給食の残食をなくせ!

 教員になって一番と言っていいほど悩んできたのが給食指導。

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 これは、本当に毎回悩むし、毎年ブレてしまいそうになる。今年も悩んでいるし、ブレてしまっている…。食べるときのルールは?苦手なものが出たときに減らしていい?おかわりのルールは?最終的に残してOK?もう、毎年悩む。

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 以前、1年生をもったとき、隣は女性の学年主任が担任していたクラス。僕のクラスは、給食で残す子が続出。学年主任のクラスは残す子はほとんどおらず、毎回食缶はからっぽ。違いは歴然だった。

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 当時の僕は、「残してもいいよ。苦手なものは誰にでもあるよね。食事は楽しいものだから。」というスタンスでいた。流石にずっとおしゃべりしていて残すような子には注意をしていたが、やっぱり残す子は減らなかった。いろいろ試した。子どもたちのアイディアを採用して、班の友だち同士で励ましながら食べられるように励ます言葉を提示しておいて食べたり、減らす子の給食は極端に減らしてとにかく完食する体験を多く持たせてそこから徐々に増やしていったり…。もう、それは本当にいろいろ試した。でも、なかなかうまくいかないし、しっくりこなかった。

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 そんな状態が続いた冬のこと。自分のクラスがインフルエンザにより学級閉鎖になった。やることがなくなった僕は、隣の学年主任のクラスで給食を食べることになった。子どもたちは黙々と食べている。おしゃべりしている子もいない。

 おかわりも自分のクラスよりよくしている。なにより、「おいしい。」「もっと食べたい。」など、雰囲気がよくなる言葉が続出している。先生が叱っている様子もない。どうしてなのだろうか?特別なにが本にあるような実践をしているわけではない。学年主任は教室の後ろの方でただ食べているだけ。その当時は不思議だったが、今になるとなんでそのクラスは給食を食べるクラスなのかわかる気がする。

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 わかった理由は、その学年主任の先生が担任だからそのクラスは給食を残さないんだということ。なんか小手先の変な技術じゃないんだと、小手先の言葉ではなく、先生の持っている雰囲気とかなんかそんなものが原因だと思った。


 その学年主任の先生は、職員室で一番整理整頓ができている。机はいつも綺麗。書類の整理も完璧。毎朝、早く出勤して給湯室を綺麗にしてくれている。担任する教室もピッカピカで、教室にある機械にはホコリが積もらないように布がかけてある。書く文字はびっくりするくらい綺麗。教室の掲示物は一切乱れずに並んでいる。子どもたちの机も乱れないようにテープで印を付けている。そんな先生の担任するクラスの子は、やっぱり整理整頓ができるし、給食も綺麗に食べる。逆に、そんな先生のクラスの子が整理整頓できない、給食を残す、と考えるるほうが難しい。
 
 ということは、明日からすぐできるようになる技術やネタはなく、同じようにはできないんだということがわかる。わかっただけで、給食指導をあきらめたわけではないが、「教育は人なり」っていうのはきっとそんなことなんだろうと思う。


 そう考えると、今僕にできることは、給食を美味しそうに食べて、子どもの誰よりも早くおかわりをする。食器は綺麗に食べるということ。そんなことくらいだろうか。僕はきっと、給食指導はずっと悩んでいくのではないだろうか。

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