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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-240-241【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒

第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問240-241

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 107-240-241

Q. 12月に行われた少年スポーツクラブの大会で、金属製のやかんを使って、粉末のスポーツドリンクを水道水で溶かし、そのスポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気や嘔吐を発症した。
8人の患者が近医を受診し、血液検査及び便検査を行った。血液検査の結果、血清中の亜鉛濃度90~101µg/dL(正常値;80~130|µg/dL)、銅濃度278~314µg/dL(正常値;70~132µg/dL)、セレン濃度11.2~13.2µg/dL(正常値;10.6~17.4µg/dL)の範囲であり、他の重金属や中毒物質は検出されなかった。また、便検査の結果、食中毒の原因と考えられる細菌及びウイルスは検出されなかった。
一方、後日、やかんに残っていたスポーツドリンクを衛生研究所で分析したところ、以下のようなイオンが検出された。
ナトリウム520mg/L、カリウム214mg/L、カルシウム22mg/L、マグネシウム6mg/L、銅200mg/L


実務

問 107-240|実務
Q. これらの患者に対する治療薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. イダルシズマブ注射液
2. ナロキソン塩酸塩注射液
3. ペニシラミンカプセル
4. フルマゼニル注射液
5. プラリドキシムヨウ化物注射液


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衛生

問 107-241|衛生
Q. この中毒の原因となった物質の解毒にはたらく生体分子はどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. カタラーゼ
2. グルタチオンペルオキシダーゼ
3. シトクロムP450
4. メタロチオネイン
5. ビリルビン


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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問240-241、論点:銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒を徹底解説します。

薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-240-241【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒|matsunoya

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滝沢 幸穂  Yukiho Takizawa, PhD

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設問へのアプローチ|

薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目を取り上げています。


厚生労働省|過去の試験問題👇

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)


第107回薬剤師国家試験 問240-241(問107-240-241)では、銅による食中毒に関する知識を衛生および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。


複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。


💡ワンポイント

複合問題ですが、問107-240-241を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。

問107-240-241 論点解説|matsunoya_note

問107-240および問107-241は、銅による食中毒に関する記述の正誤を問う問題です。
重金属による食中毒の治療および重金属の過剰摂取に際の生体内での解毒機構の理解が必要です。

冒頭文で必要な情報は、
食中毒患者の血清中の銅濃度が過剰摂取を示唆すること、また、スポーツドリンク中の銅濃度が原因物質の過剰摂取を示唆することです。
それ以外の原因物質を否定する記載も読んだほうがいいです。
これにより、原因物質が銅であると断定されます。


論点から少し離れますが、時間にゆとりがあったら下記の豆知識もどうぞ。

🫛豆知識① 金属製のやかんを使用した際の銅中毒の事例

下記の保健所の報告書を読んでおくと、実務としては応用力がつくと思います。

古いステンレス製やかんで調製した酸性飲料による銅の食中毒について 大分県中部保健所 2161611.pdf

以下抜粋します。


古いステンレス製やかんで調製した酸性飲料による銅の食中毒について
大分県中部保健所 ○小中 智晶、岡本 英子、甲斐 岳彦、荒金 真理子
大分県衛生環境研究センター化学担当 廣田 梓、松原 輝博
大分県南部保健所 奈須 直子

1 はじめに

令和2年7月、臼杵市内の高齢者福祉施設(以下、「A施設」という。)から当保健所に「当該施設で調製したスポーツドリンクを喫食した施設利用者が嘔吐・嘔気症状を呈している」旨の届け出があった。
調査の結果、施設が古いステンレス製のやかんを用いて調製したイオンドリンクの残品から 200mg/Lの銅が検出された。
利用者全員の共通食はこれ以外になかったため、イオンドリンク中の銅による食中毒と断定した。
当保健所では食中毒を起こす原因となった銅の由来について、検証及び再現実験を行ったのでその概要を報告する。

2 事件の調査結果
(1)事件の概要

イオンドリンクの調製に使用したやかんは約10年前に購入したものであり、1日2回、毎日お湯を沸かし、1 時間 20 分程度湯冷ましを入れたままにしていた。また、ごく稀にではあるが、当該やかん内で玄米茶を調製することもあった。通常、イオンドリンクを調製する際には、プラスチック容器を用いていたが、事件当日のみ、当該やかん内で直接イオンドリンクを調製した(図1)。
今回イオンドリンクの調製に使用されたやかんを確認したところ、内部の側面に一部薄い黒ずみが見られたが、イオンドリンクを調製したであろう液面の高さまでは黒ずみがなくなっており、内部の黒ずみが洗浄されたような状態となっていた。
また、イオンドリンクの残品がpH4程度であったため、pH3.5に調製したクエン酸溶液を用いて当該品のやかんで溶出試験を行ったところ、クエン酸溶液から微量の銅が検出された。

(4)銅の摂取と毒性について

・急性銅中毒は約10mgの2価銅イオンを摂取した場合に発生し、金属味、上部腹痛、嘔気、嘔吐、下痢などを主徴とする1)という報告がある。
今回の事件では一人あたり約20mgの銅イオンを摂取し、13 名中13名が嘔吐・嘔気等の症状を呈した。
・水道法で規定する銅の水質基準(以下、「水質基準」という)は、1mg/L以下である。
3 銅がイオンドリンクに混入した仮説
銅の由来を特定するため、過去に発生した金属の溶出による食中毒と比較した(表1)。
イオンドリンクを調製したやかんの製造業者に本体の素材を確認したところ、2(2)に示したように銅は含まれていなかったため、素材由来の混入は否定された。
また、新品のやかんで調製したイオンドリンク及び玄米茶中の銅を測定したが、イオンドリンクは0.01mg/L未満、玄米茶は0.016mg/Lでこれらが原因であることも否定された。
さらにイオンドリンクを調製した際に使用したA施設内の蛇口から水道水を採取し、それに含まれている銅の濃度も測定したが、0.06mg/Lと水質基準以内だった。
東京都の事例では、容器の素材に銅が含まれていたが、アルミニウム製のやかんで調製した乳酸菌飲料中の銅が原因とされた岡山県の事例では、やかん内壁のアルミニウムと水道水中の微量の銅が置換反応を起こし、その結果、内壁に蓄積した銅が有機酸(乳酸、クエン酸等)によって溶出したと推定されていた。2)
そこで本事例においても、水道水中の微量な銅が、やかん内壁のステンレスに含まれる鉄と置換反応を起こして、内壁に蓄積し、酸性のイオンドリンクによって銅が溶出したとの仮説を立てた。この仮説を証明するため下記のような実験を行った。
(中略)
5 考察
ステンレスは一般に「さびない」とされているが、実験③の結果から、塩化物イオンを加えた溶液を用いて意図的に短期間でステンレス板を腐食させることで、ステンレス板に銅が置換反応を起こして付着することが確認できた。したがって、ステンレス製のやかんであっても、やかん内面は、水道水や塩分等に含まれる塩化物イオンによって、長い時間をかけてステンレスの保護膜が破壊され、銅が置換反応を起こしやすい状況になり、銅が内部に蓄積していくと推察された。
また、実験①及び実験②において、いずれの施設の水道水も銅は水質基準内だったにもかかわらず、各施設のやかん内部の付着物から銅が検出された。つまり、本食中毒の発生要因は、A施設特有のものではないと考えられた。さらにA施設以外の古いやかんからも、イオンドリンク中に銅が約20mg/L溶出したものがあったことから、長年使用しているやかんに有機酸(乳酸、クエン酸等)を含む飲料を入れることで銅が溶出し、食中毒が発生する危険性が高まると今回の実験から確認できた。ただし、今回の事件でイオンドリンクから検出された銅は200mg/Lであり、実験で検出された銅より約10倍高かったことについては、今後さらなる検証が必要であると推察された。
通常ほとんどの施設は、ウイルスや細菌等の食中毒に注意を払った予防法を行っているが、本事例のような化学物質による食中毒は、調理工程での思わぬ見落としによっておこりうることを知り、施設への警鐘となったとうかがえた。
6 まとめ
本事例は、銅を含まない素材のやかんから高濃度の銅が溶出したため、当初は非常に特殊な事件と捉えていた。しかし、今回の検証を通じて、どこの施設においても起こりえることがわかった。 本事例については、施設職員がイオンドリンクの袋に記載されていた「金属製の容器に保管しないように」という表示を見落としたことが、この食中毒を起こす一端となった。
今後、マスコミ等による広報も活用し、古い金属製容器を使用している可能性のある施設に対し、施設を所管する部署と連携を取りながら、通知や監視指導を通じて定期的に注意喚起を行っていきたい。


