直明けに行くおまかせ亭は最高だ。

この世で一番嫌いなものの中の一つ、当直。

医師を続ける以上この業務から完全に離れることができないというのが現実でいつも辟易とした気分となってしまう。

いきなり電話がかかってきたかと思えば、下手すれば人に永続的な障害が残る可能性がある操作を求められ、高度な集中力が求められる。

別に医師という仕事自体が嫌いなわけではないけれど

自分の一定のリズムを重要視し、規則正しく生活をすることで気分が上がってしまうような自分にとってみれば、深夜帯に働くのは人間がする仕事ではないといつも感じている。

実際、当直が「勉強になる」という医師はいるものの、「好きだ」という医師はめったにいない。


むしろ当直が好きだという医師は自分の睡眠リズムについて少し心配したほうがいいかもしれない。


と、当直という業務がいかにクソかということを語り始めてしまうとキリがないが、そんな当直でもひっそりとしたプラスな面も感じる。


それは、当直後に食うランチは格別だということだ。


一人であろうがなんだろうが関係ない。

当直後のランチは美味いのである。

というのも当直明けというのはともすれば帰れない(業務が残っていて病院から外に出れない)という可能性もあるのだ。

当直の明けにランチを外でいただけるというのは相対的にラッキーなことなのである。

その上、気が落ち着くような場所の、ちょっといいランチを食いに行く。


疲労感に包まれながらも、人や組織のために少し尽くせた満足感とともに食べるランチは味だけではやはり測れないものがある。


今日は当直明けの帰り道、ランチを食べに渋谷の「おまかせ亭」という店に行った。


渋谷の宮益坂にひっそりと構えるこの店は入り口が二段階になっており、一つ目が地上、二つ目が地下である。


一つ目の扉はお店がやっている時は開いており、過ぎるとちょっと急だけれど、独特の装飾があり店の雰囲気を感じさせる下り階段がある。

そこを降り、二つ目の扉を過ぎると狭すぎず、広すぎず、そして天井が少し低い店内が広がる。

左手には少なめにカウンター席があり、テーブル席は10個はあるだろう。

客層は落ち着いた人が多い。

一人で行っても全く問題ない雰囲気の店だ。

行くと毎回同じウェイターのおじさんが出迎えてくれる。

彼はやや落ち着かないが、一方でコーヒーのおかわりなどとても気を配ってくれる。


ちなみにだがここのランチはサラダとデザートがほぼ変わらない。


それでも、行くとなんとなく居心地の良さがあって、つい「きてよかった、またいこうかな」と思わせてくれるのである。

今回は以上です。

続きを書く時があるかもしれません。


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