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個人経営者が売上/利益を3倍以上目指す際に必要な再現性を作る具体的なフローを4つのステップで公開
こんにちは。ストラテジスト寺田です。
個人経営者(1人社長、個人事業主、フリーランス)向けコンサルティングサービス『SAKASERU』創設者として、売上/利益の向上や組織化についてnoteやXで知見経験を公開しています。
個人経営者向けの戦略壁打ちをすると、いろんな悩みや困りごとを聞きます。
個人経営者の皆さん、困ってませんか?
『人に任せて上手くいかないんじゃいか怖い』
『任せられる人なんて思いつかない』
『自分がやってきたことを人に任せようとした瞬間上手くいかない』
この経験は誰しもがぶつかる壁ではないでしょうか。
個人経営者との戦略壁打ち面談をしていると、そのような声を大量にいただきます。
10人以上になると「O人の壁」みたいなのがよく見つかるのですが、1人~5人くらいまでのあるあるの壁は意外と一般的には出てきていないです。
個人で行う事業の利益を1人で対応しながら2~3倍にするまでは『商品・ターゲット・単価』などを見直すことで可能です。
しかし、それ以上になると組織化や仕組み化が欠かせません。
皆が経験する壁なのになかなか世の中に公開されていないので私が裸になります。是非、参考にしてください。
『属人性が高い事業をどのように再現性を持たせるのか』
4つのステップに分けて公開します。
下記のフローは、実際に私たちが行った『生々しい実録』です。
2024年4月に立ち上げた個人事業主向けのコンサルティングサービス『SAKASERU』(立ち上げ7ヶ月目で粗利9000万円)の組織化を実現した時に行った内容です。
①サービスの提供フローを言語化する
![](https://assets.st-note.com/img/1729161290-49iXotePxGZbFfTv1mrlIBKJ.jpg?width=1200)
まずは、属人的に提供してきたことを時間軸や内容で切り分けていく作業を行います。
手順を書きます。
時系列に分けてまず実施していることを分解する
そこから各項目でさらに細分化する
各項目での達成項目を書き出す
目安の期間と必要な打ち合わせ回数等を算出する
提供に必要なスキルを書き出す
必要な人材要件や思い当たる人を書き出す
その人が提供するために必要な資料等の案を出す
品質担保のために提供する際のルールを決める
これを書き出すことで、
属人化していると思っていたサービスが、実は一部任せられるのではないか!?という希望を見出されます。
最初は属人的に提供していると思っていても、10~15案件ほど提供を進めていくと大枠の流れや必要な要素が言語化できていくように皆さんなっていかれます。
そこで必要なスキルは何か、いつまでにどんな状態を作るのか、提供できる人はどんな人なのか等を挙げていくと体系化の大枠が見えてきます。
2.手書きでノートに言語化する
![](https://assets.st-note.com/img/1729161676-EHgPt9vyWQbpAwxkDmSBu2d3.jpg?width=1200)
次は、人に任せるための資料などを作っていく土台を作ります。
先ほどの手順の中にあった「7.その人が提供するために必要なサポート資料の案を出す」の詳細を手書きでいくつか作っていきます。
↓
実際に属人的に提供していたときのことを思い出しながら、1回ごとに何をしていたのかをチェックリストや図解資料などで見える化していきます。
↓
これをベースにクライアントや提供するメンバーが実際に使用する動画や資料を作成していきます。
この時、パワポやスプレッドシート、Miro等で整理しても良いですが、圧倒的に手書きをおすすめします。PCなどにアウトプットすると情報は整理されやすいのですが、無意識で行っている考えなどがアウトプットしきれません。
そうなると、人に任せた時に、「ここちょっと違うんだよな」という微妙なズレが生じてしまう可能性が高いです。
このズレは、最初はなんとかなると思いがちですが、徐々にこの感覚のズレが大きくなっていき、いつの間にか最初のサービスからかけ離れたものになっていってしまいます。
特に、組織の人数が増えてきたときに、あなたが直接伝えらなくなってきたタイミングでトラブルが起こります。
「これが怖くて任せられない」という個人経営者の方は多いですが、これは事前に防ぐことができます。
このズレをできる限り少なくするために、あなたはあくまでも手書きで脳の中身をそのままアウトプットし、引き継ぐメンバーに実際に使用する資料を作ってもらえるとベストです。
「自分がこれから提供するんだ」という意識のもとで資料を作成するので、提供者としての抑えるべきポイントや、資料の背景や意図なども汲み取ってもらいやすくなります。
3.自分以外が使う資料や動画を作成する
![](https://assets.st-note.com/img/1729162227-1uc5Sp6ILT73bQXsjfWaJr8l.jpg?width=1200)
次はいよいよ実際にクライアントが見る資料や動画、使用するワークシートなどを作成します。
ここは、先ほどもお伝えしましたが、あなたが全て作成するより、実際に任せたい人にある程度任せて一緒に作ることをおすすめします。
