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『虎に翼』法律は船

『虎に翼』マニアです


寅子が一人呟く様子を見ていた
優未は「やっぱり」と言って
寅子の下に来ます

「私の子育てに失敗したと
  思ってるんでしょう」

優未は続けます

「私ね、寄生虫の研究も好き
  家の事も、料理も好き
  読書も好きだし、麻雀も好き
  着付けも、お茶や刺繍も好き
  笹竹で働く時間も好きだし、
  みんなと居る時間も、
  一人で居る時間も、
  お母さんといる時間も好き

  好きな事とやりたい事が沢山あるの
  だからつまりね、
  この先、私は何だってなれるんだよ
  それって最高の人生でしょ
  最高に育てて貰ったって思ってるから

  だから、私のことは心配ご無用です!
  小さい頃、話してくれたでしょ
  拠りどころを作って欲しいって」

そして
寅子は想いが溢れて
優未を長ーく抱きしめます

「美位子さんが待ってるから、行くね」
優未はそう言って笑顔で出掛けます


そんな二人の様子を見つめる後ろ姿
出征の時の姿で正座したその人は、
寅子の背中に声を掛けます

「寅ちゃん」

寅子が振り返ると、
優三が微笑んでいます

「約束守ってくれて、ありがとうね」

寅子は涙と笑顔で
くしゃくしゃになります

暫く見つめ合っていました

ガラガラと戸が開く音がして
「ただいま」の声がします
航一が帰宅し、
寅子を見るなり心配そうに聞きます
「今、泣いてました?」

もう
優三は居ませんでした
ささっと涙を吹き、
寅子は
「内緒

  今日は二人だけだから
  簡単におうどんで済ましましょうか」
と微笑みます

写真立ての中の
優三が映ります


その後、
寅子は、横浜家裁の所長に任命されます

嬉しい事を早く
花江ちゃんに伝えたくて早退した
寅子が
猪爪家にやってきます

ちょうど直治も成功して
アメリカから帰ってくるとの事!

「今晩、食べていきなさいよ
  寅ちゃんの好きな物、作るわ」
花江ちゃんは変わりありませんね

猪爪家も大所帯になりましたが、
みんな、
「思った事は言った方が、良い!」、
直道お兄ちゃんの口癖が
猪爪家の家訓になっていますので、
喧嘩しても長引かない様です

花江は言います
「寅ちゃん、覚えてる?
  お義母さんが亡くなる時、
  人生に悔いはないって言っていたの
  今の私、そんな感じなのよね

  この先ね、
  子供や孫達をずっと見守っていくのも
  楽しみだけれど、
  明日の朝、目が覚めなくても、
  天国でね、
  直道さんや
  お義母さん、
  お義父さん達と思い出話するのも
  凄く楽しみなの

  そんな人生を私にくれて、
  ありがとう、
  寅ちゃん」
…素敵!(私の余談)

寅子も言います
「いいえ!
  花江ちゃんの人生が素晴らしいのは、
  花江ちゃんの、お・か・げ」と、
直道お兄ちゃんの真似をします
この二人、本当に素敵です!(余談)


夜、久々に集まった猪爪家のみんな
寅子が
花江ちゃんに
お芋の煮っ転がしを褒めると、
「それは直明ちゃんが作ったの」
と言います
共稼ぎで、優しい
直明は料理が得意な様です

直人も負けじと
「これは俺が作ったんだよ」えっへん


そこで、
直治が上達したサックスを演奏し、
ダンスタイムになったり、
とっても楽しい時間を過ごします


またある日
寅子と
航一は、笹竹に出向きます
女子部のみんなが、
寅子の昇進を祝ってくれるとの事!

先輩方も、
寅子の昇進を我が事の様に喜び、
みんなも同じだと微笑みます

そんな中で、みんなより少し年上の
梅子は、うつらうつらと寝入っています

それに構わず、
寅子達は楽しくお話をします

寅子が
「みんなが体の一部になっている
  ね、
  よねさん」と声を掛けると、
よねさんは、照れた様子を隠しながら
「アホか、やめろ」と言い、
みんな大爆笑します

この声で
梅子は目を覚まします
「ごめんなさいね
 ここの所、
 お店に居ても
 なーんの役にも立たないで」
等と反省笑いします

でもお寿司を持ってきた
道男は、
「何言ってんだよ
  梅子さんは、
  あんこの味見してくれるだけで
  いいんだよ」と
小さく微笑みながら言います
また
大五郎も、
「うん
  そこに居てくれるだけでいい」と
笑顔で元気に言います

轟はこの様子を見て、
「大五郎君、良い事言うなあ
  そう!
  そこにいるだけでいいんだよな」と
場を盛り立てます

梅子も「照れるわねえ」と
穏やかに笑います



そこに、
最高裁長官を退任した
桂場がやってきます
(うっ、またか!)な
お顔で入ってきます

道男が出したお団子を見て、
嬉しさを隠して一串持ちます

寅子はこそっと後ろから近付きますが、
桂場は、団子を口に入れます

漸く声を掛ける
寅子

「お元気そうですね、
  桂場さん
 
  お会いしたら言いたい事が
  あったんです
  私達ずっと、
  法とは何かを、話してきましたよね」

桂場は、
「私達じゃない、君がな」と訂正します

寅子は続けます

「今、
  私は、法とは船の様なものなのかな
  と思っています」

珍しく
桂場が声をさします「続けて」

寅子は更に続けます
「人が人らしくある為の、
  尊厳や権利を運ぶ船
  社会という激流に
  飲み込まれない為の船
  船の使い方は、乗り手次第
  人らしさを失い、沈むことも、
  誰かを沈める事も、
  間違う事もある

  人生という船旅を、
  快適に幸せに終える為に、
  乗り手の私達は船を改造したり、
  修繕したりしながら進む

  まあ、明日にはまた違う事を
  言っているかも知れませんが…

  生い立ちや、信念や、格好、
  男か女か、それ以外か
  全ての人が
  快適で居られる船にする様、
  法を司る者として、
  不断の努力を続けていきます」

家裁所長の指針表明なくらい
長い、心のこもった言葉ですね
(私の余談)


しかし、
桂場は静かに言います

「私は今でも
  ご婦人が法律を学ぶ事も
  職にする事も反対だ」


これは…

続きは明日になりますが、
きっと良いお話になる!


明日で最終日になります!
思いっきり泣こうかな!

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