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エクストリーム出社とワーケーションの共通点

2013年に「エクストリーム出社」という言葉が誕生しました。出社前にさまざまなアクティビティを行ってから出社するものです。出社を一種のスポーツとして捉え、参加者は出社ニストと呼ばれます。さまざまなメディアでも取り上げられたので記憶にある人もいるかも知れないですね。

テレワークやリモートワークも広まった今は当時とは違う意味で興味深い現象、行動だなと思います。日本エクストリーム出社協会によると「エクストリーム出社」は次のように定義されています。

”極端”で”過激”な非日常体験をしながら
定時出社も両立する新しい遊びのスタイルです。

定時出社、オフィス出勤にこだわるという意味ではワーケーションとは真逆?の発想ですね。しかし、エクストリーム出社とワーケーションはちょうどコインの裏表の関係にあるのではないかと思います。

エクストリーム出社は、エクストリームな活動をしつつ定時出社をひとつのルールとしてこだわることでスポーツ性が見いだされているのですが、ここで言うスポーツ性とは「遊び」、もう少し言えば、「シリアス・ファン(Serious Fun)」ことに価値を見出しています。

「シリアス・ファン(Serious Fun)」とは、楽しい×本気度、のことです。楽しいだけでイージーだとすぐに飽きたり、つまらなくなります。逆に本気でやっているけど楽しくないのであればそれはまた悲壮で、つらいものになります。

エクストリーム出社は出社前のアクティビティ自体を「遊び」、さらに出社自体をスポーツ(ゲーム)化するという二重構造になっています。さらに言えば、その構造がどれだけ過激な?アクティビティができるかということにつながる、というようにうまく「シリアス・ファン」が設計されているなぁと思います。

エクストリーム出社は出社にこだわりながらも、もう一歩進めるとワーケーションになるとも捉えられるなぁと思ったりします。

ワーケーションも休むと仕事が混ざると嫌だとか、休んでいるのに仕事が入ってくると嫌だといった声も多くあります。ワーケーションを「休む」という発想から入ると当然こうした不安や懸念が出てきます。

ワーケーションを「遊ぶ」とか「快適」というところからアプローチする方法もあるのではないでしょうか。

「快適」とは仕事を重視したものです。例えば、今のような猛暑や春先の花粉症は仕事をする上で結構厳しい環境です。仕事をするのに快適な環境を探してワーケーションをする。こういう発想で取り入れたり、勧めることは可能なのではないかと思います。

もうひとつは「遊び」です。エクストリーム出社がアクティビティをしてから出社することに「シリアス・ファン」を見出すように、ワーケーションの滞在先で仕事をすること、ワークとバケーションを重ねることに「シリアス・ファン」を見出することも可能でしょう。

そこで大事になるのが「楽しむ」という姿勢です。地域に行ってそこで「楽しませてもらう」というのではうまくいきませんし、そこで滞在すること自体が自動的に「楽しい」わけでもありません。けっこう主体的に「楽しむ」ことが求められます。エクストリーム出社も「楽しませてもらう」のでもなく「楽しい」わけでもなく、「楽しむ」が根本にあります。そういった意味で、ワーケーションも「楽しむ」ことが大事なのだろうな、と思います。


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松下 慶太
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