嫌な思い出思い出した
落ち込みついでなのか、
幼少の頃の嫌な出来事を思い出した
それは夏休みのある日の事
お友達と遊ぶ約束をしていたので
出掛けようとすると、
母に唐突に激怒された
手伝えと
母は子供会の役をしていて、
ラジオ体操の景品を分け
子供達の家に渡しに行く作業をしていた
当時住んでいたのは
ファミリー向けのマンモス団地、
そんな作業を一人でやるという
とんでもない役を母はしていたのだ
なので手伝えと怒鳴った
私はしぶしぶ手伝う事にした
毎日ラジオ体操に行っていたので
その人数は大体わかっていたし、
団地の棟は11か12あり
階も12階くらい
階に10世帯くらいある建物だったから、
子供でも想像を絶する数と移動だ
その前に、
ありがとうを書いた紙を刷り
景品を小分けするのも大変だった
景品は参加した回数で異なり、
小さいものは鉛筆や消しゴム、
ノートやら何やらとが
大量に置いてあった
それを棟毎に
住んでいる子供も
一家に一人とは限らないので
それぞれ封筒に入れる…大変だった
それからそれらを
各棟の各階の各家に配る訳だ
それにみんな家に居られる訳でもない
ポストに投函でいいんじゃ…
そう思ったが、
確実に手渡する様母から言われていた
後で貰った貰わないと揉めない為だ
まだ小さい子供で、
しかも体も小さかったし、
知らない人もいるので恥ずかしかった
でも鬼の様な母の言いつけ
半泣きで行った
そうして自分に与えられた事を終え
(居ない家もあったが)
やっと解放されたので
喜び勇んで友達の所に走ったら…
時々他からやってくる、
階下に住む
優しいおばあちゃんの孫が中心に居て、
みんなに
当時高価なガムを配って食べていた
何をした訳ではないけれど、
その子に私は毛嫌いされていたから
居ない間に“中心”に入っていた
当然私の分のガムはなかった
おばあちゃんも
そこまで気が回らなかったのだろう
私は呆然と
みんなの輪の少し離れた所に居た
落ち込んだ
あの仕事がなければ
みんなと遊べたのに
あの子に意地悪されなかったのにと
みんなの側で黙っている私を
母が見つけてその場で激怒した
「みったもない事するな!」と
何の事か最初はわからなかった
後で思い出した
母は外で買い食いするのは厳禁で、
且つ
惨めな私が嫌いだった
惨めな格好を外でするくらいなら
家に帰って来い、
そういう考えだった
家に戻ると怒られて叩かれた
それに買い食いが駄目だなんで
聞いた事もなかった
何故かというと、
バスでほぼ毎日通っていた
母の親戚の家では、
商売をしている事もあり、
また親戚の親戚が
向かいでお菓子屋さんをしているので、
小銭を貰って買ってくるのは当たり前、
そんな暮らしだったので、
友達の前でそんな怒られ方をするとは
思ってなかったのだ
私には兄が居たが
兄は子供の頃から世渡り上手で、
両親や大人をコントロールする術を
既に身につけており、
叱られる事は殆どなかった
いつも私だけ…
そんな記憶がさっき蘇った
何なんだろう
落ち込むのも久し振りだし、
そのせいだろうか
夢に母や兄が出てきたせいだろうか
とにかく嫌な思い出だ
忘れたいのに
私の頭は
良い事より悪い事を憶えている質だ
仕方ない
認知症にならないで居る方が良いから
でも消しておきたい
こんな変な思い出は
そんなお話
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