Nicolette / Nicolette Larson
愛しのニコレット / ニコレット・ラーソン
先日のNHK「今日は一日ヴァン・ヘイレン三昧」エディのソロワークのコーナーでかかった一曲が、このアルバムの#4
「あなたのとりこ」
「ヴァン・ヘイレンでやりたいこと全てやっているから、ソロアルバムは必要ない」と語ったエディは客演も異常に少なく、結構なHR/HMファンでも知っているのは、マイケル・ジャクソンの「Beat It」のみではないだろうか。
78年リリースの本作は長年Van Halenのプロデューサーを務めることとなる、テッド・テンプルマンがプロデュースしており、同年に「Van Halen(炎の導火線)」でデビューしたVan Halenとニコレットはレーベルメイトということになる。
間違いなくその縁での客演ということなのだろうが、実際には当時のクレジットにエディの名前は無く、"?"という表記になっている。
面白いのは40年以上経った最近のリマスター盤でもそこに変わりはなく、日本盤の帯でも作曲のニール・ヤング、客演のリンダ・ロシュタット、マイケル・マクドナルドなど錚々たるメンバーがクレジットされる中、一文字も名前の記載はない(この2015年リマスター盤ではライナーにてエディの客演が紹介されている)
wikipediaなどを見ると、デビューしたばかりのヴァン・ヘイレンでの活動に集中するため他の活動で名前が先に世に出ることを嫌ったからのようだ。
曲の方は本アルバム中も最も軽快なウエスト・コーストのソフトロックといった感じで、冒頭からバッキングGt.を務めるポール・バレールと絡みながらエディらしいトーンが炸裂している。
フレーズ的にはGtソロ以上に後半の歌メロの裏に入るオブリがエディ節全開。これに思わずニンマリしてしまうと。これまた怒涛のリードプレイで曲がエンディングを迎える。
掛け値無しに良い曲で、エディファンなら押さえておきたい曲、アルバムだろう。
余談だが、アルバム通して非常に振り幅が大きく、ソフトロック、AOR、ポップス、カントリー...これらを全てウエスト・コースト・ミュージックのフィルターを通してアウトプットされた楽曲で、豪華な作曲・客演陣に恥じないクオリティの曲ばかりだ。
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