出典: 古いステンレス製やかんで調製した酸性飲料による銅の食中毒について 大分県中部保健所 2161611.pdf


🫛豆知識② 微量ミネラルとしての銅

下記の厚生労働省の報告書のうち、ミネラル(微量ミネラル)の項を一読しておくと応用力がつきます。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
ミネラル(微量ミネラル)[1.2MB]  001316469.pdf

一部抜粋します。


③ 銅(Cu)

1 基本的事項
1-1 定義と分類
銅(copper)は原子番号29、元素記号Cuであり、金、銀と同じ11族の遷移金属元素である。
1-2 機能98)
銅は、成人の体内に約100 mg存在し、約65%が筋肉と骨、約10%が肝臓に分布する。銅は、約10種類の酵素の活性中心に存在し、エネルギー生成や鉄代謝、細胞外マトリクスの成熟、神経伝達物質の産生、活性酸素除去などに関与している。
1-3 消化、吸収、代謝98)
食事から摂取された銅は胃で可溶化され、生じた2価の銅イオンは小腸において2価から1価に還元されて小腸上皮細胞刷子縁膜に存在するcopper transporter 1と特異的に結合し、細胞内へ取り込まれる。
そして、側底膜側に存在するATPase7Aによって細胞内から門脈側に排出される。吸収された銅は、肝臓へ取り込まれ、セルロプラスミンとして血中へ放出される。
(中略)
銅欠乏症には、先天的な疾患であるメンケス病と銅の摂取不足に起因する後天的なものとがある。メンケス病ではATPase7Aに変異があるため、銅を吸収することができず、血液や臓器中の銅濃度が低下して、知能低下、発育遅延、中枢神経障害などが生じる。
一方、摂取不足に起因する後天的な銅欠乏症は、外科手術後に銅非添加の高カロリー輸液や経腸栄養剤を使用した場合や亜鉛補充療法を長期間継続した場合に多く発生している。
欠乏における症状は、鉄投与に反応しない貧血、白血球減少、好中球減少、脊髄神経系の異常に伴う歩行障害や下肢痛(ミエロパチー)等である。
銅過剰症のウイルソン病は、肝臓からの銅排出に関与するATPase7Bに変異があり、銅とセルロプラスミンの結合と胆汁への銅排泄が抑制されるため、肝臓に銅が蓄積して肝機能障害が生じる。
さらに、遊離の銅イオンが血中に放出されるため、脳や角膜にも銅が蓄積し、角膜のカイザー・フライシャー輪、神経障害、精神障害、関節障害等が生じる。

3-2-2 耐容上限量の策定方法 ・成人・高齢者(耐容上限量)
先に述べたように、血漿・血清銅濃度は、銅の摂取量0.57~6.9 mg/日の範囲で一定である102)。
血漿・血清銅濃度の上昇を直ちに健康障害の発現とみなすことはできないが、6.9 mg/日は参考にすべき数値である。
一方、10 mg/日の銅サプリメントを12週間継続摂取しても異常を認めなかったとする報告がある104)。
以上より、健康障害非発現量を10 mg/日とみなし、血漿・血清銅濃度の上昇を起こさないために、不確実性因子を1.5として、耐容上限量を男女一律に7 mg/日とした。


出典:

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
ミネラル(微量ミネラル)[1.2MB]  001316469.pdf


🫛豆知識③ 水道水の水質基準

水質基準項目と基準値(51項目)
水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合することが必要です。
(令和2年4月1日施行)

出典: 水質基準項目と基準値(51項目) | 水質基準項目と基準値(51項目) | 環境省

出典:

水質基準項目と基準値(51項目) | 水質基準項目と基準値(51項目) | 環境省


まず基本的な知識について復習しておきましょう。

■■GPT4o


重金属の中毒と治療および解毒機構

1. 重金属中毒の概要

重金属は生体において微量必須である一方、過剰摂取や不適切な接触により毒性を示す場合があります。代表的な重金属には、鉛(Pb)水銀(Hg)カドミウム(Cd)砒素(As)銅(Cu)亜鉛(Zn)などがあります。それらは、酸化ストレスの誘発、酵素阻害、細胞内代謝の攪乱などを引き起こし、全身性の中毒症状を発現します。

