価値と価格_1
今日からMLBのワールドシリーズが始まり、ドジャーズの初戦勝利に大谷びいきの皆さんが湧いている。
一方、報道によればこのカードの観戦チケットは、最も安い席で約800ドル(約12万円)で、高い席は1,000万円を越えるとか。
バカバカしいのか、値打ちがあるのか議論は尽きないが、僕の興味はちょっと違うところにある。
それは価格の格差という現実だ。
例えば、お馴染み「ビッグマック」の価格を比べると、上位は1位スイス(1,214円)・2位ウルグアイ(1,064円)・3位ノルウェー(1,018円)・4位アルゼンチン(985円)・5位ユーロ圏(912円)と続き、日本は41位ルーマニア・42位中国・43位ヨルダンに続く「44位日本(480円)」で、45位にベトナム(453円)が続くという。
最低賃金はさらに極端で、1位オーストラリア(2,446円)・2位ニュージーランド(2,254円)・3位ルクセンブルク(2,160円)・4位ドイツ(2,055円)・5位イギリス(1,998円)と続き、日本は最高の東京都1,163円としても18位と、大きく水を空けられる。
(World Population Reviewによる2024年・世界154カ国の最低賃金データより)
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この話を持ち出したのは、決して日本の低さを嘆くためではない。
最低賃金のランキングをさらにみると、50位ベリーズ(350円)、100位アルジェリア( 119円)と急激に落下して、最下層の国々は150位バングラデシュ(11円)・151位 キルギス(11円)・152位ジョージア(6円)153位スーダン(1円)154位リベリア(0円=年収4ドル)ととんでもない。
ちなみに、先述のビッグマックの下位5か国は50位南アフリカ(429円)・51位インド(413円)・52位エジプト(372円)・53位インドネシア(370円)・54位台湾(343円)と続くが、日本が44/54位であることも見逃せない。
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最低賃金とは、人間の労働1時間に対する「最低の対価」のことで、さすがにゼロは除外しても最低のスーダンと最高のオーストラリアでは2,446倍の違いがある。
もちろん労働の価値がすべて同じとは言わないが、ここで比較しているのはあくまで「最低」であって、その質は関係ない。
つまり、人間を1時間拘束する「人間の価値」が2,446倍異なるという意味だ。
この現状に対し、あなたなら「いくら何でも理不尽だ」と思ってくれるに違いない。
だが、ちょっと冷静に考えて欲しい。
確かに人間の価値がそんなに違うのはおかしいけれど、2,446倍なのは価値でなくて価格のはず。
人間の価値はそれほど違うはずがなく、問題は極端な価格の違いであり、まさに価格の格差と言える。
つまり、価格とは価値を金銭で測った値段を意味するはずだと。
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さて、今日も前置きが長かったが、ここからが本題だ。
「価値と価格」の使い方って、それ、逆だと僕は思う。
価値と価格は、ともに「価(か)」についての概念で、その違いは「値(ち)と各(かく)」にある。
辞書を引いても、「価値」が「重要性や有益性の程度」を表すのに対し、「価格」は「価値を金額で表したもの」とあるが、「程度を数時以外」で「金額を数字」と捉えれば、「値=数字以外」で「格=数字」とまるで逆になってしまう。
だが待てよ、だったら「価」とは何なのか。
価の音読みは「か」だが、訓読みは「あたい」で、「何かのねうちに匹敵する、相当する」という意味で、合うや能う(あたう)が変化した語らしい。
つまり、「価」には「数字以外と数字」の意味があり、それらを使い分けるために「価値と価格」という言葉が生まれたのだろう。
だとすると、そもそも「価」の意味が逆の意味で、「価値」とは「数値で表せない値打ちをあえて数値化して捉えること」で、「価格」が「数字で表される値打ちの程度=値段・料金」となる訳だ。
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今日は、ふと感じた疑問を他人に伝えられるように説明することが、結果的に自分自身にも説明することとなり、それができた瞬間に自分が求めた答えにたどり着くという、実況中継のようなブログが実現した。
僕にとって、週に一度のブログ投稿は、今や一番大切な価値ある面白い作業いや仕事と言える。
いつも最後までお付き合いくださるあなたには、今日は特に感謝したい。
だが、今日の話はまだ本題に辿り着いたばかりなので、次回この続きにもお付き合い願いたい。