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金融機関が国民に教える前になすべきこと

テレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)は、ビジネスマンや企業の幹部の視聴者が多い。
昨日(2024年4月25日)の放送では円安の問題が大きく取り上げられたが、私が今回注目したのは金融経済教育推進機構に関する話題だ。
この機構は、「投資立国」を目指し、普通預金を長期運用して国民資産を増やすために、国民の金融リテラシー向上を図る取り組みとのこと。
私は金融教育自体は否定しない。むしろ遅すぎるくらいである。しかし、問題は日本の金融機関が引き起こす不祥事が後をたたないことである。

番組では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がクレディスイス発行のAT1債を、リスクを適切に説明せずに専業主婦などの一般個人に販売し、大きな損失を与えたケースが紹介された。数十人が合計60億円以上の被害を受け、裁判を起こしている。
私は海外赴任経験から、日本の金融機関が顧客を軽視し、金融庁や旧大蔵省の顔色を窺う一方で、本来の責務を果たしていないと感じる。最近でも三菱フィナンシャルグループだけでなくスルガ銀行なども問題を起こした。80年代に遡れば、バブルを引き起こした犯人は大手都市銀行だと思っている。
番組で指摘されたように、オルタナティブ金融商品であるAT1債のリスクは専門家でさえ難解であり、一般個人に販売すること自体が問題だ。しかも、リスクを説明せずに販売するのは詐欺に近い行為と言える。
金融経済教育推進機構の出資元は民間金融機関であり、初代理事長は三菱UFJフィナンシャルGP出身の安藤聡氏。おそらく実務部隊は金融機関からの出向者が中心になるだろう。
しかし、このように金融機関の不祥事が相次ぐ中、まずは自らの使命感と責任を示すべきである。
国民に教える前に、まずは銀行・証券会社自体が自己啓発する必要性を強く感じる。
三菱フィナンシャルグループに言えることとして、被害者がいるのであれば、公の裁判でしっかり責任を認め、逃げ隠れせずに、自ら自浄能力があることを明確に証明するべきだと思う。
日本を支える金融機関の一角として矜持を示してもらいたい。
国民に資金運用のやり方を教えるなら、その後にして欲しい。

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