菌や従属栄養細菌の増殖の後に、それを補食するアメーバが増え、最後にアメーバの中で増えるレジオネラ属菌が増殖する。
したがって、換水や洗浄により環境を清浄に保てばレジオネラ属菌は増殖しない。

浴槽水の清浄度や、浴槽壁にレジオネラ属菌が生息するバイオフィルムの程度を現場で検査するには、ATPの測定が有効である。
測定値を一定以下にすることによりレジオネラの汚染率を低く保つことができる。

同様にレジオネラ属菌の増殖する20〜45℃を外して低温あるいは高温にして温度管理すればレジオネラ汚染を抑制できる。
60℃以上ではレジオネラ属菌は殺菌される。

温度管理の他にエアロゾルの発生を抑制することも予防に重要である。
エアロゾルの発生する可能性のある温水は、次亜塩素酸などの適切な殺菌剤による処理をおこない換水するなどの留意が必要である。
エアロゾルの発生する高圧洗浄、粉塵の発生する腐葉土の取り扱いなどにはマスクを着用して感染を予防する。
最近、エアロゾルの発生する道路の水溜まりからの感染が疑われている。

細胞性免疫機能が低下したヒトでは肺炎を起こす危険性が通常より高いので、特に留意する必要がある。
高齢者や新生児のみならず、大酒家、重喫煙者、透析患者、悪性疾患・糖尿病・AIDS患者はハイリスク・グループである。

出典: レジオネラ症とは 国立感染症研究所


🫛豆知識⓷ 肺炎のDefinitive Therapyについて

下記のガイドラインの情報を一読しておくと応用力がつきます。

JAID/JSC感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症―

JAID/JSC感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症―|委員会報告・ガイドライン|公益社団法人日本化学療法学会
日本化学療法学会雑誌 Vol. 62, 2014年1号(1月) p.1~109


レジオネラ肺炎について、一部抜粋します。

2.Definitive Therapy
―Executive summary―

・‌ 良質の喀痰検査および血液培養検査,尿中抗原検査(S. pneumoniae,L. pneumophila)等による原因微生物同定および薬剤感受性成績に基づき原因微生物が確定された場合には,可能な限りdefinitive‌therapyを行う2,3)(BIII).
・‌ 重症度に応じて治療の場および薬剤を決定する2,3)(AII).
・‌ 実際の抗菌薬選択は,分離菌の抗菌薬感受性および地域における薬剤感受性傾向を参考にして行う2,3,13,22)(AII).
・‌ 抗菌薬の投与期間は症状および検査所見の改善に応じて決定する.5~7日間が目安となる2,21)(BIII).
・‌ L. pneumophila や C. pneumoniae の場合には約 14 日間を目安とする21)(BIV).

―解説―

(中略)

e.Legionella spp.

  • L. pneumophila‌SG1 以外の Legionella‌spp. による肺炎はレジオネラ尿中抗原検査で診断できないことに留意する.

  • β―ラクタム系薬およびアミノ配糖体は細胞内で増殖するLegionella‌spp.に対して抗菌活性を有していないため,全く臨床的に無効である.

  • Legionella‌spp. に対する臨床効果はキノロン系薬,マクロライド系薬,テトラサイクリン系薬において確認されている.かつてはEMが用いられていたが,今日ではLVFX,AZMの優越性を示す報告が多い36,37).

  • RFPはEMとの併用効果があり,推奨される.LVFXとマクロライドの併用効果を示唆する報告がなされている38)(CIII).

  • 抗菌薬感受性におけるLegionella‌spp.菌種間の差は少ないが,これを検証する臨床検討は限定的である39).

注)略語

QLs キノロン系 quinolones
LVFX| levofloxacin
CPFX| ciprofloxacin
PZFX| pazufloxacin
MLs マクロライド系 macrolides
EM| erythromycin
AZM| azithromycin
抗結核薬
RFP| rifampicin

―推奨される治療薬―

(中略)

⑩Legionella‌spp.