2. 主な中毒症状

  • 神経毒性: 水銀や鉛は中枢神経系および末梢神経系に毒性を示し、行動障害や記憶障害を引き起こします。

  • 腎毒性: カドミウムや鉛は腎臓に蓄積し、腎機能障害を引き起こします。

  • 肝毒性: 銅や砒素は肝臓にダメージを与え、脂肪肝や肝硬変を引き起こす可能性があります。

  • 骨疾患: カドミウムは骨粗鬆症や骨軟化症の原因となります。

3. 治療法

重金属中毒の治療は、原因物質の特定および除去、毒性軽減のためのキレート療法、ならびに支持療法の併用を基盤とします。

(1) キレート療法

キレート剤は、重金属イオンと強固な錯体を形成し、これを水溶性にすることで尿中または胆汁中に排泄を促進します。代表的なキレート剤は以下の通りです:

  • エデト酸カルシウム二ナトリウム(CaNa2-EDTA): 鉛中毒に有効。

  • デフェロキサミン: 鉄中毒に使用。

  • ペニシラミン: 銅中毒およびシスチン尿症に適応。

  • ジメルカプロール(BAL): ヒ素や水銀中毒に使用。

  • スクシマー(DMSA): 鉛、砒素、水銀中毒に適用される。

(2) 対症療法

  • 重金属による酸化ストレスの軽減には、抗酸化剤(例: ビタミンC、N-アセチルシステイン)が用いられる。

  • 消化管内に存在する重金属を除去するために、活性炭や胃洗浄が行われる場合もある。

(3) 支持療法

  • 電解質のバランス調整や、腎・肝機能の保護を目的とした輸液療法を行う。

4. 解毒機構

生体には重金属解毒に関与する分子および経路が存在します。

  • メタロチオネイン: 銅や亜鉛に結合し、無毒化を担う低分子タンパク質。特に、肝臓や腎臓で発現が高い。

  • グルタチオン(GSH): 重金属と直接結合し、代謝産物を抱合体として排出する。

  • フェリチン: 鉄を貯蔵することで、過剰な鉄から細胞を保護する役割を果たす。

  • 肝臓の解毒酵素群: シトクロムP450系は有機金属化合物の代謝を担う。

5. 重金属中毒の予防

  • 環境管理: 工業廃棄物や鉱山開発による重金属排出の規制。

  • 職業安全: 鉛やカドミウムを扱う作業場では、個人保護具の使用と職場環境基準の順守。

  • 食品安全: 重金属を含む食品や飲料水の基準値を遵守する。


文献リスト

  1. Nordberg, G. F., Fowler, B. A., & Nordberg, M. (2014). Handbook on the Toxicology of Metals. Elsevier.

  2. Klaassen, C. D., & Liu, J. (2019). Metallothionein and Protection against Toxic Metals. Toxicology and Applied Pharmacology, 238(3), 215-220.

  3. Aaseth, J., Skaug, M. A., Cao, Y., & Andersen, O. (2015). Chelation in Metal Intoxication—Principles and Paradigms. Journal of Trace Elements in Medicine and Biology, 31, 260-266.

  4. WHO. (2010). Exposure to arsenic: A major public health concern. Geneva: World Health Organization.

  5. ATSDR. (2020). Toxicological Profile for Lead. Atlanta: Agency for Toxic Substances and Disease Registry.


メタロチオネイン
銅の吸収、分布、代謝、排泄における役割

メタロチオネイン(MT)は、低分子量でシステインに富むタンパク質であり、銅(Cu)の吸収、分布、代謝、排泄の各段階において重要な役割を果たしています。

1. 吸収

小腸の腸管上皮細胞では、銅イオンが吸収される際にメタロチオネインと結合します。この結合により、銅イオンが門脈系へ過剰に流入するのを防ぎます。また、MTと結合した銅は、腸管細胞の寿命が尽きる際に体外へ排出されるため、過剰な銅吸収を防ぐメカニズムとなっています。

2. 分布

吸収された銅は血流を介して肝臓に運ばれ、そこでメタロチオネインと結合します。この結合により、銅は肝細胞内に貯蔵され、必要に応じて放出されます。これにより、全身の銅濃度の調節が可能になります。

3. 代謝

肝細胞内で、メタロチオネインは銅の細胞内輸送に寄与します。MTは遊離の銅イオンと結合し、それを銅依存性酵素やその他のタンパク質に供給する役割を果たします。この機能は、銅を利用する酵素の合成や活性化にとって不可欠です。

4. 排泄

肝臓は、胆汁を介して余剰な銅を体外へ排泄します。この過程において、MTは余剰銅を結合し、それを胆汁分泌系へ輸送します。この機能は、銅の過剰蓄積を防ぎ、生体内の銅濃度を適切に維持する上で重要です。

まとめ

メタロチオネインは、生体内の銅の恒常性を維持する上で重要な役割を果たしています。過剰な銅を蓄積させない防御機構として機能するとともに、銅依存性酵素の活性化をサポートすることで、生体の代謝に貢献しています。


参考文献

  1. Cousins, R. J. (1985). Absorption, transport, and hepatic metabolism of copper and zinc: special reference to metallothionein and ceruloplasmin. Physiological Reviews, 65(2), 238-309.

