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BUSINESS LAWYERSのリリースから3年が経ちました
2019年3月31日、企業法務のポータルサイト「BUSINESS LAWYERS」のリリースから3年が経ちました。
私は事業の企画当初から関わり、この2年間は編集長としてコンテンツの企画、編集などを主に担当しています。
リリースした当初は本当にうまく立ち上がるんだろうか…という不安もありましたが、なんとか3年間運営を続けることができました。
これまでに1500本以上のコンテンツを配信し、プロフィールの掲載などでご協力いただいた弁護士の先生方は700名以上にのぼります。
これもひとえに、読者の皆さま、執筆をいただいている専門家の方々、特に弁護士の先生方、取材にご協力いただいた方々、サポートいただいているイラストレーター、編集者、ライターの皆さま、そして社内のメンバー皆のおかげです。
普段はバタバタと毎日を過ごしていますが、この機会に今までを振り返ってみたいと思います。
転職して半年、「何かが起きる」と感じた立ち上げ
2015年11月に弁護士ドットコムへ転職し、BUSINESS LAWYERSの企画段階から加わることができました。
転職前は、創業100年以上となる法律書籍の出版社に12年勤めていたのですが、伝統的な会社から上場間もないベンチャーに移ってみると想像以上の違いがありました。
特に、サービスの方向性を決めるための役員との議論のフラットさ、決断までのスピード感には「これがベンチャーか・・・」と驚きました。自分よりも全然若い人たちが多様な経験を持ち寄って、重要な意思決定に関与している様を見ると、自分が見てきた世界は狭かったんだなぁと思ったことを覚えています。
方向性が固まってからは、事業責任者である上司、デザイナー、エンジニア、私の4人のチームが中心となりアイデアを詰めていきました。デザイナーが作ってくれた初期段階のイメージを見た時に、「これは何かが起きる」という予感がありました。
デザインが出来ると上司と共に弁護士事務所を訪問し、執筆協力をお願いする日々が始まります。
ゼロから立ち上げるメディアにも関わらず、協力いただける弁護士の先生方が少しずつ増えていきました。原稿の編集に加えて、サイトに関するあらゆることを判断し、決定し、手を動かし続ける毎日は経験したことのないハードワークでしたが、ものすごく充実していました。リリースまで辿り着けたのは自分たちを信じ、期待をしてくれた人たちがいたからに他なりません。
リリース直前に妻とお花見に行ったときも、桜の下でずーっとコンテンツの事を考えていました。缶ビールを持ってぼんやりしている僕を見て、上の空だね、と笑われたのも今ではいい思い出です。
メディアを運営するうえで大切にしたいと思っていること
ご協力いただく専門家の方が増えると共に、編集部のメンバーも少しずつ増え、コンテンツも多彩になっています。
当初は法律解説の記事を中心としていましたが、今ではインタビュー、座談会、イベントのレポート、時事ネタの解説など様々な記事を掲載し、去年からは動画も撮影し販売しています。
リリースした初月に40本ほど掲載していたコンテンツも、今では1500本を超えています。編集業務が未経験というメンバーもいる中、各自の絶え間ない努力の積み重ねが今日に繋がっていると実感します。
サイト訪問者の数も日々増えていて、BUSINESS LAWYERSを知っているよ、いつも読んでいるよ。と声をかけていただく事も多くなりました。もっと多くの方に刺さるコンテンツを発信していきたいと思います。
ただし、PVを増やすことを目的にするのではなく、悩みを抱えている方1人1人の課題解決に役立つことを目的にしたいと考えています。むしろ、書籍や雑誌では扱えない、細かい悩みに寄り添えることに価値があるんじゃないかな、と思うときもあります。
会社からリソースを預かって事業を行ううえで、求められる数字を超えることは当然の責任だと思いますが、それだけが全てではありません。
たとえ今は数字に繋がらないコンテンツだったとしても、企業法務の実務に役立つ、信頼される情報を発信し続けていきたいし、それを可能にするビジネススキームを組み立てる必要があると考えています。
新しい価値を提供するためのチーム
BUSINESS LAWYERSの成長はエンジニア、デザイナー、アナリストが支え、牽引しています。自分では考えつかないようなやり方で日々新しい価値を提供してくれる姿を見ると、本当にありがたいです。
リリースから1年後には会員限定機能が開発され、今では1万5000人を超える会員のご登録をいただいています。
会員登録をすると、限定記事の閲覧、記事のクリッピング、メールマガジンの配信など様々な機能が使えるようになるのですが、AIを使った翻訳サービスが利用できるようになる。という開発も最近行われました。
今は、さらなる新サービスの検討を進めているところなのですが、デザインの力で未来を描き、エンジニアがイノベーションを起こし、分析によって磨きがかけられていくでしょう。まだ詳しくはお話できませんが、企業法務の実務に役立つサービスに進化した姿を楽しみにお待ちください。
媒体に価値を感じていただける方が増えてきた
メディアの運営を続けていく中で、媒体に価値を感じていただける方も増えています。
法務業務を効率化する、様々なソリューションをご紹介する機会にも恵まれ、先ほどもご紹介したAIを使った翻訳サービスの製品版はとても好評です。
昨年の12月にはlegal × innovation をテーマに、300人ものご来場者をお招きしたイベントを開催しましたが、協賛企業様、登壇者様がいなければ実現できませんでした。
当日は緊張しながら開会の挨拶をさせていただきました。日々、オンライン上では何人閲覧しているか、という情報はわかるものの、壇上から会場にびっしり詰まったお客様の顔を見て、こんなに大勢の人がBUSINESS LAWYERSを通じて足を運んで来てくれてるんだ…と思うと胸に込み上げるものがありました。
日本企業のガバナンスを変える挑戦
BUSINESS LAWYERSメンバーの中で掲げている、事業を通じて成し遂げたいビジョンは「日本企業のガバナンスを変える」ことです。
日本企業、特に伝統的企業における法務部は、不祥事が止められない一方で、法が規定していない領域ではビジネスを前に進められない状況にある。
この構造を指摘する方々は多く、日本企業がグローバルな競争で後れを取っている原因の1つかもしれません。
弁護士の方々、法務部の方々にお会いしていると、企業内におけるリーガルニーズは着実に高まっていると感じます。その役割を担うプレイヤーとして、法務部の方々がもっと活躍する世界を作っていきたいです。
転職をした当初、法律に関するコンテンツを企画、編集することは、僕のできることでした。
事業の方向性が見えてきて、ニーズを感じ始めたとき、このサービスを成長させることは社会のためにやるべきことに変わりました。
多くの読者の方々からの反応や、応援していただける方々の声をもらい、日本のガバナンスを変える挑戦は、僕のやりたいことになりました。
目指すゴールに向かう道は1つではないと思うし、自分たちだけで出来ない事も沢山あるはずです。同じ思いを持つ人たちの声を力に変え、既成概念に捉われず、目的に適した手段を常に選択していきたいと考えています。
企業法務の業界を活性化させることは、法律を通じた仕事をするきっかけを与えてくれた、前の会社でお世話になった方々、お取引いただいたお客様、著者の先生方、先輩や同僚、後輩たちへの恩返しにもなるんじゃないかな、と信じています。
今までの毎日に感謝をし、4年目からのBUSINESS LAWYERSも楽しんで運営をしていきます。どうぞ、引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。
3周年を記念して、メンバーがサプライズでケーキを用意してくれました。泣ける。