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奄美大島一周(アマイチ)ライド(前編)
なぜ奄美に向かったのか
人生に一度は絶対行っておきたい場所がある。奄美大島もその一つであった。
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ことの発端は1年前。奄美大島に住むMARKEN社の幹部社員であるtawaraさんに「奄美大島って一周したらどれくらいなの?」と聞いたところ、「海岸線を全部走ったら、330km 5500upくらいです。」との返答。
あわいち、びわいち、かすいちなど数多くの有名な一周イベントはあれ、これほど魅力的な数字の一周イベントは他にはないだろう。この数字にサイクリストとしてのロマンを感じずにはいられない。これはいつか行くしかないと思った。
偶然にも鹿児島でJBCFのレースがあり、それと併せて奄美にいけば良いのではないかと正月に思い立った。本土が真冬の時期に自転車で走るのに気候、距離、難易度考えてもこれ以上の場所はないのではないか。人生は一度きり。体力が続くのも今のうちしかない。このチャンスを逃せば、「いつかは行きたかったね」で終わることになる。これはやるしかない。
そして何よりMARKEN社の幹部社員の郷里を訪ねるのも社長としての重要な仕事ではないか(なんのこっちゃ)。
仕事の休みの手配から、鹿児島行も含めた宿、飛行機やらすべてを手配するのにかなりの時間を費やしたが、1月の早い目から準備したので、抜かりなく準備することができた。
奄美に降り立った
JBCFの鹿児島でのレースを終えて、鹿児島空港から一路奄美大島へ(レースレポはブログにて)。今回はスカイマークで鹿児島-奄美間で11000円くらい。ちなみに鹿児島まではピーチで14000円(大型荷物込)。スカイマークはピーチと違って荷物20kg以内なら追加料金不要なのでJAL、ANAと何も変わらない。フライト時間は約1時間で奄美空港に到着。
鹿児島からフェリーという手段もあるが12時間(一晩)かかるのと、飛行機の方が安くて速い。ちなみに成田、関空からも直通便が飛んでおり、PEACHだと日によっては1万円以下でいけるのだ。
2月23日の18時に奄美空港に降り立つ。
現地ではMARKEN社ジャングル部長のtawaraさんに到着口でお出迎えいただき、自家用車での送迎付きでまさしく社長待遇である。
車で40分ほど移動し鹿児島で2番目の繁華街である名瀬市の「屋仁川(やんご)通り」で早速晩御飯。
tawaraさんが手配してくださり、奄美の地元料理を三線の演奏に合わせて島唄を聴きながらじっくり食す。
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82歳のおばあちゃんが島唄歌いながら料理作ってくれて「こういうものが食べたかったのよ!」という地元料理のオンパレードに明日のビッグイベントを前に大満足の食事であった。
宿はホテルニュー奄美に宿泊。1泊7500円で部屋も綺麗で何の不満もない。自転車を部屋に持ち込んでよいかと聞いたら快諾してくれて、チェックアウト後も荷物を預けて走りに行っても良いとのこと。なかなかに良いお宿であった。
ツールド奄美開幕
奄美大島一周は島を端から端まで走ると前述のとおり、MAX330km5500upになるようだが、今回は東側の空港周りを外して走って、日が暮れる前に帰って来れるプランをtawaraさんに作成いただいた。
それでも送られてきたコース案を見ると240km5000upとか。実際はトンネル区間があるのでそこまで標高差はいかないらしい。
コース
こちらが今回走った走行ルート。
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奄美大島に行く前のイメージとしては最東端に空港がありスタートフィニッシュの名瀬市までが文化圏で、名瀬市より西には広大なジャングルが広がっており、ジャングルの中には原住民?しか住んでいないと思っていた(大変失礼な思い込みですいません)。
海岸線を走ってみるとわかったが、20kmに一度くらいは町というか集落が現れ確かにそこに人々の暮らしがあることがわかった。
沖縄のヤンバル(ツールド沖縄のコース)を走っているのとほとんど同じ感覚である。
コースレイアウト的には伊豆半島の海沿いのアップダウンと非常に似ている。つまりトレーニングとして最高なのだ。
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準備
朝ごはんは鹿児島出るときに鹿児島銘菓を色々買ってきたものを食す。