  2. Bremner, I. (1980). Absorption, transport and distribution of copper. Ciba Foundation Symposium, 79, 23-48.


論点およびポイント

■■GPT4o


問 107-240|実務
論点| 銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / 金属解毒
ポイント|

  • 中毒の原因は、スポーツドリンク中に高濃度の銅(200 mg/L)が含まれていたこと。

  • 血液検査で血清中の銅濃度が正常値を大きく超えた278~314 µg/dLが検出された。

  • 銅中毒は、嘔吐、吐き気などの消化器症状を引き起こす。

  • 銅中毒の治療では、キレート剤(銅イオンを捕捉して排泄を促す薬剤)が使用される。

  • ペニシラミンはキレート剤であり、銅と結合して尿中排泄を促進するため、適切な治療薬である。

  • 他の選択肢(イダルシズマブ、ナロキソン、フルマゼニル、プラリドキシム)は、別の中毒(例:抗凝固薬過剰、オピオイド過量など)に使用され、今回の症例には無効。


問 107-241|衛生
論点| 銅中毒 / メタロチオネイン / 解毒機構
ポイント|

  • 銅中毒では、過剰な銅イオンが細胞毒性を引き起こすため、生体内の解毒機構が重要となる。

  • メタロチオネインは低分子タンパク質であり、銅や亜鉛などの金属イオンを高親和性で結合し、毒性を緩和する。

  • メタロチオネインは、銅を細胞内で無毒化し、代謝または排泄を助ける役割を果たす。

  • 血液検査結果から、他の金属(亜鉛、セレン)は正常範囲内であり、銅が中毒の主原因と特定される。

  • 他の選択肢(カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、シトクロムP450、ビリルビン)は酸化ストレスや薬物代謝に関与するが、金属イオンの直接的な解毒には寄与しない。


薬剤師国家試験 出題基準

出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp) 


論点を整理します。

■■GPT4o


総合的な論点


問 107-240 実務

この問題は、中毒症状を呈する患者に対する治療薬の選択に関するもので、以下の3つの要素が主な論点として挙げられます:

  1. 中毒原因物質の特定
    患者の症状(吐き気、嘔吐)や血液検査、便検査の結果から中毒の原因を明らかにする必要があります。金属製のやかんから検出された高濃度の銅が中毒の主因と推察されます。

  2. 病態生理の理解
    銅中毒において、血液中で銅が過剰になることで酸化ストレスや組織損傷が引き起こされる可能性があります。そのため、銅のキレート(解毒)を目的とした治療が必要です。

  3. 治療薬の選択基準
    適切な治療薬は、体内の過剰な銅を排出する作用を持つキレート剤である必要があります。

  • 銅は必須微量元素ですが、過剰摂取すると消化器症状(嘔吐、吐き気、腹痛)や酸化ストレスによる細胞障害を引き起こします。

  • 血清中の銅濃度が正常値を超えていることや、やかんから検出された銅濃度(200 mg/L)から、銅中毒が疑われます。

  • 銅中毒の標準治療には、キレート剤(例:ペニシラミン)が使用され、過剰な銅を排泄します。

エビデンスに基づき、治療薬として選択肢3「ペニシラミンカプセル」が適切と判断されます。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢 1:イダルシズマブ注射液

  • 論点
    イダルシズマブはダビガトラン(抗凝固薬)の中和剤です。
    ダビガトランの過量投与や出血リスクが高い場合に使用されます。金属中毒に対しては無効です。

