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『レモンと殺人鬼』・くわがきあゆ著 読了

購入して暫くは
本を読む落ち着きがなく
寝かしていた
『レモンと殺人鬼』を漸く読んだ

薄めの文庫なので、
さくっと読めば然程時間はかからない
そのくらいの文量なのだが、
前評判が良かったので、
今回は慎重に読んでみた
展開が多い話は騙しにかかる…
そう思っているので
結構読み砕き、反転しつつ進んだのと、
夜の短時間決戦に持ち込んだので
なんと3日かかってしまった…
合計時間はそんなに長くないけれど…


幼い頃に
レストランを営む父を少年に殺され、
マスコミの目に晒された事で母も失踪、
姉妹(姉、美桜 以下姉目線で記載)は
親戚に其々引き取られ、
こっそりと連絡を取り合っていた

お互い極貧暮らし
高校卒業後は
正社員になれず細々と暮らしていたが、妹が殺された事で、
妹の保険金殺害犯説が浮上した為
美桜はまたマスコミに晒される

この美桜はコロナ禍もあるが、
常にマスクを着用している
美しい容姿に似つかわしくない歯並びに
コンプレックスがある為だ

そんな彼女は
片親の子供達の世話をする
ボランティアの話を持ちかけられ
有償にも釣られて始める事になる

ただそこには学生の頃
虐めの対象にされたその張本人が居る
常に無視され続ける訳だ


ところがある日、その子の彼氏から
妹の無実を晴らす為のタッグを迫られ
共に真実を追う羽目になる

妹には恋人が居たが、
一人目の彼氏は事故死しており、
多額の保険金を妹が受け取っていた

また、
父を殺した犯人が既に出所している事、
度重なる謎の勢力からの威嚇行為、
そして母までもが殺され、
美桜は益々自分の殻に閉じ籠る

しかし…


とまぁ、こんな所で置きましょうか


騙されないぞ、と読んだのだが…
騙されてない(多分)
意地悪に読めば正しく読める、
素直に読むと騙されるのかなと思う

二転三転四転五転するし
トリックアートの様な文書体なのだが、
結論は帰納される展開だ
逆転劇ではなかった

力技がなぁ、が、一番の感想だ
また、アバウト箇所が残るなと思った
(あれ、どこいった?的な、
  それ、終わりか?なもの)


こういったものも一つの話には、なる
新しい読み物だと感心はできた

しかしながら若いな
一日で組み立てられたというプロットを
壊さぬ様潰さぬ様
塗っては離し、切っては食べて
騙しにかかる、そんな感じ
若いわー

グロさもソフトなので、読みやすい
新しいものを読んでみたい方にお薦めだ
(プロットはポストモダンでもあるな
  なくはないもの)
(結論がミステリーっぽくないかな)


ヒントは()内で留めておく


新作も購入したので、
近日読もうと思う


作者様へ
安定的に稼ぐには
もう少し力がいるよ…と書いておく

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