入院治療を原則とする‌
第一選択

  • LVFX点滴静注1回500mg
    1日1回

  • CPFX点滴静注1回300mg
    1日2~3回(添付文書最大600mg/日)

  • PZFX点滴静注1回500~1,000mg
    1日2回

  • AZM点滴静注1回500mg
    1日1回‌

第二選択

  • EM点滴静注1回500mg
    1日3回+RFP経口1回450~600mg
    1日1回


出典:

JAID/JSC感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症―

JAID/JSC感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症―|委員会報告・ガイドライン|公益社団法人日本化学療法学会
日本化学療法学会雑誌 Vol. 62, 2014年1号(1月) p.1~109


まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


患者の所見および検査結果の考察

身体所見の評価

  • 体温:38.2℃(発熱)

    • 正常範囲:36.1~37.2℃

    • 考察:発熱は感染症を示唆し、特に細菌感染症ではしばしば見られる。レジオネラ肺炎では高熱を伴うことが多い。

  • 血圧:101/62 mmHg(低め)

    • 正常範囲:収縮期血圧120±10 mmHg、拡張期血圧80±10 mmHg

    • 考察:低血圧は敗血症や全身炎症反応症候群(SIRS)を示唆する可能性がある。肺炎による全身性炎症反応が血圧低下を引き起こしている可能性がある。

  • 脈拍:95拍/分(正常上限)

    • 正常範囲:60~100拍/分

    • 考察:発熱や炎症性疾患では代謝亢進により心拍数が増加する。肺炎では頻脈がよく見られる。

  • SpO₂:93%(軽度低下)

    • 正常範囲:96~100%(室内気)

    • 考察:肺炎による肺胞-毛細血管のガス交換障害が酸素飽和度の低下を引き起こしている。

検査・所見の評価

検査・所見の評価

検査項目|患者値|正常範囲|評価|

白血球|12,000/µL|3,500~9,000/µL|↑(炎症・感染症の可能性)|
赤血球|440×10⁴/µL|400~550×10⁴/µL|正常|
Hb(ヘモグロビン)|14.3|g/dL|13.0~17.0|g/dL|正常|
血小板|20×10⁴/µL|15~40×10⁴/µL|正常|
AST(GOT)|25|IU/L|10~40|IU/L|正常|
ALT(GPT)|20|IU/L|5~45|IU/L|正常|
総ビリルビン|0.8|mg/dL|0.2~1.2|mg/dL|正常|
血清クレアチニン|2.0|mg/dL|0.6~1.2|mg/dL|↑(腎機能障害)|
CRP|18.2|mg/dL|0.0~0.3|mg/dL|↑(高度炎症反応)|

各検査値の考察

  1. 白血球増加(12,000/µL)

    • 細菌性肺炎ではしばしば白血球数の上昇が見られる。

    • レジオネラ肺炎でも免疫応答により白血球が増加することが多い。

  2. 血清クレアチニン上昇(2.0 mg/dL)

    • 正常範囲を超えており、腎機能低下を示唆する。

    • レジオネラ菌は腎障害を引き起こすことがあり、高齢者ではリスクが高い。

    • 脱水や敗血症に伴う腎機能低下の可能性もある。

  3. CRPの著明な上昇(18.2 mg/dL)

    • CRPは急性炎症マーカーであり、細菌感染症では特に高値を示す。

    • ウイルス感染(例:COVID-19)よりも、細菌感染(例:レジオネラ肺炎)でより顕著な上昇を示す。

特異的な検査結果

  • SARS-CoV-2 PCR 陰性
    → COVID-19による肺炎の可能性は低い。

  • 尿中肺炎球菌抗原陰性
    → 肺炎球菌による肺炎の可能性は低い。

  • 尿中抗原検査および喀痰PCRで陽性
    → レジオネラ肺炎を確定診断。

総合的な評価

  • 患者は発熱、呼吸困難、湿性咳嗽、胸痛を呈しており、肺炎の典型的な臨床像を示している。

  • 検査所見では、白血球増加・CRP高値・クレアチニン上昇がみられ、感染症および腎機能低下の可能性が示唆される。

  • 尿中抗原検査および喀痰PCR陽性であり、レジオネラ肺炎と診断される。

  • 低血圧や軽度の低酸素血症もあり、重症化のリスクがあるため適切な抗菌薬治療が必要である。


参考文献

  1. 日本化学療法学会編. "レジオネラ肺炎診療ガイドライン 2020."

  2. 厚生労働省. "感染症法における四類感染症の概要."

  3. Mandell, L. A., et al. "Infectious Diseases Society of America/American Thoracic Society Consensus Guidelines on the Management of Community-Acquired Pneumonia in Adults." Clinical Infectious Diseases, 2007.