  • アプローチ方法
    本症例は銅中毒です。
    凝固障害や抗凝固薬の使用履歴が示唆されていないため、選択肢から除外されます。

選択肢 2:ナロキソン塩酸塩注射液

  • 論点
    ナロキソンはオピオイド拮抗薬です。
    モルヒネやフェンタニルなどのオピオイドによる呼吸抑制や中毒に適応があります。

  • アプローチ方法
    本症例ではオピオイド中毒の可能性はなく、金属中毒に対して効果がないため選択肢から除外されます。

選択肢 3:ペニシラミンカプセル

  • 論点
    ペニシラミンはキレート剤として機能し、体内で過剰な銅を排泄することで中毒を治療します。ウィルソン病(銅代謝異常症)にも適応があります。

  • アプローチ方法
    銅中毒患者において、過剰な銅を排泄する目的で最も適切な治療薬です。本症例において正答となります。

選択肢 4:フルマゼニル注射液

  • 論点
    フルマゼニルはベンゾジアゼピン系薬剤の拮抗薬であり、過量摂取や鎮静効果の逆転に使用されます。

  • アプローチ方法
    本症例ではベンゾジアゼピン系薬剤の中毒ではないため、適応外であり選択肢から除外されます。

選択肢 5:プラリドキシムヨウ化物注射液

  • 論点
    プラリドキシムは有機リン系殺虫剤や神経ガスによる中毒に使用される治療薬です。

  • アプローチ方法
    本症例において、銅中毒に対する有効性はないため選択肢から除外されます。


引用文献

  1. Pratt, W. B., & Taylor, P. (1990). The Principles of Drug Action: The Basis of Pharmacology. Churchill Livingstone.

    • キレート剤の作用機序と銅中毒治療について解説。

  2. Barceloux, D. G. (1999). "Copper". Journal of Toxicology: Clinical Toxicology, 37(2), 217-230.

    • 銅中毒の臨床的特徴および治療に関する総説。

  3. Ellenhorn, M. J. (1997). Ellenhorn's Medical Toxicology: Diagnosis and Treatment of Human Poisoning. Williams & Wilkins.

    • 中毒治療薬(ペニシラミン、プラリドキシムなど)の適応および作用機序に関する詳細。


問 107-241 衛生

この問題では、銅中毒の解毒に関与する生体分子の特定が問われています。主な論点は以下の通りです:

  1. 中毒の原因物質に対する生体防御機構の理解
    金属中毒における解毒は、特定の生体分子が関与するプロセスによって行われます。本症例では、過剰な銅が酸化ストレスや細胞毒性を引き起こすため、これを緩和する生体分子が特定の役割を果たします。

  2. メタロチオネインの役割
    メタロチオネインは、金属イオン(銅や亜鉛など)と結合して無毒化し、さらに過剰な金属を蓄積して排泄を促す役割を持つ低分子タンパク質です。

  • メタロチオネインは、銅のような金属イオンに高い親和性を持ち、細胞内で金属の蓄積や毒性を緩和します(Barceloux, 1999)。

  • 血液検査では銅濃度が上昇しており、金属イオンの無毒化や調節においてメタロチオネインの関与が重要です。

エビデンスに基づき、この中毒の解毒に寄与する生体分子は選択肢4「メタロチオネイン」と判断されます。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢 1:カタラーゼ

  • 論点
    カタラーゼは主に過酸化水素を水と酸素に分解する酵素であり、酸化ストレスの防御に関与します。しかし、銅中毒に直接作用するわけではありません。

  • アプローチ方法
    本症例の毒性機序は金属イオンの過剰蓄積であり、カタラーゼの関与は限定的であるため除外されます。

選択肢 2:グルタチオンペルオキシダーゼ

  • 論点
    グルタチオンペルオキシダーゼはグルタチオンを用いて過酸化脂質などを還元する酵素であり、酸化ストレスの緩和に重要な役割を果たします。ただし、金属イオンのキレートや排泄には直接関与しません。

  • アプローチ方法
    酸化ストレスを軽減する役割があるものの、銅の直接的な解毒作用を持たないため除外されます。

選択肢 3:シトクロムP450

  • 論点
    シトクロムP450は薬物代謝や内因性物質の酸化還元に関与する酵素群です。重金属の解毒には寄与せず、主に脂溶性物質の代謝を担います。

  • アプローチ方法
    本症例における金属中毒に関しては関与しないため除外されます。

選択肢 4:メタロチオネイン

  • 論点
    メタロチオネインは、銅や亜鉛などの金属イオンと結合して毒性を緩和し、無毒化を促進する低分子タンパク質です。銅中毒において、解毒作用を発揮する主要な生体分子と考えられます。

  • アプローチ方法
    銅中毒における過剰な金属イオンの緩和に寄与するため、正答となります。

選択肢 5:ビリルビン

  • 論点
    ビリルビンはヘモグロビン分解の最終産物であり、酸化ストレスの一部を緩和する抗酸化作用を持ちますが、金属イオンの直接的な解毒作用はありません。

  • アプローチ方法
    本症例の解毒に直接関与しないため除外されます。


引用文献

  1. Coyle, P., Philcox, J. C., Carey, L. C., & Rofe, A. M. (2002). "Metallothionein: The multipurpose protein." Cellular and Molecular Life Sciences, 59(4), 627–647.

