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浜田麻里 40th Aniversary Tour "soar" 大阪 感想とまとめ



Tomorrow Never Die / 浜田麻里

昨日のライブでベスト3に入る盛り上がりだった最新アルバム「soar」収録のメロスピ曲。
アルバムでは
Cris Broderick(Gt)
Phillip Bynoe(Ba)
Derek Sherinian(Key)
Marco Minnemann(Dr)
という世界的なビッグネームがゲストプレイして制作された楽曲を
今回のツアーでは

増崎孝司(Gt)
ISAO(Gt)
BOH(Ba)
中尾昌史(Key)
増田隆宣(Key)
原澤秀樹(Key)
という前回の"Gracia"ツアーと同様のメンバーでプレイされた。

再現度以上にライブでの高揚感をあそこまで高めて、非メタルファンもいる中であの雰囲気を産み、大歓声を起こしたのは、もちろん麻里さんの歌唱あってのことではあるものの、明らかにバンドの演奏に対する賞賛の声でもあった。

ここからは今回のツアーの元になるアルバム「soar」やそこに至るまでのメタル回帰の話、そして昨日のライブの話をしてみたい。

「Tomorrow Never Die」などのメロスピナンバーは"Aestetica"に収められた「Somebody's Calling」以降各アルバムで披露されメタル回帰アルバムの代名詞となった。

さらに前作"Gracia"最新作"soar"の2作ではメタル回帰がさらに進化して、楽曲構成がより高度になり、テクニカル化が進んだ結果、メタル・カテゴライズ的にはKamelotや、Seventh Wonder、Symphony X、DGMなどが属する
プログレッシブ・パワーメタル(プログパワー)系の色合いが強くなった。

5年前の"Gracia"ツアーから大きなメンバーチェンジが行われて今の体制になったのもアルバムの変遷を知ればみてとれる。
"Aestetica"でパワー・ポップ、メロディック・メタル。
"Legenda"では前作メンバーと海外ゲストで楽曲のメタル化を進め
"Mission"ではさらに作曲、編曲、プレイヤーとして若井望さんを迎えたことで、バラードはメロディック・パワーメタル(メロパワ)化し、メロディック・スピードメタル(メロスピ)ナンバーはテクニカル度が増した。
このように一口に"メタル回帰後アルバム"と言っても徐々に変化、進化しており、ライブにおいても"Mission"までのメタル度は2016年のツアーまでのメンバーで120%の素晴らしい演奏が出来ていたが"Gracia"を再現するには新たな力、新たな血が必要と判断したためだろう。
大幅なメンバーチェンジのタイミングとなった。

昨日のMCで麻里さんも話していたが、メタル回帰したことで新たな、もしくは帰ってきたファンもいたし、ISAOさんBOHさんというBABYMETAL神バンド経験者や、邦楽テクニカル&プログレッシブ系ドラマーの注文株である原澤秀樹さん(MAHATOMA)を入れたことである程度、新規ファン層の若返りも図れたと思う。しかしポップ期のファンの中には今だにメタル回帰に馴染めてない層も確実に居ることは麻里さんも自覚しているようだったし、実際会場でも単純にメタルのライブのノリではなく、ポップス歌手のライブとメタルのライブの折衷、ジレンマを感じる部分も正直あった。

だが冷静にステージの演奏やサウンドををメタルサイドの人間として聴くと
「Material World」
「Paradox」
「llicx」
「Heart and Soul」
「Return To Myself」
といったメタル期以外のアルバム曲も違和感なく、単にヘヴィなだけではないアレンジが施されていたし
メタル期の曲もサウンドメイクや音量、バランスを含めて麻里さん古参ファンのマダム達が眉をひそめるようなものではなかったはずだと確信する。

そこの要だったのは、やはりバンマスでギタリスト増崎孝司さん
そしてB'zバンドとしても活躍した
キーボーディスト増田隆宣さん
2人のプレイだったと思う。

貫禄と余裕、落ち着きと安定のあるプレイはもちろんだか、何より大事なのは
ポピュラリティーとは何か?
メジャーとは何か?
を知り尽くした彼らのトーンやプレイが入る事で、良い意味での「万人が受け入れる」サウンドに昇華されているように感じた。
もちろん裏側も含めた大局を見ると長く作曲やサウンドメイク、マニピュレーションで支えている中尾昌史さんの功績も大だろう。

ISAOさん、BOHさん、原澤さんというテクニックと勢いを兼ね備えた新たな血のメンバーと、上記のベテランメンバーが実に巧みなバランスで融合し、さらに2回目のツアーだったことでさらにブラッシュアップされて(特にリズム隊は前回ツアーより圧倒的に良かった)メタルとポップ、今と過去が高次元に融合したサウンドになっていたし、正直な感想として終わった後の感覚はDream Theaterのライブ後のそれに近かった。

少しネタバレなので要注意だが
麻里さんの次回作は
「INCLINATION Ⅳ」になるようだ。
ということは、アルバム内容としても、あるのであればライブも、完全に
"メタル回帰後"の内容になるので、是非ともリリースやライブを楽しみにしておきたいし、浜田麻里バンドのさらなる進化に期待したい。

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