あなたは体系化された資料がなくても、感覚で属人的にやってきたのです。
この体系化された資料を活用するのは任せた後の人です。実際に使う人が資料やワークシートの意味を理解してもらう必要があります。
この共同作業によってのメリットは3点あります。
・任せた後の人に当事者意識が生まれる
・一緒に作ることで脳内にシンクロを生める
・経営者自身が次の重要な活動に時間を使える
ここでの資料等を作成するゴール(目的)は、
資料を活用することで『クライアントが次のステップに進むための課題(クライアントマターの業務)を進められるか』という基準です。
正直、この体系化が大変過ぎて死にかけました。
でも解決方法はシンプルです。
気合と根性です。
4.提供できる人材を採用して教育の仕組みを作る
![](https://assets.st-note.com/img/1729162764-9VODnP8YMWrN5hZAl74tKajg.jpg?width=1200)
組織化して提供していくためには、サービス提供のクオリティを担保するための人材育成が必須です。
任せられる人を採用して教育します。
(一緒に資料を作ってくれる人がいればその人の基準をさらにもう一段階上げる。さらにその後採用する人の育成を行うための仕組み作りです)
この時、いきなり体系化した全ての領域を1人の人間に任せることはしません。いくつかの領域に分けて担当してもらいます。
そうすることで品質を落とさずに採用や育成のハードルを下げることができます。
例として我々が提供している『SAKASERU』では、
・前半は「商品設計コーチ」という唯一無二の商品作りのサポートを行う者。例えば、デザイナーの方の仕事のコンセプトやターゲットを変えて単価を上げる設計をする。
・後半は「販売コーチ」という集客~営業のサポートを担当する者。例えば、実際にコンセプトやターゲットを変えたデザイナーがどうすれば見込み顧客に出会えて、どんな商談をすれば成約に至るのかをロープレの練習までしてサポートするもの。
に分けています。
その上で、採用要件を
・コーチ自身が個人事業で月収100万円を超えている
・SNSのフォロワーが1000人を超えている
・コーチ育成プログラムを受けている
とすることで、属人的に提供していたサービスの再現性を担保することができています。
「このコーチ育成プログラム」の詳細ですが、
一番効果があったのは、『実際にクライアントに提供している様子の動画やメッセージのやり取りを、思考プロセスを含めて解説する』でした。
様々な事業、様々な性質を持たれるクライアントがいらっしゃるので、それぞれの個別事例を実際に解説して、それが体系化した資料のどこと連動しているのかを伝えることで理解が深まります。
そろそろ任せたくなりますが、まだ任せません。
いきなり100%任せるのではなく、徐々に感覚を掴んでいってもらいます。
1.まずは一緒にミーティング等に参加してもらう
2.クライアントへの提供に必要な社内業務を任せる
3.実際に進行をしてもらい自分はほとんど口を出さない
4.自分抜きで1人で対応してもらい、その動画を見て社内でフィードバック
という流れで、体系化が完了しました。
(自分以外のメンバーが提供してクオリティが担保できる状態)
実際に、8月から私は『SAKASERU』の提供からはほとんど外れてメンバーに任せるようになりましたが、クライアントの成果は再現性を持って生まれ続けています。
そして、さらにノウハウや知見はその後も蓄積されていくので、当時私が提供していたときよりも、今の方が質の高いサービスになっています。
(みんな本当によく頑張ってくれた、ありがとう)
このフロー自体の再現性について
すぐに結果が出ました。
2024年8月以降、数社『再現性を持たせることが最大の課題』と仰っていた事業拡大フェーズの経営者から、組織拡大のコンサルティング案件を受けております。
その経営者とともに同様のプロセスを行ったことで開始1ヶ月半で2名の新規採用が実現。
それにより社長のリソースをより重要な部分に割けるようになり、新規売上も大幅(数倍)に拡大されています。
また、
「今後大きく事業/組織拡大するつもりはない」、という個人経営者にも心からおすすめします。
自分が提供していることは何か、そこから生み出している価値は何か、実際にかかっている工数はどのくらいか、競合との違いは何か、などが可視化されます。
新規の営業もしやすくなり、サービス提供も効率を上げながらも質が担保できるようになります。
まとめ
個人で売上はどんどん上がるけど『このサービス、自分以外の人が提供できるんだろうか』という悩みは、僕たちもぶつかった壁です。正直乗り越えれらる気がしませんでした。
毎日のように、諦めそうになっていました。
しかし、ここに壁があるからこそ、チャンスなのです。
再現性が作れたときに『競合優位性』に変わります。壁を乗り越えるということはそれだけ強くなるということです。
事業をする限り、壁は永遠に生まれます。
壁はピンチではなく圧倒的なチャンスです。
『壁がある、だからやる』
今後、個人経営者がぶつかる壁や、その乗り越え方についての勉強会やワークショップを10月~12月で開催する予定です。
案内は公式LINEにてさせていただいてますので、個人経営者の方は登録してお待ちください。
では、良い人生を。
『SAKASERU』創設者
ストラテジスト(戦略家)
寺田真幸(てらだまさゆき)