CanonのAPS-C機 EOS R7で撮るモータースポーツ
CanonのAPS-C機 EOS R7とEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USM
前回、筆者はEOS R7を望遠専用機として購入した話を書きましたが、今回はどんなレンズで撮影してきたかを書いていきます。
使用しているレンズはマウントアダプタを介したEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMです。Ⅱという表記の通り、EF 100-400mmのLレンズとしてはとしては2代目となります。初代も使っていましたが2代目を購入してからはもっぱらこちらだけの使用となっており、Canonのプロ会員でもあるために修理時には代替え製品を借りることが出来るので初代は売却してしまいました。
このEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMは2024年3月現在でも現行商品として新品がラインナップされていますが、ミラーレス用のRFレンズにRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMという後継機が発売されたために中古相場が大幅に下落。執筆時点での中古相場は16万円台からと、キヤノンオンラインショップ新品価格の半額程度となっています。
デジタル一眼レフ隆盛時代はモータースポーツの標準レンズとまで言われ、Canonユーザーのプロフォトグラファーは必ず持っている1本でした。レンズ交換式ミラーレス用のRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMが発売された現在でも根強い人気があり、サーキットの現場では未だにかなりの数を見ることが出来ます。
とにかく画角がちょうどいいのです。APS-Cで使うと160mmから640mmに相当し、マシンがギリギリ全部入るかどうかの近くからかなり遠くまでをカバーしてくれます。またEOS R7ではエクステンダーを使ってもフレーム全域でフォーカスできるので焦点距離を伸ばしたいときにも対応できるのです。
超望遠域での手振れ補正の効きの強さが特筆で、一脚が無くても1/250秒のシャッタースピードなら手ブレは怖くありません。またフォーカスの追随が速く、EOS R7以外のレンズ交換式ミラーレスならR3でもR6 MkⅡでも追随していきます。そして4500万画素程度なら十分に美しさを発揮してくれる解像力も魅力で、EOS R7の3250万画素なら余裕で対応できます。
超望遠ズームは概して絞り開放値が暗く、このレンズも400mmの開放でf5.6となっており、またAPS-Cの高画素機はフルサイズ機に比べて画素1点の面積が小さく受光量が少ないため暗所に弱いとされていました。
EOS R7とEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMの組み合わせが暗所に弱いかと言われれば、一概にそうとも言い切れません。
常用ISO感度の最高値が32000のEOS R7で、ISO16000で撮影した富士24時間レースのミッドナイトセクションですが、粒子の粗さは目立つもののロゴの文字ははっきりと読めるので立派に写真として成立しています。
レンズの開放値が暗いと暗部でのフォーカスが出来なくなるという心配もありましたが、そもそもEOS R7は開放値F11のレンズでもフォーカスが出来るため何の問題もありません。
ただし常用ISO感度が102400のEOS R6 MkⅡであれば、暗部の粒状性の滑らかさを保持したままISO64000まで上げられます。金額比2倍の威力は大きいと言えるでしょう。
このカメラとレンズなら撮れる!という組み合わせは人それぞれで違うかもしれません。筆者の場合はこのEOS R7とEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMという組み合わせがそれにあたります。
RFレンズにフィットしたRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMもそのうち買うかもしれません。しかしEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMが修理期限を満了するまではこのレンズは持ち続けると思います。
前回書いたRF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMとEOS R7のレンズキットに、このEF 100-400mmF4.5-5.6L IS II USMと、最近出た広角ズームのRF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMがあれば、とりあえず何でも撮れます。予算にして50万円未満で揃ってしまいます。この機材コストの手軽さもAPS-C機の長所と言えます。
この3本のレンズの組み合わせに不便があるとすれば、それは背景をぼかすことが多いポートレート系の撮影で、これを解決するにはRF50mm F1.8とEF 100mm F2.8 L MACROがあればとりあえずOKと言えるでしょう。
次回はEOS R7 と RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMのレンズキットの話に戻ります。