    • メタロチオネインの構造、機能、金属解毒作用についての総説。

  2. Barceloux, D. G. (1999). "Copper." Journal of Toxicology: Clinical Toxicology, 37(2), 217–230.

    • 銅中毒の生体影響と解毒メカニズムに関する詳細。

  3. Tsuji, H., Kawai, Y., & Nakagawa, S. (1991). "Role of metallothionein in heavy metal detoxification." Comparative Biochemistry and Physiology Part C: Comparative Pharmacology, 100(1–2), 43–47.

    • メタロチオネインによる重金属解毒作用に関する実験的証拠。


以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?


大丈夫です。
完全攻略を目指せ!


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】から銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

Here we go.


第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問240-241

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 107-240-241

Q. 12月に行われた少年スポーツクラブの大会で、金属製のやかんを使って、粉末のスポーツドリンクを水道水で溶かし、そのスポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気や嘔吐を発症した。
8人の患者が近医を受診し、血液検査及び便検査を行った。血液検査の結果、血清中の亜鉛濃度90~101µg/dL(正常値;80~130|µg/dL)、銅濃度278~314µg/dL(正常値;70~132µg/dL)、セレン濃度11.2~13.2µg/dL(正常値;10.6~17.4µg/dL)の範囲であり、他の重金属や中毒物質は検出されなかった。また、便検査の結果、食中毒の原因と考えられる細菌及びウイルスは検出されなかった。
一方、後日、やかんに残っていたスポーツドリンクを衛生研究所で分析したところ、以下のようなイオンが検出された。
ナトリウム520mg/L、カリウム214mg/L、カルシウム22mg/L、マグネシウム6mg/L、銅200mg/L


実務

問 107-240|実務
Q. これらの患者に対する治療薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. イダルシズマブ注射液
2. ナロキソン塩酸塩注射液
3. ペニシラミンカプセル
4. フルマゼニル注射液
5. プラリドキシムヨウ化物注射液


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-240-241【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒|matsunoya


衛生

問 107-241|衛生
Q. この中毒の原因となった物質の解毒にはたらく生体分子はどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. カタラーゼ
2. グルタチオンペルオキシダーゼ
3. シトクロムP450
4. メタロチオネイン
5. ビリルビン


Here:

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 107-240-241【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:銅中毒 / キレート剤 / ペニシラミン / メタロチオネイン / 解毒|matsunoya


■■GPT4o


■問 107-240|実務

■論点|

この問題の論点は、銅中毒の治療薬として適切な薬剤を特定することです。

■解説1|

ペニシラミンカプセル(選択肢3)[正しい]

  • 作用機序:
    ペニシラミンは、銅イオンと結合しやすいキレート剤で、過剰な銅を尿中へ排泄する作用を持つ。これにより、体内の銅濃度を低下させる。

  • 適応症:
    ウィルソン病(銅代謝異常症)や銅中毒の治療に用いられる標準的な薬剤。

  • エビデンス:
    血清中の銅濃度が正常値(70~132 µg/dL)を大幅に超える278~314 µg/dLであることから、銅中毒と診断され、キレート剤による治療が適切と考えられる。

  • 症例背景:
    問題文中に記載されたやかんの銅溶出量(200 mg/L)は、飲料中の許容濃度を超えており、これが中毒の原因と推察される。
    ※水道水の水質基準 銅及びその化合物|銅の量に関して、1.0mg/L以下

■解説2|

  • 使用上の注意:
    ペニシラミン投与後は、血中の銅濃度のモニタリングが必要であり、副作用として白血球減少や腎障害が発生する可能性があるため注意が必要。

  • 他の治療法:
    銅中毒の治療では、重篤な症例ではキレート剤の静脈投与(EDTAなど)や対症療法も検討される。

  • 代謝と排泄:
    ペニシラミンは経口投与後に吸収され、肝臓で代謝される。その後、主に腎臓から排泄されるため、腎機能が治療効果に影響を与える。

■結論|

ペニシラミンは、銅中毒に対する第一選択薬として適切であり、治療効果を十分に発揮すると判断されます。

■補足|

イダルシズマブ注射液(選択肢1)[誤り]

