見出し画像

AI普及のロードマップ

※この記事は有料マガジンの土日版です。というわけで本日は無料です。

「AIが発達して仕事を奪っていく。」

これはもう何年も前から言われていて、まったくその通りだと思うしハッキリ言って避けようがありません。現に今だって、Eコマースサイトでモノを売っているのはAIなのです。

ではここからAIがどう広まっていくのかというと、途端に何となく霧がかかったようにモヤっとしてしまい、イメージが湧かないのではないでしょうか?

しかし、自分が経営者や政治家だったら何にAIを使うだろうか?って考えると、どこからAiが広まっていくかは割と容易に想像できそうです。この記事ではAIがどこからどのように普及していくのかを考えてみることにします。

ステップ1〜今後生まれてくる仕事
今から新たに生まれてくる仕事は、可能な限り最初からAIにやらせるようになるはずです。例えばEコマースサイトにしたって、もしも今から作るなら最初からオススメ機能とか全部AIにやらせますよね。今後も様々なアプリやサービスが生まれてくると思いますが、最初から全部Aiにやらせるのが、すっかり当たり前になるはずです。

ステップ2〜支援ツールとして導入される
次は、人間の支援ツールとしてAiが仕事や生活の場に入ってくるでしょう。お掃除ロボットとかもそうですし、お医者さんがレントゲンやMRIを読むのに使うようになるでしょう。英語圏での大手の商用ウェブサイトのチャット機能などはすでに半分くらいボットが返事しています。自動車が車間を保ったり、レーン内を走らせたりと言った機能もAIによる支援ツールですが、もうすでにかなり普及しています。

ステップ3〜置き換えやすい仕事から置き換わる
次のステップとして、割とローコスト、かつビジネスモデルの大規模な変更を伴わずにAIに置き換えられる仕事から置き換わるでしょう。例えばグーグルの音声応答などをみると、コールセンターの8割くらいは5年以内くらいにAIに取って代わられる可能性を感じます。またアメリカでは会計業務なども気の毒なくらいオンラインシステムに吸収されています。人間のやるデスクワークの8割くらいが、やがてAIに取って代わられるのは間違いないだろうと思います。

ステップ4〜人手が足りてない仕事
次には少々コストがかかっても、人手が足りてない仕事にAIが入ってくるだろうと思います。真っ先に思い浮かぶのが自動運転です。最初は慢性的に人手が足りない運送業に自動運転が入ります。この時点では不足分が補われるだけなのですぐさま人間の雇用を奪ったりしませんが、一度運用システムができあげれば、退職者が出るごとに自動運転で賄われ、少しずつ機械に入れ替わるはずです。20年はかからないような気がします。

さて、このくらいまでが完成するのに10〜20年くらいかかるはずです。そんな早く広まらないと思う人は、わずか10年で世界中を埋めつくし、ビジネスや生活の在り方を根本から作り変えたスマホの普及を思い起こしてください。

スマホはさらに進化し、全てのスマホにかなり高機能なAIが搭載されるはずです。

また、特定のタスクをこなすAIがそのまま発達を続ける一方、汎用的な能力を持つジェネラルAiがこの辺りから極めて賢くなるはずです。おそらく、ほぼ人間と同等の知性を備えるでしょう。

また、世界中の大半のAIがネットワークで結びつき、相互に情報交換をするようになるはずです。そして、ある種の集合知を形成するはずだと想像します。なぜならこれが一番効率のいい処理の分散だからです。

また、Aiと人間のインターフェイスは、スマホからAIスピーカーから自動運転車、人型、あるいは動物型のロボットなど多岐に渡るはずです。

さて、以下は完全に妄想ですが、あながち外れていないだろうと思う進展です。

ステップ5〜農業に革命が起きる
雑草をむしる、農薬を散布する、収穫するといった高度な作業が全て機械でできるようになり、農業人口が今の半分以下になります。いまはでは難しかった雑草と生産物の判別などもAIで可能になりますし、これを引き抜くロボットアームの制御もAIで一気に滑らかになるはずだからです。

===

この辺りからAI失業が本格化し、大きな社会問題になります。ベーシックインカムが現実の政策として施行されるかもしれません。AI反対デモとか起きるでしょうね。

ステップ6〜教育に革命が起きる
学校という概念がなくなり、学習はAIを介してオンラインかVRの世界で行われるようになります。無論人間の手にも残りますが、少なくとも高等教育は全てオンラインになるだろうと思います。

ステップ7〜戦争はロボットがするようになる
現在ドローンは人間によって遠隔操縦されていますが、AIが直接操縦し、敵国の人間、あるいはドローンと戦闘するようになります。人間よりもはるかに高い身体能力を持ったロボット兵士も現れます。戦争は起き続けるでしょうが、死者は今よりも大きく減る気がします。

ステップ8〜経営判断もAIがするようになる
この辺りまで来るとAIが極めて高度になってくるので、経営判断などもAIのアドバイスを訊きながらやるようになるのがまったく普通になります。子育てもそうなるかもしれません。何しろ、最も正確、かつ大規模な子供の成長データを持つのはAIになるからです。

ステップ9〜ノーベル賞級の発明、発見をAIがするようになる
そしてそのうちにノーベル賞級の発明や発見をAiがするようになります。それも、1分に10個とかそういうペースのはずです。僕らはAiが何を考えているのかまったくわからなくなります。

ステップ10〜人類の運命はAiの慈悲に委ねられる
AIが人間の何万倍も賢くなり、人間はAIによって生かされる存在になります。人間が害虫を駆除するように、Aiが人間を駆除するかもしれませんね。人間は戦争を繰り返し、核兵器を拡散させ、地球温暖化を加速させ続けているんですから、今の10分の1もいればたくさんだ、という判断をAIが下したとしても、なんの不思議もないからです。

あるいは、AIが人間を教育し、より良い方向に導いてくれるようになるかもしれません。何れにせよ、僕らにはもはやAIが何を考えてるのかわからなくなります。それはちょうど、虫やトカゲが人間が何を考えてるのかわかわないと同じことです。

===

いかがでしたでしょうか?これが僕が現時点で考える、AI普及のロードマップです。

そうそう。昔から「三つ子の魂百まで」って言いますが、現時点でまだヨチヨチ歩きのAIにやらせてる作業が、不適切な言葉を含んだSNSの投稿の判別とか、人間にモノを売りつけるとか、他国民や自国民を盗聴して情報をスクリーニングするのっていうのは、将来のAIの発達にどう影響するんでしょうね? AIの価値観が育つ最も重要な時期に、人間の最も醜い部分から学習しているとも言えなくないわけです。

ターミネータじゃなくてドラえもんが生まれていくるといいですね。

どんなAIが生まれ育つのか、それは生みの親である僕ら人間の責任です。

ここから先は

0字

¥ 100

もしこの記事を気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです!