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『焼けた釘を刺す』くわがきあゆ著・デビュー作改題、加筆作品

くわがきあゆ氏の作品、
しかもデビュー作との事
『レモンと殺人鬼』
『復讐の泥沼』
…ときてからの
初モノ読みになってしまった…あちゃ

また、読んだのは文庫版で、
本当のデビュー単行本は
『焼けた釘』というらしい


では、本の裏書から

ストーカー被害に遭っていたらしい後輩
の萌香が刺殺体で発見された。必ずや犯
人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の
格好を真似た姿で彼女の通っていた大学
やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たち
に接触していく。一方、ブラック企業に
勤める杏は、上司のパワハラに苦しみな
がらも優しい先輩に心惹かれていた。し
かし、先輩が同僚と付き合っているかも
しれないという疑念から嫉妬が渦巻き…


あと、背表紙になるのかな…見出しか、
に、あたる帯の部分がミソだ


鋭い痛みが快感に変わる

…これ、引き摺って読むべし


ではまたネタバレはしないで
読書感想文をば記していく


それにしても、
今回の裏書はちょっと難解だった
繋がりが全く見えない書き方だからで、
まずは読み進めるか、となった

また、くわがきあゆ氏の作品なので
かなり身構えてしまい、
疑い進め過ぎたのが今回の欠点になった

デビュー作ですし、
何より自分のままに
素直に読めばもっと早いうちに解けてた
そう、引っかかってしまったのだ
非常に恥ずかしい
いや、はぐらかし表現が多いので、
勘繰り過ぎてしまい、騙されたまま
四分の三も読んでしまったのだ

ただ、違和感は最初から感じていた
幼馴染が殺されたくらいで(失礼)、
犯人を追うか?
そこまで千秋は萌香を愛していたのか?
という疑問がすぐに湧いた
彼女の服を着てまでして…
そう読み進めていくと、
千秋という人物が直ぐに分かった
萌香に対する感情は愛ではなかった
千秋の感じる愛はある種の倒錯だ
そこから外れず読んでいくと、
基本的な筋は違えず読める

杏の件は
本の裏書では繋がりがわからなかったが
くわがきあゆ流の組み立てだろうと、
そう信じていると
濁流に飲まれることはなかった

しかしながら勘繰り読みで、
所々無駄な想像をしてしまった
が、これも面白みではあるのだが


残り四分の一になるとほぼ見えてくる
やはりデビュー作、素直な作りだった
欠けたり間違えたピースが直っていき、
なるほどね、と思って笑えた


最終章もシンプルに纏められている
頭と終わり、
主人公(犯人)は異なるが、
必要な新聞記事である


個人的にはこの作品、
“シンプル・イズ・ベスト”だと思う

倒錯した愛はなかなか成就しない
しかし、
最後に確実に実らせる人が居たからだ


表紙は文庫版の方がお初の方には良い
単行本だと見たままになるのでね
また、
文庫三部作は
雪下まゆ氏のイラストがかなり良い
文庫、お薦め


お馴染みのスプラッタ描写も少しあり、
好きな人にはよろしいかと思う
令和の今だから読める一冊

私の結論は“サイコサスペンスサイコ”
面白かった
(軽いミスは幾つか見つけたが)
(ラストにちょちょっと
  何気なく伏線回収したり、
  纏めに入っちゃうところ、
  くわがきあゆ氏本らしいなと)


ま、読んでみ




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