「黒糖げたんは」(黒砂糖に漬け込んだパンみたいなものでかなり美味い)、「灰汁巻」(少し癖のあるわらび餅みたい)「鹿児島ゆべし」(味噌味)などでカーボ充填。
背中にいつも200km走る分くらいの補給(鹿児島の羊羹、ヨモギ餅など)を入れて、ドリンクにMAULTENも入れてやる気満々で臨む。
奄美の気候を温かいことを予想していたのだが、寒波の影響もあってか半端ない北風(終日風速12〜13m→台風とそんなに変わらんがな)が吹き荒れており、気温は10℃ながら体感温度が本土とそう変わらない。奄美のヒトからすると今年1番の寒さのようだ。
天気予報は曇りだが時折雨も降る予報であったため念のためにレインジェルも身体に塗っておいた。
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序盤戦
日の出時間の7時にtawaraさんと合流。奄美の日の出は遅い。
Xで参加者(道連れ)を募ったが、誰もご一緒してもらえず(そりゃそうだ)、今回はtawaraさんと二人のスタートとなった。
名瀬市街地を出発して3kmほどでいきなり標高差300mくらいの登りに入る。先は長いので淡々と230wくらいを目処に登る。早速ジャングルの香りが漂い始め、天然記念物の鳥ルリカケス(?)の鳴き声が聞こえてくる。
いきなり気づいたのだが、奄美の登りは基本的に斜度が容赦なくきつい。10%以上とか当たり前。
今回持ってきたバイクはレース仕様のフロント54-40のリア30Tで、これはやっちまったのではないか。
このギア比で230w程度の出力だと登りでケイデンスを80出すのが厳しい。これは膝が最後まで持つのだろうかと不安しかない。
山頂に近づくにつれて段々道が荒れてきて、下りに入ると斜度がきつく道路がクネクネでしかも半分がグラベル状態。これが奄美のジャングルライドかと最初から強烈なパンチを浴びる。
下りはパンクや落車トラブルを回避するためにかなりの神経を使う。
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しかしジャングルを抜けると最初の絶景が待っていた。
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下りのペースが平地よりも遅いため当然アベレージスピードが全然上がらない。
最初のジャングルを抜けて海岸線に降りてくる。海岸線は気持ちの良い快走ルート。
龍郷というところに来たが、ここは西郷隆盛が幕府軍から逃げるために流されてきたところでここで結婚して子供を育てたところ。
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そして再びジャングルの登りに突入。
ランニングに特化しているtawaraさんが苦しくなり始めた頃、私の足は少しずつ回りはじめ、気づけば気持ちよく250~270wで走っており。後ろを振り返るとtawaraさんがいなくなっており、これはジャングルの山奥で遭難したのかと思った(笑)。
50km地点ですでに1200m以上登っている。下りのペースが平地より遅いくらいなのでこの時点でアベ22km/hくらいのペースでしか進めていない。
これは日没までにゴールは不可能ではないかと思えてきた。
南へ向かう
tawaraさんの同行アテンドはここまでで、ここからは単独で島の南部に向けて突き進むことに。
国道に出るとようやく平坦の快走区間に。北から南に向かう道では北風の恩恵もあり進む。途中長いトンネルを2つ抜けるが交通量も少なく車も安全に抜いてくれるので非常に走りやすい。
海岸線に出るとひたすらまたアップダウン区間。
ガーミンのルート表示は、この先の登りとかご丁寧に表示してくれるのだが、どれもこれも平均斜度10%とか見たくもないものを表示してくるので途中でルート表示を止めた。
海岸線に現れる高低差100mくらいの登りの斜度がきつくてほぼインナーロウ固定でSFR状態で登る。何度もうギアがないのかとリアの変速ボタンを押したかわからない笑。
登り切ると眼前に見える海は美しいとしか言いようがなく、異世界を走っている気分にさせてくれる。
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106km地点の古仁屋というそこそこ大きい街のファミリーマートで地元産のスパム卵巻きおにぎりとあんぱん食ってしっかり補給。
ここで一度離脱したtawaraさんが車で合流してくださり、ここから車でサポートいただくことに。
この時点で昼の12時でアベレージスピードは少し回復して25km/h。残り130km以上、アベ25㎞で5時間以上かかるぞ。。。
なおこの先はコンビニはなく地元の集落しかない。
後編に続く