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『虎に翼』原爆裁判と溢れる家族のかけら

『虎に翼さんマニアです


原爆裁判終盤に、
寅子は質問します

「鑑定人は、
  米国にも国にも賠償責任を
  求められない場合、
  今苦しんでいる被爆者は、
  どこに助けを求めれば良いと
  お考えですか」

被告側の鑑定人として出廷した
嘉納は苦悩の顔で
「法学者として、
  お答えできることはありません」
そう答えました

そうして閉廷しますが、
嘉納と被告人代表の
反町の会話も痛々しかったです

嘉納の、
「被爆者の方々には同情するが、
  賠償権が存在するとは、
  到底言い難い
  政府による、
  別の救済方法を考えるべきだと
  思うがね」の言葉に対して、

反町もそこはかと浮かぶ苦悩の顔で、
「この法廷で争われている点は
  そこではありません
  被爆者個人への同情から、
  国際法を拡大解釈する訳には
  いかない
  法は法、それだけです」
下を向いて片付けをしながら語ります

苦しんでいるのは
被告だけではなかったのです
同じ日本人なのですから

「お互い、
  結構なものを背負わされてるね」
嘉納の括りが本当に辛かったです


竹中が渾身のルポタージュを書き、
この裁判に注目度が上がります
雲野弁護士の思いは
世間に確実に伝わっていました


星家では、
百合の痴呆が進んでおり、
今度はお財布がなくなったと騒ぎます
真夜中にみんなで探し見つかりましたが


そんなある日の竹もとでは、
桂場による
梅子さんの甘味検定が行われました
…またチャレンジになりました…

仕事と
百合の事と
更年期障害で大欠伸をした
寅子と同時にため息をついたのは
桂場でした
それとなしに言います

「原爆裁判、
  速やかに裁判を終わらせろと
  世間の注目を集めて、
  慌てた政治家たちが、
  何人もいるのだろう
  ふざけやがって」
毎日の様に電話が来るらしいです

寅子は
毎日自分に何ができるのかを考えて、
考えてはわからないを繰り返していました

そんな無力感に苛まれる
寅子に、
桂場は言いました

「司法に何ができるのか、
  その事だけ考えろ」
流石です


そんな中も
寅子は体の暑さに苦労しています
梅子さんはその様子を見て
「寅ちゃん、こちらにようこそ!」と
笑かしてくれます
本当に
梅子さんはできたお方です
笑いで凌がせてあげようという心遣い、
寅子のオアシスですね


その頃、
岩居の元に電話がありました
原告の
吉田ミキが出廷してくれるというのです

轟は心配しています
「この裁判は、
  徐々に世間の関心を集めてきています
  彼女だけが矢面に立てば、
  どうなってしまうのか
  損害賠償で得られる金は、
  彼女が
  一生苦労しないで済むものですか
  この先、
  彼女が味わうことを思うと」と

しかし、
よねさんははっきり言います
「それを決めるのはお前じゃない
  どの地獄で、何と闘いたいのか、
  決めるのは彼女だ」

そうなのです
裁判とは自分との闘いでもあります
何に重きを置くのかも何もかも、
自分の考えをで動かねばならないのです
それは今も昔も変わりなく、
注目を集めれば集める程、
荷重は自分を責めてくるものなのです


そうして、
当事者尋問が申請されます

家でも常に悩み考える寅子の隣には、
航一がいつも静かについて居てくれます

「被害者本人が法廷に立つ意味って、
  何かしらね
  好奇の目にさらされて
  確実に傷つくことになる
  何故いつも、
  国家の名の下に
  個人が苦しまなければならないのか」
 
すべて国民は、
個人として尊重される(はずなのに)
寅子の心の声はしっかりと声になります


次の日、
百合がせっかく作った夕飯のシチューを
お鍋ごと流しで洗おうとします
お手伝いさんが止めようとすると
凄い力で拒みます

優未は驚きますが、
片付けをしようとします…と、
何となく外に人の気配が…

のどかが煙草を吸っていました

優未は、外に出て話そうとします
のどかは
百合を持て余していました
そして自分の今の状況も不満だらけです

そう、家族仲は問題なかったのですが、
仕事の面で悩んでおり、
煙草に逃げていた様です

そんな二人の会話を聞いた
百合は、
のどかの頭を撫で回し、
「のどかさんは悪くないわ
  良い子に育って、
  勉強も良くできて、
  お仕事も頑張っているんだから」
と言いました

しかし、
のどかは
百合を払い除けます
「そういうのが嫌なのよ!
  おじいちゃんと
  お母さんが生きていたら、
  美大はやめろなんて言わなかった!
  英文科に行って銀行に入ったのも
  決めたのは私
  でも毎日お茶汲みばかり!」
…溜まってたものを吐き出す
のどか

そんな
のどかを見て更に爆発したのは
優未です
「ばか!ばかばか!」と、
のどかを殴り、蹴り上げます!


星家の新たな危機に
どう立ち向かう、みんな?!

明日も楽しみです

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