  4. 日本呼吸器学会. "肺炎診療ガイドライン 2022."

  5. 日本腎臓学会. "慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン 2018."


このように、患者の臨床所見および検査結果を総合的に評価すると、レジオネラ肺炎の診断が確定され、腎機能低下や炎症反応の著明な亢進が観察されることが分かります。


論点およびポイント

■■GPT4o


問 109-228|実務
論点|レジオネラ肺炎 / 呼吸器感染症 / 治療薬 / ニューキノロン系 / レボフロキサシン
ポイント|

  • レジオネラ肺炎は重症化しやすい呼吸器感染症であり、適切な抗菌薬治療が必要。

  • 第一選択薬はレボフロキサシン(ニューキノロン系)またはマクロライド系(アジスロマイシンなど)。

  • β-ラクタム系(アモキシシリン・セフジニル)はレジオネラ菌に無効。

  • ウイルス感染症治療薬(オセルタミビル・ニルマトレルビル・リトナビル)は適応外。

  • 患者の腎機能低下(クレアチニン2.0mg/dL)に注意し、レボフロキサシンの用量調整が必要。


問 109-229|衛生
論点|レジオネラ症 / 日和見感染症 / エアロゾル感染 / 水環境汚染 / 感染症法分類
ポイント|

  • レジオネラ症は四類感染症(感染症法)。
    三類感染症ではない。

  • 免疫力の低下した高齢者・基礎疾患を持つ人が発症しやすい。
    (日和見感染症)

  • 感染経路はエアロゾル吸入。
    (冷却塔・加湿器・温泉・給湯システムから発生)

  • ヒト-ヒト感染(飛沫感染・接触感染)は起こらない。

  • ワクチンによる予防法は存在しない。
    水質管理が唯一の予防策。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


1. 疾患の特定と特徴

このケースでは、夫婦が同じ温泉施設を訪れた後に発症しており、女性はポンティアック熱、男性は肺炎を伴う重症型のレジオネラ症と診断されています。
これはレジオネラ肺炎(Legionnaires’ disease)として知られ、Legionella pneumophila などのレジオネラ属細菌によって引き起こされます。

2. レジオネラ感染の感染経路とリスク要因

  • 感染経路:
    レジオネラ菌は、水環境中に広く存在し、人工環境(温泉、冷却塔、加湿器、給水設備など)で増殖しやすい。
    エアロゾル化された水滴を吸入 することで感染します。

  • リスク要因:

    • 高齢者
      (特に50歳以上)

    • 喫煙者

    • 慢性疾患のある人
      (糖尿病、慢性肺疾患、腎疾患など)

    • 免疫不全状態
      (がん治療中、免疫抑制剤使用者など)

    • 慢性腎疾患
      (今回の患者はクレアチニン 2.0 mg/dLと腎機能低下がある)

3. 診断方法

レジオネラ肺炎の診断には以下が有効:

  1. 尿中抗原検査(Legionella pneumophila serogroup 1) → 陽性

  2. 遺伝子増幅法(PCR)による喀痰検査 → 陽性

  3. その他:培養、血清学的検査、免疫蛍光法など

4. 臨床症状と鑑別診断

  • ポンティアック熱(軽症型):
    発熱、頭痛、倦怠感が主な症状で、自然に回復する。
    (※今回の問題の女性のケース)

  • レジオネラ肺炎(重症型):
    発熱、湿性咳嗽、呼吸困難、胸痛、全身炎症反応(CRP 18.2 mg/dL)などがみられ、抗菌薬治療が必須。
    (※今回の問題の男性のケース)

  • 鑑別疾患:
    肺炎球菌性肺炎、ウイルス性肺炎(COVID-19、インフルエンザなど)、ニューモシスチス肺炎など

5. 治療の基本方針

  • 第一選択薬:
    ニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシンなど)または
    マクロライド系抗菌薬(アジスロマイシンなど)

  • β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系やセフェム系)は効果が低い。

    • レジオネラは細胞内寄生菌のため、細胞外に作用する抗菌薬では効果が不十分


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問109-228 実務

選択肢 1:レボフロキサシン

論点:

  • レジオネラ肺炎の第一選択薬の一つ

  • 細胞内寄生菌に有効なニューキノロン系抗菌薬
    (DNAジャイレース阻害作用を持ち、細胞内増殖を抑制)

アプローチ方法:

  • レジオネラ肺炎の治療:
    レボフロキサシン(ニューキノロン系)または
    アジスロマイシン(マクロライド系)が推奨される。

  • 本患者は腎機能が低下しているため、レボフロキサシンの腎排泄性を考慮しながら用量調整が必要。
    (クレアチニン 2.0 mg/dL)

  • β-ラクタム系は無効である。
    (ペニシリン系・セフェム系)

選択肢 2:オセルタミビル

論点:

  • オセルタミビルは ノイラミニダーゼ阻害薬 であり、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となる。

  • 細菌性肺炎(レジオネラ肺炎)には効果がない。

アプローチ方法:

  • PCR検査で SARS-CoV-2 陰性 → COVID-19 ではない

  • インフルエンザウイルス感染の所見はない。

  • よって、オセルタミビルは不適

選択肢 3:アモキシシリン

論点:

  • アモキシシリンは ペニシリン系抗菌薬 であり、細胞壁合成阻害 を主な作用機序とする。

  • レジオネラ菌は細胞内寄生菌 であり、ペニシリン系抗菌薬の作用が及びにくい。

アプローチ方法:

  • レジオネラ肺炎には無効。
    (細胞外に存在する細菌には有効だが、細胞内のレジオネラには効果が乏しい)

  • 肺炎球菌性肺炎やインフルエンザ桿菌による肺炎には有効だが、本症例では該当しない。

選択肢 4:セフジニル

論点:

  • セフジニルは 第3世代セフェム系抗菌薬 であり、細胞壁合成阻害作用を持つ。

  • しかし、細胞内寄生菌には効果が乏しく、レジオネラには無効。

アプローチ方法:

  • β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系・セフェム系)はレジオネラ肺炎には使用されない。

  • 尿中抗原検査で肺炎球菌は陰性 → 肺炎球菌感染ではないため、セフジニルは不適。

選択肢 5:ニルマトレルビル・リトナビル

論点:

  • SARS-CoV-2 に対する抗ウイルス薬(プロテアーゼ阻害作用を持つ)。

  • 細菌性肺炎(レジオネラ肺炎)には無効。

アプローチ方法:

  • SARS-CoV-2 PCR陰性 → COVID-19 ではないため適応外。


結論

正答:1(レボフロキサシン)
誤答:2, 3, 4, 5


引用文献

  1. 日本感染症学会・日本呼吸器学会合同ガイドライン:

    • 「レジオネラ肺炎の診断と治療」

    • 日本呼吸器学会雑誌, 2017.

  2. Mandell, L. A., et al.

    • "Infectious Diseases Society of America/American Thoracic Society Consensus Guidelines on the Management of Community-Acquired Pneumonia in Adults"

    • Clinical Infectious Diseases, 2007.

  3. CDC (Centers for Disease Control and Prevention)

  4. 日本化学療法学会「抗菌薬適正使用の手引き」

    • レジオネラ症の推奨抗菌薬:レボフロキサシン、アジスロマイシン

    • 2020年版.


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


問109-229 衛生

選択肢 1:感染症法において三類感染症に分類される

論点:

  • レジオネラ症は感染症法で四類感染症に分類される。
    (三類感染症ではない)

  • 三類感染症は特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症。

アプローチ方法:

  • 四類感染症のため、誤り。

  • 感染症法に基づき、感染源となる施設の管理・報告が義務付けられる(温泉・冷却塔など)。

選択肢 2:高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である

論点:

  • レジオネラ肺炎は、免疫力が低下した高齢者や基礎疾患を持つ人で重症化しやすい。

  • 日和見感染症の定義:通常の免疫状態では発症しないが、免疫低下時に発症しやすい感染症。

アプローチ方法:

  • 高齢者、慢性疾患(腎疾患など)、免疫抑制状態の患者で発症リスクが高い。

  • 本症例の男性も高齢(70歳)かつ腎機能低下があり、典型的な高リスク群。

  • したがって正しい。

選択肢 3:ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい

論点:

  • レジオネラ菌は人工水環境(冷却塔、加湿器、温泉、給湯システム)で増殖し、エアロゾル吸入によって感染する。

  • 特に、空調の冷却水や加湿器が感染源となり、大規模な集団感染を引き起こすことがある。

アプローチ方法:

  • 過去の事例として、温泉施設・病院・ホテル・介護施設の給水設備が感染源となった報告が多数あり。

  • レジオネラ症の集団発生リスクを防ぐため、設備の定期的な塩素消毒や水質管理が重要。

  • したがって正しい。

選択肢 4:罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する

論点:

  • レジオネラ菌はヒトからヒトへの感染は報告されていない。

  • 感染経路はエアロゾル吸入のみ(飛沫感染や接触感染ではない)。

アプローチ方法:

  • 患者から他者への感染はないため、誤り。

  • ただし、汚染された水源からのエアロゾルを多くの人が吸入することで集団感染は起こり得る。

選択肢 5:ワクチン接種により予防することができる

論点:

  • レジオネラ症に対するワクチンは存在しない。

  • 予防は給水設備の管理、適切な塩素消毒、定期的な水質検査による。

アプローチ方法:

  • ワクチンによる予防は不可能なため、誤り。

  • 水系施設の管理が唯一の予防策。


結論

正答:2(高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である)、3(エアロゾルによる集団感染)
誤答:1(感染症法で三類)、4(飛沫感染)、5(ワクチンあり)


引用文献

  1. 厚生労働省「感染症法に基づく感染症の分類」

    • レジオネラ症は 四類感染症 に分類。

  2. CDC (Centers for Disease Control and Prevention)

  3. 日本環境感染学会「レジオネラ症予防ガイドライン」

    • 感染源:冷却塔・加湿器・温泉・給湯設備などの水系環境。

    • 予防策:設備の塩素消毒、水質管理の徹底。

  4. WHO「Legionellosis」


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からレジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシンを論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問228-229

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-228-229

Q. 70歳男性と60歳女性の夫婦。2人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈したが、自宅療養し、2日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5日後に発熱し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したところ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165cm、体重53kg。入院時の各種検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性となった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられた。
(身体所見)
体温38.2℃、血圧101/62mmHg、脈拍95拍/分(整)、SpO2(ルームエアー)93%
(検査所見)
白血球 12,000/µL、赤血球 440×10^4/µL、Hb 14.3g/dL、血小板 20×10^4/µL、AST 25IU/L、ALT 20IU/L、総ビリルビン 0.8mg/dL、血清 クレアチニン2.0mg/dL、CRP 18.2mg/dL、SARS-CoV2-PCR(鼻咽頭ぬぐい液) 陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性


実務

問 109-228|実務
Q. この男性患者に対する治療薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. レボフロキサシン
2. オセルタミビル
3. アモキシシリン
4. セフジニル
5. ニルマトレルビル・リトナビル


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-228-229【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:レジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシン|matsunoya


衛生

問 109-229|衛生
Q. この男性患者が罹患した疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 感染症法(注)において三類感染症に分類される。
2. 高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。
3. ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい。
4. 罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。
5. ワクチン接種により予防することができる。
(注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-228-229【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:レジオネラ症 / 肺炎 / 感染症法 類型 / 病態・治療 / レボフロキサシン|matsunoya


■■GPT4o


■問 109-228|実務

■論点|

この問題の論点は、レジオネラ肺炎の治療薬選択を特定することです。

■解説1|

レボフロキサシン(選択肢1)[正しい]

  • レジオネラ肺炎の第一選択薬は、ニューキノロン系(レボフロキサシン、モキシフロキサシン)またはマクロライド系(アジスロマイシン)。

  • レボフロキサシンは、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)に対して有効であり、肺組織内濃度が高くなる特性を持つため推奨される。

  • レジオネラ肺炎は重症化しやすく、適切な抗菌薬治療が必要。特に高齢者や基礎疾患がある患者は重症化リスクが高い。

  • 本症例の患者は70歳であり、肺炎が進行し入院が必要な状態であるため、速やかに適切な抗菌薬を投与すべきである。

  • 腎機能低下(Cr 2.0 mg/dL)があるため、レボフロキサシンの投与量調整が必要。通常投与(500 mg/日)から減量を考慮する。

■解説2|

  • レジオネラ菌は細胞内寄生性が強いため、細胞内移行性の高い抗菌薬(ニューキノロン系・マクロライド系)が有効。

  • β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系・セフェム系)は細胞壁合成阻害が主作用であり、細胞内寄生菌であるレジオネラには無効。

  • 尿中レジオネラ抗原検査は特異度が高く、診断の補助に有用。本症例では陽性であるため、レジオネラ肺炎と確定診断できる。

■結論|

以上の理由から、最も適切な治療薬は1. レボフロキサシンである。

■補足|

オセルタミビル(選択肢2)[誤り]

  • オセルタミビルはインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ阻害薬であり、細菌性肺炎には効果がない。

  • オセルタミビルはA型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となる。

  • 本症例ではSARS-CoV-2 PCR検査陰性であり、ウイルス性肺炎の可能性は低い。

アモキシシリン(選択肢3)[誤り]

  • アモキシシリン(ペニシリン系)は細胞壁合成阻害作用を持つが、細胞内寄生菌であるレジオネラには無効。

セフジニル(選択肢4)[誤り]

  • セフジニル(第3世代セフェム系)は細胞壁合成阻害作用を持つが、細胞内寄生菌であるレジオネラには無効。

ニルマトレルビル・リトナビル(選択肢5)[誤り]

  • ニルマトレルビル・リトナビルはSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の治療薬であり、細菌性肺炎には適応外。


■問 109-229|衛生

■論点|

この問題の論点は、レジオネラ症の感染経路と疫学的特徴の理解を特定することです。

■解説1|

高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。(選択肢2)[正しい]

  • レジオネラ症は日和見感染症の一種であり、特に高齢者や免疫力が低下している人が重症化しやすい。

  • 本症例の男性(70歳)は高齢であり、基礎疾患(腎機能低下)もあるため、重症化しやすいリスク因子を有している。

  • 一方、60歳の女性はポンティアック熱(軽症型のレジオネラ感染症)で回復しており、免疫状態によって症状の違いが生じることを示している。

ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい。(選択肢3)[正しい]

  • レジオネラ属菌は自然環境中の水系に存在し、人工環境(水道、冷却塔、温泉、加湿器など)で増殖する。

  • エアロゾル(微細な水滴)を吸入することで感染するため、温泉施設、空調システム、噴水などが感染源となることが多い。

  • 本症例では温泉施設(打たせ湯)が感染源と考えられる。

  • 集団感染事例が報告されており、特に宿泊施設や病院などでの発生リスクが高い。

■解説2|

  • レジオネラ症は感染経路が特徴的であり、人から人への直接感染は確認されていない。

  • ポンティアック熱はレジオネラ感染症の軽症型であり、自己限定性で自然に回復するが、レジオネラ肺炎は治療が必要。

  • 予防策として、水回りの適切な管理(冷却塔の清掃、塩素消毒など)が重要。

■結論|

以上の理由から、正しい選択肢は「2」と「3」である。

■補足|

感染症法(注)において三類感染症に分類される。(選択肢1)[誤り]

  • レジオネラ症は感染症法において「四類感染症」に分類される。

  • 三類感染症は、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症で以下の5疾病。
    ・コレラ
    ・細菌性赤痢
    ・腸管出血性大腸菌感染症
    ・腸チフス
    ・パラチフス

罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。(選択肢4)[誤り]

  • レジオネラ症はヒト-ヒト感染をしないため、飛沫感染のリスクはない。

ワクチン接種により予防することができる。(選択肢5)[誤り]

  • レジオネラ症に対するワクチンは存在しない。


必須問題の解説は、こちらからどうぞ。

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お疲れ様でした。
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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問228-229

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 109-228-229

Q. 70歳男性と60歳女性の夫婦。2人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈したが、自宅療養し、2日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5日後に発熱し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したところ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165cm、体重53kg。入院時の各種検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性となった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられた。
(身体所見)
体温38.2℃、血圧101/62mmHg、脈拍95拍/分(整)、SpO2(ルームエアー)93%
(検査所見)
白血球 12,000/µL、赤血球 440×10^4/µL、Hb 14.3g/dL、血小板 20×10^4/µL、AST 25IU/L、ALT 20IU/L、総ビリルビン 0.8mg/dL、血清 クレアチニン2.0mg/dL、CRP 18.2mg/dL、SARS-CoV2-PCR(鼻咽頭ぬぐい液) 陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性


実務

問 109-228|実務
Q. この男性患者に対する治療薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. レボフロキサシン
2. オセルタミビル
3. アモキシシリン
4. セフジニル
5. ニルマトレルビル・リトナビル


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衛生

問 109-229|衛生
Q. この男性患者が罹患した疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 感染症法(注)において三類感染症に分類される。
2. 高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。
3. ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい。
4. 罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。
5. ワクチン接種により予防することができる。
(注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律


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