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デジタルポートフォリオチームを振り返る

以下の図に、アクティングサポートチーム(以下アクティングPJ)の体制を示します。

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アクティングPJは、
・デジタル稽古チーム
・デジタルポートフォリオチーム

の2つのチームから構成されています。

この記事は、デジタルポートフォリオチームの動きについてご紹介します。

チームができるまで

デジタルポートフォリオチームは、デジタル稽古チームでのゴールの設定をどこにする?という疑問から生まれました。デジタル稽古を進める上で、演技の一部を切り出して稽古する、ということが果たして正解なのかわからないという仮説があったからです。

演技について学び出すと、
・俳優として演技を行うのは、配役に沿って求められたシーンに対して
・しかし、その演技は物語の中という連続的なものに対して成り立つものでなくてはならない

ということが分かり、稽古(この場合は集団で行う通し稽古ではなく、個人で行う自主稽古を想定しています)という断片だけでなく、映像制作づくりをチームとして体験してみよう、という結論に達しました。

また、この体験の先には、以下の目的がありました。

・俳優の方が自身の演技を名刺として渡すことができる、映像データを他者に見せるためのプラットフォームを作ること
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・ただ演技を閲覧できる環境と作るだけではなく、その俳優の方の技量と、映像制作者の方などビジネスとして演技を求めている方とマッチングに役立つ映像制作を行うこと

この目的は、デジタル稽古の実験を体験したからこそ出てきたものだと思います。

コンセプトができるまで

ただし、私たちは優れた映像制作を作り出すことを目的としたチームではありません。コンセプトは俳優の方々の演技のポートフォリオ化、カタログ化を、テクノロジーでサポートすることです。

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俳優の演技を様々な角度から見せる/見られるようにする

そのため作成する映像作品はデジタル稽古のように、その俳優さんの喜怒哀恐の感情を出すストーリーとすること、コンセプトを決めました。

スケジュールができるまで

本来であれば、映像作品が作られる流れは、

・作りたい物語がある
or
・興行的に作る必要がある

のどちらかに大別されるのではないか、と思います。私たちは上述のように全く違うモチベーションから映像作品を作る、という流れになったので、まずは日程調整、スケジュール作成から始めました。

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映像作品制作についてチームで話し始めたのは、おおよそ7月下旬、撮影は9月下旬から10月上旬、ある程度編集したラッシュの完成は11月上旬、最終完成は1月下旬となりました。

台本ができるまで

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何度もお伝えする通り、私たちは工科大学ですので、台本の作り方については基本的な知識を持ち合わせていませんでしたので、コンセプトに従って台本を作成しました。

俳優の方が様々な感情を表現するように、

哀→会社で仕事に追い詰められるシーン
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怒→上司に理不尽な言葉を投げつけられるシーン
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楽→友人から学生時代に行った思い出の場所への旅行に誘われるシーン
旅行を楽しむシーン
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喜→友人に会い、昔の自分を思い出して笑顔を取り戻すシーン
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また、俳優さんは自身の年齢の上下を超えて演じることがあるため、以下の時間軸を用意しました。
現在→会社員
過去→大学生

上記の点を盛り込んだ台本を作成しました。

映像を作るまで

この企画に参加いただける俳優さんにコンセプトをお伝えし、3日に分けて映像撮影をし、編集作業を実施しました。
※こちらに関しては、別の記事で詳細をお届けしたいと思います。

評価するまで

何度も繰り返しますが、本チームの目的は優れた映像作品を作り出すことではなく、俳優の方が自身の演技という名刺を他人に渡せる環境を理解してもらうためのデジタルポートフォリオを作成することです。

この目的と作成した映像制作(デジタルポートフォリオ)の意図が合致しているのか、完成前2019年11月に、シーンごとに分け、台本の意図とシーンの演技から見て取れる感情が一致しているのか、観客としてのアンケート回答者から映像を観た後の主観評価データを収集しました。

こちらが、デジタルポートフォリオチームが実施した内容の一連の流れです。それぞれの項目について詳細記事を作成していく予定です。

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