  • 抗凝固薬ダビガトランの過剰投与に対する中和薬です。

  • 銅中毒とは無関係。

ナロキソン塩酸塩注射液(選択肢2)[誤り]

  • オピオイド過剰投与に対する拮抗薬です。

  • 銅中毒には効果がない。

フルマゼニル注射液(選択肢4)[誤り]

  • ベンゾジアゼピン系薬物の過剰投与に対する解毒剤です。

  • 銅中毒とは関連がない。

プラリドキシムヨウ化物注射液(選択肢5)[誤り]

  • 有機リン系化合物中毒の治療薬です。

  • 金属中毒には適応しない。


■問 107-241|衛生

■論点|

この問題の論点は、銅中毒に関連する解毒機構における生体分子を特定することです。

■解説1|

メタロチオネイン(選択肢4)[正しい]

  • メタロチオネインは、硫黄を含む低分子量のタンパク質で、体内で亜鉛や銅、カドミウムなどの金属イオンと結合し、これらの過剰な蓄積から細胞を保護する役割を果たす。

  • 特に、銅イオンの結合能が高く、過剰な銅イオンを無害化し、排泄に関与する。

  • 問題文中で血清中の銅濃度が正常値を大幅に超えていることから、メタロチオネインが解毒過程で重要な役割を担っていると推測される。

■解説2|

  • メタロチオネインは肝臓や腎臓などの臓器で高濃度に発現し、金属ストレス下でその合成が誘導される。
    これにより、体内の金属イオン恒常性を維持する。

  • メタロチオネインの遺伝子発現は、重金属ストレスや酸化ストレスに応答して調節される。
    メタロチオネインは金属中毒の保護因子として広く研究されている。

  • メタロチオネイン以外にも、グルタチオンやフェリチンなどの生体分子が重金属代謝や解毒に関与しているが、銅に対する特異性はメタロチオネインが最も高いとされる。

■結論|

メタロチオネインは、銅中毒において中心的な解毒因子です。
問題文の症例における銅過剰の対策として適切に働く生体分子です。

■補足|

カタラーゼ(選択肢1)[誤り]

  • 酸化ストレス応答で過酸化水素を分解する酵素です。

  • 金属中毒とは直接的な関係がない。

グルタチオンペルオキシダーゼ(選択肢2)[誤り]

  • グルタチオンを基質とし、過酸化脂質の分解に関与する酵素です。

  • 銅中毒に特異的ではない。

シトクロムP450(選択肢3)[誤り]

  • 薬物や異物代謝を担う酵素群です。

  • 重金属イオンの解毒には直接関与しない。

ビリルビン(選択肢5)[誤り]

  • ヘム代謝の産物です。

  • 重金属中毒とは無関係。


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では、問題を解いてみましょう!
すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第107回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問240-241

一般問題(薬学実践問題)


【物理・化学・生物、衛生/実務】

■複合問題|問 107-240-241

Q. 12月に行われた少年スポーツクラブの大会で、金属製のやかんを使って、粉末のスポーツドリンクを水道水で溶かし、そのスポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気や嘔吐を発症した。
8人の患者が近医を受診し、血液検査及び便検査を行った。血液検査の結果、血清中の亜鉛濃度90~101µg/dL(正常値;80~130|µg/dL)、銅濃度278~314µg/dL(正常値;70~132µg/dL)、セレン濃度11.2~13.2µg/dL(正常値;10.6~17.4µg/dL)の範囲であり、他の重金属や中毒物質は検出されなかった。また、便検査の結果、食中毒の原因と考えられる細菌及びウイルスは検出されなかった。
一方、後日、やかんに残っていたスポーツドリンクを衛生研究所で分析したところ、以下のようなイオンが検出された。
ナトリウム520mg/L、カリウム214mg/L、カルシウム22mg/L、マグネシウム6mg/L、銅200mg/L


実務

問 107-240|実務
Q. これらの患者に対する治療薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. イダルシズマブ注射液
2. ナロキソン塩酸塩注射液
3. ペニシラミンカプセル
4. フルマゼニル注射液
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衛生

問 107-241|衛生
Q. この中毒の原因となった物質の解毒にはたらく生体分子はどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. カタラーゼ
2. グルタチオンペルオキシダーゼ
3. シトクロムP450
4. メタロチオネイン
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