約13年ぶりN回目

何か不思議な気持ちだ。
男性公衆トイレの中に入ると、
小便器が薄緑色の陶器のようなもので
作られていて、それは立方体で、
半分より上に四角く穴が空いていて。
薄緑の郵便ポストのような小便器だった。

上の方にある四角い穴に、
うまく小便を入れなければいけなくて、
うんしょ、よいしょと
一生懸命に背伸びしながら、
どうにか用を足すと、
すごく不思議な感覚に包まれた。

そしてなんだか、どうにもこうしちゃいられないような気分になって、こうしちゃいられないというか、何かおかしいというか、とにかく何か根本的に変えなければいけないというような気持ちになって、次第にもやもやと、もぞもぞと、意識が布団から這い出すようにはっきりしてきて、突如ハッとする。

暗い天井。
薄明るい窓の外。
頭から外れた枕。

携帯をみる。5:25。

そうか、寝てたんだ。
まだ朝。
だとするとこれは夢だったか。

コロナ禍になって、
世界中で悪夢を見る人が増えたそうだ。
不況や社会への不安かららしい。
かくいう自分も、何度も何度も悪夢を見た。

とは言っても、
今回のは別に悪夢でもなかったな。
ただそれだけの、そういうものがあったという世界なだけで、それが良いも悪いもなかった。ただ、それだけだった。

不思議な気持ちだ。
それなのに何か、
達成したような気分なのだから。
一つ何かを成し遂げたかのような気持ち。

と同時に、下半身の違和感に気づく。
なんか、下半身全体、特に股間周りに、存在感というか、温かみとかゆみと不快感、張り付くような触覚を覚える。

もしや、いや。
そんなはず。

と思うほど勘の良くない男松村。
即座に手触りチェックを敢行。
これは、濡れている！

濡れている？どういうことだ？
トイレの夢をみて、起きたら、パンツが濡れていた。
どういうことだ？

あまりにその体験が久しぶりすぎて、
すぐには答えに辿り着けなかった。
しかし体は覚えているもので、
幼い頃のあの感覚、
夜中に起きて、シャワーを浴びて、
服を着替えて、布団を変えて、
寝直すあの感覚を、
記憶の中から呼び起こす。

これは、
おねしょだ。

5:25。
男はおねしょをしたことに気づいた。
しかも手触りで。

あー。
ああ。最悪だ。
おねしょをしている。
この年で。

なんてことが起きているんだ。
しばらく体は動かなかったが、
股間周りの不快感には勝てず、
ロフトを降って洗い立てのパンツを握りしめ脱衣所へ。

被害状況はというと、
ジャージは問題なし。
パンツに所々シミがあると言ったもので、
布団にまで影響があるほどではなかった。
かといっていわゆる「ちびった」という動詞で
表現できる範囲は超えており、
これは確実におねしょだということを視認する。

はぁ。
なんだってこんな目に合うんだろう。
これも何かストレスに紐づいたらいいけど、
理由もないただのおねしょなんだろうな。

現在、２１歳３ヶ月。
1999年10月30日に生を受け、
何度目のおねしょかはわからないが、
そのスコアを確実に更新した。

最後にしたのが小学生の低学年だとしても、
13年ぶりN回目。不名誉な記録を叩き出したものだ。
Nは3以上の整数としよう。
３回以上は絶対してるから。

そうして全てを整えて、
布団に戻る。

ああ、やっと落ち着いた。
いつも以上の安心感がある。
何か騒動が落ち着くと、
すごく楽になるな。

ちゃんと寝よう。
昨日は寝るのが遅かった。
この安心した気持ちに任せて、
しっかりと睡眠をとりなおそう。

そして男は、そのまま何事もなく眠りについた。
ここまで約１４００文字以上。

それでもこの男の今日は、
まだ”起床”すら始まっていないのである。

------------------
12:00に起きる。
おねしょしたことを思い出す。
途端に恥ずかしくなる。

昨日の夜、というか今朝、
この事実が受け入れられず勢いで呟いてしまったため、
ネット上には俺がおねしょをしたということはもうリーク済みだ。

だとすると、隣で寝ているパートナーにバレるのは時間の問題。
だとしたらバレる前に言おう。
いつもはなかなか起きないこの人も、こういえば起きるだろう。

「ねえ、最悪。おねしょしちゃった。」
案の定、驚きとともに起きてくれた。

そうして伝え終わって、一定の慰めを受けた後昼ごはん。
前日にホイップクリームを買ったので、パンケーキ。
プチパンケーキだ。うまい。これはうまい。
ケーキシロップはただの甘いだけの液体のような気がして納得が行かなかった。こんなもんなのかな。

その後、ゲーム。
ピクミン熱が再燃。
お宝集めに励む。

１ステージクリアして、バイトの準備。
シャワーを浴びて、歯磨きをして、
荷物を整えて、携帯を充電をして。
全てが準備OK。あとは出ていくだけ。

となった時に、自転車のバッテリーが９%。
充電スタンドには刺さっていたものの、
コンセントには刺さっていなかったらしい。

おいちょっと待て。
電気までおもらししたってのかよ。
勘弁してくれ。

充電には約１時間かかるので、
その間に洗濯と若林正恭さんの旅行記を読む。

俺も海外へ行きたい。
自分の生息している文化環境から飛び出して、
人間が生きるとはこういう形もあると、
向き合ってみたい。知ってみたい。
海外旅行はそういう楽しみがあるな。
行きたいな。

そうして充電も溜まったので、
バイトへGO。

ウーバーイーツである。
３時間半の配達を終え帰宅。
久しぶりだったけど、完璧にこなせた。
素晴らしい。

そしてお風呂をためて、
ご飯を作る。

体が疲れた日は、絶対にお風呂に入って体を休めよう。
心地よく生きるための第一歩だ。

ご飯はサーモンアボカド丼。
ローコストで簡単でうまい。
ファストフードの完成形だ。

その後夜ピクミン。
アリの巣のようなステージで、
かなり苦戦した。
５、６回のトライの末なんとかクリア。

そしてこれをかく。
おねしょって面白いな。

そしてこのあとは、
歯磨きして寝るだろう。

20210203

〈食事〉
朝：なし
昼：プチパンケーキ
夜：サーモンアボカド丼、中華スープ

〈エンタメ〉
星野源のANN　誕生日
ハライチのターン　母との喧嘩
有吉の壁
瀬戸弘司の動画
ピクミン３